48 / 56
うどんの話
しおりを挟む
今日何食べようかな?
そう思ってから『うどんにしよう』と思うまでにはそれなりに時間がかかる。
うどんを食べるのは大抵ランチ。
夕食はお酒を呑みたいのでうどんを食べることはそんなにない。
外食してしまうとうどんという選択肢は全くと言っていいほどなくなってしまう。
自宅で夕食ということなら〆に食べるという選択肢もあるのだけど、そんなにうまいこと冷蔵庫の中にうどんの麺があるとは限らない。
ランチで食べる時も、外食の時と家で食べる時では選択肢が変わる。
自宅で食べる時にはまずうどんの材料が家にないとダメなのだ。
インスタントの鍋焼きうどんが150円ぐらいで売っていて、それをドラッグストアとかで少し多めに買ってきておいて一人でのランチの時に食べようと思うこともあるのだけど……
『え? ない……』
棚に置いてあったはずの鍋焼きうどんたちはなぜかすべて姿を消している。
おかしいな。あんなに買っておいたはずなのに……。
仕方ないのでボクは他のものを作ってランチを済ます。
鍋焼きうどんが食べたかったなあ……と思いながらだ。
『あのさ、棚においてあった鍋焼きうどん……』
仕事から帰ってきたかみさんに聞くと、無言ではにかんでいる。
いや、そんな可愛くしてもダメだ。
『まさか、全部……』
『ごめん……』
油断も隙もない。
外食で食べる時は、近くにお店があるときだ。
それにしてもよく考えてみると、うどんの名店というのは横浜ではあまり聞いたことがない。
もちろん、うどんで有名な土地に行けば、名店もあるのだろうけど……。
関西にいた頃は美味しい店がいくつかあった。
『うどん屋の娘』という小説の主人公がやっているお店は『明日葉』という名前で、このお店は『相談室の心音さん』にも出てくるのだけど、実はボクが子供の頃に関西に実際にあったお店の名前で、そこのうどんはあり得ないぐらい美味しかったのを覚えている。
そんな思い出とは裏腹に、外食でうどんを食べるとなると横浜では『はなまるうどん』か『丸亀製麺』ぐらいだろうか。
いや……。
普通にこの二つのお店は美味しいと思うから、新規にうどん屋をやるのならこのお店の味を大幅に超えなければならない。
そのハードルの高さを考えると、ボクの周りでうどん屋をあまり見かけないのも分かるような気がする。
さて……外食でうどんを選択して、ボクが必ず食べるうどんは『きつねうどん』である。
正直言えば、なにも入っていない『かけうどん』でも十分なのだけど、どうしてもあの甘いお揚げが食べたいのだ。
そして余計なことに必ずと言っていいほど、3つ以上は天ぷらを頼んでしまう。
お揚げを食べて、うどんを啜る。そして天ぷらにかぶりつく。
これが美味しいのだ。
もうシンプルに美味しい。
寒い日だと余計に美味しいのだけど、別に真夏でも美味しい。
うどんの中で、ボクが一番好きなスタイルである。
好きなスタイルと言ったがもう一つ好きなスタイルと言っていい食べ方がある。
それが焼うどん。
うどんの話をいろいろ読んだが、ボクが読んだものの中には言及されていなかった焼うどん。
なんだか焼きそばの延長だと思われている感があるのかなと思った。
この焼うどん。
実はそんな簡単な話ではないのだ。
焼きそばとは明らかに違う。
焼きうどんは夜に食べるとなんとなく優しい味がするのだ。
まあ……個人の感想だけど。
以前によく通っていた居酒屋で〆に焼うどんが出てきた。
赤提灯のお店で、おばちゃんが一人でやっているお店だったのだけど、このおばちゃんが元は魚屋だったらしく、出してくれる料理が半端じゃなく美味しかったので、つい何度も通ってしまったのだ。
そして酒の〆にいつも作ってくれたのが焼うどん。
ボクが焼うどんが好きなのはこの時の思い出があるからかもしれない。
それにしても焼うどんは美味しい。
今日の酒の〆は焼うどんにしたいものだ。
そう思ってから『うどんにしよう』と思うまでにはそれなりに時間がかかる。
うどんを食べるのは大抵ランチ。
夕食はお酒を呑みたいのでうどんを食べることはそんなにない。
外食してしまうとうどんという選択肢は全くと言っていいほどなくなってしまう。
自宅で夕食ということなら〆に食べるという選択肢もあるのだけど、そんなにうまいこと冷蔵庫の中にうどんの麺があるとは限らない。
ランチで食べる時も、外食の時と家で食べる時では選択肢が変わる。
自宅で食べる時にはまずうどんの材料が家にないとダメなのだ。
インスタントの鍋焼きうどんが150円ぐらいで売っていて、それをドラッグストアとかで少し多めに買ってきておいて一人でのランチの時に食べようと思うこともあるのだけど……
『え? ない……』
棚に置いてあったはずの鍋焼きうどんたちはなぜかすべて姿を消している。
おかしいな。あんなに買っておいたはずなのに……。
仕方ないのでボクは他のものを作ってランチを済ます。
鍋焼きうどんが食べたかったなあ……と思いながらだ。
『あのさ、棚においてあった鍋焼きうどん……』
仕事から帰ってきたかみさんに聞くと、無言ではにかんでいる。
いや、そんな可愛くしてもダメだ。
『まさか、全部……』
『ごめん……』
油断も隙もない。
外食で食べる時は、近くにお店があるときだ。
それにしてもよく考えてみると、うどんの名店というのは横浜ではあまり聞いたことがない。
もちろん、うどんで有名な土地に行けば、名店もあるのだろうけど……。
関西にいた頃は美味しい店がいくつかあった。
『うどん屋の娘』という小説の主人公がやっているお店は『明日葉』という名前で、このお店は『相談室の心音さん』にも出てくるのだけど、実はボクが子供の頃に関西に実際にあったお店の名前で、そこのうどんはあり得ないぐらい美味しかったのを覚えている。
そんな思い出とは裏腹に、外食でうどんを食べるとなると横浜では『はなまるうどん』か『丸亀製麺』ぐらいだろうか。
いや……。
普通にこの二つのお店は美味しいと思うから、新規にうどん屋をやるのならこのお店の味を大幅に超えなければならない。
そのハードルの高さを考えると、ボクの周りでうどん屋をあまり見かけないのも分かるような気がする。
さて……外食でうどんを選択して、ボクが必ず食べるうどんは『きつねうどん』である。
正直言えば、なにも入っていない『かけうどん』でも十分なのだけど、どうしてもあの甘いお揚げが食べたいのだ。
そして余計なことに必ずと言っていいほど、3つ以上は天ぷらを頼んでしまう。
お揚げを食べて、うどんを啜る。そして天ぷらにかぶりつく。
これが美味しいのだ。
もうシンプルに美味しい。
寒い日だと余計に美味しいのだけど、別に真夏でも美味しい。
うどんの中で、ボクが一番好きなスタイルである。
好きなスタイルと言ったがもう一つ好きなスタイルと言っていい食べ方がある。
それが焼うどん。
うどんの話をいろいろ読んだが、ボクが読んだものの中には言及されていなかった焼うどん。
なんだか焼きそばの延長だと思われている感があるのかなと思った。
この焼うどん。
実はそんな簡単な話ではないのだ。
焼きそばとは明らかに違う。
焼きうどんは夜に食べるとなんとなく優しい味がするのだ。
まあ……個人の感想だけど。
以前によく通っていた居酒屋で〆に焼うどんが出てきた。
赤提灯のお店で、おばちゃんが一人でやっているお店だったのだけど、このおばちゃんが元は魚屋だったらしく、出してくれる料理が半端じゃなく美味しかったので、つい何度も通ってしまったのだ。
そして酒の〆にいつも作ってくれたのが焼うどん。
ボクが焼うどんが好きなのはこの時の思い出があるからかもしれない。
それにしても焼うどんは美味しい。
今日の酒の〆は焼うどんにしたいものだ。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる