青く澄み渡っている雲一つない空の下に住んでいるボクたちの何もないような日々

阪上克利

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うなぎ

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 土用の丑の日にはうなぎを食べるという習慣は今でも残っているが、昔は庶民の食べ物であったうなぎも最近では稚魚がとれないとかで高級食材になってしまっている。

 独身時代は自由になるお金が多かったので、食べる機会も多かった。
 まあ、多いと言っても年に4回程度だけど……それでも最近では家計のことも考えなくてはいけなくなったからそんなには食べなくなった。

 土用の丑の日に奮発して、1回食べる程度だろうか。

 しかも独身の頃は外食していたのだけど、最近ではスーパーのうなぎを買ってきて食べている。
 まあ、これがなかなか美味しいから侮れないのだけどそれでもやっぱりお店のうなぎと比べるとスーパーで購入したものは若干泥臭い。

 なんでうなぎの話を始めたかというとここ数日の間に珍しく、2週連続でうなぎを食べる機会があったからだ。

 いやあ……
 やっぱり美味しい。
 何と言うかあの表面はパリッと焼けていて、一口食べるとふっくらした食感と良い感じの油加減、また身の旨味がタレに絡み合ってご飯に合うことこの上ない。

 さすがに松を食べるのは贅沢が過ぎるので、最初は梅を頼んだ。

 実は行ったうなぎ屋さん。
 チェーン店でけっこうリーズナブルなお値段でうな重が食べられるのだ。
 なんと……梅で1600円!!

 ここ最近ではうなぎは2000円を超えるのが常識だとボクは思っていたので、1600円は驚きの安さだった。
 この安さでうなぎが食べられると聞いたので、うなぎを食べる選択をしたのである。
 ご飯を大盛にしても1700円。

 いやあ……こうやって書いていても幸せな気分だ。

 痛風?
 考えないことにしている。

『いいなあ、自分ばっかり』
『そうだよ。ずるいよ』

 このうなぎ屋に行ったのは友人とだったのだけど、うっかり口を滑らせて、うなぎを食べたことを家族に言ったら、ボクに似てうなぎが好きな息子と、最近はなぜかボクに似て丸っこくなってきたかみさんが口をそろえてそんなことを言ってきたものだから、2週連続でうなぎを食べる羽目になった。

 2週連続で食べても美味しいものは美味しい。
 まあ、財布は痛いけど……。

 ある意味、幸せってお金で買えるんだなあと思った出来事だった。
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