夢結び

石蕗

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13.5 夢の跡

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13.5

桃源郷のように美しく、散りゆく花のように儚い。そんな夢を見た。

酷く頭が痛い。寝起きの目を擦りながら思考を巡らせる。

脳裏に浮かぶのは、淡く輝く提灯と道行く人々。

立ち並ぶ屋台。祭囃子の音色。そして――

「うぅ…………っはぁー」

大きく伸びをし、肺が空っぽになるまで息を吐き出す。

窓の外。ビル群の隙間からは、太陽の光が差し込んでいる。

すっかり冷めてしまった珈琲を横目に呟いた。

「僕はいつ、忘れてしまったのだろうか……」


目を瞑る。

辺りが静寂に包まれる。

身を委ねて、流されるがままに。

もう一度記憶の海を漂う。

さあ、夢の跡を辿る旅へ出かけよう。

―――つまり二度寝だ。
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