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第1章
1-7.冒険者ギルド
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フェンリルの処理が終わると、三人はケーヤク山を下山した。
そしてハルナの街にあるギルドの報告をするというリードに、シリウスたちは次の目的地でもあるハルナの街まで同行することにした。途中で出会すウルフやスライムといった魔物を討伐しながらの旅路。
シリウスならば魔物避けの魔法を使えるのだが、リードの要望で使っていない。彼曰く、魔物を倒しながら次の街へと向かうのは冒険者の基本らしい。
非効率的だと思いつつも、シリウスはリードの要望通り魔物避けの魔法を使わないでいた。
そうして現在、シリウスたちは目指していたハルナの街へと到着した。ブロガンより大きなその街の道は舗装され、レンガで出来た家並みはどことなく裕福そうなイメージを与える。
街の中心部に聳えるギルドは、他の建物より大きく広い建物だった。
「ここが冒険者ギルド……」
「おう! ようこそ冒険者ギルドへ!!」
「リードがギルドマスターではないのに、なんだか得意気だね」
「うっせ。ひとまず中に入ろうぜ。気になるなら紹介してやってもいいしな!」
「遠慮しておくよ」
張り切って行くリードに、シリウスはニッコリと笑いながらその提案を断った。
冒険者ギルドに興味がないわけではないのだが、冒険者になろうとは思っていないのだった。単純に行ったところにない場所に行きたいという好奇心のなのである。
リードを先頭にギルド内へと足を踏み入れたシリウスたち。ウィズ周囲を警戒しているものの、その表情は何も反応を示していない。一方で、シリウスは興味深そうにギルド内を見回していた。
外観から三階建てなのは理解していたが、ギルドの中に入るとそれ以上の空間のように感じる。中央にある大きなテーブルや数人で座れるテーブルがちらほらと並び、ギルドのメンバーらしき者たちがそこでワイワイと飲み物や食事をしていた。
そして、天井は視界を遮るものがないほど三階上まで吹き抜けになっているせいか、三階建てだというイメージが吹き飛んでしまう。
テーブルの脇を進み、受付らしいカウンターへと辿り着くと、リードはそこの女性と一言二言言葉を交わした。
すると、その女性はもう一人の女性へ事情を説明したらしく、その彼女がカウンターから出てきた。
「リード様、お待たせいたしました。ギルドマスターのもとへとお連れしますのでついて来てください」
「あぁ、頼む」
女性に連れられ、壁際にあった階段を登って行く。三階まで登ると、大きな扉がその前に広がった。
仰々しいその扉を開けると、簡素なテーブルと椅子があり、その奥には少し豪華な机があった。そして、その机の上に置いてある沢山の書類を睨めっこをしている真紅の髪をした女性が一人。
部屋へと入ってきたシリウスたちに気づき、彼女は書類から目を離した。
「お帰り、リード」
「ただいま戻りました、ギルドマスター」
リードにしては珍しい敬語に、シリウスはギョッと驚いた。しかし、いつもなら突っ込んでくるリードだが、今回ばかりは何に言ってこない。
リードは小袋に入れていたフェンリルの討伐部位をギルドマスターと呼ばれた女性へと渡した。
それを見たギルドマスターは、今度は視線だけをシリウスたちへと向ける。
「それでリード、この者たちは?」
「フェンリル討伐に力を借りたんだ」
「こんな子どもに?」
「いや単なる子供じゃねーぜ。マスター、シリウスはな魔法使いなんだ」
「なに?」
リードから魔法使いと聞いてギルドマスターは眉間の皺を更に深く刻んだ。まるで睨んでいるような視線に、シリウスを守るようにウィズが立ち塞がった。
「あまりにも不躾ではありませんか?」
「お前は?」
「私はウィズ。シリウス様の友人です」
「”様”、ねぇ……それは悪かったね。こんな子どもに力を借りたってのが不思議だったんでね。それにしても魔法使い、か。ウィズ、といったかな。お前も魔法使いなのかい?」
「いいえ、私は魔法は使えません。それに、今回の討伐には手を出しておりません」
「あぁ。フェンリルの討伐には俺とシリウスで討伐した。とはいえ、こいつも中々強いと思ってるぜ、俺は」
「そうだな。一階にいる連中じゃ、お前たちには敵わないだろうな」
ギルドマスターの言葉に、シリウスは目を丸くして驚いた。シリウスもウィズも、気配は極力消しているつもりだった。
側から見れば普通の少年と青年に見える程度に調節しているのだ。
「私は鑑定眼というものを持っている。気配を消そうが隠蔽していようが、この眼があればどんな情報も筒抜けさ」
驚いているシリウスに、ギルドマスターは自慢気にそう言ってきた。
鑑定眼とはスキルである。魔法使いは持って生まれた資質によるが、スキルは人間が修練などを経て会得できる技術だ。
そのため冒険者の多くはスキルを持っている者が多いと、書物に書いてあったのをシリウスは思い出していた。
「スキル……そういえばリードも持ってるの?」
「おう、俺のは剛腕。大抵の武器なら使うこともできるし、重い物も持ち上げられる。ま、簡単に言えば馬鹿力だな」
「それでその大剣を使えていたってことか」
「あぁ。こいつぁ特注品でな。昔、竜の硬い首も切り落とした名剣だ。俺の相棒なんだよ」
「竜の首を落とせる剣、か」
リードの背にある大剣をチラリと視線を移すシリウス。フェンリルの牙や爪でも傷が一つも出来なかった様を思い出し、その剣の素材に興味を持つ。
しかし、質問しようと口を開いたシリウスはギルドマスターの声によって遮られた。
「それより、この子たちを紹介してどうしようって言うんだ? 冒険者になりたいのか?」
「いえ、僕たちは冒険者になりたくて来たわけではありません」
「ほう?」
「リードが冒険者ギルドを見せてくれるというので付いて来ただけです」
「そうだったか。昨今、ギルドに所属する魔法使いは減っているから、お前のように力ある魔法使いが入ってくれれば助かるのだがな」
「ここにも魔法使いがいるんですか?」
「あぁ、居るともさ。なんだ、魔法使い仲間は初めてなのか?」
「い、いえ。そんなことはありません。ただ、魔法使いは自分の集落から出ることがあまりないので驚いただけです」
「そうか。でも、お前もその集落から出てきたんだろう? 魔法使いがどうとかは関係ないさ。自分の居たい場所に、人は最終的に落ち着くのだから」
ギルドマスターに言われ、シリウスは少し考える素振りを見せてから頷いた。
そうして一通り討伐の報告が済み、シリウスとウィズは昼の刻限となったのを機に、冒険者ギルドから出て行った。
その様子を、ギルドマスターは窓から見守っていく。
「魔法使いの少年、か」
「マスター、どうかしたのか?」
「いや。珍しい者を見たと思ってな」
「鑑定眼で何と出たんだ?」
「……なるほど。あいつらを私にわざわざ会わせたのはこの鑑定眼で調べさせるつもりだったのか」
「すみません。どうにも二人が気になったんで」
「魔力量、そして基礎ステータス。面白いものを見れた。あと、もう一人の……ウィズといったか」
「あぁ」
「あれは人外だ」
「人間じゃねぇのか?」
「そうだ。詳しくは出て来なかったがな。どちらにしても面白く、そして恐ろしいほどの力を持っている。リード、あいつらの危険性はないんだな?」
「あぁ。俺も詳しくは教えてくれなかったけど、物騒なことを考えてはいないみてーだよ」
「そうか。まぁ、お前も随分と暇そうだし、あいつらの監視を頼めるか?」
「理由は?」
「力の使い方を知っているなら由、知らないならきちんと使い方を教えてやらないといけないだろ?」
「素直に心配だからって言えばいいじゃねーか」
「うるさいぞ。あぁ、それとハウルを連れていけ」
ギルドマスターからそう指示され、リードはウゲッと舌を突き出した。
苦物を噛み潰したようにしかめっ面をするリードに、ギルドマスターはその頭を軽く叩く。
「いてぇ!」
「うるさいぞ。ハウルも仲間だろう。そんな顔するな」
「へーへー。あんな魔法使いより、シリウスたちのほうがよっぽど可愛げがあるってもんだ」
「もう一発、いっとくか?」
「うげ……早速行ってくるから勘弁してくれよ、マスター」
ギルドマスターに二発目を喰らう前に、リードはそそくさとギルドマスターの部屋から退散した。
騒がしい人物がいなくなった部屋は、寂しいほどシンっと静まり返っている。
「まさか、こんなところで再開するとはな……レグルス、スピカ」
椅子へと腰を下ろし、ギルドマスターは机の引き出しから一枚の絵を取り出した。そこきは若い頃のギルドマスターと、他四人の人物が描かれている。
「お前たちの息子は、お前たち以上の力をつけているようだ」
そう呟くと、眉間に刻まれた皺をより深く刻み、彼女はじんわりと瞳を潤ませた。
過去へと想いを馳せる彼女だったが、軽く頭を振ってその絵を引き出しへと戻す。
そうして窓から差し込む空を見上げ、彼女はシリウスたちの今後を思い遣るのだった。
そしてハルナの街にあるギルドの報告をするというリードに、シリウスたちは次の目的地でもあるハルナの街まで同行することにした。途中で出会すウルフやスライムといった魔物を討伐しながらの旅路。
シリウスならば魔物避けの魔法を使えるのだが、リードの要望で使っていない。彼曰く、魔物を倒しながら次の街へと向かうのは冒険者の基本らしい。
非効率的だと思いつつも、シリウスはリードの要望通り魔物避けの魔法を使わないでいた。
そうして現在、シリウスたちは目指していたハルナの街へと到着した。ブロガンより大きなその街の道は舗装され、レンガで出来た家並みはどことなく裕福そうなイメージを与える。
街の中心部に聳えるギルドは、他の建物より大きく広い建物だった。
「ここが冒険者ギルド……」
「おう! ようこそ冒険者ギルドへ!!」
「リードがギルドマスターではないのに、なんだか得意気だね」
「うっせ。ひとまず中に入ろうぜ。気になるなら紹介してやってもいいしな!」
「遠慮しておくよ」
張り切って行くリードに、シリウスはニッコリと笑いながらその提案を断った。
冒険者ギルドに興味がないわけではないのだが、冒険者になろうとは思っていないのだった。単純に行ったところにない場所に行きたいという好奇心のなのである。
リードを先頭にギルド内へと足を踏み入れたシリウスたち。ウィズ周囲を警戒しているものの、その表情は何も反応を示していない。一方で、シリウスは興味深そうにギルド内を見回していた。
外観から三階建てなのは理解していたが、ギルドの中に入るとそれ以上の空間のように感じる。中央にある大きなテーブルや数人で座れるテーブルがちらほらと並び、ギルドのメンバーらしき者たちがそこでワイワイと飲み物や食事をしていた。
そして、天井は視界を遮るものがないほど三階上まで吹き抜けになっているせいか、三階建てだというイメージが吹き飛んでしまう。
テーブルの脇を進み、受付らしいカウンターへと辿り着くと、リードはそこの女性と一言二言言葉を交わした。
すると、その女性はもう一人の女性へ事情を説明したらしく、その彼女がカウンターから出てきた。
「リード様、お待たせいたしました。ギルドマスターのもとへとお連れしますのでついて来てください」
「あぁ、頼む」
女性に連れられ、壁際にあった階段を登って行く。三階まで登ると、大きな扉がその前に広がった。
仰々しいその扉を開けると、簡素なテーブルと椅子があり、その奥には少し豪華な机があった。そして、その机の上に置いてある沢山の書類を睨めっこをしている真紅の髪をした女性が一人。
部屋へと入ってきたシリウスたちに気づき、彼女は書類から目を離した。
「お帰り、リード」
「ただいま戻りました、ギルドマスター」
リードにしては珍しい敬語に、シリウスはギョッと驚いた。しかし、いつもなら突っ込んでくるリードだが、今回ばかりは何に言ってこない。
リードは小袋に入れていたフェンリルの討伐部位をギルドマスターと呼ばれた女性へと渡した。
それを見たギルドマスターは、今度は視線だけをシリウスたちへと向ける。
「それでリード、この者たちは?」
「フェンリル討伐に力を借りたんだ」
「こんな子どもに?」
「いや単なる子供じゃねーぜ。マスター、シリウスはな魔法使いなんだ」
「なに?」
リードから魔法使いと聞いてギルドマスターは眉間の皺を更に深く刻んだ。まるで睨んでいるような視線に、シリウスを守るようにウィズが立ち塞がった。
「あまりにも不躾ではありませんか?」
「お前は?」
「私はウィズ。シリウス様の友人です」
「”様”、ねぇ……それは悪かったね。こんな子どもに力を借りたってのが不思議だったんでね。それにしても魔法使い、か。ウィズ、といったかな。お前も魔法使いなのかい?」
「いいえ、私は魔法は使えません。それに、今回の討伐には手を出しておりません」
「あぁ。フェンリルの討伐には俺とシリウスで討伐した。とはいえ、こいつも中々強いと思ってるぜ、俺は」
「そうだな。一階にいる連中じゃ、お前たちには敵わないだろうな」
ギルドマスターの言葉に、シリウスは目を丸くして驚いた。シリウスもウィズも、気配は極力消しているつもりだった。
側から見れば普通の少年と青年に見える程度に調節しているのだ。
「私は鑑定眼というものを持っている。気配を消そうが隠蔽していようが、この眼があればどんな情報も筒抜けさ」
驚いているシリウスに、ギルドマスターは自慢気にそう言ってきた。
鑑定眼とはスキルである。魔法使いは持って生まれた資質によるが、スキルは人間が修練などを経て会得できる技術だ。
そのため冒険者の多くはスキルを持っている者が多いと、書物に書いてあったのをシリウスは思い出していた。
「スキル……そういえばリードも持ってるの?」
「おう、俺のは剛腕。大抵の武器なら使うこともできるし、重い物も持ち上げられる。ま、簡単に言えば馬鹿力だな」
「それでその大剣を使えていたってことか」
「あぁ。こいつぁ特注品でな。昔、竜の硬い首も切り落とした名剣だ。俺の相棒なんだよ」
「竜の首を落とせる剣、か」
リードの背にある大剣をチラリと視線を移すシリウス。フェンリルの牙や爪でも傷が一つも出来なかった様を思い出し、その剣の素材に興味を持つ。
しかし、質問しようと口を開いたシリウスはギルドマスターの声によって遮られた。
「それより、この子たちを紹介してどうしようって言うんだ? 冒険者になりたいのか?」
「いえ、僕たちは冒険者になりたくて来たわけではありません」
「ほう?」
「リードが冒険者ギルドを見せてくれるというので付いて来ただけです」
「そうだったか。昨今、ギルドに所属する魔法使いは減っているから、お前のように力ある魔法使いが入ってくれれば助かるのだがな」
「ここにも魔法使いがいるんですか?」
「あぁ、居るともさ。なんだ、魔法使い仲間は初めてなのか?」
「い、いえ。そんなことはありません。ただ、魔法使いは自分の集落から出ることがあまりないので驚いただけです」
「そうか。でも、お前もその集落から出てきたんだろう? 魔法使いがどうとかは関係ないさ。自分の居たい場所に、人は最終的に落ち着くのだから」
ギルドマスターに言われ、シリウスは少し考える素振りを見せてから頷いた。
そうして一通り討伐の報告が済み、シリウスとウィズは昼の刻限となったのを機に、冒険者ギルドから出て行った。
その様子を、ギルドマスターは窓から見守っていく。
「魔法使いの少年、か」
「マスター、どうかしたのか?」
「いや。珍しい者を見たと思ってな」
「鑑定眼で何と出たんだ?」
「……なるほど。あいつらを私にわざわざ会わせたのはこの鑑定眼で調べさせるつもりだったのか」
「すみません。どうにも二人が気になったんで」
「魔力量、そして基礎ステータス。面白いものを見れた。あと、もう一人の……ウィズといったか」
「あぁ」
「あれは人外だ」
「人間じゃねぇのか?」
「そうだ。詳しくは出て来なかったがな。どちらにしても面白く、そして恐ろしいほどの力を持っている。リード、あいつらの危険性はないんだな?」
「あぁ。俺も詳しくは教えてくれなかったけど、物騒なことを考えてはいないみてーだよ」
「そうか。まぁ、お前も随分と暇そうだし、あいつらの監視を頼めるか?」
「理由は?」
「力の使い方を知っているなら由、知らないならきちんと使い方を教えてやらないといけないだろ?」
「素直に心配だからって言えばいいじゃねーか」
「うるさいぞ。あぁ、それとハウルを連れていけ」
ギルドマスターからそう指示され、リードはウゲッと舌を突き出した。
苦物を噛み潰したようにしかめっ面をするリードに、ギルドマスターはその頭を軽く叩く。
「いてぇ!」
「うるさいぞ。ハウルも仲間だろう。そんな顔するな」
「へーへー。あんな魔法使いより、シリウスたちのほうがよっぽど可愛げがあるってもんだ」
「もう一発、いっとくか?」
「うげ……早速行ってくるから勘弁してくれよ、マスター」
ギルドマスターに二発目を喰らう前に、リードはそそくさとギルドマスターの部屋から退散した。
騒がしい人物がいなくなった部屋は、寂しいほどシンっと静まり返っている。
「まさか、こんなところで再開するとはな……レグルス、スピカ」
椅子へと腰を下ろし、ギルドマスターは机の引き出しから一枚の絵を取り出した。そこきは若い頃のギルドマスターと、他四人の人物が描かれている。
「お前たちの息子は、お前たち以上の力をつけているようだ」
そう呟くと、眉間に刻まれた皺をより深く刻み、彼女はじんわりと瞳を潤ませた。
過去へと想いを馳せる彼女だったが、軽く頭を振ってその絵を引き出しへと戻す。
そうして窓から差し込む空を見上げ、彼女はシリウスたちの今後を思い遣るのだった。
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