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48.先輩には言えない本音(side修平)
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「お、本当に来た~!!」
「やべ、お友達、デカ!!」
「お待たせしました、保先輩」
野次馬は無視して、目敏く見つけた保先輩のところに真っ直ぐ向かう。
保先輩の肩に腕を回している男のバイト仲間と、腕に手を絡めてる女のバイト仲間がいて、そいつらは俺が近付いても先輩から離れようとしなかった。
「わざわざごめん、修平。だからほら、友達待たせてるから今日は無理って言っただろ?」
保先輩は、苦笑しながら前半を俺に、後半をバイト仲間達に向かって言う。
男の方は「ああ、信じなくて悪かったな。だってほら、保来ると女子の参加率すげー変わるからさぁ」と笑って言い、女の方は「えー、じゃあ、お友達も一緒にカラオケ行こーよぉ」と胸を保先輩の腕に押し付けて言った。
先輩を呼び捨てにした男への嫉妬と、先輩狙いの女へのライバル心が同時に湧く。
「いや、えっと……」
俺も一緒に、と言われて目が泳ぐ先輩。
上手い言い訳が浮かばないのだろう。
対局中も、想定外の駒を動かされると、焦って次の上手い一手が思い浮かばない、と言っていた。
まぁ、そんな保先輩だから、俺の自慰現場を見たところから、あれよあれよと尻掘られるところまで行ってしまったのだが。
自分をラッキーだとしか思っていなかったけど、他の奴らとのこうしたやり取りを見ると、正直不安になる。
「すみません、今日は勘弁して下さい」
俺が保先輩の腕を優しく引けば、保先輩は自分から俺の方へ飛び込んで来てくれた。
本当はこのまま抱き締めたい。けど、そんなことをしたら大変なのは保先輩だから、自重する。
「相談事を聞いて貰う約束しているので」
二人は少しぽかんとしたが、直ぐに「そっか、それは悪かったな!」「もー、次は絶対だよ?」と笑って解放してくれた。
保先輩は困ったように曖昧に笑ってバイト仲間に手を振り、その場を去ろうとしたのだが。
「あれ?保、行かないことにしたのか?」
「あー、保行かないなら俺もやめよっかなぁ~」
と、一見格好良くは見えるが、やたら軽そうな見た目の男が二人、声を掛けて来た。
保先輩は「すみません、また」と笑って言うが、二人は俺を見ながらヒソヒソ何やら耳打ちしている。
「おう。じゃあまた、次は来いよ!」
何だ?と思う前に、もしくは本人達に問いただす前に、その二人は手を振り去っていく。
──あまり、好きになれないな。
先程保先輩に絡んでいた男女より、その男達の、俺達を見る、蛇というか、ねっとり絡みつくような視線の方がずっと気になった。
その場を二人で離れ、駅に向かう。
横に並んで歩いていた保先輩が、俺を見上げて言った。
「本当にごめんな。俺が強く言えなくて」
「全く問題ないですよ。それに、先輩のせいではありません」
恐らく、保先輩は俺に電話をする前に何度も断った筈だ。
それでも収拾がつかずに俺に助けを求めたのだから、悪いのは保先輩じゃなくて、悪ノリしていた他のバイト仲間だろう。
「でも、来てくれて助かったよ、ありがとう。それにしても、お腹空いたねー。これから何食べる?」
保先輩は、バイト仲間の悪ノリに全く頓着せず、夕飯に思考を切り替え、ワクワクとした表情で聞いてきた。
可愛い。
「いくつか候補があるので、保先輩、選んで下さい」
正直、俺が一番食べたいのは貴方です。
「やべ、お友達、デカ!!」
「お待たせしました、保先輩」
野次馬は無視して、目敏く見つけた保先輩のところに真っ直ぐ向かう。
保先輩の肩に腕を回している男のバイト仲間と、腕に手を絡めてる女のバイト仲間がいて、そいつらは俺が近付いても先輩から離れようとしなかった。
「わざわざごめん、修平。だからほら、友達待たせてるから今日は無理って言っただろ?」
保先輩は、苦笑しながら前半を俺に、後半をバイト仲間達に向かって言う。
男の方は「ああ、信じなくて悪かったな。だってほら、保来ると女子の参加率すげー変わるからさぁ」と笑って言い、女の方は「えー、じゃあ、お友達も一緒にカラオケ行こーよぉ」と胸を保先輩の腕に押し付けて言った。
先輩を呼び捨てにした男への嫉妬と、先輩狙いの女へのライバル心が同時に湧く。
「いや、えっと……」
俺も一緒に、と言われて目が泳ぐ先輩。
上手い言い訳が浮かばないのだろう。
対局中も、想定外の駒を動かされると、焦って次の上手い一手が思い浮かばない、と言っていた。
まぁ、そんな保先輩だから、俺の自慰現場を見たところから、あれよあれよと尻掘られるところまで行ってしまったのだが。
自分をラッキーだとしか思っていなかったけど、他の奴らとのこうしたやり取りを見ると、正直不安になる。
「すみません、今日は勘弁して下さい」
俺が保先輩の腕を優しく引けば、保先輩は自分から俺の方へ飛び込んで来てくれた。
本当はこのまま抱き締めたい。けど、そんなことをしたら大変なのは保先輩だから、自重する。
「相談事を聞いて貰う約束しているので」
二人は少しぽかんとしたが、直ぐに「そっか、それは悪かったな!」「もー、次は絶対だよ?」と笑って解放してくれた。
保先輩は困ったように曖昧に笑ってバイト仲間に手を振り、その場を去ろうとしたのだが。
「あれ?保、行かないことにしたのか?」
「あー、保行かないなら俺もやめよっかなぁ~」
と、一見格好良くは見えるが、やたら軽そうな見た目の男が二人、声を掛けて来た。
保先輩は「すみません、また」と笑って言うが、二人は俺を見ながらヒソヒソ何やら耳打ちしている。
「おう。じゃあまた、次は来いよ!」
何だ?と思う前に、もしくは本人達に問いただす前に、その二人は手を振り去っていく。
──あまり、好きになれないな。
先程保先輩に絡んでいた男女より、その男達の、俺達を見る、蛇というか、ねっとり絡みつくような視線の方がずっと気になった。
その場を二人で離れ、駅に向かう。
横に並んで歩いていた保先輩が、俺を見上げて言った。
「本当にごめんな。俺が強く言えなくて」
「全く問題ないですよ。それに、先輩のせいではありません」
恐らく、保先輩は俺に電話をする前に何度も断った筈だ。
それでも収拾がつかずに俺に助けを求めたのだから、悪いのは保先輩じゃなくて、悪ノリしていた他のバイト仲間だろう。
「でも、来てくれて助かったよ、ありがとう。それにしても、お腹空いたねー。これから何食べる?」
保先輩は、バイト仲間の悪ノリに全く頓着せず、夕飯に思考を切り替え、ワクワクとした表情で聞いてきた。
可愛い。
「いくつか候補があるので、保先輩、選んで下さい」
正直、俺が一番食べたいのは貴方です。
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