溺愛カルテット

イセヤ レキ

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よん・カルテット

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昌也とキスしてる。
私は驚きに目を見開いたけど、昌也の鋭い瞳がスッと開いたのを確認して、慌てて目を閉じた。
目を閉じる直前に、見てしまった。
熱に浮かされた様な、蕩ける様な瞳にうつる情欲。

昌也を煽ったのは私なのに、昌也の熱を感じると途端に胸の鼓動が早くなる。
だって、今まで友達だった。
それが、おとこの顔をして私を欲しがっているのが伝わったから。
どうして良いのか、わからない。

昌也が、自分のモノを私の太腿に押し付けてくる。
「煽ったのは、そっちだからな?……覚悟しろよ?」
「……ごめん、降参しても良い?」
「セックスしてからならいいぞ」
昌也は、フローリングに座っていた私の身体をひょいと軽々持ち上げてベッドにぽいっとした。
え、昌也の身長なんて私と大差ないのに。
何でこんなに力があるの?

昌也の筋肉量をすっかり失念していた私は慌ててそこから脱出を試みたけど、、酒が回ってクタクタな女を逃すほど昌也も甘くはなかった。
あっさりベッドに縫い付けられて、目の前には今にも首に食らいつきそうな猛獣が一匹。

「なに今更じたばたしてんの。そーゆーの、無性に犯したくなるから」
昌也がとんでもない事を言ったので、私は力を抜いた。
「ん。ほら、慰めてやるから脱がすぞ」
昌也は私の服をさっさと脱がしていく。
あれ?手際良すぎない?
「……なんか昌也、慣れてる?」
「……まぁ、経験位はある」
「ええ!?彼女いた事ないから童貞なのかと……!!」
「もう良いから、少し黙れ」
そう言いながら、昌也は自分の口で私の口を塞ぐ。

昌也の舌が、咥内に侵入してきて、歯列をなぞった。
かと思えば、顎に沿うように舌先を這わせ、更に舌を絡ませてくる。
……ヤバい、キスだけで気持ち良い。
やっぱり昌也、慣れてる気がする。

互いの唾液を交換するかの様な激しいキスの後、やっと昌也は私の口を解放してくれた。

「瑠衣、すげー綺麗だな」
「なっ………!!」
昌也から、外見に関して可愛いだの綺麗だの今まで一度も言われた事なかったのに、こんな時に珍しい笑みを浮かべてそんな事言うなんて反則だ。
普段言わない分、衝撃がデカい。

「そ、そういうお世辞は良いから早くしよっ!」
「……全くお前は……」
半分呆れながら、昌也は優しく私のショーツを脱がしにかかる。
「……すげー濡れてる」
「そーゆー事言わない」
「嬉しいんだよ」
本当に嬉しそうな表情で、私の足をひょいと持ち上げ、膝が頭の横にくるほど上半身を曲げられた。
アソコが昌也から丸見えだ。
「ちょ……!や、この格好恥ずかしいからっ!!」
ぴちゃ
「ひゃ……っ!!」
ペロペロ、くにゅ、ぴちゃぺちゃ……
「や、汚いからぁっ……!舐めないでぇ!!」
一生懸命足を外そうとしたが、下半身を昌也の身体全体を使ってホールドされて、身動きが出来ない。
昌也の両手はいつの間にかお尻を割り開く様に移動し、しかも片手でヌレヌレの陰核を程よく指で弾いたり揉んだりする。
「ひあああぁ♡」
気持ち良いのと恥ずかしいのと苦しい体勢とで、息があがる。

「すげー溢れてくる。気持ち良いか?」
「だからっ………♡そゆこと、聞かない、でぇっ………!」
「ん。わかった」
そこから昌也は、舌と指の両方で私の膣とクリトリスを弄り倒し、何度も何度も絶頂させた。

な、何が「経験位はある」よ………!!
朦朧とした意識の中で、昌也が離れていこうとしたのを感じ、私は咄嗟に手を伸ばす。
「どした、の……?」
「……ちょっと、ヌいてくる。それだけイけば、お前ももう大丈夫だろ?」
……昌也が何を言っているのかわからない。
けど、昌也の表情は辛そうだった。
「なん、で……?私じゃ、したく、ない……?」
昌也は私が掴んだ手を、そっと離しながら答えた。
「ばーか、逆だ。これ以上進んだら、離したくなくなるから」
「そ、っか………」

え。
けど、私は欲しい。
今すぐ埋めて欲しいんだけど……

「だから、そんな顔すんなって。今、理性総動員させてるんだからさ」
昌也が、スッと立ち上がった。

やだ。
気持ち良いの、続けて欲しい。
「昌也……お願い、頂戴……?」

思わず口から出た言葉に昌也は弾かれた様に驚いた顔をしてこちらを見たが、驚いたのは私だって同じだ。

「ご!ごめん、今のなし!!」
「……お前、なぁ!!あー、もう知らねぇ。無茶苦茶に抱いてやる」
慌てて身体をひっくり返し、昌也の顔を見ない様にしたが、背中をベロンと舐められ、上擦った声をあげてしまう。
「穂希が本当に月と結婚したら、瑠衣も諦めて俺のものになれよ?」
耳許で囁きながら、ぐい、とお尻を割り開きながら親指を膣内にじゅぶ、と入れられた。

入り口付近にも良いトコロがあって、思わず悶える。
「んふぅ………♡」
「……」
それに気付いた昌也は、ぐりぐりと親指を様々な角度に曲げ、円を描くように孔に沿って私のポイントを探り当てた。

ぐちっ!ぐり、ぐちっ、ぐちゅん!!
「あぁん♡は、あぁ………、ん♡」
しばらくソコを弄ばれて、再び絶頂が近付いた時。

ちゅぽん、と指を抜かれる。

「ぁ………やぁ、昌也ぁ………」
思わず恨めしそうに後ろを見れば、ギンギンと熱り立ったペニスが私のアソコに押し当てられているのが視界に入ってきて。
「……いくぞ」
今までの彼氏とは比較にならない程の質量を持った杭が、やはり同じく今までとは比較にならない程の快感を伴って私の膣に打ち込まれた。



♪♪♪♪♪♪



私が、穂希君にプロポーズ?されてから半年後。
何故か今、私はバージンロードとやらを歩いている。

両親は一人娘の結婚に大賛成で、入籍自体は穂希君の1ヶ月後にある私の誕生日に済んでいる。
私の誕生日に穂希君を紹介したら、「こんな良い旦那を逃しちゃいかん、今すぐに入籍しろ」と冗談半分に言われ、「婚姻届ならここに」と穂希君が婚姻届を見せるものだから、そのまま市役所に連れていかれたの。
結婚はタイミングと言うけれど、付き合って?1ヶ月後に入籍とかまさか私がするとは思わないって。



私が泥酔の末に穂希君と関係を持ってしまい、しかも穂希君は「半ばレイプだから、ご両親にも謝罪する」と言われ、それだけは避けたくて何だかんだと話していたら、「じゃあお付き合いすれば問題ないよね」って事になってた。
穂希君が、「お付き合いするならもっと会いたい」と言うから「何時でも良いよ」とつい答えてしまい、気付けば穂希君は私の狭いワンルームから出勤する様になって。
「これじゃあ殆ど同棲だから、ご両親にご挨拶に行きたい」と言うから「じゃあ今度の休みに行こうか」と言っていたタイミングがたまたま誕生日だった訳で。

昌也君が大好きだった筈の私は自分でも良くわからないまま、流されて流されてこのチャペルに立っている感が否めない。


ゲストに目を向ければ、私が大好きだった昌也君は、瑠衣ちゃんの横で幸せそうに拍手してくれている。
普段は無表情で厳つい顔が、瑠衣ちゃんがいるだけで優しくなるから瑠衣ちゃん効果凄い。
そんな瑠衣ちゃん、泣きすぎて化粧が落ちて、普段より可愛い印象。
化粧が落ちても可愛いとか、本当に羨ましいと思う。


右横を見れば、旦那様になった穂希君が、昔と変わらず真っ直ぐに私を見て、微笑んでくれる。
恥ずかしくて思わず視線をそらしてしまうのは変わらないけど、昔と違って何度も穂希君を見ようとチャレンジしてるんだよ。

勇気を出して穂希君を見れば、「あんな風に愛されたいなぁ」と思っていた様に、自分が愛されているのを実感する。

昌也君の様に淡い恋心ではなく、穂希君にはもっとハッキリとした気持ちが返せそうだなという予感はしていて。

私は、昌也君への失恋という傷心と。
穂希君への日々沸き上がる愛情を胸に抱いて、涙を流しながら歩を進めた。



♪♪♪♪♪♪



「……穂希からだ。月と付き合う事になったって」
翌翌朝・・・
昌也の絶倫っぷりに散々啼かされて声が渇れた私に、スマホを見た昌也がそう言ってきた。

……そう言えば、穂希の誕生日は昨日だった……。
酔いに任せて昌也と関係した次の日、私が仕事を休みにしている事を知っていた昌也は自分も会社を休んで私をベッドから出さなかった。
抱き潰される、ってこーゆー事なんだぁ、とぼーっとした頭で思った記憶がある。

お陰で、今穂希が月と二人きりで会ってる、とかこれっぽっちも思い悩まなかった。
多分、半分は昌也の優しさ。もう半分は、確実に昌也の性欲。
ご飯食べずにずっと貪られていました。
二泊三日で、軽く絶食&全身運動ダイエットをした気分だわ。


昌也は私を抱きながら、何度も何度も「好きだ」とか「愛してる」って言ってくれた。
鈍感な私も、流石に昌也から好意を持たれていた事に気付いたよ。


迷惑か、と聞かれれば、むしろ嬉しい。
昌也は凄く良い人だから、そんな良い人に好かれた自分が誇らしくなる。
けど困るか、と聞かれれば、確かに困る。
今まで友達だった。けど、身体を繋げてしまえば、その相性は抜群で。正直、嵌まりそう。
昌也がセフレとかは有り得ないし、もしそんな扱いをする女がいたらシバく位に私は昌也が他意なく好きだ。

じゃあどうしたら良いの?
穂希にフラれたからって、身体の相性が良かった昌也を彼氏にしたいとかおかしくない?


「大丈夫か?」
「ん?」
うーん、うーんと私が悩んでいると、昌也が「やっぱり伝えない方が良かったか?」と見当違いな事で心配してきた。
「うん、大丈夫。……昌也のお陰。ありがとね?」
私が素直にお礼を言えば、昌也は「おう、感謝しとけ」とわざと横柄に言った。
怖い顔面に似合い過ぎてて、思わず笑う。

そんな私を見て、本当に大丈夫だとわかってくれたみたい。
「……ゆっくりで、いいからさ」
「ん?」
「穂希にしっかり失恋したら、俺の事も考えとけ」
「考えるだけでいいの?」
「お前なあっ………!!」
「しっかり失恋してからじゃないと、駄目?」
「……瑠衣……」
「ごめん、だって凄く昌也の事、気になってるんだもん」
「……」
「昌也が今まで私を見てくれた分、私もしっかり昌也を見たいよ?」
「さんきゅ」

野獣が馴らされた飼い犬みたいに笑い、それを可愛いと思う私は何かの魔法でもかけられてしまったんじゃないかな?

「今日は土日。さ、もっと気になって貰うとするか」
「げ!バカっ!!いい加減お腹空いたよ!!」
「お。じゃあ、俺の自炊の能力でも拝んでくか?」
「あははは、昌也、食べられるもの作れるの?」
何時も、料理でもお菓子でも、4人の中で何か作るというのは私の役割だった。
「男飯なら作れる。兄貴が全く家事が出来ないのに独り暮らししてて、俺がたまに見に行ってはそのジャングルを片付けたり飯作ってやったりしてるんだからな。瑠衣びっくりするぞ?」
アハハ、と笑いながら昌也の料理の腕前を見せて貰った。


こういうのも良いな、と思ってしまう。
私は今、昌也のシャツを羽織ってて。
あまり身長が違わないから、ダボダボした所謂彼T状態には程遠くて。
片膝に頭置いて椅子から眺めてれば、
「やべ、瑠衣のアソコがガッツリ見えて、元気になった」
とか朝から下ネタ言われて。

純粋に、楽しいと思う。

幼なじみ4人で遊ぶのも、勿論楽しくて心地良かった。
けど、昌也と友達として2人でいた時には感じなかった、充足感がここにはある。

だから。
だから、ね?



「全く……今日1日で、すげー見苦しい顔になったな」
「昌也よりはマシでしょ」
「ひでぇ」
穂希と月の結婚式、披露宴、二次会、に出席して。
当たり前の様に昌也のアパートに2人で戻ってくる。

昌也は冷蔵庫でごそごそ漁ると、綺麗なタオルにアイスノンを包んで渡してくれた。
「ほら、冷やしとけ。明日子供達に、お岩さんとか呼ばれないようにな」
「ありがと」

昌也が心配してくれているのが良くわかる。
けどね。
「昌也、今日、穂希にしっかり失恋したよ?」
「え?」
「前に昌也、言ってたでしょ?穂希にしっかり失恋してから、俺の事も考えとけって」
「ああ……言った、かな」
昌也の顔が怖くなる。緊張しないでも大丈夫だって。

冷蔵庫の方を向いた昌也を、後ろから抱き締めた。
「瑠衣……」
「もうとっくに、昌也の事考えてるけどね」
「それって……」
昌也は私の腕を優しくほどき、向かい合った。
私の背中にも、昌也の腕が回される。
「昌也、私に言う事ない?」
「言う事……?」
「私にして欲しい事!」
「結婚?」
いや、そこまでとばないで昌也!
「その前、その前」
「あ……彼女?」
「そうそう、それ!」
「うーあー……柄じゃねーのになぁ……」
「柄じゃなくても良いからさ!乙女はそういうのにキュンとするの」
「………あー……くそ、んな顔で見るなって……」
きっと私の顔は、期待に満ちているんだろう。

昌也が私の両頬をその手で包んだかと思えば、おもむろにキスされた。

「ん…♡ふ、はぁ……♡」
駄目。キスだけで、あの二泊三日を思い出して腰が砕けそう。
昌也は、眼を閉じた私の瞼にちゅ、と触れるだけのキスを落として、耳許で囁いた。

「瑠衣……好きだ。俺と付き合って」

昌也の顔は赤くなっているんだろう。
触れた頬が、熱くなってる。

「うん、勿論。私も、昌也が好きだよ……」

そのまま昌也に押し倒され、甘い甘い時間を過ごした私達。
結婚式を挙げたのは、その半年後。



♪♪♪♪♪♪



幼なじみ4人組でのバーベキュー。
瑠衣ちゃんと私が料理を担当し、穂希君と昌也君はテントを張っていた。

「瑠衣ちゃん、私、赤ちゃん出来たの」
「ええ!!おめでとう!!じゃあ、私の子供と同じ学年か……少し遅れれば、ひとつ下の学年位?」
「うん、予定日は3月末なんだけど」
「嬉しい~!病院は決めた?」
「お母さんが、実家に近いところはどうかって」
「そっか。お互い、元気な赤ちゃん産もうね」
「うん、ありがとう」

幼なじみ4人組に、プラスお腹の赤ちゃん2人。
4人組に、新たなメンバーを迎えるのは近い未来の事。
家族になっても、仲睦まじく。
4人の明るい声が、響き渡っていた━━━
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