氷獄の中の狂愛─弟の執愛に囚われた姉─

イセヤ レキ

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書斎で仕事を終えた若い領主は、少ない使用人を下げさせて自室へ戻った。
双子は生まれた時から、部屋が一緒だ。
そう、もうすぐで十八歳になろうという、今でも。

寝室の大きなベッドで既に深い眠りについている姉の寝顔をルトガルが覗き込むと、瞼が少し腫れて、綺麗な曲線を描く頬には涙を流した跡が残っている。
破談にさせた弟を責めることはなくても、失恋した悲しみを一人泣いて発散していたのだろう。

「……お姉様」
ルトガルの不在中に、姉宛の手紙を勝手に渡してしまった使用人には、暇を出した。

姉が、求婚に対して快諾の旨を綴った親書を既に送ったと聞いた時の衝撃。
あの全身の血が抜かれたような感覚だけはもう味わいたくないと、ルトガルは拳を強く握る。

ルトガルがレナエルの隣にするりとその身を横たえても、そのベッドは軋む音もせずに二人分の体重を易々と受け止めた。

「あんな男のせいで、涙を流すなんて……」
あってはならないと、怒りの炎がチラリとその双眸に揺れる。

ルトガルは、レナエルの頬に手を添え、くい、とその美しい顔を自分の方に向けた。
そして徐ろに、その紅をさしたような紅く艶めいた唇を、自分の唇で塞ぐ。

ルトガルの舌は、レナエルの口内を縦横無尽に這いずり回った。

「……ふ、ぅ……」
ルトガルは薄く瞳を開けて、長い睫毛を伏せたまま紅潮していく愛しい姉の表情の変化を楽しむ。
姉の舌が息苦しさに彷徨い奥に逃げようとするのを、弟は自分の舌を絡めて引き摺り出した。

「お姉様……」
深い口付けを交わしたまま、ルトガルはピンと主張し出した姉の乳首を、薄く透けた生地ごと両手できゅううと優しく潰しながらくりくりと軽く左右に捻る。

「……ん……っ」
普段は、寝ている最中に体温が下がらないよう、身体を温める為の薬を常用しているレナエルは、その薬の効能と副作用で一度寝付けばどんなことをされても起きることはなかった。

──が。
今日は、違った。
息苦しさにか、レナエルの長い睫毛がふるりと震えると、ゆっくりと幕が上がるように徐々に瞼が持ち上げられる。

「……ルト……?」
朱色に輝く宝石を見つめながら、「お誕生日おめでとう、お姉様」とルトガルは妖艶に笑む。
部屋に置かれた置き時計は、0時を回ったところだった。

「ルト、今貴方……ぁんっ」
レナエルは、胸に痺れを感じて喘ぐ。
「え?ルト??」
何だろう、と思って視線を下げれば、ルトガルの綺麗な指が、きゅうきゅうと乳首を押し摘んでは、弄っていた。

レナエルは、ルトが女体に興味を持ち始め、こうして手近なところで触ってみたい欲求を満たしているのだと理解した。

「ルト、やめなさい」
レナエルは、優しく諭す。
「嫌です」
「ルト……?」

悪戯が見つかった子供のように、直ぐに行為を止めるだろうという予想が外れてレナエルは少し動揺した。

「ルト、どうしたの?何かあったの?」
母が恋しくて胸を触ってしまっているのかと思い直したレナエルは、訝しげにルトガルに問う。
「いいえ、誕生日を迎えただけです。それ自体はただ時を刻むだけで何の代わり映えもしないのに、やっと繋がれるかと思うと……最高ですね」

「ルト、何を言って……きゃ……っ」
レナエルは、ゴリゴリとルトガルのペニスを太腿に押し付けられて赤面する。
「ルト、当たって、当たってます……っっ」
「ええ。お姉様に欲情した証拠ですね」
「えっ……」

レナエルは目を見開いた。眠気がすぅっと何処かへ飛んでいく。
覆い被さるルトガルの手を払って身体を捩り、シーツを胸元まで引き上げた。勃ち上がった乳首が擦れて、先程までルトガルに捏ねられていたことを身体に思い知らされる。

「お姉様……レナ、愛しています」
「私だっ……」
私だって愛している、と。普段から言い慣れている言葉が、何故か今は出て来ない。

「やっと、気付きましたか。意識して頂けて嬉しいです」
「あっ……!」
ルトガルは、レナエルの後ろに回り込むと、薄い生地をお尻までスルリと持ち上げ、その閉じた太腿に自分のペニスを後ろからねじ込んだ。
そして、そのままゆるゆると腰を動かす。

「や、やめ……っ、」
にゅる、にゅる、と太腿を出たり入ったりするその感じたことのない初めての感覚にレナエルは驚き、思わず足を広げた。
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