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「神父様……」
アニエスが感謝を述べようとした時。


「それはそうと。……何故、猫の餌皿が教会の正門側の扉の前に置いてあったのか、伺ってもよろしいでしょうか?」
先程までの空気がガラリと変わり、椅子に座ったブノワが両肘をテーブルにつけて指を顔の前で組み、こめかみに怒りを滲ませながらアニエスに聞いた。

「あ……えっと……」
アニエスは目を泳がせる。



猫は毎日決まった時間──教会が閉まる時間に教会入り口を訪れ、餌を催促していくのだ。

自分のせいで神父が出掛け、餌が貰えないという状況になった猫達に申し訳なく思い、つい教会の入り口を少しだけ開けて、その隙間から餌皿を配置したのだが。


扉を開くのは一瞬のことだし、手だけ出す分には問題ないだろうとアニエスが考えてした行動に、しっかりと問題があったらしい。アニエスは項垂れる。



「あの猫達は、いくつも餌場を持っています。この教会が駄目なら、次の餌場に行くだけです」
「す、すみません……」
「貴女は逆に、街の者に見つかれば命の危険さえあるのですよ?本当は、この部屋に籠っていて欲しい位なのに……」

アニエスは、ますます縮んだ。
「申し訳ありません……私が見つかれば、神父様にもご迷惑をお掛けしてしまうのに」
「……」

自分が重ね重ね浅はかだった、と反省するアニエスに、ブノワは「全くわかっていないようですね。仕方がありません、お仕置き致します」と暗雲を背負いながら、笑顔でアニエスに言った。







***







「こちらにお尻を向けて、スカートを捲りなさい」
「……え?」
アニエスは、耳を疑った。まさか、子供のようにお尻を叩かれるなんて、思ってもみなかった。

けれども、注意されたことに二度も従わなかったのは自分だ。

「きちんと反省はして下さい、とお願いしたにも関わらず、アニエスさんの行動はあまりにも軽率ですよ」
「すみません……」


アニエスは立ち上がり、神父に背中を向けたものの、なかなか自分からスカートを捲ることが出来なかった。
「……ぁ……」
躊躇している間に何故か下腹部がぽわ、と温かくなり、膣に蜜が溢れていく。

(こんな、お尻を出せと言われたタイミングで……!)
身体がジリジリと火照り始め、発情し出したことにアニエスは慌てた。

また一方で、なかなかスカートを捲らないアニエスに、ブノワはふぅ、とため息を吐く。

「……アニエスさんのお尻は既に見ています。早く捲りなさい」
「は、はい……」
確かにブノワには、お尻以上の痴態を見せている。

アニエスは、何とか心を決めて、スカートを両手で腰上まで捲り上げた。


「……成る程。アニエスさんのパンツがTバックの紐パンである理由がわかりました。これだと淫魔の尻尾に干渉せずに済むからなのですね」

ブノワが言う通り、どちらかと言えば標準的な街娘の格好をしたアニエスのショーツは、処女が履くとは思えない扇情的なものだった。

正面から見ると三角形をした真っ白のレースが大事なところを隠しているようにも見えるが、ショーツを履いたままでも食事が出来るように布地には切れ目が入っており、お尻に至っては布地はなく、紐だけがクロスしていて、クロスした隙間の中心に尻尾が通っている。


アニエスは、村から出て初めて街の下着屋をのぞいた時、「淫魔用の下着がある!」と喜んだ。そして何着か色違いで購入したものだから、勝負下着を毎日履いていた、なんてことは知るよしもない。


「はい」
アニエスが頷くと、ブノワの人差し指がアニエスのショーツのウエスト部分の紐を引っ掛け、一度伸ばしてから指を離してパチン、と弾いた。
「……っ♡」
痛くはない程の甘美な刺激に、アニエスのお尻がぷるん♡と震える。


「こんなものを毎日履いて、慈善事業の手伝いをしていただなんて……本当に、信じられませんね。では次、お尻を突き出し、椅子に手をつきなさい」
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