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──ああ、まただ。
ここ三か月くらい私を悩ませているのは、毎朝遭遇する痴漢だった。
下手をすれば、帰りの電車でも遭遇する。
相手は同じ人だ。背が凄く高くて、私の身体なんかすっぽり覆い隠してしまう人。
いつも同じコロンの香りを纏っているから、その香りを嗅ぐだけで私の身体は緊張してしまうようにまでなった。
なぜこの痴漢が、私をターゲットにしているのかはわからない。
ただ、確実に言えることは、私は最初の対応を間違えたのだ。
時哉はオンラインゲームにはまっており、私は仕事で忙しくしていたこともあり、三か月前の私達はしばらくずっとレスだった。
女性としての魅力に欠けるのかもしれない、なんて思い始めたそんな時、私の身体に欲情する痴漢に初めて触られた。
その指は驚く程繊細で、優しくて、気持ち良くて、まるで宝物に触れるように扱いながらも情欲を抑えきれないような愛撫で。
最初は恐怖で固まることしか出来ない私だったのに、気付けばその吐息に、熱に、指に身体を火照らされて、最終的に絶頂させられたのだ。
達した私は、次の瞬間には羞恥と自分への不信で頭がいっぱいになり、その痴漢を押し退けて目一杯睨みながら電車を降りた。
大柄なその痴漢は私に押されたからというよりも、私の降車を見越したかのように身体を引く。
目が隠れるくらいの、長い前髪。
右目の少し下に黒子があって、少し薄い唇の口角は軽く上がり、まるで私が達したことを嘲笑っているかのようだった。
どこかで見たことがあるような気もしたけれども、思い出せない。
そして、その日からだ。
毎日同じ痴漢に、身体を弄られるようになったのは。
私は痴漢を利用した。
時哉は一緒にいても、寝るかテレビを見るかスマホを弄ることしかせず、一日の会話もごく僅か。
私を性的に昂らせ、指だけで気持ち良くしてくれるのは痴漢しかいなかった。
まさか、自分にそんな性癖があるとは思わなかった。
何回か身体を押してみたり、少し移動してみたり、足を踏んでみたり、抵抗らしい抵抗はしたけれども、警察に言うことも拒絶の言葉を言うことも捕まえることも、どれも出来なかった。する気になれなかった。
いつしか私はその愛撫を受け入れ、あまつさえ心待ちにしてしまうようになっていた。
「……っっ」
「……今日も可愛いですね。でも、何でパンツスーツなんですか?」
乳首をカリカリ、と指先の先端で引っ掻かれながら痴漢は私の耳元で囁く。
「まあ、いいですが。今日は下を弄ってあげられないので、乳首だけで気持ち良くなりましょうか」
痴漢は嘘をついている。
何故なら、痴漢をされ始めた初期の頃に、抵抗の意味でパンツを履いてきたとしても、まるで手品師のように服の隙間やベルトやファスナーを開けて必ず下半身を弄んでいたからだ。
「っっ!」
「ほら、口押えて下さい。声漏れちゃいますよ」
きゅう、と勃ち上がった乳首を摘ままれ、くりくりと軽く捩られた。
私の下腹部がじくじくと痺れ、トロリと蜜が溢れた気がする。
一度自分の唾液で濡らしたのか、胸を揉みながら湿り気のある指先が何度も乳首をしこしこと扱き上げる。
「~~、ふ、ぁッ」
「我慢ですよ」
胸だけなのに、気持ちが良い。
膝から崩れていくが、心得たように男の長い足が私の股の間にまるで安定したスツールのように入り込んでいた。
ここ三か月くらい私を悩ませているのは、毎朝遭遇する痴漢だった。
下手をすれば、帰りの電車でも遭遇する。
相手は同じ人だ。背が凄く高くて、私の身体なんかすっぽり覆い隠してしまう人。
いつも同じコロンの香りを纏っているから、その香りを嗅ぐだけで私の身体は緊張してしまうようにまでなった。
なぜこの痴漢が、私をターゲットにしているのかはわからない。
ただ、確実に言えることは、私は最初の対応を間違えたのだ。
時哉はオンラインゲームにはまっており、私は仕事で忙しくしていたこともあり、三か月前の私達はしばらくずっとレスだった。
女性としての魅力に欠けるのかもしれない、なんて思い始めたそんな時、私の身体に欲情する痴漢に初めて触られた。
その指は驚く程繊細で、優しくて、気持ち良くて、まるで宝物に触れるように扱いながらも情欲を抑えきれないような愛撫で。
最初は恐怖で固まることしか出来ない私だったのに、気付けばその吐息に、熱に、指に身体を火照らされて、最終的に絶頂させられたのだ。
達した私は、次の瞬間には羞恥と自分への不信で頭がいっぱいになり、その痴漢を押し退けて目一杯睨みながら電車を降りた。
大柄なその痴漢は私に押されたからというよりも、私の降車を見越したかのように身体を引く。
目が隠れるくらいの、長い前髪。
右目の少し下に黒子があって、少し薄い唇の口角は軽く上がり、まるで私が達したことを嘲笑っているかのようだった。
どこかで見たことがあるような気もしたけれども、思い出せない。
そして、その日からだ。
毎日同じ痴漢に、身体を弄られるようになったのは。
私は痴漢を利用した。
時哉は一緒にいても、寝るかテレビを見るかスマホを弄ることしかせず、一日の会話もごく僅か。
私を性的に昂らせ、指だけで気持ち良くしてくれるのは痴漢しかいなかった。
まさか、自分にそんな性癖があるとは思わなかった。
何回か身体を押してみたり、少し移動してみたり、足を踏んでみたり、抵抗らしい抵抗はしたけれども、警察に言うことも拒絶の言葉を言うことも捕まえることも、どれも出来なかった。する気になれなかった。
いつしか私はその愛撫を受け入れ、あまつさえ心待ちにしてしまうようになっていた。
「……っっ」
「……今日も可愛いですね。でも、何でパンツスーツなんですか?」
乳首をカリカリ、と指先の先端で引っ掻かれながら痴漢は私の耳元で囁く。
「まあ、いいですが。今日は下を弄ってあげられないので、乳首だけで気持ち良くなりましょうか」
痴漢は嘘をついている。
何故なら、痴漢をされ始めた初期の頃に、抵抗の意味でパンツを履いてきたとしても、まるで手品師のように服の隙間やベルトやファスナーを開けて必ず下半身を弄んでいたからだ。
「っっ!」
「ほら、口押えて下さい。声漏れちゃいますよ」
きゅう、と勃ち上がった乳首を摘ままれ、くりくりと軽く捩られた。
私の下腹部がじくじくと痺れ、トロリと蜜が溢れた気がする。
一度自分の唾液で濡らしたのか、胸を揉みながら湿り気のある指先が何度も乳首をしこしこと扱き上げる。
「~~、ふ、ぁッ」
「我慢ですよ」
胸だけなのに、気持ちが良い。
膝から崩れていくが、心得たように男の長い足が私の股の間にまるで安定したスツールのように入り込んでいた。
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