陰キャデビューの南出先輩

イセヤ レキ

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「おま、ちょ、俺は男なんだが」
「はい。乳首も開発すれば、男でも気持ち良くなれるらしいので」


いやいやいや。
それをなぜ、俺で試す必要がある?


多少パニックに陥りながらも、興奮している息子に気づかれないように腰を引き、「そもそも何でお前が、俺とキスするんだよ!」と冗談めかして言った。


すると、ごく真面目な顔をして如月は返事をする。


「だって僕たち、今日からお付き合いをしているってことですよね。少し性急かもしれませんが、僕も男なので。目の前に風呂上がりの恋人がいて、同じベッドに誘われて、我慢なんてできません」
「……は?」


俺はやっと、如月がとんでもない勘違いをしていることに気づいた。

ついでに、ポカンとする俺を見て、如月も何かとんでもないすれ違いが起きたことに気づいたらしい。


「……南出先輩、さっき俺の告白に応えてくれたじゃないですか。両想いですねって確認した時も、そうだって言ったじゃないですか」
「え?えええ?」


言ったか?俺、そんなこと言った??


「まさか、酔っていた、なんて言いませんよね?」
「い、言わないけど!言わないけど、俺はてっきり……」


普通の先輩後輩、もしくは気の合う友人として、だとばかり思っていて。

狼狽える俺の両腕を、据わった目つきの如月が自分の両手でぐっと握り締める。

如月の曲げた膝が俺の息子に当たり、痛さより気持ち良さが俺の身体を駆け抜けた。


「しっかり反応してるじゃないですか」

ひぃ、と怯える俺の耳元で、如月は囁く。


「今更、なしなんて言わないで下さい」
「ほ、本気?」
「冗談でこんなこと、言いませんよ」


万にひとつでも罰ゲーム的なやつならいいな、なんて思って一応聞いてみたのだが、如月は冗談めかしてなかったことにするという選択をしなかった。


「じゃあ、今日は擦り合いだけしましょうか」
「へ?」
「ほら、先輩のコレ、苦しそうだし」


如月はそう言うなり俺のズボンをずり下げ、息子をぽろんと外に出した。


「え、あ」


俺の両手首は頭の上でひとつに括られ、如月の大きな手でぐっと押さえつけられる。
ズボンを下げた手が俺の息子に伸びて、そっと優しく包まれた。


「ちょ、きさ、らぎぃ……っっ」


久々に触れられる他人の手に、俺の息子は言うことを聞かずにあっという間に欲で膨れ上がっていく。


「あ、は……っ」
「南出先輩、気持ち良さそうですね。先走りが凄い出てますよ」
「んんっ……!」


如月の指がカリに当たるたび、気持ち良い。
同じ男だからか、気持ち良くなるポイントがわかっているようだった。
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