グレーな同僚とわたし〜発達障害と働く〜

mayone

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はぁぁぁぁぁあ~。

最近朝はため息で始まる。土日もふとしたことで思い出す。いつも胸につっかえた感じがして息苦しい。オフィスの自動ドアが開くのが怖い、彼女の後ろ姿が目に入ると息が止まる。白髪も確実に増えた、下腹部もシクシク痛む。
完全にストレスだ。
そういや、数年前に出た財団主催のサポーター研修で同じグループになった担当者もそんなこといってたっけ?周りの人間がストレスで潰れていく、あの人たちをサポートするんじゃなく、周りをサポートしてほしいって。
今ならわかる。私は潰れる一歩手前。

私のため息の原因の彼女は、正式には配慮が必要なあの人たちではない。診断は受けていない、でも、特徴があの人たちに酷似している‥。
あの人たち、そう、発達障害といわれるひとたち。彼女は、グレーゾーンのひと。

私が10年いる会社は中小企業の体だが、某金融大手在職者の第二の職場として機能しており、彼女は一撃必殺強力コネ入社。父親は大物、前前職は超大手商社、社労士の資格を持ち鳴り物入りで入社した彼女は、勿論人事総務部配属だった。人事給与を掌握、社長のお膝元、正体がわからぬよう無個性のふりをしたエリート達、そして、やんごとなき王子、姫たちが大事に据え置かれる部‥そんなイメージしかない人事総務。正直憧れていた。なんかかっこいいから。営業部より設計部より経理部より、かっこいいと思っていた。そこに、彼女が配属されたとあって、やっぱりコネは凄い、社労士資格すごい、と素直に感心していたのだ。でも、そのすごいも感心も女子更衣室からだだ漏れてくる噂に疑問符がつきはじめた。
ふらっと席を立ったら1時間行方不明、マイペース、何をしゃべっているかわからないくらいのウィスパーボイス、絶対謝らない、お願いしない、すぐ休む、言ったことを覚えていない等など小学生レベルの評しか得れてない彼女。でも、部外者のわたしたちには少し変わった人、くらいにしか感じず、むしろ悪くいう人達をひどいねー、と噂していた。

しかし、私達が優等生よろしく彼女を庇ってたころ、人事総務部では、彼女は社労士の資格を発揮するよりなにより、期日管理が出来ず離職の申請を忘れる、雇用の申請を忘れる、健保に申請しない等大混乱を社内に招いていた。結果、始末書を出すレベルにまで発展し、彼女の評価は一気に下落した。さらに、前任から引き継ぎ中にいきなり一言の理もなくヨドバシの袋を開け、キーボードカバーを取り出しプチプチと1つ1つキーボードのマスに設置し始めたという話、いった言わないの大喧嘩となり激しくやり込められた彼女は悔しさの余り更衣室で号泣した、など小さな会社の中でこれでもかというくらいの伝説を数ヶ月のうちにつくったのだ。
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