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1章 ローヌの決闘
12.仲間の意思
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ナイヤが振り返ると、ルカと分かれた方角の空がかすかに揺らいでいた。
空間に水の膜が張っているように見える。
魔法障壁だった。
防弾ガラスのようなもので、実力者同士が決闘するときに闘技場内と観客席との間に張り巡らされることがあった。観戦する王族や観客が決闘の巻き添えにならないように、というのが基本的な使い方だった。騒音を放出する魔獣対策のために、防音効果が付与されることもある。
有能で用途の広い魔法だが、高位の魔術師しか作ることはできない上、長時間維持するのが難しい魔法なので、簡単に使える代物ではない。
「お前たち、そこまでするのか!」
ナイヤは、ルカとの約束を破らざるを得なくなった。
自分の仲間がルカを傷つけようとしているのだ。止める責任があった。
ナイヤが魔法障壁に気づく数分前。
オレは逆上していた。
「ナイヤはオレの患者だ!」
相手の騎士がハンマーを振り上げた瞬間、ラージシールドを構えたまま、オレは突進した。不意を疲れた騎士は、ハンマーを振り上げた勢いと突進された勢いで、後方に大きく吹き飛び、遮蔽物として設置された壁に背中を強打して気絶した。
オレにとっては、完全なラッキーショットだった。
これで敵は一人になった。
「よくもリングを!」
相棒を失った怒りのパワーが加わったのか、残された元騎士のモーションが鋭くなった。
盾で防ぐだけで精一杯だ。
相手の乱撃には正確さがなくなっている。攻撃を避けてこの場から離脱するのがベストに思えたが、重装備で模擬戦に挑んだことが今はもどかしい。
「いい加減にくたばれ!」
元騎士の渾身の一撃だった。
ついにオレの盾は吹き飛ばされてしまった。強風に飛ばされた板切れのように空に舞い、大盾は派手な音を立てて地面に落ちた。
トドメとばかりに、元騎士はハンマーを振り上げた。
「コルー、終わりだ。やめろ。」
その場に、タイユといういつもナイヤの近くにいる大柄な元騎士が立っていた。
「まだだ、タイユ。一撃入れさせろ。このままじゃ収まらん!」
「ダメだ。まもなくナイヤ様が来る。お前達は時間を無駄に使いすぎた」
「く、くそう!」
コルーと呼ばれた元騎士は、振り上げたハンマーを乱暴に投げ捨てた。
何がなんだかわからない。
ただ、助かったらしい。危なかった。。。
いや、まだだ!ナイヤはどうなった? 無事なのか?
「タイユ! ナイヤは?」
オレが叫ぶと、タイユは冷たい目で睨んだ。
「呼び捨てにするな。お前は何もわかってない。
我々がナイヤ様に危害を加えるとでも思ったのか?」
何がなんだかわからない。
「それなら、なぜこんなことをする?」
タイユの整った顔。いつもは冷静そうな顔が歪んだ。
「すべてキサマのせいだ!」
やっぱり何がなんだかわからん。
さっきからどいつもこいつも、「叩き潰す」とか「キサマのせい」とか。
オレが何をしたというのだ?
良いことはしたが、悪いことをした覚えがない。
「あー。なんか怒らせてしまっているようだが、、、オレが何か悪いことをしたか? あ、敬語か? 敬語で話さないからか?」
タイユの顔が赤くなってきた。
これは、まずいかもしれない…。
ラージシールドが飛んでいった方向を見たが、拾うにはちょっと遠すぎる。
逃げようか? いや、もう脚が限界だ。立っているのもやっとだ。
「心当たりがないとは言わせんぞ!」
「キサマは下品な目でナイヤ様を見つめていたであろう!」
コルーが会話に加わった。
「オレが、ナイヤを? ちょっと待て、記憶がない。
というか、敬語ではないんだな。じゃあ、敬語は使わないぞ。」
「身に覚えがないとは言わせん。お前のような卑しい身分の人間が軽々しく見ても、会話しても、呼び出してもよいお方ではないのだ!」
「敬語は普通につかえ、愚か者。」
うるさい元騎士どもだ。小姑のようだ。
「あ!」
オレはようやく思い出した。見た。ナイヤを見ていた。
「あ、ごめん。見てた。
別にナイヤを見ていたわけではなく、オレの装具を見てたんだけど。
でも、これも見てたことになるんだろうな?」
「ほら、見ていたではないか!」
タイユが主張を認められた子供のように喜んでいる。
「わかった。悪かった。これから気をつける。」
「信じられるか!」
タイユの顔が再び赤くなっていく…。
「じゃあ、どうしろと…。」
「ナイヤ様に二度と近づくな!」
なんだ、そんなことか。
「わかった。近づかない。見るのも気をつける。」
「!」
タイユは驚きの目、
コルーは疑いの目だった。
「なんだと? 本気で言っているのか?」
「お前は、私の治療を途中で投げ出すのか?」
タイユの後ろから現れ、口を挟んだのはナイヤだった。
ナイヤは怒った顔をしていた。
オレは、ナイヤの無事をこの目で確認できただけで十分だった。
「本当のことを言えば、もう少し様子を診るべきだと思う。装具がきちんと機能しているが何度かチェックすべきだ。」
「それなのに、治療をやめるのか! ルカ! それでいいのか!」
ナイヤの目は怒っている。彼女は何に関しても全力疾走なのだろう。それは治療に対しても当てはまるようだ。
「ああ、治療は中止すべきだと思う。」
「なぜだ!」
「もっと大事なことがあるからだ。」
「それは、なんだ?」
タイユとコルーは、ナイヤに対して臣下の座の姿勢をとっていた。
ナイヤは、二人には目もくれず、オレに質問した。
ナイヤの後ろから、ぞろぞろと元騎士たちが集まってきていた。
「治療には患者と支援者、つまり今回はナイヤとオレ、そしてもう一人の信頼と協力が必要なんだ。
この三者のどれが欠けても、治療はうまくいかない。」
「もう一人とは誰だ」
「それは家族だ」
「家族?」
「オレはナイヤの本当の家族のことは知らないが、家族のような仲間ならここにいるじゃないか」
タイユもコルーもミラスも、他の元騎士たちも、ナイヤも口々につぶやいた。
「我々が家族…」
「みんなナイヤを大事に思う仲間なんだろ? ナイヤにとっても自分を慕ってくれる仲間だろう? それはもう家族だと思う。
その家族の同意がないのに、治療は続けられない。
治療は無理強いするものじゃない。」
偉そうなことを言っているが、これははオレ自身が反省すべきことだった。
ナイヤを想う仲間がいることを知っていたはずなのに、装具作りに夢中になって親方から学んだ大事な教えを忘れていたのだ。
騎士や貴族の思考は正直好きじゃない。まるで価値観が違うと言っていい。
とはいえ、それを否定する権利はオレにはない。
オレは、患者と患者の家族の考え方や不安に寄り添うべきなのだ。それがオレが出会った理想の義肢装具士の姿だった。
やっぱりまだまだだなぁ、オレは……。
空間に水の膜が張っているように見える。
魔法障壁だった。
防弾ガラスのようなもので、実力者同士が決闘するときに闘技場内と観客席との間に張り巡らされることがあった。観戦する王族や観客が決闘の巻き添えにならないように、というのが基本的な使い方だった。騒音を放出する魔獣対策のために、防音効果が付与されることもある。
有能で用途の広い魔法だが、高位の魔術師しか作ることはできない上、長時間維持するのが難しい魔法なので、簡単に使える代物ではない。
「お前たち、そこまでするのか!」
ナイヤは、ルカとの約束を破らざるを得なくなった。
自分の仲間がルカを傷つけようとしているのだ。止める責任があった。
ナイヤが魔法障壁に気づく数分前。
オレは逆上していた。
「ナイヤはオレの患者だ!」
相手の騎士がハンマーを振り上げた瞬間、ラージシールドを構えたまま、オレは突進した。不意を疲れた騎士は、ハンマーを振り上げた勢いと突進された勢いで、後方に大きく吹き飛び、遮蔽物として設置された壁に背中を強打して気絶した。
オレにとっては、完全なラッキーショットだった。
これで敵は一人になった。
「よくもリングを!」
相棒を失った怒りのパワーが加わったのか、残された元騎士のモーションが鋭くなった。
盾で防ぐだけで精一杯だ。
相手の乱撃には正確さがなくなっている。攻撃を避けてこの場から離脱するのがベストに思えたが、重装備で模擬戦に挑んだことが今はもどかしい。
「いい加減にくたばれ!」
元騎士の渾身の一撃だった。
ついにオレの盾は吹き飛ばされてしまった。強風に飛ばされた板切れのように空に舞い、大盾は派手な音を立てて地面に落ちた。
トドメとばかりに、元騎士はハンマーを振り上げた。
「コルー、終わりだ。やめろ。」
その場に、タイユといういつもナイヤの近くにいる大柄な元騎士が立っていた。
「まだだ、タイユ。一撃入れさせろ。このままじゃ収まらん!」
「ダメだ。まもなくナイヤ様が来る。お前達は時間を無駄に使いすぎた」
「く、くそう!」
コルーと呼ばれた元騎士は、振り上げたハンマーを乱暴に投げ捨てた。
何がなんだかわからない。
ただ、助かったらしい。危なかった。。。
いや、まだだ!ナイヤはどうなった? 無事なのか?
「タイユ! ナイヤは?」
オレが叫ぶと、タイユは冷たい目で睨んだ。
「呼び捨てにするな。お前は何もわかってない。
我々がナイヤ様に危害を加えるとでも思ったのか?」
何がなんだかわからない。
「それなら、なぜこんなことをする?」
タイユの整った顔。いつもは冷静そうな顔が歪んだ。
「すべてキサマのせいだ!」
やっぱり何がなんだかわからん。
さっきからどいつもこいつも、「叩き潰す」とか「キサマのせい」とか。
オレが何をしたというのだ?
良いことはしたが、悪いことをした覚えがない。
「あー。なんか怒らせてしまっているようだが、、、オレが何か悪いことをしたか? あ、敬語か? 敬語で話さないからか?」
タイユの顔が赤くなってきた。
これは、まずいかもしれない…。
ラージシールドが飛んでいった方向を見たが、拾うにはちょっと遠すぎる。
逃げようか? いや、もう脚が限界だ。立っているのもやっとだ。
「心当たりがないとは言わせんぞ!」
「キサマは下品な目でナイヤ様を見つめていたであろう!」
コルーが会話に加わった。
「オレが、ナイヤを? ちょっと待て、記憶がない。
というか、敬語ではないんだな。じゃあ、敬語は使わないぞ。」
「身に覚えがないとは言わせん。お前のような卑しい身分の人間が軽々しく見ても、会話しても、呼び出してもよいお方ではないのだ!」
「敬語は普通につかえ、愚か者。」
うるさい元騎士どもだ。小姑のようだ。
「あ!」
オレはようやく思い出した。見た。ナイヤを見ていた。
「あ、ごめん。見てた。
別にナイヤを見ていたわけではなく、オレの装具を見てたんだけど。
でも、これも見てたことになるんだろうな?」
「ほら、見ていたではないか!」
タイユが主張を認められた子供のように喜んでいる。
「わかった。悪かった。これから気をつける。」
「信じられるか!」
タイユの顔が再び赤くなっていく…。
「じゃあ、どうしろと…。」
「ナイヤ様に二度と近づくな!」
なんだ、そんなことか。
「わかった。近づかない。見るのも気をつける。」
「!」
タイユは驚きの目、
コルーは疑いの目だった。
「なんだと? 本気で言っているのか?」
「お前は、私の治療を途中で投げ出すのか?」
タイユの後ろから現れ、口を挟んだのはナイヤだった。
ナイヤは怒った顔をしていた。
オレは、ナイヤの無事をこの目で確認できただけで十分だった。
「本当のことを言えば、もう少し様子を診るべきだと思う。装具がきちんと機能しているが何度かチェックすべきだ。」
「それなのに、治療をやめるのか! ルカ! それでいいのか!」
ナイヤの目は怒っている。彼女は何に関しても全力疾走なのだろう。それは治療に対しても当てはまるようだ。
「ああ、治療は中止すべきだと思う。」
「なぜだ!」
「もっと大事なことがあるからだ。」
「それは、なんだ?」
タイユとコルーは、ナイヤに対して臣下の座の姿勢をとっていた。
ナイヤは、二人には目もくれず、オレに質問した。
ナイヤの後ろから、ぞろぞろと元騎士たちが集まってきていた。
「治療には患者と支援者、つまり今回はナイヤとオレ、そしてもう一人の信頼と協力が必要なんだ。
この三者のどれが欠けても、治療はうまくいかない。」
「もう一人とは誰だ」
「それは家族だ」
「家族?」
「オレはナイヤの本当の家族のことは知らないが、家族のような仲間ならここにいるじゃないか」
タイユもコルーもミラスも、他の元騎士たちも、ナイヤも口々につぶやいた。
「我々が家族…」
「みんなナイヤを大事に思う仲間なんだろ? ナイヤにとっても自分を慕ってくれる仲間だろう? それはもう家族だと思う。
その家族の同意がないのに、治療は続けられない。
治療は無理強いするものじゃない。」
偉そうなことを言っているが、これははオレ自身が反省すべきことだった。
ナイヤを想う仲間がいることを知っていたはずなのに、装具作りに夢中になって親方から学んだ大事な教えを忘れていたのだ。
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