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1章 ローヌの決闘
28.ナイヤの出兵前夜②
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「ローヌ王からの言伝があります」
「なに!? 王からの言伝だと!」
タイユでさえも大声を上げてしまった。
この世界では王は神に近い存在。タイユでさえ、まだ王に拝謁したことはない。例え、敵国の王だとしても王は崇められ、家臣以下の人間がおいそれと会える存在ではなかった。
ナイヤのほうは数回会ったことがあったが、それは父親が王に拝謁するときに同行できたからだった。それも前王のときの話であり、今の王様に拝謁を許されたことはなかった。
会うだけでも難しい、王という存在。その王からの言葉を預かるということは、同等かそれ以上に「恐れ多い」事だった。
「会ったのは王の側近だと思われますが、秘密裏に接触してきました。」
「なぜ、お前に」
「……」
追求されてルジュマンは困った。ルカの話を信じてもらうために話を変えるべきと考えたが、嘘とは案外難しい。
「それは、私が村人を助けたからだと思います。」
「そうか…。それで、ローヌ王の言伝の内容は?」
タイユもナイヤも違和感を感じなかった。二人にはそれよりも、言伝の内容が気になってしかたなかった。
「ローヌ王は降伏を希望しております。」
「そんな馬鹿なことがあるわけがない!」
タイユはすぐに嘘と断定して、机を叩いた。
降伏を希望するなら、ローヌの高官が使者となってシュブドーに訪れるはずである。敵国の下級士官に言伝を預けるはずがない。
「そ、それは、恐れながら我が国の王が、降伏をお認めにならないからです。」
「なんだと?」
「我が国王は戦いを好んでおられます。ローヌの不敗戦士を倒すことで、栄誉を得ることを望まれておられるからだと…。」
ルジュマンは苦し紛れに嘘を重ねた。
王の名も汚してしまった。嘘だと判明すれば極刑は免れないだろう。
「……」
「だから、王ではなくガラ家を尋ねたのか?」
声を出したのはナイヤだった。
下級士官の言い分には納得できる根拠があった。確かに王は戦争や決闘を好む趣向を持っていた。だが、王だけに問題があるわけではない。王の趣向を諌めるどころか煽っているのがアシド家の側近らなのである。
ガラ家を中心とする和平派と、アシド家らのアシド主戦派の貴族は、シュブドーの政権を二分し対立していた。が、最近はアシド派の台頭が際立っていた。
アシド派の手のものがローヌとの外交を妨げている可能性は十分に考えられることだった。実際、北部三国との和平工作は実らなかったのだ。確たる証拠はないが、アシド派の陰謀に巻き込まれた可能性が高い。
「はい。秘密工作隊に報告しようと思ったのですが、聞き入れてもらえませんでした。」
秘密工作隊はアシド派の巣窟になっている。十分にありえる話だった。
「そうか…
ところで…。ローヌ方面隊にルカというものが赴任したはずだが知っているか?」
タイユが眉をひそめた。
この貴族たちはルカを知っている?
ルジュマンは驚いた。そして、本当のことを伝えるべきか迷った。ルカの名を出すことで情報の価値が高まる可能性もあるが、価値がなくなる可能性も考えられた。
「ルカは確かに赴任しておりますが、恐れながらどのようなご関係でしょうか?
ルカは機密扱いになっておりますので…」
「奴は、ガラ家を汚そうとしたので追放したのだ。」
タイユがぴしゃりと言った。
タイユは、当初ルカを治療の専門家として信じていた。だが、自分を介さず必要以上にナイヤに近づいたルカを信用できなくなった。結局、奴は自分の功名のためにナイヤに近づいたのだ。そのことを見抜けなかったことをタイユは恥じていた。
ナイヤは口を開きかけたが、言葉を飲み込んだ。
「これは失礼しました。やはり、そうでしたか…。
あの者はローヌに寝返りました。」
「それは本当か?!」
ナイヤが驚き、声を上げた。
「はい。今はローヌの村で幸せそうに暮らしております。
すでに秘密工作隊からも逮捕命令が出ているようです。
ローヌを占領した暁には、捕まえて厳罰に処されることでしょう。」
「そうか…。」
ナイヤはそれ以上何も言わなかった。
タイユは、ナイヤを見て不憫に思った。
純粋な彼女はあの者を信じかったのだろうが、卑しい身分の人間は、心も卑しいのだ。この苦い経験を乗り越えて貴族らしく堂々と生きてほしい、と思った。これで良かったのだ。
タイユは、ルジュマンに再び向き合った。
「それで?話の続きを」
「はい。ローヌ王は降伏の条件として、ローヌの決闘戦士の生命の保護を申し出ております。」
「どういうことだ?」
「ローヌ王は戦いに疲れたのです。ですから降伏をしたいと思っているようですが、聞き入れてもらえていません、このままでは決闘になります。ローヌ王はそれを恐れています。
決闘になれば、ローヌは負けることができません。それは負けない秘密があるからです。
その結果、シュブドーの決闘戦士は死ぬことになるでしょう。
家臣を殺されたシュブドーの王が、ローヌの降伏を認めるわけがありません。
でも、それでは決闘も戦争も終わりません。」
「我が国は勝てぬというのか?」
タイユは質問しながらも、ルジュマンが言っていることに共鳴していた。
騎士の恥と罵られたとしても、ナイヤを勝てる見込みのない戦いに出させることはできない。ナイヤを守ることが自分の使命だった。
「はい。
でも、ローヌ王は敵国、つまり我が国の戦士が死ぬことも望んではないのです。
ですから、ローヌの秘密を提供するとのことです。その秘密があれば、ローヌの不敗を打ち破ることが可能です。」
「それで秘密とは?」
「それはまだ教えられません。」
タイユは、ルジュマンの真意を測りかねていた。
本当にローヌの秘密を持っているならば、ナイヤの命を守ることができる吉報である。自分の命と交換だと言われたとしても喜んで交換に応じただろう。
だが、そもそもこの男が本当にシュブドーの兵士であり、ローヌの秘密を握っているならば、ローヌの降伏の条件など関係なく秘密を打ち明けるはずなのである。
決闘となりその結果ローヌの戦士が死んだとしても、ローヌはシュブドーのものになる。わざわざ敵国の戦士の命を助ける必要はないのである。
「……。
なぜ、ローヌ王に媚びる?我が国の勝利のほうが大切ではないのか?」
「そ、それは…。
まだ、秘密の全容が明らかにされてないからです。信用できるものにしか、秘密は明かさない。秘密はローヌで明かすということです」
ルジュマンの額の汗や表情を見て、タイユは疑念を深めた。
「わかった。ガラ家の当主に報告する。返事は少し待ってほしい。」
「わかりました。」
ルジュマンを屋敷の外に送り出したころには、太陽は西の空に沈みかけていた。
「ガラ様、どう思われますか?」
「あのルカが裏切るとは信じられぬ。」
そっちのことを考えていたのか…。
タイユは呆れた。
「そうではなく、あのルジュマンとかいう男の話ですよ。」
そのとき、遠くで女の悲鳴が聞こえた。
タイユよりも先にナイヤが走っていた。
屋敷の外だった。悲鳴を上げたのは務めから戻る最中の侍従だった。
青ざめた顔の侍従のそばで倒れていたのは、さっきまで会話を交わしていたルジュマンだった。
「なに!? 王からの言伝だと!」
タイユでさえも大声を上げてしまった。
この世界では王は神に近い存在。タイユでさえ、まだ王に拝謁したことはない。例え、敵国の王だとしても王は崇められ、家臣以下の人間がおいそれと会える存在ではなかった。
ナイヤのほうは数回会ったことがあったが、それは父親が王に拝謁するときに同行できたからだった。それも前王のときの話であり、今の王様に拝謁を許されたことはなかった。
会うだけでも難しい、王という存在。その王からの言葉を預かるということは、同等かそれ以上に「恐れ多い」事だった。
「会ったのは王の側近だと思われますが、秘密裏に接触してきました。」
「なぜ、お前に」
「……」
追求されてルジュマンは困った。ルカの話を信じてもらうために話を変えるべきと考えたが、嘘とは案外難しい。
「それは、私が村人を助けたからだと思います。」
「そうか…。それで、ローヌ王の言伝の内容は?」
タイユもナイヤも違和感を感じなかった。二人にはそれよりも、言伝の内容が気になってしかたなかった。
「ローヌ王は降伏を希望しております。」
「そんな馬鹿なことがあるわけがない!」
タイユはすぐに嘘と断定して、机を叩いた。
降伏を希望するなら、ローヌの高官が使者となってシュブドーに訪れるはずである。敵国の下級士官に言伝を預けるはずがない。
「そ、それは、恐れながら我が国の王が、降伏をお認めにならないからです。」
「なんだと?」
「我が国王は戦いを好んでおられます。ローヌの不敗戦士を倒すことで、栄誉を得ることを望まれておられるからだと…。」
ルジュマンは苦し紛れに嘘を重ねた。
王の名も汚してしまった。嘘だと判明すれば極刑は免れないだろう。
「……」
「だから、王ではなくガラ家を尋ねたのか?」
声を出したのはナイヤだった。
下級士官の言い分には納得できる根拠があった。確かに王は戦争や決闘を好む趣向を持っていた。だが、王だけに問題があるわけではない。王の趣向を諌めるどころか煽っているのがアシド家の側近らなのである。
ガラ家を中心とする和平派と、アシド家らのアシド主戦派の貴族は、シュブドーの政権を二分し対立していた。が、最近はアシド派の台頭が際立っていた。
アシド派の手のものがローヌとの外交を妨げている可能性は十分に考えられることだった。実際、北部三国との和平工作は実らなかったのだ。確たる証拠はないが、アシド派の陰謀に巻き込まれた可能性が高い。
「はい。秘密工作隊に報告しようと思ったのですが、聞き入れてもらえませんでした。」
秘密工作隊はアシド派の巣窟になっている。十分にありえる話だった。
「そうか…
ところで…。ローヌ方面隊にルカというものが赴任したはずだが知っているか?」
タイユが眉をひそめた。
この貴族たちはルカを知っている?
ルジュマンは驚いた。そして、本当のことを伝えるべきか迷った。ルカの名を出すことで情報の価値が高まる可能性もあるが、価値がなくなる可能性も考えられた。
「ルカは確かに赴任しておりますが、恐れながらどのようなご関係でしょうか?
ルカは機密扱いになっておりますので…」
「奴は、ガラ家を汚そうとしたので追放したのだ。」
タイユがぴしゃりと言った。
タイユは、当初ルカを治療の専門家として信じていた。だが、自分を介さず必要以上にナイヤに近づいたルカを信用できなくなった。結局、奴は自分の功名のためにナイヤに近づいたのだ。そのことを見抜けなかったことをタイユは恥じていた。
ナイヤは口を開きかけたが、言葉を飲み込んだ。
「これは失礼しました。やはり、そうでしたか…。
あの者はローヌに寝返りました。」
「それは本当か?!」
ナイヤが驚き、声を上げた。
「はい。今はローヌの村で幸せそうに暮らしております。
すでに秘密工作隊からも逮捕命令が出ているようです。
ローヌを占領した暁には、捕まえて厳罰に処されることでしょう。」
「そうか…。」
ナイヤはそれ以上何も言わなかった。
タイユは、ナイヤを見て不憫に思った。
純粋な彼女はあの者を信じかったのだろうが、卑しい身分の人間は、心も卑しいのだ。この苦い経験を乗り越えて貴族らしく堂々と生きてほしい、と思った。これで良かったのだ。
タイユは、ルジュマンに再び向き合った。
「それで?話の続きを」
「はい。ローヌ王は降伏の条件として、ローヌの決闘戦士の生命の保護を申し出ております。」
「どういうことだ?」
「ローヌ王は戦いに疲れたのです。ですから降伏をしたいと思っているようですが、聞き入れてもらえていません、このままでは決闘になります。ローヌ王はそれを恐れています。
決闘になれば、ローヌは負けることができません。それは負けない秘密があるからです。
その結果、シュブドーの決闘戦士は死ぬことになるでしょう。
家臣を殺されたシュブドーの王が、ローヌの降伏を認めるわけがありません。
でも、それでは決闘も戦争も終わりません。」
「我が国は勝てぬというのか?」
タイユは質問しながらも、ルジュマンが言っていることに共鳴していた。
騎士の恥と罵られたとしても、ナイヤを勝てる見込みのない戦いに出させることはできない。ナイヤを守ることが自分の使命だった。
「はい。
でも、ローヌ王は敵国、つまり我が国の戦士が死ぬことも望んではないのです。
ですから、ローヌの秘密を提供するとのことです。その秘密があれば、ローヌの不敗を打ち破ることが可能です。」
「それで秘密とは?」
「それはまだ教えられません。」
タイユは、ルジュマンの真意を測りかねていた。
本当にローヌの秘密を持っているならば、ナイヤの命を守ることができる吉報である。自分の命と交換だと言われたとしても喜んで交換に応じただろう。
だが、そもそもこの男が本当にシュブドーの兵士であり、ローヌの秘密を握っているならば、ローヌの降伏の条件など関係なく秘密を打ち明けるはずなのである。
決闘となりその結果ローヌの戦士が死んだとしても、ローヌはシュブドーのものになる。わざわざ敵国の戦士の命を助ける必要はないのである。
「……。
なぜ、ローヌ王に媚びる?我が国の勝利のほうが大切ではないのか?」
「そ、それは…。
まだ、秘密の全容が明らかにされてないからです。信用できるものにしか、秘密は明かさない。秘密はローヌで明かすということです」
ルジュマンの額の汗や表情を見て、タイユは疑念を深めた。
「わかった。ガラ家の当主に報告する。返事は少し待ってほしい。」
「わかりました。」
ルジュマンを屋敷の外に送り出したころには、太陽は西の空に沈みかけていた。
「ガラ様、どう思われますか?」
「あのルカが裏切るとは信じられぬ。」
そっちのことを考えていたのか…。
タイユは呆れた。
「そうではなく、あのルジュマンとかいう男の話ですよ。」
そのとき、遠くで女の悲鳴が聞こえた。
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