魔拳のデイドリーマー

osho

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第15章 極圏の金字塔

第281話 顛末と招待と再会



「そうですか……では、此度の案件は収息したのですね?」

「はっ……すでに原因は取り除かれ、そこから押収された各種資料も、国立の研究機関にて解析が進んでおります。ただ、未知の術式が多数あるゆえに、解析には極めて長い時間を要するとの見込みでして……」

「それはやむを得ないでしょう……ともあれ、危機が去ったのなら、それは喜ぶべきことです」

場所は、フロギュリア連邦王都・シィルセウス。
その、玉座の間にて……女王・ファルビューナ・アスクレピオスが、ウィレンスタット公爵からの報告を受け取っていた。

その隣には、今回、直接現地に赴いて状況を見てきた娘・オリビアと、まだ年若い執事……クルール・セバスチャンも伴っている。

報告を聞きおえた女王は、ひとまず国を襲っていた危機が去ったことに安堵するとともに、これからの後始末その他の対応を頭に思い浮かべる。

かなりの大事件ではあった。それは間違いない。
しかし、港町『グラシール』近辺という、いうなれば『水際』でその被害を押しとどめられていることや、パニックを避けるために広く情報を公開したわけではないことから……今回の一件は、一般には『例年よりも大規模な『祭』だった』と受け取られている。

犠牲者も出ないではなかったが、どの道魔物との戦いは危険と隣り合わせであることは常識であるし、それ以上に、例年同様、しばらくして各市場に流れる素材や食材といった『実入り』があったこともあり、さほど問題にはなっていない。

わざわざ真実を公表して無駄に恐怖感をあおることもないと判断し、古代文明の遺産関係の情報は基本、機密指定されて秘匿されている。知っているのは、一部の高位貴族や有識者のみ。

女王はふと、その『有識者』の1人であり……この玉座の間において、ただ1人自分に平伏することなく自然体で立っている者に目をやる。

特にその態度を気にする女王ではない。彼女は何せ……その資格があると皆が認める存在であり……何よりも、自分の『祖母』にあたる。
代を重ねた結果として、彼女の頭にあるような『耳』や、その身体能力などは自分には受け継がれなかったものの……髪の色や顔の作りなど、面影は確かにある。

メラディール・アスクレピオス博士。女王ファルビューナの祖母にして、この国における医学の最高権威者。
医学のみならず、様々な分野に見識のある、要人中の要人である。

自らに向けられる視線に気づいて、にっこりとほほえみを返すメラディール。

彼女はこの場において、専門的知見からの補足等がある場合のコメンテーターとして立っている。何度か、公爵からの説明の最中に補足を差し込んでいた。

微笑ましげな態度にしか見えない自らの祖母に、女王は苦笑を返すと……その直後、一転して真面目な表情になり、再び公爵に向き直る。

「ウィレンスタット公爵、ならびにオリビア嬢……此度の一件、まことに大義でした。無論、あなた方だけの力ではなく、冒険者や傭兵、そして軍の者達全ての功績であることは重々承知しておりますが、それらを代表して今まずは称賛を述べさせていただきます」

「は……!」

恐縮です、と深く頭を下げて礼を示す2人だが……その顔を険しくさせたまま、女王は続ける。

「……本来であれば、大功を果たしたあなたには、恩賜の休暇などで羽休めを与えるべきなのでしょうが……残念ですが、全くなしとは言わないまでも、それもそぞろに取り掛かっていただきたい一件が浮上しております。公爵、すでに対策のための機関を秘密裏に設立していますが……あなたにもそこに加わっていただきたいのです」

その言葉に、少し動揺した様子のオリビアと……眉間の皺をすこし深くした程度の反応にとどめる公爵。どうやら公爵の方は、何を言われるかがある程度わかっているようだった。
もしかすると、この話が出てくること自体を予想していたのかもしれない。

「今すぐに何がどうこうなる、というものではありませんが……北方、アイスマウンテンの向こうの国に、何やら不穏な動きが見られます」

「…………!」

それを聞いて……思わず、といった感じではっとした表情を浮かべてしまうオリビア。

無理もない。彼女からしてみれば……数か月前、その国が、裏切り者と共に企てた陰謀に巻き込まれ……絶体絶命の窮地に追い込まれたのは、記憶に新しい。

それをきっかけとして、ミナトや……何よりも、最愛の人物であるザリーとの付き合いが始まったということもあるのだが、だからといってその国に抱く印象が緩和されるものかと聞かれれば、それは間違いなく否である。

すぐさま表面上は体裁を取り繕い、表情を元に戻すものの、その心の中には、依然として不安や恐怖といったものがつきまとう。

それを、公爵はもちろん……女王もまた、承知である。
本来ならば、いらぬトラウマを刺激することのないように、彼女……オリビアがこの場から退席させたうえで話を進めるべきと言えたかもしれない。

しかし、あえてそうしなかったのは……この後、この『フロギュリア』がどう動くかという点において、オリビアもまた関わってくることとなる1人だと見ていたからであった。

「今はまだ情報収集の段階ですので、注意を払いつつ、表面上は他の業務をきちんと円滑にこなす必要があります。しかし……どうしても公爵にかかる負担は大きくなるでしょう」

女王はそこで、と言って、オリビアに視線をやる。

「現在公爵が担っているいくつかの公務について……こちらから補佐を付けた上で、オリビア様をはじめとした、次代の者達に振り分けをできれば、と考えています」

「経験を積ませる意味でも、ということですな」

「ええ。もっともオリビア嬢、現在あなたにはすでに、ローザンパークへの『特命全権大使』を委任していますので、それも抑えざるを得ないでしょうが……逆に考えて、ミナト殿たちと一緒に行けるような公務であれば、あなたをあてがうのが得策、とも見ています」

「なるほど……ミナト殿に同行するような形となれば、実質的に護衛をお任せできる、と」

「そうなります。もちろん、結果的にとはいえ利用させていただく形になりますので、何らかの対価は当然用意すべきでしょうね。そして、手始めにという形になりますが……オリビアさん、再来月、さっそく1つ、あなたに仕事を依頼するつもりでいます」

「再来月、というと……」

オリビアと公爵は少し考え……すぐに思い至る。

高度な交渉や政治的判断を必要とするわけではない、しかしかなり大きく重要な……公爵家クラスの使者をよこす対応を求められるであろう、とある外交行事。
本当ならば、公爵本人か、それに近しい身分・立場の者が行くはずだったそれ。

「陛下、それは……隣の国での?」

「ええ……北ではなく、南ですがね」

「……シャラムスカ皇国の、『シャルム・レル・ナーヴァ』……ですね」

☆☆☆

「しゃる……何それ?」

あの『クトゥルフ』の一件から、すでに1週間とちょっと。

僕こと、ミナトは……『キャッツコロニー』で留守を任せている、アイドローネ姉さんから、そんなイベントの招待状が来たという話を耳にして、きょとんとしていた。

ちなみに今、僕がいるのは……『クトゥルフ』と戦った『ヒュースダルト環礁』だ。
その外縁部と中心部の中間ぐらい。サンゴ礁の海で、素材その他の採取にいそしんでいる。

ここ数日、王都・王政府への報告やら何やらで忙しかったし、なまじ僕も『有識者』なもんだから、研究機関にも顔出さなきゃいけなかったし(それは楽しかったけど)、それが終わったら終わったで、今度は王都まで押しかけて来た冒険者や傭兵たち……あの『グラシール』沖での戦いで共闘した連中と祝勝会。飲んで食べて騒いで歌って……大騒ぎ。

まあ、荒事に関わる冒険者や傭兵にはお決まりのことらしいし――ブルース兄さんも慣れた様子で参加してた――僕もそれなりに楽しめたので、まあいい。料理美味しかったし。

どうやら、セッティングは『籠のカナリア』――クレヴィアさんのチームがやってくれたそう。加えて、クレヴィアさんって実は貴族の出身らしくて、その伝手を利用して高級食材とか色々そろえてくれたので、マジ美味しかった。

しかも、肩がこるような高級レストランじみた感じじゃなくて、素材と調理法は一級品のまま、大衆食堂チックな盛り付けや食べ方にできるようにしてくれてた。

美味しすぎて感激して、その後やった2次会では、『カオスガーデン』産の恐竜の肉や、『スノーホワイト』や『トロイアゴールド』で作ったリンゴ酒を解禁してしまったくらいだ。

ぽろっと漏らしたその素材名とかを聞いて、クレヴィアさんその他が卒倒しそうになるほど驚いていた。反省はしている、でも後悔はしていない。

……さて、そんな感じで、後処理の一環として参加した飲み会は無事に終わったんだけども……その後、こうして今あらためて『冒険』に来ているわけなのだ。
もともと息抜きのつもりで来たわけだしね、この国にも。

……サンセスタ島といい、ブルーベルといい、息抜きに来た先で必ずと言っていいほどトラブルに巻き込まれるのは……ホントどうにかならないものか。

(ま、いいけどね。最終的にきちんと楽しめれば……おっ、面白そうなのみっけ)

現在僕は、『ダイバーフォルム』で水中にもぐり、サンゴ礁の大地にできた湖の中を探検中だ。

今までほとんど誰の手も入っていないだけあり、面白そうな素材がわんさか出てくる。

例えば、超低温の環境下で海水から晶出した塩分の塊……『クリスタルソルト』。
高級食材で、くせのなく舌ざわりと喉ごしのいい上品な塩味が出せる調味料だ。お土産決定。

水中+超低温の環境でしか出ない、『蒼海鉱石』の氷系統版みたいな鉱物『氷錫』。
また色々つくれるものが増えそうで結構。……氷属性の魔剣でも作ってみよっかな。

太古の生物の骨とかが、低温環境特有の物質とかを取り込んでできたとされる、普通のそれとは明らかに違う性質を持つ化石なんかもあった。インテリアにもよし。

それに、この海域は、そもそもこの氷点下でも凍らない海水自体が素材なんだそうだ。塩分を抜き取れば魔法薬の優秀な素材になったり、その他いろいろ使い道数多らしい。
命知らずの冒険者や、膨大な金をつぎ込んで準備した大商人なんかが採取に来るんだって。

そして何より、この海域の地面そのものを形作っている『サンゴ』。これが一番だろう。
潜ってよく見てみるとわかるんだけど……地面になっている、寒冷地方の固有種ってだけのサンゴだけじゃなく、色んな種類がある。

水面からの光を浴びて赤や青にきらめく、宝石みたいなサンゴ。
自分で発光して、海の中に明かりを灯しているサンゴ。
イソギンチャクみたいに、固くなくてゆらゆら動いてるサンゴ。
それ以上にアクティブに……っていうか思いっきり動いて魚を捕食してるサンゴ(?)。

より取り見取り。片っ端から採取していった。動く奴も含めて。
地の利もあるからだろう、何気に強かったな……ランクAくらいの強さはありそうだ。

そうでなくても、こんな環境下……戦うどころか、生存すら普通なら絶望的だもんな。
水温が氷点下……常人なら凍傷まっしぐらだ。実際に肌で感じてみてわかった、こりゃ人間が探検するのは無理だ。

だからこそ今の状況があったと考えれば……まあ、ナイス環境、とでも言えばいいのか。

で、その途中にスマホに通信が入って……出てみたら、アイドローネ姉さんだった。
そして、さっきの会話につながるわけだ。

防水加工もばっちり――というか別にコレ機械じゃないので水とか苦手でもないんでもないんだけど――のスマホを耳に当てながら、その向こうのアイドローネ姉さんの話を聞く。

さて……何だって? その……何とかっていう……式典?



シャラムスカ皇国。
このアルマンド大陸において、最も歴史の古い国であり……当然のように六大国の1つに数えられている。

その実態は、簡単に言えば『宗教国家』。
この大陸で広く信仰されている『シャルム教』という宗教の総本山であり、宗教組織を中心に回っている国。そのトップ『教皇』が統治機構の最高責任者で……その上に、神に仕える4人の乙女『聖女』がいるらしい。もっとも、こっちは行政に関わったりはあまりしないそうだけど。

……日本で言えば……『聖女』が天皇とかで、『教皇』やその他幹部が総理大臣や閣僚かな?

偏見かもしれないけど……宗教が権力持つと、歴史上あんまり愉快なことにはならない気がするというか……その在り方が寛容でない限り、『そうでない者』……異端者への弾圧待ったなしになる気がするというか……ぶっちゃけ、あまりイメージよくないんだよね。現時点で。

これも偏見だろうけど、異世界ファンタジーとかだと、宗教ってそれに従わない『異端者』への弾圧とか過激な場合多いし、狂信者とかとち狂った行動にでるパターン多いし。

というか現実でも、ひどいのだとテロ起こしたりするよね? 自分でやってる非人道的な行為は平然と棚上げしつつ。あとは、普通に物欲で教団運営したりとか。カルト宗教とかそうだよね。

僕の嫌いな奴ワースト3が『価値観を押し付けてくる奴』『こっちの都合を考えない奴』『食べ物を粗末にする奴』なんだけども……熱心な宗教家って、前2つに当てはまりそうなので、ぶっちゃけ苦手である。

適当でいいんだよ、宗教なんて。気の持ちようなんだから。

他人の心のよりどころをとやかく言う気はないし、その信仰のために誰が何をしようと勝手だけど、そのために他人にまで迷惑をかけるなら、それはただの迷惑行為だ。

もし仮にそれでこっちに危害が及ぼうもんなら、僕は物理的に排除しますのであしからず。

まあ、テレサさんが所属してるのも、その『シャルム教』の教会なので、全くアレな人ばっかり、ってわけじゃないんだろうけどもね?

……というか、すでにシャラムスカからは、何回か特使みたいなのが『キャッツコロニー』に尋ねてきたり、手紙もらったりしてるんだよね……熱心な勧誘と共に。
入信を断ると、露骨に不満になったり……とかは今のところないけど。

なので、すでにちょっと苦手気味である。あの国。

……随分前置きが長くなったけど……アイドローネ姉さんいわく、その国から、あるイベントへの招待状が、僕宛に届いた、とのこと。

そのイベントが……『シャルム・レル・ナーヴァ』。
別名『聖女拝命式』。シャラムスカ皇国において、新しい『聖女』が任命される際の式典だそうだ。

国のトップ(象徴職だけど)の就任式典だけあって、かなり豪華かつ大々的に行うらしく、各国から首脳陣や有名人が招待されるそう。僕も、その『有名人』枠の1人か。

で、どこから調べたのかしらないけど、アイドローネ姉さんの情報では……僕らの顔見知りの有名人も、結構な人数が出席するようだった。

ネスティア王国からは、リンスレット王女。あと、護衛に軍人や騎士団員から数名。

ジャスニア王国からは、エルビス王子と、付き添いでルビスも。護衛は同じ感じ。
政治部門代表として、あの童話ネームの人……ドロシーさんも来るっつってたな。

フロギュリアからは、オリビアちゃんと、メラ先生。その他数名。
執事というか従者枠で、今回の一件で知り合ったクルール・セバスチャンもだそうだ。

そしてニアキュドラからは、レジーナ。その他数名。

……狙ったように顔見知りが集まるな……同窓会みたいになりそうだ。
もっとも、当日の式典は、気軽におしゃべりしたりとかできない堅苦しいものだそうだけど……あー、どうしよう? 出なきゃダメかな? さぼりたい……。



……ん?



依然海の中で、採取と探索を続けながらアイドローネ姉さんの話を聞いていた僕は……ふと、見覚えのある感覚を覚えた。

直後……水を蹴って急浮上。
ざばぁん、と音を立てて水中から飛び出し……そのまま海面に立って、あたりを見回すと……おいおい。

「……あのさ、何でこんなとこでまでお前と会うの?」

「ご趣味をお楽しみのところ申し訳ありませんね……しかし、こちらも仕事でして」

僕と同じように海面に立っている、白黒コートの男……ウェスカーがそこにいた。




……………………………


次でこの章は最終になります(予定)。


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