魔拳のデイドリーマー

osho

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第23章 幻の英雄

第573話 叶わぬ理解と、最後の戦い

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「残念ですよ、ミナト・キャドリーユ。あなたとは、こんな対峙の仕方はしたくなかった……あなたは、これから産声を上げる新しい世界において、あらたな時代を切り開く最初の1人となり得る存在だと、期待していたというのに」

 おそらく、その言葉は本心からのものなんだろう。隠しきれない失望や落胆が声音に乗っていた。

「くだらないことに僕を巻き込もうとするな、願い下げだバカ。その御大層な計画もろとも、ここで終わらせてもらう」

 そして、僕のコレもまた、心からの本音だ。

「……ドロシーの魂を通して、私の過去を見たのでしょう? ならばなぜ理解できない……このまま世界が時計の針を進めても、真に平和な世の中など永遠に訪れないというのに。それができる力を、なしうる可能性を持ちながら、なぜ新しい世界を見たいと思わないのですか?」

「僕個人の価値観でよけりゃいくらでも語ってあげてもいいけどさ。その前にあんたには言っておかなきゃいけないことがある。……勝手に今の世界に失望して、価値がないと思い込んで決めつけて……それでなんだって、今、この世界を一生懸命に生きている人達を巻き込むんだよ」

 ……今回の騒乱を通して、ずっと気になっていたことだ。
 すっと気になっていて、しかしいくら考えても理解できなかった。

 理解する部分がそもそもないからだということに気づくまで、結構時間がかかった。

 こいつは確かに、こいつなりに世界を平和にしようとしたんだろう。

 1万2千年もの長い……想像もできないほど、途方もなく長い時間をかけて、色々なものを見てきたんだろう。いろいろと試して、学んで、戦ってきたんだろう。
 けど、その果てにたどり着いた結論が……『今の世界のままじゃ平和は作れない』というもので……言ってみれば、今あるこの世界そのものの、そしてその未来の否定だった。

 世界そのものが間違っているから、そこを正さねばならない。
 そうしなければ、未来の世界も今と同じ世界のままで、バイラスが望む『平和な世界』はやってこない。永遠に。
 だから、『ショック療法』で一度世界を、その価値観やシステムごとぶっ壊して、新しい世界を作り上げさせ、その過程で人類にも、平和につながる新しく、正しい価値観を持ってもらおう。

 それがつまりは、バイラスの狙いだ。

 そして同時にそれは、世界が今のままである限り、そこに暮らす人達にも、同様に『意味がない』『価値がない』と言っているに等しい。

 そんな風に考えられるからこそ、『試練』によってふるいにかけて、生き残る力の、ひいては、生き残る価値のある者だけを残して、残りは切り捨てる……なんて決断ができるんだろう。

 魔物と戦う力なんてもっていない、この世界に生きる大多数の人達に対して……なんとまあ迷惑な結論に至ったもんだ。

「巻き込む、か……その考え方もまた、私がこの方法を選択した1つの理由です」

「…………?」

「対岸の火事、という言葉があるでしょう。世界のどこかでどんな悲劇が起こったとしても、自分の身に火の粉が降りかからなければ、自分には関係ない。そんな風に考えて、少しばかり気にかけはするものの、何か行動に移るようなことはない。災害で多くの人が死のうと、大事件が巻き起こって犠牲者が出ようと……哀れみや憤りこそ覚えても、そのために何か自分が動くことはない。興味自体示さないものとて、決して珍しくはないはずだ」

 まあ、それは確かにそうだな。

 この世界でもそうだし……僕の前世の、現代日本でもそうだった。あの世界はネットとかの情報網がそりゃあ発展してたから、世界中で起こった事故、事件、災害のニュースだってすぐに手に入ったし、その報道に心を痛めることだって多かったはずだ。
 しかし、だからといってそれに募金して現地を応援したり、ボランティアとして現地に行って復興や救助を手伝ったりするなんて人は、ごく一部だったろう。

 文字通り、大多数の人にとって、それらは『対岸の火事』。
 『大変だね』『怖いね』の一言で終わらせて、テレビのチャンネルを変えるくらいの興味関心にとどまるものなのだ。

 実際、僕もそうだった。

 僕が転生して、この世界にくる死因にしたってそうだな。まさか、飛行機事故に遭って命を落とすなんて、夢にも思わなかったし。
 個人が飛行機事故に遭遇する確率って、20年間毎日欠かさず飛行機に乗って1回あるかないかだって聞いたことがある。そんな、宝くじに当選するよりレアかもしれない経験をすることになるなんて……少なくとも僕は、夢にも思ってなかった。

 地球のどこかでどれだけ大変なことが起こったとしても、自分や自分に近い人にそれが起こったんじゃない限り、どこまで行っても人にとっては『対岸の火事』なのだ。

 けど、それってある程度は当然というか、仕方のないことじゃないかな? まさか、ニュースの1つ1つに一喜一憂して感情移入なんかしてたら、普通に暮らすことすらできないんだから。

 世界中のすべての人が、世界中の人々の気持ちをわかって、苦悩や怒り、その他もろもろを理解して……それを考えて動くことなんてできない。
 『他人事でいる』って、人間が人間らしく生きるために、割と重要な能力だと思うよ。

「それは確かにその通りだ。そのこと自体を否定しているわけではありませんよ……私にも、そういう考え方はありますしね。けれど……それが高じて、自分達が見なければいけない部分にまで目がいかなくなってしまうというのは、いただけない」

「……というと?」

「例えば、ある国で大規模な災害が起こり、多くの人が死んだ。事前に備えておけば、全くとは言わずとも、被害の多くを抑えられたかもしれない災害だった。隣国の人々はそのことを悲しみ、恐れた……。さて、ここで……その隣国の人々が、この悲劇を教訓に、災害に対する備えをしたのであれば何も問題はない。だが……」

「実際は、そうする人は少ない……と」

「然り。人間とは不思議な生き物で……無意識に、自分だけは大丈夫だと、自分は他とは違う、特別なのだと思い込んでしまう生き物だ。『他人事』としてとらえた事物が、いつか自分にも降りかかってくるかもしれない、と考えることができない。いや、考えはするが現実味が伴わないのだ」

 理解は、できる。そういうの……平成の日本にもすごく多かった。
 ニュースで災害のことが大きく報道され、それを見て『怖いね』なんて言う一方で……それを見て、何かが変わったと言われれば……

 もちろん、変わる人もいるんだろう。多少なり意識が変わって、災害に対する備え……防災バックとかを用意したり、家を立てる時にその辺を考えて設計や加工をしたり。

 けれど、決して少なくない数……変わらない人もいる。
 備えがあった方がいいのはわかってるけど、面倒くささや、お財布のガードの方が勝ってしまい……結局『自分は大丈夫でしょ』の一言で、そこに手を付けずに終わってしまう人が。
 
 実際、そういうのを用意したとしても、大多数の人は使う機会がなく一生を終えるんだろうし――それはそれで喜ばしいことなんだろうけどね――それを『無駄だ』と思ってしまうのも仕方ないのかもしれない。

 けど……

「『他人事』でいることは決して悪いことではない。しかし、そこから何も学ばす、何も生かさずにいることは、損失でしかないのですよ……『他人事』はよくても、『対岸の火事』でいることは。しかし、多くの者達はそれを理解しない。自分達だけは大丈夫だという根拠のない思い込みが、学びの機会すら、意思すら奪い……そして人は、微々たるも重要な『進歩』と『進化』の機会を喪う。ごくわずかずつでも積み重ねれば、いつの日か大事を成したかもしれない貴重な時間を、機会を、無駄にする……その繰り返しが、今の時代を生きる者達の停滞だ」

 だから、と続けるバイラス。

「誰の目にも明らかな形で、示さなければいけない。人類は、まだまだ成長できるのだと。成長しなければいけないのだと。……そうせざるを得ない状況を前にして、他の選択肢が全て奪われた状態になって、ようやく人は前に進むことができるのです。命の危機を、どうしようもない逆境を乗り越える、その時にこそ、人は一層輝き、ひとかけらの真理を学ぶ」

「そうできないで死んでいく奴の方が多いだろ。無理やりにそんな状況に放り込んで、1人目覚めさせるために100人200人殺す気か」

「どの道、人間など100年も生きられない種族であることに変わりはない。いつ死ぬかが変わるだけだ……そして、平穏無事に100年生きられたとして、その生涯の後には何も、実になるものは残さない。無駄な時間を過ごし、可能性を食いつぶして生きただけの100年にどれほどの価値がある? それならば、その人生そのものの価値を100倍、1000倍に高めるために命を燃やすべきだ」

「巻き込まれる側からすればたまったもんじゃないだろ。平和に、何事もなく、誰に迷惑をかけるでもなく暮らしていただけなのに、ある日突然何かが起こって死ぬ、あるいは死にかけるなんて」

「災害とはそういうものです。そしてそれらについても、備えておけば、気を付けておけば助かった……そういうものであることがえてして圧倒的に多い。それに遭って死ぬことそのものが、その者がこの先の世界を生きるには甘い存在であることの証明。必要な犠牲です。人類が、悠久の時を堕落したまま過ごすのではなく、実りある時を過ごしていくためにね」

「あんた……自分が神様にでもなったつもり? まるで、世界中の人を自分の所有物みたいに……気に入らないから無理やりにでも成長させるなんて、どれだけ自己中心的なのよ」

 思わずといった感じで、僕の横に立っていたエルクがそう言い放った。

 バイラスの視線が、ちらっとこっちを……エルクの方を向くが、エルクはたじろいだり目をそらしたりする様子もなく、睨み返している。
 それに触発されたのかどうかわからないが、続けて次々に、皆が口を開いていく。

「確かにねえ……この世の中には、まあろくでもない人間が多いと思うよ? 自分で努力しないだけじゃなく、積極的に他人の足を引っ張って転ばせようとかしてくる奴もそこら中にいるし」

「それが原因で、人生に、心に、消えない傷を負ってしまう人もいます。被害者か、加害者かを問わず。それもまた……あなたが言うような意味で、『未来を失う』ことなんでしょう」

「でもさ、だからって何もかも一緒くたにして傷つけて、無理やり前を……というか、同じ方向を向かせるのは違うでしょ。当たり前だけど、皆、見ている先、歩く先は違うのよ?」

 身内に『ろくでもない奴』がいるのを思い出したらしいザリーや、自らも貴族としての立場を、策謀によって奪われた過去を持つナナ、人とは違う価値観を持っていることを自覚しているシェリー、

「ミュウみたいに、何も起こらなくてものんびししているだけ、好きな人と一緒にいられるだけで幸せだという人も、中にはいます。進歩とは縁遠いのかもしれないけど、それも1つの幸せです。……まあ、振り回されるのも嫌いじゃないですけどね、最近は」

「だが、意にそわない形で前を向かせられ、見たくもないものを見せられたとしても……それが必ず己の力に変わり、未来を向くことにつながるかもまた、人それぞれだ。力を得ることができても、命を拾っても……大切なものを失って、絶望してしまった者の目には、最早未来など、映らない」

 何も刺激がなくとも、日向ぼっこしながら穏やかな時間を過ごすのが好きなミュウ、
 かつて絶望のどん底に叩き落され、もう生きることそのものがつらくなってしまい、命すら捨てる直前まで心を追い詰められた経験を持つサクヤ、

「長いことギルマスなんて立場にいるとね、いくらでも目にするもんだよ。善良な奴、自分勝手な奴、仁義に厚い奴、ろくでもない性根の奴……印象は様々だし迎えた末路も千差万別。中には、可哀そうな最期を迎えた者、後悔だらけの人生を生きてた奴だっていたと思う」

「じゃが、それでもその大半の奴は、自分にできることを精いっぱいやって、自分の生きる道を自分で決めた結果としてそうなったはずじゃ。誰かに決められた運命の中で、どう自分をごまかして生きようとしても、腹の底から力など出せんものよ」

「人間の一生なんて、もともとそんなものニャよ。誰が、いつ、どこで、何に力を使うか……その選択も含めて、個人個人の人生そのものニャ。それに外から干渉しようとしても、反発されて絶対に、余計に、どこかで歪んで破綻する」

 アイリーンさん、テーガンさん、エレノアさん、

「人は、他者との、他者の人生との関わりを通して、困難を乗り越えていく中で、自らが生きるべき道、貫くべき意思や、振るうべき力に気づくもの。人はそれらに、気づくべき時に気づけるからこそ、その力を迷いなく使うことができるようになるはずです」

「てめーの独りよがりなおせっかいなんぞに頼らなくても、結局んとこやる奴はやるし、出来ねえ奴は結局できねえよ。見当はずれな使命感背負って、傷口に塩を塗り込むようなうざったい真似をしたところで、力は得ても淀んで曇っちまう奴が増えるだけだ。そんなんが未来につながるか」

「結論言っちゃうとね! 世界がどうこうとか、そんな神様みたいな視点なんて、個人が持ってどうこうする必要ないの! 一人一人が信じて信じられて、他人を思って思われて、その繰り返しの果てに自分で切り開いていくのが、その人の人生ってものなの! これと決まったゴールを用意してその他の全てを否定するなんて、誰にとっても不幸でしかないってわかれ!」

 テレサさん、師匠、そして……母さん。

 皆の言葉を黙って聞いていたバイラスは、しばし沈黙して……

 ……しかし、

「……残念だ」

 ああ、これは……やっぱ聞き入れなかったか。
 そんな風に直感してしまう。

「結局はあなた達も、どれだけ大きな力を持っていても……1人の人の枠組みから外れた視点を持つことはできなかった。望めばそれこそ、神に等しい力を持ち、この世界全ての頂に君臨することすらできただろうに」

「何度も言ってるように、そんなもん願い下げだっての。めんどくさい。……僕らはあくまで、僕らの人生を歩んでいく。そのために……お前のその、はた迷惑な計画が邪魔だ。人類の未来も何も知ったこっちゃない。僕らは僕らの将来のために……あんたを排除する」

「……つくづく、残念ですよ。あなた達には、新世界の導き手になって欲しかったというのに……ここで、私自ら引導を渡さなければならないとはね」

「あら、随分自信あるんじゃん? ……もう知ってると思うけど、私もミナトも、あんたの正体知ってるわよ? あんたの不死身のカラクリも、私達には通じないからね」

 バイラスは、かつての昔……聖女・リリスの『ザ・デイドリーマー』によって誕生した存在。
 そもそもがまっとうな生き物ではなく、彼女の願いによって生まれた化身……祖国を守るための最強の戦士として創造された者。

 寿命はおろか、死という概念すらないため、どれだけ攻撃しても傷を負うことのない……まさしく無敵の存在だ。

 ただし、それはその不死性あってのもの。
 その天敵である……『ザ・デイドリーマー』による創造物そのものを破壊することができる、僕や母さんに対しては……

「無力だ、と考えるのは早計ですよ?」

「!」

「認めましょう。あなた方の推察通り、私は、具象化された、リリスの願いそのものだ……あなた方の力をもってすれば、消滅させることも可能でしょう」

 ですが、と続けて、

「だからと言って、私に勝てるかどうかは別問題ですがね。私は決して、生まれ持った不死性だけにかまけた無能ではないつもりですよ?」

 その瞬間、バイラスを中心にすさまじい魔力が渦巻いていく。

 黒く染まった風がバイラスを包み、スーツとシルクハットに包まれたその体を覆い隠す。
 その『黒』は不思議と……なんというか、淀んだり濁ったりした感じのそれじゃなく……説明が難しいけど、純粋できれいな『漆黒』みたいな感じに見えた。

「1万2千年もの間、私は遊んでいたわけではない。もとより、停滞した現状に満足するのは、私自信が最も嫌うこと。いつか来る、絶対に負けられない戦いの時のため、母より与えられたこの力を、常に鍛え、研ぎ澄ませてきた」

 不意に、風がやみ……視界を遮っていた漆黒のベールが取り払われる。
 空気に溶けるように消えたその向こうから……今までとは全く違う姿になったバイラスが姿を現した。

「誰だよ」

 師匠が思わずそんな風に言ってしまったのもむべなるかな。見た目、完全に別人だもの。
 というか、この姿……

(あの過去世界の『記憶』で見たのと、同じ……!)

 身長は変わらないけど……筋骨隆々の肉体に、肌の色も浅黒くなっている。上半身は裸で、マントだけつけており、下半身は頑丈そうなズボンとブーツに身を包んでいる。
 体にはその他腕輪とか飾り紐とか、アクセサリーっぽい装飾があちこちにあった。
 髪の毛と瞳の色は、さっきまでと同じ。艶のある黒と、血のような赤。
 
 両手にそれぞれ1本ずつ剣を持ってる。二刀流か。
 しかも、2つ違う種類の剣なんだが……見ただけでわかる、明らかにどちらも、特級品、いや、それ以上の格のマジックアイテムだ。
 記憶の中で見た武器とは違うな……そのへんもアップグレード済みってことね。

「邪魔は、させない」

 鋭い目をこちらに向けて、短く、しかしはっきりと、言う。

「わが宿願のため……母上の望んだ世界のため……ここで、散るがいい!」



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