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第5話
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薬草採取のクエストを受けたユニスとラヴィニアは、まずは聖都の北門を出る。
そのまま街道をしばらく進んだところで、左手にある獣道へと入って、「角ウサギの森」と呼ばれる森林地帯へと踏み込んでいった。
だた森林地帯といっても、それほど険しい森ではない。
地面から伸びる草も進むのに著しく邪魔というほどではなく、ピクニック気分で歩き進められる程度のものだ。
その初心者コースの森林地帯を、ユニスが前、ラヴィニアが後ろという隊列でざくざくと進んでいく。
「たしかイヤシソウを十株、ゲドクグサを十株取ってくればいいんだったわね?」
前を進むユニスが、剣でところどころ邪魔な草を切り払いながら進む。
「うん。でもそれだけの数が見付かるかどうかはあやしくて、足りなかった場合は採取してきた分だけで部分報酬だって話だね」
ラヴィニアはユニスが切り開いた道を、悠々と進んでいく。
ただときおり草木の端にローブの布地が引っかかったりして、それなりの苦労はしていた。
「それで不足なく完全納品できて、ようやく金貨五枚の報酬かぁ……。冒険者も楽じゃないなぁ」
「まぁね。でも一部のヤバいモンスターに注意していれば、未熟な冒険者でもクリアできるレベルのクエストなんだから、そんなもんでしょ」
「そうね、しょうがないか。私たちはその『未熟な冒険者』なわけだし」
「そういうこと。徐々に経験を積んでいくしかないね。……それはそうと、気付いている、ユニス?」
ラヴィニアはユニスのもとに寄って、そっと幼馴染みに耳打ちをする。
それにユニスも、わずかな仕草でうなずいてみせる。
「うん、つけられているみたいね。……冒険者ギルドでやりあった三人?」
「だと思う。お礼参りかな?」
「でしょうね。ああもう、なんなのよ。バカなの? あいつら本当にバカなの?」
「逆恨みって嫌だね。……でもどうしよう?」
「やるしかないでしょ。できれば二度と私たちにちょっかいを出そうとしないぐらいに。……でもあいつらも言うほど雑魚じゃないし、一人ずつならともかく、三人まとめてになると私ひとりじゃちょっと危ないかも。ニアも手伝ってくれる?」
「了解。クエストの最中に余計なことで魔力を使いたくはないんだけど、しょうがないね」
少女たちはそんな密談をしつつ、森の中を進んでいく。
一方で、それを追う三人の中年冒険者たち。
二人の少女が森の中を進んでいくのをギリギリの距離から尾行して、少女たちのあとを追っていた。
「へへっ。あのガキども、俺たちに追われているとも知らずに、のんきなもんだぜ」
「俺たちをあれだけバカにしたんだ、少しぐらいひどい目に遭っても文句は言えねぇよなぁ? ひひひっ」
「この森の中じゃ、悲鳴を上げても誰も助けにはこないぜぇ?」
欲望をギラつかせた目で、男たちは二人の少女を追いかけていく。
だが、そんなとき──
追跡対象であった二人の少女が、パッと左右に散って見えなくなってしまった。
「なっ、分かれた!? なんで……!?」
「分からねぇ! だが見失ったらまずい、急ぐぞ!」
「でもどっちを追うよ!? 金髪ロングのあの小生意気な剣士のガキと、銀髪のほうと」
「まずはあの小生意気な金髪のほうだ! あいつさえ料理しちまえば、もう一人はどうとでもなるだろ!」
そんなわけで男たちは、慌てて少女たちのあとを追い、左右に分かれたところからは金髪の剣士の少女を三人がかりで追いかけた。
するとしばらく追いかけたところで、森が開けて広場のようになった場所に出る。
そこで三人の中年冒険者は、金髪の少女に追いついた。
金髪の少女は、その段に至ってようやく追われていたことに気付いたのか、慌てて振り向いて剣を構える。
「な、何よあなたたち! さっきの冒険者ギルドでの逆恨み!? えーっと……こ、こんなところまで追いかけてきて、恥を知らないの!?」
金髪の少女はそう叫びながら、慌てた様子で三人の冒険者たちを見回している。
一方で中年冒険者たちは、各々に武器を手に取り、剣を手にした金髪の少女を取り囲んでいく。
「へっへっへ……お嬢ちゃん、ちょっと腕が立つからって、大人をバカにしちゃあいけないな。だからこういう目に遭うんだ」
「抵抗しなけりゃ、痛い目は見ずに済むぜぇ? その代わりに、たっぷりと気持ちよくなっちまうかもしれねぇがな。ひひひっ」
「いやぁ、最初は痛いかもしれねぇぜ? 遊んでる感じでもねぇし、彼氏がいる雰囲気でもねぇ。いくら美人でもこう気が強くっちゃあ、男も近寄りがたいってもんだ」
「それじゃあ俺たちが、初めての男の味ってやつを、たっぷりと教えてやらねぇとな」
中年冒険者たちは、じりじりと包囲の輪を狭めていく。
対する金髪の少女剣士は、縮まる包囲網に焦るように後ずさっていたが、やがてその背中が大木の幹にぶつかってしまった。
少女は剣を構えながらも、迫りくる中年冒険者たちを前に怯えた様子を見せている。
中年冒険者たちは、獲物をいたぶるかのように、一歩、また一歩と少女に向かって歩み寄っていく。
「さあ、チェックメイトだお嬢ちゃん」
「もう逃げ場はないぜぇ?」
そう言って、男たちが今にも襲い掛かろうという距離まで近付いたとき。
怯えていた──いや、怯える振りを見せていた金髪の少女が、その口元をニヤリと吊り上げた。
「そうね、もう逃げ場はないわ──あなたたちの逃げ場がね! ──ニア!」
「あいよっと。──【蜘蛛糸の網】!」
「「「なっ……!?」」」
金髪の少女が合図をすると、横合いの森の中からもう一人の少女の声が聞こえた。
それと同時に、三人の中年冒険者たちの頭上から、三人をまとめて包み込むようにして白く光り輝く網のようなものが降りかかってきた。
いや、それは網というよりは、巨大な光の蜘蛛の巣といったほうが適切な代物だ。
輝く網はネバネバとしていて、そのくせ強い力で男たちを絡め取り、緩やかに拘束してしまった。
「うぉっ!? なんだこりゃ、魔法かよ……!?」
「畜生、まともに動けねぇ!」
男たちはどうにか粘つく魔法の蜘蛛の巣から抜け出そうとするが、そう易々とはいかない。
むしろ脱出しようともがけばもがくほど、体じゅうに粘つく糸が複雑に絡みついてしまい、また態勢も崩して、まさに蜘蛛の巣に捕らわれた憐れな獲物のような姿になってしまった。
そこに向かって、剣を片手に冷たい笑みを浮かべて歩み寄っていくのは、先ほどまで劣勢を装っていた金髪ロングの美貌の少女剣士──ユニスだ。
ユニスは三人の中年冒険者たちの前に立つと、光の網で雁字搦めになってもがく男たちに向かって、涼やかな声で語りかける。
「さっき面白いことを言ってましたよね、先輩がた? たっぷりと気持ちよくしてくれるんでしたっけ?」
「お、おうよ。こいつを解いてくれりゃあ、俺たちが優しくしてや──ヒッ、ヒィッ!?」
チャキッと、ユニスが手にした剣の刃が、男の首元に突きつけられる。
男はだらだらと、脂汗を浮かべた。
そのときにはユニスの顔からは笑みは消えていて、アイスブルーの冷淡な目が男を見下ろしていた。
「寝言は寝て言ってくださいよ、先輩。あなたたちの下品な物言い、こっちは聞いているだけで不愉快なんですよ。あんまり不愉快が過ぎると、私だって手元が狂います」
「わ、わわわわ、分かった……! お、俺たちが悪かった! 心を入れ替えて、もうしねぇから、な……? ──ヒッ、ヒィイッ!」
ユニスがさらに刃を近づけ、冷たい刃先が首の皮に当たるほどにすると、男は更なる悲鳴をあげる。
「本当ですね? もう一度ちょっかいを出してきたら、どうなるか分かってますよね」
「あ、あ、ああ、や、約束する……! もう二度と、お前には……いや、お前たちにはちょっかいは出さねぇ……!」
「そうですか。分かりました」
ユニスはそれから、他の二人にも同じように脅しをかけていった。
そして男たち全員が二度とやらないと誓うと、ユニスは男たちのもとを離れ、横手の森に向かって声をかける。
「オッケー、ニア! 魔法解いていいわ!」
「了解。──【魔法消去】!」
横手の森の中から姿を現した銀髪で魔法使い姿の少女は、杖を掲げてもう一つ呪文を唱える。
すると中年冒険者たちを苦しめていた光の網が消え去り、彼らは自由を取り戻した。
「「「お、俺たちが悪かった! ──すみませんでしたぁっ!」」」
三人の男たちは自由を取り戻すなり、怯えた様子で転げるようにその場から逃げ去っていった。
ユニスは騒動が片付いて、ふぅと一息をつく。
そこにラヴィニアが歩み寄ってきて、片手を上げる。
それを見たユニスは、自分も手を上げて、相方の手をパチンと叩いた。
「お疲れ様、ユニス。迫真の演技だったね」
「あいつらがアホで助かったわ。私、嘘をつくのとか苦手だし。それにしても本当に疲れたわ、主に精神的に」
「じゃあ慰安のために、ボクがユニスのことを抱きしめてあげるね。ぎゅうううううっ」
ラヴィニアは、幼馴染みの少女剣士の前で両腕を広げ、よく分からない脈絡でユニスに抱きついてきた。
「あー……」
よく分からない脈絡で抱きつかれたのだが、ユニスとしてもなんだか嫌でもない。
まあいいか、なんか気持ちいいし──
そんな風に思って、普段だったら恥ずかしがるユニスも、幼馴染みの親友にされるがままに抱かれていたのだった。
そのまま街道をしばらく進んだところで、左手にある獣道へと入って、「角ウサギの森」と呼ばれる森林地帯へと踏み込んでいった。
だた森林地帯といっても、それほど険しい森ではない。
地面から伸びる草も進むのに著しく邪魔というほどではなく、ピクニック気分で歩き進められる程度のものだ。
その初心者コースの森林地帯を、ユニスが前、ラヴィニアが後ろという隊列でざくざくと進んでいく。
「たしかイヤシソウを十株、ゲドクグサを十株取ってくればいいんだったわね?」
前を進むユニスが、剣でところどころ邪魔な草を切り払いながら進む。
「うん。でもそれだけの数が見付かるかどうかはあやしくて、足りなかった場合は採取してきた分だけで部分報酬だって話だね」
ラヴィニアはユニスが切り開いた道を、悠々と進んでいく。
ただときおり草木の端にローブの布地が引っかかったりして、それなりの苦労はしていた。
「それで不足なく完全納品できて、ようやく金貨五枚の報酬かぁ……。冒険者も楽じゃないなぁ」
「まぁね。でも一部のヤバいモンスターに注意していれば、未熟な冒険者でもクリアできるレベルのクエストなんだから、そんなもんでしょ」
「そうね、しょうがないか。私たちはその『未熟な冒険者』なわけだし」
「そういうこと。徐々に経験を積んでいくしかないね。……それはそうと、気付いている、ユニス?」
ラヴィニアはユニスのもとに寄って、そっと幼馴染みに耳打ちをする。
それにユニスも、わずかな仕草でうなずいてみせる。
「うん、つけられているみたいね。……冒険者ギルドでやりあった三人?」
「だと思う。お礼参りかな?」
「でしょうね。ああもう、なんなのよ。バカなの? あいつら本当にバカなの?」
「逆恨みって嫌だね。……でもどうしよう?」
「やるしかないでしょ。できれば二度と私たちにちょっかいを出そうとしないぐらいに。……でもあいつらも言うほど雑魚じゃないし、一人ずつならともかく、三人まとめてになると私ひとりじゃちょっと危ないかも。ニアも手伝ってくれる?」
「了解。クエストの最中に余計なことで魔力を使いたくはないんだけど、しょうがないね」
少女たちはそんな密談をしつつ、森の中を進んでいく。
一方で、それを追う三人の中年冒険者たち。
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「へへっ。あのガキども、俺たちに追われているとも知らずに、のんきなもんだぜ」
「俺たちをあれだけバカにしたんだ、少しぐらいひどい目に遭っても文句は言えねぇよなぁ? ひひひっ」
「この森の中じゃ、悲鳴を上げても誰も助けにはこないぜぇ?」
欲望をギラつかせた目で、男たちは二人の少女を追いかけていく。
だが、そんなとき──
追跡対象であった二人の少女が、パッと左右に散って見えなくなってしまった。
「なっ、分かれた!? なんで……!?」
「分からねぇ! だが見失ったらまずい、急ぐぞ!」
「でもどっちを追うよ!? 金髪ロングのあの小生意気な剣士のガキと、銀髪のほうと」
「まずはあの小生意気な金髪のほうだ! あいつさえ料理しちまえば、もう一人はどうとでもなるだろ!」
そんなわけで男たちは、慌てて少女たちのあとを追い、左右に分かれたところからは金髪の剣士の少女を三人がかりで追いかけた。
するとしばらく追いかけたところで、森が開けて広場のようになった場所に出る。
そこで三人の中年冒険者は、金髪の少女に追いついた。
金髪の少女は、その段に至ってようやく追われていたことに気付いたのか、慌てて振り向いて剣を構える。
「な、何よあなたたち! さっきの冒険者ギルドでの逆恨み!? えーっと……こ、こんなところまで追いかけてきて、恥を知らないの!?」
金髪の少女はそう叫びながら、慌てた様子で三人の冒険者たちを見回している。
一方で中年冒険者たちは、各々に武器を手に取り、剣を手にした金髪の少女を取り囲んでいく。
「へっへっへ……お嬢ちゃん、ちょっと腕が立つからって、大人をバカにしちゃあいけないな。だからこういう目に遭うんだ」
「抵抗しなけりゃ、痛い目は見ずに済むぜぇ? その代わりに、たっぷりと気持ちよくなっちまうかもしれねぇがな。ひひひっ」
「いやぁ、最初は痛いかもしれねぇぜ? 遊んでる感じでもねぇし、彼氏がいる雰囲気でもねぇ。いくら美人でもこう気が強くっちゃあ、男も近寄りがたいってもんだ」
「それじゃあ俺たちが、初めての男の味ってやつを、たっぷりと教えてやらねぇとな」
中年冒険者たちは、じりじりと包囲の輪を狭めていく。
対する金髪の少女剣士は、縮まる包囲網に焦るように後ずさっていたが、やがてその背中が大木の幹にぶつかってしまった。
少女は剣を構えながらも、迫りくる中年冒険者たちを前に怯えた様子を見せている。
中年冒険者たちは、獲物をいたぶるかのように、一歩、また一歩と少女に向かって歩み寄っていく。
「さあ、チェックメイトだお嬢ちゃん」
「もう逃げ場はないぜぇ?」
そう言って、男たちが今にも襲い掛かろうという距離まで近付いたとき。
怯えていた──いや、怯える振りを見せていた金髪の少女が、その口元をニヤリと吊り上げた。
「そうね、もう逃げ場はないわ──あなたたちの逃げ場がね! ──ニア!」
「あいよっと。──【蜘蛛糸の網】!」
「「「なっ……!?」」」
金髪の少女が合図をすると、横合いの森の中からもう一人の少女の声が聞こえた。
それと同時に、三人の中年冒険者たちの頭上から、三人をまとめて包み込むようにして白く光り輝く網のようなものが降りかかってきた。
いや、それは網というよりは、巨大な光の蜘蛛の巣といったほうが適切な代物だ。
輝く網はネバネバとしていて、そのくせ強い力で男たちを絡め取り、緩やかに拘束してしまった。
「うぉっ!? なんだこりゃ、魔法かよ……!?」
「畜生、まともに動けねぇ!」
男たちはどうにか粘つく魔法の蜘蛛の巣から抜け出そうとするが、そう易々とはいかない。
むしろ脱出しようともがけばもがくほど、体じゅうに粘つく糸が複雑に絡みついてしまい、また態勢も崩して、まさに蜘蛛の巣に捕らわれた憐れな獲物のような姿になってしまった。
そこに向かって、剣を片手に冷たい笑みを浮かべて歩み寄っていくのは、先ほどまで劣勢を装っていた金髪ロングの美貌の少女剣士──ユニスだ。
ユニスは三人の中年冒険者たちの前に立つと、光の網で雁字搦めになってもがく男たちに向かって、涼やかな声で語りかける。
「さっき面白いことを言ってましたよね、先輩がた? たっぷりと気持ちよくしてくれるんでしたっけ?」
「お、おうよ。こいつを解いてくれりゃあ、俺たちが優しくしてや──ヒッ、ヒィッ!?」
チャキッと、ユニスが手にした剣の刃が、男の首元に突きつけられる。
男はだらだらと、脂汗を浮かべた。
そのときにはユニスの顔からは笑みは消えていて、アイスブルーの冷淡な目が男を見下ろしていた。
「寝言は寝て言ってくださいよ、先輩。あなたたちの下品な物言い、こっちは聞いているだけで不愉快なんですよ。あんまり不愉快が過ぎると、私だって手元が狂います」
「わ、わわわわ、分かった……! お、俺たちが悪かった! 心を入れ替えて、もうしねぇから、な……? ──ヒッ、ヒィイッ!」
ユニスがさらに刃を近づけ、冷たい刃先が首の皮に当たるほどにすると、男は更なる悲鳴をあげる。
「本当ですね? もう一度ちょっかいを出してきたら、どうなるか分かってますよね」
「あ、あ、ああ、や、約束する……! もう二度と、お前には……いや、お前たちにはちょっかいは出さねぇ……!」
「そうですか。分かりました」
ユニスはそれから、他の二人にも同じように脅しをかけていった。
そして男たち全員が二度とやらないと誓うと、ユニスは男たちのもとを離れ、横手の森に向かって声をかける。
「オッケー、ニア! 魔法解いていいわ!」
「了解。──【魔法消去】!」
横手の森の中から姿を現した銀髪で魔法使い姿の少女は、杖を掲げてもう一つ呪文を唱える。
すると中年冒険者たちを苦しめていた光の網が消え去り、彼らは自由を取り戻した。
「「「お、俺たちが悪かった! ──すみませんでしたぁっ!」」」
三人の男たちは自由を取り戻すなり、怯えた様子で転げるようにその場から逃げ去っていった。
ユニスは騒動が片付いて、ふぅと一息をつく。
そこにラヴィニアが歩み寄ってきて、片手を上げる。
それを見たユニスは、自分も手を上げて、相方の手をパチンと叩いた。
「お疲れ様、ユニス。迫真の演技だったね」
「あいつらがアホで助かったわ。私、嘘をつくのとか苦手だし。それにしても本当に疲れたわ、主に精神的に」
「じゃあ慰安のために、ボクがユニスのことを抱きしめてあげるね。ぎゅうううううっ」
ラヴィニアは、幼馴染みの少女剣士の前で両腕を広げ、よく分からない脈絡でユニスに抱きついてきた。
「あー……」
よく分からない脈絡で抱きつかれたのだが、ユニスとしてもなんだか嫌でもない。
まあいいか、なんか気持ちいいし──
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