史上最強の女騎士物語~強過ぎて本気で戦ったことがありません~

ハイブリッド・メガネっち

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第一章

episode 9 休日一日目 前編

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 チュンチュン チュンチュン

 鳥の鳴き声を聞いたヴァーミリオンは、目を開けゆっくりと体を起こした。窓の方を見ると、日が登り始めたところだった。部屋に飾られている時計に目を向けると、時刻は午前五時三十分を差していた。

「五時三十分。いつもより一時間ほど早く目覚めたのね。昨日は早く寝たからね。う~ん。着替えて顔などを洗いましょうか。」

 ベットから降り、タンスの方へ向かった。タンスを開け今日着る私服を取り出すと、寝間着を着替え始めた。少しして着替え終わったヴァーミリオンは、タオルを一枚手に取り洗面室に向かった。

 パシャパシャ

「ふぅ~。気持ちいい~。顔もサッパリしたし、眠気も完全に覚めたわ。せっかくだから、庭に出ましょうか。」

 顔を洗い終わった後、タオルを洗濯かごに入れ、そのまま庭へと向かった。侯爵家のため、屋敷の敷地面積が広い。そのため庭の面積もそれなりにある。その広さは、平民の家が四から五軒は建てられるくらいには広い。

「夏の時期ということもあって、庭の植物たちは元気ね。それに、朝が早いということもあって、気温が高くない分とても気持ちいいわ。いつもは、起きたら庭の端で剣の素振りとかを日課にしているから、こうやってゆっくりと植物を観察するのはいいわね。」

 それからヴァーミリオンは、庭をゆっくりと見て回った。庭が広い分、色々な植物が植えられていた。それらを見ていたらかなり時間が経っていたようだ。屋敷の方から執事のセバスチャンが向かってきた。

「お嬢様、おはようございます。こちらにいらしたのですか。いつも鍛練している場所にいませんでしたから、探しましたよ。」

「おはようセバスチャン。ごめんなさい。今日はゆっくり過ごそうと決めていたから。それより、セバスチャンが来たということは。」

「はい、朝食の準備が整いましたのでお呼びに来た次第であります。」

 その言葉を聞いて、ヴァーミリオンは内心少し驚いた。

「もうそんな時間なのね。少し植物を眺めていただけかと思ったのだけど、時間が過ぎるのは早いわね。分かったわ、セバスチャン。食堂に向かいましょう。」

 そう言ってヴァーミリオンは、食事室に向かった。朝食を食べ終えた後、自室に戻り本を手に取っていた。

「ここ最近、本を読んでいませんでしたから、久しぶりに読みましょうか。」

 本棚に向かい手に取ったのは、戦史に関する本。それもただの戦史本ではなく、かつて全世界が一丸となって魔王と戦っていた時代の記録をまとめた本だ。

「今の時代、魔王がいないため平和だけど、いつ現れるのか分からないからね。参考までに読みましょうか。」

 ~本の大雑把な内容~
 今から五百年前までは、世界の人々は魔王の存在に恐れていた。しかも、いくら魔王を倒しても、二十年周期で復活してしまうのだった。魔王が存在するだけで魔族は誕生したり、魔物は凶暴になり、当時の騎士や冒険者たちはそれを相手するがやっとだった。そのため、それらより強い存在である魔王やその幹部には手が出せないでいる状態であった。結果、世界の約三分の一は魔族が支配するようになった。それに対抗するため、各国は勇者を育成した。中には異世界召喚をして、強力な能力を持った者を呼び出したりもした。やがて、魔族たちは数を減らしていった。それでも、魔王は復活してしまうため、強力な封印魔法を使用した。封印魔法は成功し、以来魔王が現れることはなくなった。現在、魔王の封印に関しては、十年に一度魔術師たちが定期的に封印に問題ないか管理をしている。

 バタン
「ふぅ~、読み終えた。詳細には書かれていない本だけど、魔王の特性が厄介な存在であることは分かったわ。まさか定期的に復活するなんて。きっとなにかあるのね。でも、それがなんなのかまでが分からないわね。取り敢えず言えることは、先人たちには感謝しかないわ。」

 本を読み終え、感慨深くなった。そしてふと時計の方を見ると、時刻は十二時になっていた。どうやら時間を忘れるくらい、集中して読んでいたようだ。

「まだ半日しか経っていないというのに、時間が過ぎるのは本当に早いわね。いつもならもう少しゆっくり過ぎていくのに不思議ね。」

 ヴァーミリオンがそう言っていると、グゥ~とおなかが鳴った。その音を聞き、少し顔が赤くなった。

カァー
「そっだったわ、丁度お昼の時間ね。十二時なら確か昼食ができている筈だから行きましょうか。」

椅子から立ち上がり本を元の場所に戻したヴァーミリオンは、食事室に向かった。食事室に向かって歩く間「午後は散歩に出掛けようかしら」と考えていた。
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