史上最強の女騎士物語~強過ぎて本気で戦ったことがありません~

ハイブリッド・メガネっち

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第一章

episode 13 騎士の一日

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 二日間の休日を終えたヴァーミリオンは、レーヴォルフ騎士団の騎士拠点にいた。

「では、ヴァーミリオンとエリーの二人は本日、行商人の護衛に当たってもらう。行商人の目的地は隣町のレニヨンだ。なにか質問はあるか?」

「モブ隊長、レニヨンまでの護衛でしたら冒険者たちで充分ではないですか。どうして私たちまで護衛に当たらなくてはならないのですか?」

「確かにエリーの言う通りなんだが、行商人が冒険者を信用しきれていないらしくてな。わざわざ行商人自ら足を運んで護衛の依頼をしたんだ。」

「冒険者にも当たり外れがあるからね。」

「私からも聞きたいことがあります。なぜ私とエリーが選ばれたのですか?他にも手の空いているメンバーもいると思うのですが。」

「そうですよ。正直なところしばらくは巡回業務などをしたかったです。」

 今度はヴァーミリオンがモブ隊長に質問をした。

「実はこの依頼、指名があってな。ヴァーミリオンを護衛に付けてくれと言ったんだ。お前さんがいれば問題なく完遂できると思っているが、うちの騎士団は基本ツーマンセルで活動しているからな。だからお前たち二人になったんだ。俺が決めた事じゃないぞ。」

 レーヴォルフ騎士団は、基本二人一組で任務等をしている。このツーマンセル方式を行っているのは、確実な目撃証言を増やすこと、敵を確実に捉えさせることなどメリットが多い。そのため騎士を見掛ける際、確実に二人が一緒になって行動している。

「他になにか質問はあるか・・・無いな。では、依頼の概要説明はこれで終了。護衛は午前十時に検問所からお願いするよう言われてるから向かってくれ。あと、護衛は片道だけでいいと言っていたから、終わったら戻ってきて巡回な。」

「「了解!」」

 説明を聞き終えた二人は、その足で検問所に向かった。現在の時刻は九時三十分、検問所までは歩いて二十五分程で着く。。

「エリー、向こうに着いたら冒険者たちと挨拶をしないといけないわね。」

「できれば、人柄のいい人たちであれば非常に助かるなだけど。」

「そればっかりはどうしようもないわね。実際に会って見るまでは分からないから。」

「人柄の悪い連中と一緒になったら嫌だな。自分たちの報酬が私たちのせいで減るとか言ってきそうだし。」

「かと言って変に強く言い返してはダメだからね。冒険者たちの組織は非常に大きいから、敵に回しては後々面倒になるからね。」

「そこは気をつけるから安心して。」

 検問所に着くまでの間、二人は冒険者たちの人柄がいい方であるように願いながら向かった。
 予定通りに着くと、護衛対象であろう行商人とその馬車、それと三人組の男たちがいた。二人は行商人の元に近づいた。

「本日の護衛を担当させてもらいます、ヴァーミリオン・エーデルハインです。それと、隣にいる彼女は。」

「相方のエリーよ。騎士の方は私たち二人だからよろしくね。」


「私は行商人のキャリーです。ヴァーミリオンさん、エリーさん護衛の方お願いします。それとおふた方、実は私の方が年齢が低いので敬語で喋らなくていいですよ。」

 二人は軽く挨拶をしたあと、冒険者三人組にも挨拶しに行った。

「騎士側のヴァーミリオンとエリーです。よろしくお願いします。」

「俺はジャックだ。後ろの二人はそれぞれロンとマイクだ。よろしく頼む。」

 それだけ言うと、ジャックは二人から離れた。

「なんか、素っ気ないわね。ジャックは見た感じガッチリとした体をしているけど、あとの二人はちょっと情けない体格ね。武器もナイフだけだし、あれで大丈夫なの?」

 エリーの言うようにジャックは顔の左側に傷も入っていることもあり、歴戦の冒険者の雰囲気を出していた。しかし、連れの二人はそのような雰囲気はなく、あまり実戦向きの体つきではなかった。

「そういう人もいるってことよ。それより、そろそろ出発の時間になるから馬車の近くに行きましょ。」

 護衛の行商人は予定通り午前十時に検問所を出発した。ヴァーミリオンとエリーが行商人の乗る馬車の前を歩き、冒険者三人組が後ろを歩くという配置になった。隣町のレニヨンまで歩いて三時間ほど。途中魔物が出現するポイントがあるが、それ以外は至って平和な街道である。

「護衛と言ったってこの街道はかなり安全な道だたら例のポイントのところまでは暇になりそうね。」

「そうかもしれないけど、イレギュラーだって発生するのよ。あまり気を抜かないでねエリー。」

 少し気の抜けた話し方をしたエリーに諭す感じで言い聞かせたヴァーミリオン。それから二時間後。特に問題なく来れた。しかし、ここから先は短い区間ではあるけど魔物が出やすい場所になっている。魔物が出やすい理由として、近くに遺跡があるからだ。大きさ自体そこまで大きくないため強力な魔物が住み着くことはなかったが、弱い魔物例えばゴブリンやホーンラビットが住み着くようになったのだ。ヴァーミリオンたちはそのような場所を歩いていた。しかし。

「おかしいわね、ここまで歩いて魔物が一体も現れないなんて。」

「本当ね。私も何度かここを通ったことあるけど、必ず一体は彷徨いていたりしているんだけど・・・ねぇ、ヴァーミリオン。後ろの三人組見て。まるで魔物が居ないことを分かっているかのように歩いているのだけど。」

「本当ね。なんであんなに冷静でいるのかしら。」

「分からないわ。でも、今は護衛に集中しましょ。私たちの最優先事項は行商人を確実に隣町に連れていくことだから。」

 二人は多少の疑問を持ちながらも、護衛に集中した。その後も魔物が出現することなく隣町に到着した。

「皆さん、護衛ありがとうございます!おかげで何事もなくレニヨンに着くことができました!」

 無事に辿り着いたメンバーは、その後解散となった。あの三人組はどうやらこの街に留まるらしい。一方ヴァーミリオンとエリーはレニヨンで少し昼食を食べてから帝都に戻って行った。行きと同じように三時間かけて戻ってきた二人は、騎士拠点までの間、平民街を巡回していた。

「まさか帰りの時もま物が現れなかったなんて、あの遺跡に住み着かなくなったのかな?」

「どうだろう。そう言ったことは冒険者ギルドの方が知ってそうね。」

「ま、私たちがとやかく言っでもしょうないわね。魔物のことは基本冒険者たちに任せているから。」

「私たち騎士は強力な魔物が出現しない限り積極的に討伐しないものね。」

「そんなことよりヴァーミリオン、早く戻って依頼の報告しちゃいましょ。ちょっと疲れちゃた。」

「それもそうね。早く巡回を終わらせて報告しちゃいましょ。」

 職業柄歩いていることに慣れている二人でも、さすがに疲れたらしく巡回業務を早く終わらせた二人は、モブ隊長に依頼の報告をしたのだった。
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