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大陸の覇者の没落 ー辺境の地の帝国の来訪編ー
今更外伝シリーズ1:君に任せたのが間違いだったよ
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これは、第一次ダーダネルス海峡海戦終結直後、本国が平穏を取り戻した頃のある日の話だ。
_エルディアン連邦首都 エルディアンDC 兵技開発本部
エルディアン連邦軍が珍兵器・ロマン兵器を配備するすべての元凶と化している兵技開発本部。今まで世に数多くの珍兵器・ロマン兵器を送り出したここで、また1つのロマン兵器が産声を上げようとしていた。
_兵技開発本部の1角 本部長室
歴代の本部長のほとんどがドイツ系、もしくはイギリス系だったため、気付けば部屋中に世界中のありとあらゆる傑作《へんたい》兵器の模型が飾られた本部長室。
いつもなら本部長室の外からは毎日本部員達のあーでもないこーでもないと言った議論する声が聞こえてくるものだが、今日は朝早いからかそのような会話は聞こえてこない。
その部屋に、本部員がノック音を立てて入室する。
「本部長。軍務担当大臣が面会を求めています」
「ほう……あの軍務大臣が、か」
兵技開発本部部長であるイギリス人のジョーンズは執務椅子からゆっくりと腰を上げる。
「いったい何の用でここまで来たんだか……」
「さぁ……?我々にはなんとも……」
「まぁいい。軍務担当大臣を会議室にお連れしろ。自分も向かう」
「承知しました」
本部員は会釈をすると、本部長室から退室する。
「まさかこの兵技開発本部を潰すとかそんな話じゃあるまい……」
いや、ありえるなと内心思う。なにせ毎日毎日貴重な資源を浪費、使えるかどうかも分からない試作兵器を量産しているのだ。そのほとんどは兵技開発本部所有のスクラップヤードに放置されているが……処理のめどは立たずただただ試作兵器の山が積み上がって行くだけだ。
それはともかく、ジョーンズは軍務担当大臣との面会に挑むべく本部長室を出て行った。
_会議室
「おはようございます、軍務担当大臣」
一足早く会議室についていた軍務担当大臣は、椅子に腰掛け会議室に入室したジョーンズを出迎える。
「やめたまえ、ジョーンズ君。堅苦しい挨拶は無しだ」
「でしたらお言葉に甘えて__っと」
ジョーンズはポスン、と椅子に座ると軍務大臣に早速質問を投げかける。
「__それで、軍務担当大臣。本日はいかなるようでここへ?」
「それなのだが……」
軍務担当大臣はそう言うと、椅子に立てかけていたバックからある一つの写真、それと1枚の紙を取り出し机の上に置く。
「単刀直入に言おう。これの魔改造仕様の設計を行え」
軍務大臣はそう言い、写真を__いや、写真に写った物を指差す。
「こ……これは……」
「あぁ、そうだ。エルナン・コルテス級超大型戦艦だ」
ジョーンズは漠然とその写真を見る……のではなく、興奮する。
まさか……まさかこんな機会を与えられるとは思わなかった。こんなロマン兵器を……魔改造できるなんて!
「そ、その……大統領から……許可は?」
興奮しているのを隠しきれていない様子で軍務大臣に尋ねる。
「もちろん、許可はある」
ジョーンズは、本格的に興奮する。日本で生まれたと言う『HENTAI』とは、まさにこう言う奴のことを言うのだろうか。
軍務担当大臣は『こりゃダメだな』と言いたげな顔でジョーンズを見つめると、さっさとここから出て行こうと話を次に進める。
「……一応こちらが絶対妥協できない要求仕様を掲示した紙を渡しておく。それをよく見て……魔改造のプランを立ててくれ」
机の上に置かれた1枚の紙。それをジョーンズに差し出す。
ジョーンズが熟読するソレには、確かに妥協できないであろう要求仕様が記入されている。内容はこうだ。
次期0-1『強襲揚陸』戦艦 『魔』改造必須要項
・簡易的な弾薬・食料生産工場を有す
・主砲は55口径41cm3連装又は45口径51cm連装砲又は36cm電磁誘導連装砲2基艦前方搭載
・推進機関を原子力に変更、超長距離航行を可能とする
・上陸部隊及びLCACを搭載
・51cm砲搭載の場合、発射時の衝撃に耐えられる対衝撃波シールドの開発
・装甲板の厚さ最低全周300mm以上
・サイズは問わない
そして、ジョーンズを一番ダメな頭にしてしまう内容があった。それは……
『『国家予算が転覆しかけない程度でのコスト捻出を可能とする』』
だ。
「本来であれば二番艦レオノーラ・ワトリングを改修する予定だったが、改修時、新規建造時の費用を鑑みた結果、本艦は新規建造することが決定した。……くれぐれも、それを超えないように」
軍務担当大臣はジョーンズに念を押す。
「わ、わ、わわわわかってますよぉ……あ、あひゃひゃ」
いや待て。これはまずい。どう考えてもまずい。絶対ダメな奴だ。嫌な予感しかしない。
「ま、まぁその……頼んだぞ」
「あひゃひゃひゃひゃ……」
ダメだ。もうこれ完全に毒されている。
「じゃ、じゃぁな……元気にしろよ!」
軍務担当大臣はカバンを手に取ると、風のような勢いで会議室を退出する。
会議室には、奇妙な笑い声を上げる本部長ジョーンズだけが、取り残されていた。
______
元ネタ:アメリカ君がアイオワ級を強襲揚陸戦艦に改造するって言う壮大な計画を真似した奴です。実際に検討されていたとか?
_エルディアン連邦首都 エルディアンDC 兵技開発本部
エルディアン連邦軍が珍兵器・ロマン兵器を配備するすべての元凶と化している兵技開発本部。今まで世に数多くの珍兵器・ロマン兵器を送り出したここで、また1つのロマン兵器が産声を上げようとしていた。
_兵技開発本部の1角 本部長室
歴代の本部長のほとんどがドイツ系、もしくはイギリス系だったため、気付けば部屋中に世界中のありとあらゆる傑作《へんたい》兵器の模型が飾られた本部長室。
いつもなら本部長室の外からは毎日本部員達のあーでもないこーでもないと言った議論する声が聞こえてくるものだが、今日は朝早いからかそのような会話は聞こえてこない。
その部屋に、本部員がノック音を立てて入室する。
「本部長。軍務担当大臣が面会を求めています」
「ほう……あの軍務大臣が、か」
兵技開発本部部長であるイギリス人のジョーンズは執務椅子からゆっくりと腰を上げる。
「いったい何の用でここまで来たんだか……」
「さぁ……?我々にはなんとも……」
「まぁいい。軍務担当大臣を会議室にお連れしろ。自分も向かう」
「承知しました」
本部員は会釈をすると、本部長室から退室する。
「まさかこの兵技開発本部を潰すとかそんな話じゃあるまい……」
いや、ありえるなと内心思う。なにせ毎日毎日貴重な資源を浪費、使えるかどうかも分からない試作兵器を量産しているのだ。そのほとんどは兵技開発本部所有のスクラップヤードに放置されているが……処理のめどは立たずただただ試作兵器の山が積み上がって行くだけだ。
それはともかく、ジョーンズは軍務担当大臣との面会に挑むべく本部長室を出て行った。
_会議室
「おはようございます、軍務担当大臣」
一足早く会議室についていた軍務担当大臣は、椅子に腰掛け会議室に入室したジョーンズを出迎える。
「やめたまえ、ジョーンズ君。堅苦しい挨拶は無しだ」
「でしたらお言葉に甘えて__っと」
ジョーンズはポスン、と椅子に座ると軍務大臣に早速質問を投げかける。
「__それで、軍務担当大臣。本日はいかなるようでここへ?」
「それなのだが……」
軍務担当大臣はそう言うと、椅子に立てかけていたバックからある一つの写真、それと1枚の紙を取り出し机の上に置く。
「単刀直入に言おう。これの魔改造仕様の設計を行え」
軍務大臣はそう言い、写真を__いや、写真に写った物を指差す。
「こ……これは……」
「あぁ、そうだ。エルナン・コルテス級超大型戦艦だ」
ジョーンズは漠然とその写真を見る……のではなく、興奮する。
まさか……まさかこんな機会を与えられるとは思わなかった。こんなロマン兵器を……魔改造できるなんて!
「そ、その……大統領から……許可は?」
興奮しているのを隠しきれていない様子で軍務大臣に尋ねる。
「もちろん、許可はある」
ジョーンズは、本格的に興奮する。日本で生まれたと言う『HENTAI』とは、まさにこう言う奴のことを言うのだろうか。
軍務担当大臣は『こりゃダメだな』と言いたげな顔でジョーンズを見つめると、さっさとここから出て行こうと話を次に進める。
「……一応こちらが絶対妥協できない要求仕様を掲示した紙を渡しておく。それをよく見て……魔改造のプランを立ててくれ」
机の上に置かれた1枚の紙。それをジョーンズに差し出す。
ジョーンズが熟読するソレには、確かに妥協できないであろう要求仕様が記入されている。内容はこうだ。
次期0-1『強襲揚陸』戦艦 『魔』改造必須要項
・簡易的な弾薬・食料生産工場を有す
・主砲は55口径41cm3連装又は45口径51cm連装砲又は36cm電磁誘導連装砲2基艦前方搭載
・推進機関を原子力に変更、超長距離航行を可能とする
・上陸部隊及びLCACを搭載
・51cm砲搭載の場合、発射時の衝撃に耐えられる対衝撃波シールドの開発
・装甲板の厚さ最低全周300mm以上
・サイズは問わない
そして、ジョーンズを一番ダメな頭にしてしまう内容があった。それは……
『『国家予算が転覆しかけない程度でのコスト捻出を可能とする』』
だ。
「本来であれば二番艦レオノーラ・ワトリングを改修する予定だったが、改修時、新規建造時の費用を鑑みた結果、本艦は新規建造することが決定した。……くれぐれも、それを超えないように」
軍務担当大臣はジョーンズに念を押す。
「わ、わ、わわわわかってますよぉ……あ、あひゃひゃ」
いや待て。これはまずい。どう考えてもまずい。絶対ダメな奴だ。嫌な予感しかしない。
「ま、まぁその……頼んだぞ」
「あひゃひゃひゃひゃ……」
ダメだ。もうこれ完全に毒されている。
「じゃ、じゃぁな……元気にしろよ!」
軍務担当大臣はカバンを手に取ると、風のような勢いで会議室を退出する。
会議室には、奇妙な笑い声を上げる本部長ジョーンズだけが、取り残されていた。
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