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第7章⑤
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翌日、奇跡的に若狭さんのお婆さんが会ってくれることになった。若狭さん曰く『俺は婆ちゃんのお気に入りの孫だからね』だそうだ。確かに要領よく甘えて祖父母から小遣いをせしめていそうな人である。
若狭さんは仕事なので俺一人での訪問だ。聞いた住所に時間通りにたどり着くと、予想以上に大きな屋敷で俺はちょっと腰が引けていた。これも情報を得るため、日和るなと自分に言い聞かせてインターホンを押す。
大きな玄関を入ると真正面に絵画が飾られていた。棚には高そうな絵皿がかざられているし。ハイクオリティーな豪邸に俺はかなり肝が冷える。転んで割ったりしたらどうしようと、想像だけでちびりそうだ。
「いらっしゃい。松永と言います。こんな若い子が尋ねてきてくれるなんて、長生きしてみるものねぇ」
お茶目に笑う老婦人に、俺は毒気を抜かれた。ピアノを嫌っているという事前情報があったので、ピアノのことを聞きに来た俺は敵視されているのではと、ものすごく身構えていたのだ。
「突然、お邪魔してすみません。月城文晶です」
出されたお茶を目の前に、俺は深々と頭を下げて挨拶をする。
「綺麗な名前ね。それで、ピアノのことだったかしら」
優雅にティーカップを持ちながら松永さんが聞いてきた。裕福なマダムの雰囲気が溢れだしていて圧倒される。
「はい。駅に置いてあるストリートピアノは、もともとは松永さんのご実家にあったものだと聞きました」
「えぇ、そう。嫁入りの時に父が持たせてくれたのよ。私は置いていきたかったのだけれど、置いておいても誰も弾かないからって押しつけられちゃったの」
「松永さんは弾かないのですか? 子供の頃に習っていたとかではなく?」
「そうねぇ。確かに習っていたけれど、すぐに辞めてしまったわ。私には才能なんてなかったから」
ドキっとした。母と同じことを言うからだ。
「趣味で弾く方も……たくさんいますよ」
今でこそ俺はこう返せるが、以前だったら共感して終わりだっただろう。
「私ではなく才能のある人が弾いた方が、あのピアノだって嬉しいでしょ。だから譲ったのよ」
譲ったという表現に引っかかりつつ、俺はもう少し踏み込んでみる。
「では、どなたが弾いていたピアノだったのでしょうか」
「不思議なことを聞くのね。それを知ってどうするの?」
松永さんは穏やかな笑みを浮かべてはいるが、目の奥は笑っていないような気がした。あのピアノと松永さんの間には何かがあるのだ、きっと。
「俺は、あのピアノに出会ったことで、またピアノを弾くようになりました。だから、撤去されるって聞いてとても寂しくて。俺を助けてくれたピアノだから、どんな時間を過ごしてきたのか知りたいって思ってしまったんです。すみません、気分を害したようなら謝ります」
完全にピアノでの挫折が吹っ切れたわけではないし、きっとコンクールや演奏会などの舞台に立つのは無理だと思う。あの真っ白になった瞬間の恐怖は思い返すだけで気持ち悪くなってくるし、ピアノに関わる母との軋轢もあの日のまま存在している。
だけど、あのピアノで奏子さんと出会って、俺はピアノを再び弾くようになった。苦痛でしかなかったピアノで、楽しいって思えた。それはすごいことだと思うし、そんな風に思えたのは奏子さんのおかげだ。少しだけだけど前を向けた。だからこそだ。奏子さんが縛られているピアノのことが知りたいのだ。縛られているからには理由がきっとある。
もし場所に縛られているのだったら、亡くなった場所なのかと想像がつく。でも奏子さんは場所じゃなくて物に縛られているのだから。何かしらの因縁があのピアノになければおかしい。
「松永さん。奏子という名前に――――」
俺が『奏子』と言った瞬間、松永さんが手元のティーカップを落とした。青ざめて手は震えている。
「大丈夫ですか。怪我は? カップは……割れてないみたいだけど」
俺は慌てて手を差し出して、松永さんの手を確認する。紅茶で少しぬれてはいるけれど、淹れ立てではなかったおかげでやけどもしていなさそうだ。ほっとしつつ、ポケットからハンカチを出して押さえるように松永さんの手をふく。
良かった、ちゃんとハンカチ持ってきていて。普段はあまり持ち歩かないのだが、余所様の家に行くので出掛けに思いついてポケットに入れたのだ。
「あなたの手……綺麗な手ね。ピアノを弾く人はみんなこんな綺麗なのかしら」
松永さんは俺の手を見てぽつりと言った。
「俺の手は綺麗なんかじゃないです。でも別に、ピアノを弾いてる弾いていないは関係ないかと思います」
「……そうかしら。少なくとも、この手でピアノを弾いたらさぞかし美しいんでしょうね」
俺の手から視線をそらさない松永さんがそこにいた。何か地雷を踏んでしまったのだろうか。
「あ、あの、その……俺の質問の件、なんですが」
少々びびりながらも話を蒸し返す。奏子さんの名前に動揺しているってことは、何か知っているはずだ。
「ピアノを弾く姉は綺麗だったわ」
「……松永さんのお姉さんは、もしや、奏子さんとおっしゃるんですか?」
俺は震える声で確認する。
「そうよ。私の旧姓は嬉野(うれしの)、嬉野奏子は二歳上の姉だったわ」
「ど、どんな方だったかお伺いしても? 例えば容姿とか」
「……写真があるのだけど」
棚の上に並んだ写真立ての中から一つ選び、松永さんは俺に差し出してきた。ありがたく受け取り、恐る恐る見る。
モノクロの写真に時代を感じた。でも、大切にしてきたのだろう。日に焼けてもいないし、写真立ての中に入っているから破れても汚れてもいない。
写真の中には、両親らしい男女が後ろに立ち、その前に三人の若者がいた。十代後半と見られる面差しの似た二人の少女と、二人よりは幼い少年だ。正直、松永さんだけしか知らなかったら、この少女のどちらが松永さんかは俺には分からなかっただろう。だけど……俺は松永さんが右側の少しだけ背の低い方だと分かってしまった。
だって、もう一人の少女が、俺の知っている奏子さんにそっくりだから。
「左側が、お姉さんの奏子さんですね」
一応尋ねる形は取っているが、俺もう確信をしていた。これは奏子さんだ。
「すぐに分かるのね。似ている姉妹で有名だったのに」
くすくすと松永さんは笑いだす。
俺の頭の中は興奮で埋め尽くされていた。奏子さんの肉親にたどり着いたのだ。これで謎だらけの奏子さんのことが分かるはず。そんな風に喜んでいたから、松永さんの異変にすぐには気付けなかった。
気付いたときにはもう遅い。松永さんの顔からは表情が抜け落ち、まるで幽霊のようだった。よっぽど幽霊の奏子さんの方が生き生きとしていると思えるくらい。
「ど、どうしたんですか」
あまりの表情の変わりように、俺はじわじわと怖くなってくる。
「あなたも姉さんの方なのね。みんな、みんな、私のことなんか眼中にない。姉さんばっかり」
ゆっくりとしゃべっているが、それが余計に恨みが籠もっているかのようで恐ろしい。
「死んでもなお、姉さんばかり。でもまさか、この歳になっても姉さんの幻影を見るとは思わなかった。ねぇ、あなたはどこで姉さんを知ったの? どこかに演奏記録でも残っていた? 確かに姉さんの演奏は素晴らしかったから残っていてもおかしくはないわ。ねぇ、答えてちょうだい」
無表情で詰め寄られ、その圧にびびってしまう。なんだろ、この有無を言わせない迫り方、奏子さんそっくりなんですけど! でも、今のこの人に言ったら逆に激怒しそうだから黙っておくけど。
さて、どう答えたものかと俺は冷や汗を流しながら必死で考える。どうやら仲の良い姉妹関係ではないらしいけど、ここまで根に持つなんて何かあったに違いない。
奏子さんのことを説明しようにも、さすがに幽霊になってあのピアノのところにいますなんて急に言いだしたら怪しさしかないだろう。何かの霊感商法だと思われるかもしれない。俺、壺とか水とか持ってませんから誤解しないでくださいよと、言ってもいないのに心の中で何故か言い訳をする。
焦っているとポケットの中でスマホが震えた。誰かからメッセージが来たようだ。そこで俺はハッと思いついた。
「あの、この動画を見てください」
スマホを取り出すが慌てるあまり手が震える。取り落としそうになりながらも、お目当ての動画を探し出した。
「あのピアノで演奏している動画なんです」
心霊ピアニストと呼び名が俺についてしまったきっかけの動画だ。人によって見え方が違うと珠樹が言っていたから、妹ならば奏子さんの姿も見えるに違いないと思ったのだ。
松永さんは何も言わないが、見たくないとも言いださないので、俺は動画を再生させた。駅構内の雑踏のざわめきの中に、俺の奏でるピアノの音が混じり合う。俺には血みどろな清美さんも見えてしまうので、変なうめき声を出さないように腹筋に力を入れた。ついに動画の映す角度が変わり、奏子さんと清美さんが映る。俺は身構えていたにもかかわらず、ビクッとなってしまったけど。松永さんは微動だにせず動画を見続けていた。
若狭さんは仕事なので俺一人での訪問だ。聞いた住所に時間通りにたどり着くと、予想以上に大きな屋敷で俺はちょっと腰が引けていた。これも情報を得るため、日和るなと自分に言い聞かせてインターホンを押す。
大きな玄関を入ると真正面に絵画が飾られていた。棚には高そうな絵皿がかざられているし。ハイクオリティーな豪邸に俺はかなり肝が冷える。転んで割ったりしたらどうしようと、想像だけでちびりそうだ。
「いらっしゃい。松永と言います。こんな若い子が尋ねてきてくれるなんて、長生きしてみるものねぇ」
お茶目に笑う老婦人に、俺は毒気を抜かれた。ピアノを嫌っているという事前情報があったので、ピアノのことを聞きに来た俺は敵視されているのではと、ものすごく身構えていたのだ。
「突然、お邪魔してすみません。月城文晶です」
出されたお茶を目の前に、俺は深々と頭を下げて挨拶をする。
「綺麗な名前ね。それで、ピアノのことだったかしら」
優雅にティーカップを持ちながら松永さんが聞いてきた。裕福なマダムの雰囲気が溢れだしていて圧倒される。
「はい。駅に置いてあるストリートピアノは、もともとは松永さんのご実家にあったものだと聞きました」
「えぇ、そう。嫁入りの時に父が持たせてくれたのよ。私は置いていきたかったのだけれど、置いておいても誰も弾かないからって押しつけられちゃったの」
「松永さんは弾かないのですか? 子供の頃に習っていたとかではなく?」
「そうねぇ。確かに習っていたけれど、すぐに辞めてしまったわ。私には才能なんてなかったから」
ドキっとした。母と同じことを言うからだ。
「趣味で弾く方も……たくさんいますよ」
今でこそ俺はこう返せるが、以前だったら共感して終わりだっただろう。
「私ではなく才能のある人が弾いた方が、あのピアノだって嬉しいでしょ。だから譲ったのよ」
譲ったという表現に引っかかりつつ、俺はもう少し踏み込んでみる。
「では、どなたが弾いていたピアノだったのでしょうか」
「不思議なことを聞くのね。それを知ってどうするの?」
松永さんは穏やかな笑みを浮かべてはいるが、目の奥は笑っていないような気がした。あのピアノと松永さんの間には何かがあるのだ、きっと。
「俺は、あのピアノに出会ったことで、またピアノを弾くようになりました。だから、撤去されるって聞いてとても寂しくて。俺を助けてくれたピアノだから、どんな時間を過ごしてきたのか知りたいって思ってしまったんです。すみません、気分を害したようなら謝ります」
完全にピアノでの挫折が吹っ切れたわけではないし、きっとコンクールや演奏会などの舞台に立つのは無理だと思う。あの真っ白になった瞬間の恐怖は思い返すだけで気持ち悪くなってくるし、ピアノに関わる母との軋轢もあの日のまま存在している。
だけど、あのピアノで奏子さんと出会って、俺はピアノを再び弾くようになった。苦痛でしかなかったピアノで、楽しいって思えた。それはすごいことだと思うし、そんな風に思えたのは奏子さんのおかげだ。少しだけだけど前を向けた。だからこそだ。奏子さんが縛られているピアノのことが知りたいのだ。縛られているからには理由がきっとある。
もし場所に縛られているのだったら、亡くなった場所なのかと想像がつく。でも奏子さんは場所じゃなくて物に縛られているのだから。何かしらの因縁があのピアノになければおかしい。
「松永さん。奏子という名前に――――」
俺が『奏子』と言った瞬間、松永さんが手元のティーカップを落とした。青ざめて手は震えている。
「大丈夫ですか。怪我は? カップは……割れてないみたいだけど」
俺は慌てて手を差し出して、松永さんの手を確認する。紅茶で少しぬれてはいるけれど、淹れ立てではなかったおかげでやけどもしていなさそうだ。ほっとしつつ、ポケットからハンカチを出して押さえるように松永さんの手をふく。
良かった、ちゃんとハンカチ持ってきていて。普段はあまり持ち歩かないのだが、余所様の家に行くので出掛けに思いついてポケットに入れたのだ。
「あなたの手……綺麗な手ね。ピアノを弾く人はみんなこんな綺麗なのかしら」
松永さんは俺の手を見てぽつりと言った。
「俺の手は綺麗なんかじゃないです。でも別に、ピアノを弾いてる弾いていないは関係ないかと思います」
「……そうかしら。少なくとも、この手でピアノを弾いたらさぞかし美しいんでしょうね」
俺の手から視線をそらさない松永さんがそこにいた。何か地雷を踏んでしまったのだろうか。
「あ、あの、その……俺の質問の件、なんですが」
少々びびりながらも話を蒸し返す。奏子さんの名前に動揺しているってことは、何か知っているはずだ。
「ピアノを弾く姉は綺麗だったわ」
「……松永さんのお姉さんは、もしや、奏子さんとおっしゃるんですか?」
俺は震える声で確認する。
「そうよ。私の旧姓は嬉野(うれしの)、嬉野奏子は二歳上の姉だったわ」
「ど、どんな方だったかお伺いしても? 例えば容姿とか」
「……写真があるのだけど」
棚の上に並んだ写真立ての中から一つ選び、松永さんは俺に差し出してきた。ありがたく受け取り、恐る恐る見る。
モノクロの写真に時代を感じた。でも、大切にしてきたのだろう。日に焼けてもいないし、写真立ての中に入っているから破れても汚れてもいない。
写真の中には、両親らしい男女が後ろに立ち、その前に三人の若者がいた。十代後半と見られる面差しの似た二人の少女と、二人よりは幼い少年だ。正直、松永さんだけしか知らなかったら、この少女のどちらが松永さんかは俺には分からなかっただろう。だけど……俺は松永さんが右側の少しだけ背の低い方だと分かってしまった。
だって、もう一人の少女が、俺の知っている奏子さんにそっくりだから。
「左側が、お姉さんの奏子さんですね」
一応尋ねる形は取っているが、俺もう確信をしていた。これは奏子さんだ。
「すぐに分かるのね。似ている姉妹で有名だったのに」
くすくすと松永さんは笑いだす。
俺の頭の中は興奮で埋め尽くされていた。奏子さんの肉親にたどり着いたのだ。これで謎だらけの奏子さんのことが分かるはず。そんな風に喜んでいたから、松永さんの異変にすぐには気付けなかった。
気付いたときにはもう遅い。松永さんの顔からは表情が抜け落ち、まるで幽霊のようだった。よっぽど幽霊の奏子さんの方が生き生きとしていると思えるくらい。
「ど、どうしたんですか」
あまりの表情の変わりように、俺はじわじわと怖くなってくる。
「あなたも姉さんの方なのね。みんな、みんな、私のことなんか眼中にない。姉さんばっかり」
ゆっくりとしゃべっているが、それが余計に恨みが籠もっているかのようで恐ろしい。
「死んでもなお、姉さんばかり。でもまさか、この歳になっても姉さんの幻影を見るとは思わなかった。ねぇ、あなたはどこで姉さんを知ったの? どこかに演奏記録でも残っていた? 確かに姉さんの演奏は素晴らしかったから残っていてもおかしくはないわ。ねぇ、答えてちょうだい」
無表情で詰め寄られ、その圧にびびってしまう。なんだろ、この有無を言わせない迫り方、奏子さんそっくりなんですけど! でも、今のこの人に言ったら逆に激怒しそうだから黙っておくけど。
さて、どう答えたものかと俺は冷や汗を流しながら必死で考える。どうやら仲の良い姉妹関係ではないらしいけど、ここまで根に持つなんて何かあったに違いない。
奏子さんのことを説明しようにも、さすがに幽霊になってあのピアノのところにいますなんて急に言いだしたら怪しさしかないだろう。何かの霊感商法だと思われるかもしれない。俺、壺とか水とか持ってませんから誤解しないでくださいよと、言ってもいないのに心の中で何故か言い訳をする。
焦っているとポケットの中でスマホが震えた。誰かからメッセージが来たようだ。そこで俺はハッと思いついた。
「あの、この動画を見てください」
スマホを取り出すが慌てるあまり手が震える。取り落としそうになりながらも、お目当ての動画を探し出した。
「あのピアノで演奏している動画なんです」
心霊ピアニストと呼び名が俺についてしまったきっかけの動画だ。人によって見え方が違うと珠樹が言っていたから、妹ならば奏子さんの姿も見えるに違いないと思ったのだ。
松永さんは何も言わないが、見たくないとも言いださないので、俺は動画を再生させた。駅構内の雑踏のざわめきの中に、俺の奏でるピアノの音が混じり合う。俺には血みどろな清美さんも見えてしまうので、変なうめき声を出さないように腹筋に力を入れた。ついに動画の映す角度が変わり、奏子さんと清美さんが映る。俺は身構えていたにもかかわらず、ビクッとなってしまったけど。松永さんは微動だにせず動画を見続けていた。
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