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第7章④
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十和と話したことによって、やるべきことがはっきりした。幽霊たるもの、未練があってこの世に残っているのだ。その心残りを取り除けば、この世に留まる理由もなくなる。清美さん達のように自ら成仏出来るはずなのだ。実に明解である。
でも、肝心の奏子さんの未練が分からないのが問題だ。思い出の洋楽だと思っていたのに、完璧に弾けても変化なし。ということは、奏子さんの未練は別にある。それをどうにか見つけなければならない。
「奏子さん、何か覚えていることないですか? どんな些細なことでも良いんです」
大学へ行く前に俺は奏子さんに会いに来ていた。こんな朝の時間からピアノを弾きに来る人はほぼいないからだ。
手がかりを求めて俺は直球で尋ねた。あれこれ考えたところで情報が圧倒的にないのだから、解決策も出てくるはずがないと早々に腹をくくったのだ。
「なんでそんなこと聞くんだ?」
「それは……」
「まぁいいや。覚えていることねぇ。ピアノを弾くことに関する記憶はちゃんとあるんだが、どんな家に生まれて、どんな風に育ったかとか、はっきり思い出せないんだ。家族も……どんな家族構成だったのかなぁ」
奏子さんは首をひねって考え込んでしまった。うんうん唸っているけれど、新たな情報が出てくる気配はない。なんだか申し訳なくなってきた。
「無理させて、その、なんかすいません」
「でも私も気になるといえば気になっているんだ。この二十歳そこそこの姿で死んでいるってことは、恐らく親は生きていた可能性が高い。だとしたら親不孝者だな、私は」
奏子さんがしょんぼりと項垂れてしまった。しまった、こんな落ち込ませるつもりなんてなかったのに。
「いや、そうと決まったわけじゃないですし。元気出してくださいよ」
俺は大慌てでそう伝えるも、自分で何て実のない言葉なんだと思う。仮に奏子さんが親不孝者でなかったとしたら、それはそれで親御さんを早くに亡くしていると言うことだし。どちらにしろあまり喜ばしい状況ではないだろう。
「思い出せないから落ち込んでも仕方ないか。ふみ君のご両親は健在なのか?」
「はい。父は仕事ばっかりであんまり家にいないですけどね。母も仕事始めてからは忙しくしてますし」
「兄弟は?」
奏子さんはポンポンと質問を重ねてくる。
「いないですよ」
「一人っ子か。お忙しい両親なら、小さな頃は家で寂しかっただろう」
「…………いえ、小さな頃は家に母がいましたから」
俺につきっきりで母がいた。有難いけれど、息苦しい記憶。俺は思わず俯いてしまう。
「ふーん。何かあるわけだ。それ、ふみ君がピアノを辞めていたのと関係あるのか」
「…………」
答えない俺に、奏子さんは別の問いを投げかけてきた。
「ふみ君は、どうしてピアノを弾き始めた?」
「それは……母が習わせたかったみたいで」
「子供の習い事なんてそんなものだ。でも、続けるかどうかは本人次第。ここまで弾けるようになったふみ君は、ピアノが好きなんだと思う」
いつの間にやら俺の話が続いている。奏子さんの話をしていたはずだったのに。
「……今は俺のことはどうでもいいじゃないですか」
「良くないんだな。私はふみ君がつらそうにしているのが出会ったときから気になっている。それって未練にあたるんじゃないか?」
え、そういうものなの? 死んだときの未練じゃなくて?
「確かに俺は出会った時は弾くことが苦痛でしたけど。いつのまにかピアノに向かうことが普通になって、今は弾くことに以前ほど躊躇いもないです。奏子さんの心配は無くなってますよ」
「うーん。ま、ふみ君がそう言うならいいけどさ」
奏子さんはそう言うと、ピアノに向かって鍵盤に手を置いた。
出だしの音にパンっと頬を叩かれたような衝撃、そこから続く心の底の激情が渦巻くような旋律、『革命のエチュード』だ。前の『ラ・カンパネラ』とは全く違う音色に俺は呆然と立ち尽くす。まさに革命という強い言葉がぴったりの、心を激しく揺さぶられるような音に俺は衝撃を受ける。
この人は、どこまで俺を驚かせるのだろうか。どうしてこんなに才能豊かなのだろうか。どうして…………俺以外には聞こえないのだろうか。奏子さんのピアノが世の中に出ないことが悔しくてたまらないと思った。
奏子さんから新しい情報がつかめないとなったら、後はピアノくらいしか調べるところがない。奏子さんが縛られているくらいだから、何かしら奏子さんと関わりがあるに違いないと思うのだ。
珠樹に連絡をして、管理会社の若狭さんの連絡先を教えてもらう。緊張しながらも電話を掛けると、思いのほか気さくに会う約束を了承してもらえた。
「すみません。お呼び立てして」
「いいよ。どうせ今週はピアノ当番でさ、時間になるまで帰れなかったから。暇つぶしできてちょうど良かった。あ、ごめん。暇つぶしとか言っちゃった」
若狭さんはぽりぽりと頬を掻きながら苦笑いを浮かべた。
素直な人だ。でも、ちゃんと話を聞こうとしてくれるあたり良い人だなと思う。
「実は、あのピアノの由来を知りたいんです。あそこに置かれる前はどこにあったのか知りませんか?」
「あのピアノはね、会長が大切にしてたピアノだよ。もともとは婆ちゃんの実家から持ってきたものらしいけど」
「ん? 婆ちゃんって……?」
「俺、コネ入社でさ。一応だけど会長の孫なの。今の社長はおれの叔父さんね」
だからか! 若手のくせに部長相手に怖がるそぶりが無かったのは。困ってはいたけれどどこか余裕のある態度なのは、身内だからだったのだ。
「ということは、会長になんとか話をつけてもらうことは?」
「無理。会長もう亡くなってるから。もともと会長がきっかけなんだ。ストリートピアノっていう文化? があるのを知って、あのピアノを眠らせたままにしとくのはもったいないからやろうって言いだしたんだ。でも、会長が亡くなってもう三年、社長がそろそろ手間も掛かるし辞めようって言いだして、ついに撤去されるってわけ」
そういう流れだったのか。言いだした人物が亡くなってしまい、今の社長にとっては特に思い入れのないピアノなら、管理が面倒だと言いだすのも理解できる。
「会長さんはピアノを弾かれてたんですか?」
「弾けないよ。でも大事にしてた。理由は詳しく知らないけど」
「どなたか、大事にしていた理由を知っている方はいますか。何でもいいんです。ピアノについて少しでも何か知っている人がいれば紹介してください」
俺は必死に頭を下げる。
「ええ、めちゃくちゃ必死だね君。ううーん、まぁ婆ちゃんなら知ってると思うけど……」
「本当ですか? 是非お話をうかがいたいです!」
「でもなぁ、婆ちゃんはあのピアノのことあんまり良く思ってないっぽいから、話してくれるかな」
若狭さんは唸りながら考え込んでしまった。
「どうしてそう思うんですか」
「だって、あのピアノは婆ちゃんの実家のものだったらしいんだ。でも、婆ちゃんが弾いているところは見たことがないし、俺のお袋達にも習わせようとしなかった。ほら、ピアノを習わせるって一昔前だとちょっとした良い家アピールだっただろ。だけど婆ちゃんはピアノがあるのにそれをしなかったし」
「単純に若狭さんのお母さん達がピアノに興味がなかっただけでは?」
「それも一理あるけど。でもさ、俺が小さい頃に遊びで鍵盤ならしてたら、音を聞きたくないって部屋から出て行ったことがあってさ。あれはびっくりしたなぁ。普段はにこにこして穏やかな婆ちゃんなんだよ。だから、婆ちゃんはピアノが嫌いなんだなって思ってる」
それは確かに、嫌っているかもしれない……。そんな人にピアノについて聞いても話してくれるか分からないが、でも手がかりは逃したくない。
「お願いします。どうにか話を聞かせてくれるように伝えてはもらえませんか」
俺は再び頭を下げる。もうテーブルに額を擦り付ける勢いで頼み込んだ。
「……はぁ。もう頭上げて。断られるかもしれないけど、頼んであげるから」
根負けしたのか、若狭さんがため息交じりに了承してくれた。
「ありがとうございます!」
やはり若狭さんはいい人だ。そう思っていると、ずいっと顔を寄せられた。
「その代わりといっては何だけど……君、あそこの大学に通ってるでしょ? 大学の可愛い子、ちょっと紹介してよ」
うん、いい人だと思った俺の気持ちを返して欲しい。
俺には大学で女の子の知りあいなどいないので、これは珠樹にぶん投げよう。そう決めて、探しときますと俺は答えるのだった。
でも、肝心の奏子さんの未練が分からないのが問題だ。思い出の洋楽だと思っていたのに、完璧に弾けても変化なし。ということは、奏子さんの未練は別にある。それをどうにか見つけなければならない。
「奏子さん、何か覚えていることないですか? どんな些細なことでも良いんです」
大学へ行く前に俺は奏子さんに会いに来ていた。こんな朝の時間からピアノを弾きに来る人はほぼいないからだ。
手がかりを求めて俺は直球で尋ねた。あれこれ考えたところで情報が圧倒的にないのだから、解決策も出てくるはずがないと早々に腹をくくったのだ。
「なんでそんなこと聞くんだ?」
「それは……」
「まぁいいや。覚えていることねぇ。ピアノを弾くことに関する記憶はちゃんとあるんだが、どんな家に生まれて、どんな風に育ったかとか、はっきり思い出せないんだ。家族も……どんな家族構成だったのかなぁ」
奏子さんは首をひねって考え込んでしまった。うんうん唸っているけれど、新たな情報が出てくる気配はない。なんだか申し訳なくなってきた。
「無理させて、その、なんかすいません」
「でも私も気になるといえば気になっているんだ。この二十歳そこそこの姿で死んでいるってことは、恐らく親は生きていた可能性が高い。だとしたら親不孝者だな、私は」
奏子さんがしょんぼりと項垂れてしまった。しまった、こんな落ち込ませるつもりなんてなかったのに。
「いや、そうと決まったわけじゃないですし。元気出してくださいよ」
俺は大慌てでそう伝えるも、自分で何て実のない言葉なんだと思う。仮に奏子さんが親不孝者でなかったとしたら、それはそれで親御さんを早くに亡くしていると言うことだし。どちらにしろあまり喜ばしい状況ではないだろう。
「思い出せないから落ち込んでも仕方ないか。ふみ君のご両親は健在なのか?」
「はい。父は仕事ばっかりであんまり家にいないですけどね。母も仕事始めてからは忙しくしてますし」
「兄弟は?」
奏子さんはポンポンと質問を重ねてくる。
「いないですよ」
「一人っ子か。お忙しい両親なら、小さな頃は家で寂しかっただろう」
「…………いえ、小さな頃は家に母がいましたから」
俺につきっきりで母がいた。有難いけれど、息苦しい記憶。俺は思わず俯いてしまう。
「ふーん。何かあるわけだ。それ、ふみ君がピアノを辞めていたのと関係あるのか」
「…………」
答えない俺に、奏子さんは別の問いを投げかけてきた。
「ふみ君は、どうしてピアノを弾き始めた?」
「それは……母が習わせたかったみたいで」
「子供の習い事なんてそんなものだ。でも、続けるかどうかは本人次第。ここまで弾けるようになったふみ君は、ピアノが好きなんだと思う」
いつの間にやら俺の話が続いている。奏子さんの話をしていたはずだったのに。
「……今は俺のことはどうでもいいじゃないですか」
「良くないんだな。私はふみ君がつらそうにしているのが出会ったときから気になっている。それって未練にあたるんじゃないか?」
え、そういうものなの? 死んだときの未練じゃなくて?
「確かに俺は出会った時は弾くことが苦痛でしたけど。いつのまにかピアノに向かうことが普通になって、今は弾くことに以前ほど躊躇いもないです。奏子さんの心配は無くなってますよ」
「うーん。ま、ふみ君がそう言うならいいけどさ」
奏子さんはそう言うと、ピアノに向かって鍵盤に手を置いた。
出だしの音にパンっと頬を叩かれたような衝撃、そこから続く心の底の激情が渦巻くような旋律、『革命のエチュード』だ。前の『ラ・カンパネラ』とは全く違う音色に俺は呆然と立ち尽くす。まさに革命という強い言葉がぴったりの、心を激しく揺さぶられるような音に俺は衝撃を受ける。
この人は、どこまで俺を驚かせるのだろうか。どうしてこんなに才能豊かなのだろうか。どうして…………俺以外には聞こえないのだろうか。奏子さんのピアノが世の中に出ないことが悔しくてたまらないと思った。
奏子さんから新しい情報がつかめないとなったら、後はピアノくらいしか調べるところがない。奏子さんが縛られているくらいだから、何かしら奏子さんと関わりがあるに違いないと思うのだ。
珠樹に連絡をして、管理会社の若狭さんの連絡先を教えてもらう。緊張しながらも電話を掛けると、思いのほか気さくに会う約束を了承してもらえた。
「すみません。お呼び立てして」
「いいよ。どうせ今週はピアノ当番でさ、時間になるまで帰れなかったから。暇つぶしできてちょうど良かった。あ、ごめん。暇つぶしとか言っちゃった」
若狭さんはぽりぽりと頬を掻きながら苦笑いを浮かべた。
素直な人だ。でも、ちゃんと話を聞こうとしてくれるあたり良い人だなと思う。
「実は、あのピアノの由来を知りたいんです。あそこに置かれる前はどこにあったのか知りませんか?」
「あのピアノはね、会長が大切にしてたピアノだよ。もともとは婆ちゃんの実家から持ってきたものらしいけど」
「ん? 婆ちゃんって……?」
「俺、コネ入社でさ。一応だけど会長の孫なの。今の社長はおれの叔父さんね」
だからか! 若手のくせに部長相手に怖がるそぶりが無かったのは。困ってはいたけれどどこか余裕のある態度なのは、身内だからだったのだ。
「ということは、会長になんとか話をつけてもらうことは?」
「無理。会長もう亡くなってるから。もともと会長がきっかけなんだ。ストリートピアノっていう文化? があるのを知って、あのピアノを眠らせたままにしとくのはもったいないからやろうって言いだしたんだ。でも、会長が亡くなってもう三年、社長がそろそろ手間も掛かるし辞めようって言いだして、ついに撤去されるってわけ」
そういう流れだったのか。言いだした人物が亡くなってしまい、今の社長にとっては特に思い入れのないピアノなら、管理が面倒だと言いだすのも理解できる。
「会長さんはピアノを弾かれてたんですか?」
「弾けないよ。でも大事にしてた。理由は詳しく知らないけど」
「どなたか、大事にしていた理由を知っている方はいますか。何でもいいんです。ピアノについて少しでも何か知っている人がいれば紹介してください」
俺は必死に頭を下げる。
「ええ、めちゃくちゃ必死だね君。ううーん、まぁ婆ちゃんなら知ってると思うけど……」
「本当ですか? 是非お話をうかがいたいです!」
「でもなぁ、婆ちゃんはあのピアノのことあんまり良く思ってないっぽいから、話してくれるかな」
若狭さんは唸りながら考え込んでしまった。
「どうしてそう思うんですか」
「だって、あのピアノは婆ちゃんの実家のものだったらしいんだ。でも、婆ちゃんが弾いているところは見たことがないし、俺のお袋達にも習わせようとしなかった。ほら、ピアノを習わせるって一昔前だとちょっとした良い家アピールだっただろ。だけど婆ちゃんはピアノがあるのにそれをしなかったし」
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「それも一理あるけど。でもさ、俺が小さい頃に遊びで鍵盤ならしてたら、音を聞きたくないって部屋から出て行ったことがあってさ。あれはびっくりしたなぁ。普段はにこにこして穏やかな婆ちゃんなんだよ。だから、婆ちゃんはピアノが嫌いなんだなって思ってる」
それは確かに、嫌っているかもしれない……。そんな人にピアノについて聞いても話してくれるか分からないが、でも手がかりは逃したくない。
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根負けしたのか、若狭さんがため息交じりに了承してくれた。
「ありがとうございます!」
やはり若狭さんはいい人だ。そう思っていると、ずいっと顔を寄せられた。
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