35 / 84
純正な涙に触れる
寒い教室
しおりを挟む
バリバリっと鈍い音がして、ブレザーの下に着込んでいたカーディガンのボタンとシャツのボタンが全部取れた。
どんだけ馬鹿力なんだよ…
脱げたところから冷たい空気が入ってきて寒いのと、物凄い馬鹿力にゾッとして鳥肌が立つ。
手首は自由になったが痺れて上手く力が入らない。
無理矢理、上半身の服を脱がされる。
抵抗したらシャツが破れた。
最悪だ。
あの学校指定のシャツ高いのに。
「…何だこれ。」
俺の腕の傷を見て驚いている。
気持ち悪いとか思って解放してくれないだろうか。
「あいつに、あの管理人にやられたんだな。かわいそうに…」
「違う。」
「口止めされてるんだ。大丈夫、助けてあげるから。」
「だから違うんだってば…」
「他のところは真っ白で綺麗だね。」
全然違う。
話が通じない。
俺の事、見てるようで全然見てない。
存在しているようで存在していない。
気持ち悪い。
この感じ。
あの頃と同じだ。
俺は居るのに存在していない。
気持ち悪い。
あの頃には、もう戻りたくない。
ジロジロ見られるだけだったが、いよいよ手が伸びてきた。
ブザーを鳴らしたから場所の通知が萱島先生に行って、きっと俺を探してくれているはずだ。
きっと大丈夫だという安心感が俺を冷静にしてくれる。
でも、さすがに触られるのは嫌だな。
ギュっと目を閉じ覚悟したときだった。
ガンガンガンッ
教室のドアが蹴られる音がして、派手にガシャンと倒れた。
萱島先生と朝日さんだ。
「お前、自分が何したか分かってんだろうなぁ!?」
「うっ!」
萱島先生が俺に覆い被さっていた坊主の人の肩を蹴って退かしてくれる。
うわ…先生、眉間に皺寄せて凄い怒ってる。
「陽太、大丈夫か?」
「あ…大丈夫…」
朝日さんが身体を起こすのを手伝ってくれて、破れた服を軽く羽織らせてくれる。
「生徒に暴力…いいんですか?訴えますよ…」
蹴り飛ばされた坊主の人が肩を押さえながら立ち上がった。
この期に及んで、まだ足掻のか。
「うるせぇなあ…訴える?じゃあ、ネットにお前の事ばら蒔くぞ。俺の人生狂わせるつもりなら、俺はお前の人生を狂わせるからな。容赦しねぇ。」
先生の本気を感じ取ったんだろう、坊主の人は大人しくなった。
「俺はコイツを風紀室に連れていく。陽太、大丈夫だな?」
「はい、大丈夫です。ホントにありがとう先生。」
「落ち着いたら後で俺の所来い。朝日、あとは頼んだ。」
そう言って坊主の人を半ば引きずるようにして萱島先生が出ていった。
朝日さんと俺だけになる。
「肘擦りむいてるな…。歩けるか?」
「大丈夫です。でも服が破けてて…」
「これ着てろ。」
朝日さんが着てた厚手のパーカーを脱いで着せてくれる。
凄く暖かいけど、シャツ1枚になってしまった朝日さんに申し訳ない。
「すみません…。」
「とりあえず寮に戻ろう。ここは寒い。」
「はい。」
紙袋や廊下に落ちていた携帯を回収して寮に戻る。
ゆっくりゆっくり歩いた。
何も話さなかったけど、それで良かった。
口を開いたら泣きそうだ。
どんだけ馬鹿力なんだよ…
脱げたところから冷たい空気が入ってきて寒いのと、物凄い馬鹿力にゾッとして鳥肌が立つ。
手首は自由になったが痺れて上手く力が入らない。
無理矢理、上半身の服を脱がされる。
抵抗したらシャツが破れた。
最悪だ。
あの学校指定のシャツ高いのに。
「…何だこれ。」
俺の腕の傷を見て驚いている。
気持ち悪いとか思って解放してくれないだろうか。
「あいつに、あの管理人にやられたんだな。かわいそうに…」
「違う。」
「口止めされてるんだ。大丈夫、助けてあげるから。」
「だから違うんだってば…」
「他のところは真っ白で綺麗だね。」
全然違う。
話が通じない。
俺の事、見てるようで全然見てない。
存在しているようで存在していない。
気持ち悪い。
この感じ。
あの頃と同じだ。
俺は居るのに存在していない。
気持ち悪い。
あの頃には、もう戻りたくない。
ジロジロ見られるだけだったが、いよいよ手が伸びてきた。
ブザーを鳴らしたから場所の通知が萱島先生に行って、きっと俺を探してくれているはずだ。
きっと大丈夫だという安心感が俺を冷静にしてくれる。
でも、さすがに触られるのは嫌だな。
ギュっと目を閉じ覚悟したときだった。
ガンガンガンッ
教室のドアが蹴られる音がして、派手にガシャンと倒れた。
萱島先生と朝日さんだ。
「お前、自分が何したか分かってんだろうなぁ!?」
「うっ!」
萱島先生が俺に覆い被さっていた坊主の人の肩を蹴って退かしてくれる。
うわ…先生、眉間に皺寄せて凄い怒ってる。
「陽太、大丈夫か?」
「あ…大丈夫…」
朝日さんが身体を起こすのを手伝ってくれて、破れた服を軽く羽織らせてくれる。
「生徒に暴力…いいんですか?訴えますよ…」
蹴り飛ばされた坊主の人が肩を押さえながら立ち上がった。
この期に及んで、まだ足掻のか。
「うるせぇなあ…訴える?じゃあ、ネットにお前の事ばら蒔くぞ。俺の人生狂わせるつもりなら、俺はお前の人生を狂わせるからな。容赦しねぇ。」
先生の本気を感じ取ったんだろう、坊主の人は大人しくなった。
「俺はコイツを風紀室に連れていく。陽太、大丈夫だな?」
「はい、大丈夫です。ホントにありがとう先生。」
「落ち着いたら後で俺の所来い。朝日、あとは頼んだ。」
そう言って坊主の人を半ば引きずるようにして萱島先生が出ていった。
朝日さんと俺だけになる。
「肘擦りむいてるな…。歩けるか?」
「大丈夫です。でも服が破けてて…」
「これ着てろ。」
朝日さんが着てた厚手のパーカーを脱いで着せてくれる。
凄く暖かいけど、シャツ1枚になってしまった朝日さんに申し訳ない。
「すみません…。」
「とりあえず寮に戻ろう。ここは寒い。」
「はい。」
紙袋や廊下に落ちていた携帯を回収して寮に戻る。
ゆっくりゆっくり歩いた。
何も話さなかったけど、それで良かった。
口を開いたら泣きそうだ。
10
あなたにおすすめの小説
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
✻改稿版を他サイトにて投稿公開中です。
ふたなり治験棟 企画12月31公開
ほたる
BL
ふたなりとして生を受けた柊は、16歳の年に国の義務により、ふたなり治験棟に入所する事になる。
男として育ってきた為、子供を孕み産むふたなりに成り下がりたくないと抗うが…?!
月弥総合病院
御月様(旧名 僕君☽☽︎)
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。
また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。
(小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!
寂しいを分け与えた
こじらせた処女
BL
いつものように家に帰ったら、母さんが居なかった。最初は何か厄介ごとに巻き込まれたのかと思ったが、部屋が荒れた形跡もないからそうではないらしい。米も、味噌も、指輪も着物も全部が綺麗になくなっていて、代わりに手紙が置いてあった。
昔の恋人が帰ってきた、だからその人の故郷に行く、と。いくらガキの俺でも分かる。俺は捨てられたってことだ。
怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる