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好きだよ
とても思えない
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「陽太この後どうすんだ?一人で出歩くの無理なら、叶羽に迎えに来てもらうか?」
「あ、実は肘擦りむいてるんで、鬼束先生の所に朝日さんと一緒に行く予定です。」
「そうか、じゃあ犯人捕まったって叶羽には俺から伝えておくか…つーか陽太、唇も切れてんじゃねーか。坊主に殴られたか?」
「へ!?…ぁ、えーっと、これは、その…」
あ、バレた。
え、えっと、あの、どうしよう。
朝日さんに噛まれたとか言わない方がいいよね。
もういっそ殴られたことにしてしまおうか。
「ああ、それは俺だ。」
風紀室の出入り口近くで腕を組んで静かに事の成り行きを見守っていた朝日さんが、手を軽く挙げて口を開いた。
「は?」
「俺がキスしたついでに噛んだ。」
「はぁああ!?」
萱島先生は驚愕し、花村先輩は俺と朝日さんを交互に見てる。
朝日さんは、いつものように穏やかだ。
さも当然の如く俺が噛んだと言ってのけた。
「は?無理矢理…じゃねぇよな…だとすれば…まさか…お前…。」
「お二人は付き合ってるんですねぇ。」
花村さんが素敵~と拍手してくれる。
他人に言われると実感が沸いて、じわじわと顔が赤くなってきた。
「は、はい…つい先ほどから…」
認めてしまった。
朝日さんをみやると、ん?なにか?みたいな顔してくる。
ん?じゃないよ。
ドSな人とじゃないと付き合えないって部室で言いまくってたから、萱島先生知ってるんだよ。
バレてしまうよ、朝日さん。
「あれ?でも、キスって唇噛むことだった?んん?」
花村先輩は少し天然なのかもしれない。
普通キスで唇切れることない。
花村先輩とは対照的に、酷く驚いた顔して朝日さんをガン見している萱島先生。
「おま…嘘だろ…いつからだ。いつから黙ってた?」
「高校の時から。」
「怖っ!…絶対分かんねぇわ…マジのSって怖ぇわ…10年隠し通すか普通…つーか、そんな面白い事、早く言えよ。鬼束が知ったら腰抜かすぞ。」
「隠してるつもりは無かったんだけどな。聞かれなかっただけで。」
朝日さんの普段の人の良さと優しさを知っていると、Sっ気のある人だとは、とても思えない。
誰よりも穏やかで柔和だ。
この人が声を荒げる所など、おそらく誰も見たことがないだろう。
しかも、萱島先生と鬼束先生は朝日さんと高校の時から仲が良く、学生時代いつも何をするにも基本的に三人一緒だったそうだから尚更だろう。
萱島先生が驚愕するのも分かる気がした。
風紀室を後にし保健室に傷を見てもらいにきた。
「まだ信じられない。」
消毒をしてくれている鬼束先生が少し疲れたように呟く。
電話がかかってきた朝日さんは一旦保健室を出て、廊下で誰かと話しているようだ。
仕事の内容だろう。
廊下から断片的に聞き取れる声で分かる。
擦りむいた肘に、ちょんちょんと消毒液がしみる。
独特な匂いが鼻にもしみた。
「萱島先生もびっくりしてました。」
「だろうな。」
萱島先生の時と同様に諸々事情を報告したら、鬼束先生は椅子から転げ落ちるほど驚いていた。
比喩ではない。
本当に椅子から転げ落ちた。
「犯人も捕まったし、まあ、…色々と、とりあえず良かったな。」
「はい。良かったです。」
「あ、実は肘擦りむいてるんで、鬼束先生の所に朝日さんと一緒に行く予定です。」
「そうか、じゃあ犯人捕まったって叶羽には俺から伝えておくか…つーか陽太、唇も切れてんじゃねーか。坊主に殴られたか?」
「へ!?…ぁ、えーっと、これは、その…」
あ、バレた。
え、えっと、あの、どうしよう。
朝日さんに噛まれたとか言わない方がいいよね。
もういっそ殴られたことにしてしまおうか。
「ああ、それは俺だ。」
風紀室の出入り口近くで腕を組んで静かに事の成り行きを見守っていた朝日さんが、手を軽く挙げて口を開いた。
「は?」
「俺がキスしたついでに噛んだ。」
「はぁああ!?」
萱島先生は驚愕し、花村先輩は俺と朝日さんを交互に見てる。
朝日さんは、いつものように穏やかだ。
さも当然の如く俺が噛んだと言ってのけた。
「は?無理矢理…じゃねぇよな…だとすれば…まさか…お前…。」
「お二人は付き合ってるんですねぇ。」
花村さんが素敵~と拍手してくれる。
他人に言われると実感が沸いて、じわじわと顔が赤くなってきた。
「は、はい…つい先ほどから…」
認めてしまった。
朝日さんをみやると、ん?なにか?みたいな顔してくる。
ん?じゃないよ。
ドSな人とじゃないと付き合えないって部室で言いまくってたから、萱島先生知ってるんだよ。
バレてしまうよ、朝日さん。
「あれ?でも、キスって唇噛むことだった?んん?」
花村先輩は少し天然なのかもしれない。
普通キスで唇切れることない。
花村先輩とは対照的に、酷く驚いた顔して朝日さんをガン見している萱島先生。
「おま…嘘だろ…いつからだ。いつから黙ってた?」
「高校の時から。」
「怖っ!…絶対分かんねぇわ…マジのSって怖ぇわ…10年隠し通すか普通…つーか、そんな面白い事、早く言えよ。鬼束が知ったら腰抜かすぞ。」
「隠してるつもりは無かったんだけどな。聞かれなかっただけで。」
朝日さんの普段の人の良さと優しさを知っていると、Sっ気のある人だとは、とても思えない。
誰よりも穏やかで柔和だ。
この人が声を荒げる所など、おそらく誰も見たことがないだろう。
しかも、萱島先生と鬼束先生は朝日さんと高校の時から仲が良く、学生時代いつも何をするにも基本的に三人一緒だったそうだから尚更だろう。
萱島先生が驚愕するのも分かる気がした。
風紀室を後にし保健室に傷を見てもらいにきた。
「まだ信じられない。」
消毒をしてくれている鬼束先生が少し疲れたように呟く。
電話がかかってきた朝日さんは一旦保健室を出て、廊下で誰かと話しているようだ。
仕事の内容だろう。
廊下から断片的に聞き取れる声で分かる。
擦りむいた肘に、ちょんちょんと消毒液がしみる。
独特な匂いが鼻にもしみた。
「萱島先生もびっくりしてました。」
「だろうな。」
萱島先生の時と同様に諸々事情を報告したら、鬼束先生は椅子から転げ落ちるほど驚いていた。
比喩ではない。
本当に椅子から転げ落ちた。
「犯人も捕まったし、まあ、…色々と、とりあえず良かったな。」
「はい。良かったです。」
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