細胞がはじけた時が噛み頃です。

三角

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新しい事

※翻弄される

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そもそもトイレの件から、もう俺はだいぶ耐えていたんだ。
あんなドSモードの朝日さんを見たら俺が発情しないわけがないだろう。
だけど今日はもうしないって言ってたから、なんとか期待しないように自分の欲を抑えていたのに。
こうやって強引に俺のことを暴く。
我慢していたため余計にガチガチになってしまっていて、すでに痛いくらいに腫れている。
直接触れてもいないのに。
もう出したい。
というか出そう。
パンツの中なのに出してしまいそうだ。


「脱ぎたいよな。」


鋭い目線。
問いかけてはない一方的な声かけが腰にズクンとくる。
必死に頷いた。


「陽太、今日はもう一つ覚えようか。」


朝日さんの声は怒鳴り付けるでもなく諭すようでもない。
これは俺に対する躾だ。


「して欲しい事があるんだったら声に出す。」


顎を鷲掴む手の力が強まる。
声に出すのは、とても勇気がいった。
しばらく渋ったけど、朝日さんは俺をただ見つめるだけだ。
自分で触れればいいけど、腕は纏め上げられているため動かせない。
言わないと…でも、言えない。
そんな事を繰り返し考えたけど、もう、もどかしさが勝った。


「…ぬぎたッ…」


掴まれているため口が歪んで上手く喋れない。
それでも必死に伝えた。


「ひゃわってほひぃ…」
「良く言えました。」
「ぁ、…ッい゛ッ!!ッんぁうッ…ぅ…」


褒めてもらえたと思ったら顎を掴んでいた手が離れ、左の耳たぶを思いっきり爪で抉られ、触られてもいないのに痛みで達してしまった。
あまりの事に心がついて行かず茫然とし、大量に涙が出る。


「ひッぅ……ふぇッ…っ…ぅッ」


脱がずに出してしまった情けなさと恥ずかしさと、同時に襲う快感と、奥底に湧き上がる歓喜が、俺を混乱させる。
身体に力が入らぬまま、呆然と泣き濡れる。
やっと腕が解放された。
それでも、力が入らないため腕は動かせなかった。
終始俺の顔を見ていた朝日さんが、指に付着した俺の耳朶から出た血を舐めとりながら困ったように笑った。


「悪い大人に捕まって可哀想に。」


そっと触れた労るような優しいキスは鉄の味がした。






「滲みるぞ。」
「平気。…ッ。」


朝日さんの部屋に帰ってきた。
まずシャワーを貸してもらって、朝日さんの部屋着を借りて着替えた。
今は耳朶の傷に消毒をしてくれている。
直ぐ治るから消毒しないでも良いと言ったのだが、ちゃんとしないと痕が残るからと手当てしてくれている。


「治りかけは痒くなるだろうけど触らないようにな。」
「はい。」


こんなに優しい人と、さっきの人が同一人物だというのが不思議でならない。
その事実に対して嫌悪感など少しも沸いてこず、腹の底からただ歓喜している俺も、大概変な存在なのだろう。

そうこうしていたら学校の食堂に頼んでいたデリバリーのナポリタンが届いたのて、それを食べながらテレビを見た。
お腹が膨れて眠い。
テレビの内容が頭に入ってこない。
こくりこくりと頭が泳ぐ。


「陽太、ベットで寝るか?」
「うん。」


ノロノロと使い捨ての歯ブラシで歯を磨き朝日さんの隣にお邪魔する。
後から考えると朝日さんのベットで一緒に寝るなんて、とんでもない事なのに眠過ぎて分かってなかった。
色々あったからか眠気が強いが、寝るのが勿体無いという妙な意地もあり、目をゴシゴシと擦ってなんとか起きていようとする。
眠い時に目をこするのは幼い頃からの癖だ。
ゴシゴシしていると眼球に傷が入るぞと手を取られる。
手に触れる暖かい物に誘われるように、朝日さんにモゾモゾと抱きついた。


「あったかい…」


そのまま眠りに入った俺は、無防備すぎる俺に朝日さんが頭を抱えていたことは知らない。
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