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メインストーリー1
カシジュマの章:ビビー編
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「かしら~、かしら~」
ジュマシが身体を揺らしながら声をかけてくる。
「んー、あと5分だけ・・・」
「何を言ってるんすか、かしら~」
確かに。
僕は何を言ってるんだ。
カシジュマの章:ビビー編
「どうした?」
「どうしたもこうしたもないっすよ~。うーん、とにかく洞窟の外に来るっすよ~」
僕は言われるがままに洞窟の外へと出た。
が、状況が全く把握できない。
「どういうことだ?」
僕がジュマシに聞くと何も言わず横に首を振るだけだ。
つまり誰もこの状況がさっぱりわかってないということだ。
洞窟の前方には森がある。
昨日はその森の中でスイダを殲滅した。
その後にジュマシ達に森の様子を見に行かせたて、スイダの姿がない事の報告も受けた。
ここまでは記憶通り。
・・・
そして今、目の前に広がる光景は・・・森。
問題は森の中に居るヤツだ。
大きなビビーがこっちを向いた状態で飛んでいる。
そして、ビービー言っている。
何を言っているのかわからないが、ひたすらビービー言っている。
首をかしげると、1匹のビビーが近寄ってきた。
ジュマシが攻撃をしようとしたが、敵意は感じられないので止めた。
何かを掴んでいる。
それを僕の少し手前で落とした。
甘い香りが漂ってくる。
巣のかけらに詰まっているのはハチミツ?
さっぱり意味がわからない。
ハチミツが美味しいのは知っている。
でも、何故ビビーがハチミツを持ってきたのかがわからない。
そして相変わらずビービー言い続けているのもわからない。
ここままではらちがあかないので巣ごと食べてみた。
甘くて美味しい。
ジュマシが羨ましそうに見ていたが分けるほどの量はなかった。
『あぁ、やっと食べてくれた』
どこからか声が聞こえた。
「何か言ったか?」
そばに居たジュマシに聞いたが首を横に振る。
もしかして?と、思い前を向くと大きなビビーが上下に動いた。
人間でいうところの会釈的なものだろうか。
『ワタシの名前はグイン。ここの森のビビーをまとめている』
???
いったいどういう原理なのだ。
ハチミツは食べたことがあるが、さっきまでビビーの言葉は理解できなかった。
でも、今食べるとビビーのいう事が分かる。
僕は困惑したままだがグインは話を続ける。
『森にいたスイダを追い払ってくれてありがとう。ここは元々ワタシ達の森だった。でも突然スイダが現れてワタシ達は追いやられてしまった。スイダの糸に引っかかって何匹ワタシ達の仲間が・・・』
顔の表情はわからないが、なんとなく辛そうな雰囲気は伝わってきた。
『突然って、どういうことだ?』
こっちの言葉が伝わるかどうかわからないが聞いてみた。
『それがわからない。別の場所から移動してきたわけでもなく、本当に急に現れたのです』
そばに居るジュマシに聞いてみた。
「そういえば、そうっすねぇ~。気がつけばスイダが居たっす」
どうやらグインの話は本当のようだ。
『で、いったい何のようだ?』
『スイダを追い払ってくれたお礼を言いにきただけです。ワタシ達にはこの森があれば十分なのです』
律儀なヤツだ。
『わかった。ジュマシ達に森でビビーに出会っても攻撃しないよう言っておく』
「かしら~、何をさっきからビービー言ってるんすか~?」
グイン達と会話ができるのは僕だけということか。
「とりあえず、ビビーは攻撃するな。全員に伝えておけ」
「よくわかんないっすけど、かしらがそう言うなら了解っす~」
そういうとジュマシは伝令に走っていった。
礼を言いにきただけと言っていたがグインは立ち去ろうとしない。
『まだなにかあるのか?』
こっちから話を切り出した。
『お礼の代わりというわけではないのですが、最近不穏な空気を感じるのです』
『空気を感じる?空を飛んでるから分かるのか?』
少しからかい気味に返答した。
『それもあるのかもしれません』
素で返されてしまった。
『本来ここの森に居ないはずのスイダが突然現れた。そして、他の地方でも急に天敵が出現したと仲間からの連絡が・・・』
何を言っているのだろうか、さっぱりわからないが話は続いた。
『この近くにはセキダイコがあると思いますが、行った事はありますか?』
『・・・1回だけある』
苦々しい過去だ。
『どのあたりまで進めましたか?』
『最初の部屋までだ』
『えっ・・・?』
えっ?って言われた方がえっ?ってなる。
『すみません。アナタ達ならもう少し先まで進んでいると思ってましたので・・・』
なんだかバカにされたような気がした。
『なにが言いたい』
『急にスイダが現れたのと、セキダイコに何か関係があるのかと思いまして』
『どういう意味だ?』
『セキダイコから妖しい光が放たれたのと同時にスイダが現れたのです』
『たまたまじゃないのか?』
話の展開に頭がついていかない。
『セキダインとセキライミはご存知ですか?』
『!』
『その顔はご存知のようですね』
『場所は知らないが、名前だけなら』
本で読んだ程度だが知っている。
セキダイコと同じく難攻不落の砦と称される場所。
すべて実在したのか。
『他の地方の仲間の話でも、ここと同じようにセキダインやセキライミも妖しく光を放ったと・・・』
『で、気がつけば天敵がどーんと現れたとでも?』
『えぇ、そういうことです』
初めて会うがグインが嘘を言っているようには思えないし、嘘を言う理由も無い。
しかし、関係があるかどうかもわからない。
『なるほど、ちゃんと調査してみる必要があるな』
『ご武運を・・・』
そう言うと、満足したのかグインは森の中へ去っていった。
洞窟に戻ると、いつものジュマシ達を集めて聞いてみた。
「セキダイコに行ったことはあるか?」
「かしら~、何を言ってるんすか。あそこはヤバイから行くなって言ったの、かしらでしょ~」
「あ、あぁ、そうだったな」
元のカシジュマもあの場所に危険を感じていたようだ。
「明日セキダイコに調査へ向う。ここの守りは任せたぞ」
「え、本気っすか?ヤバイっすよ~」
ジュマシ達が止めようと説得してくるがスルーして本のところへ戻った。
ここにある読める本は一通り読んだ。
読めない本はどうしよう。
見ても仕方がないと思いつつも、本を開いてみると読めるようになっていた。
といっても全ての本ではないが、何冊かは読める。
今日もまた読める本を読んでいるうちに眠りについた。
カシジュマの章つづく
ジュマシが身体を揺らしながら声をかけてくる。
「んー、あと5分だけ・・・」
「何を言ってるんすか、かしら~」
確かに。
僕は何を言ってるんだ。
カシジュマの章:ビビー編
「どうした?」
「どうしたもこうしたもないっすよ~。うーん、とにかく洞窟の外に来るっすよ~」
僕は言われるがままに洞窟の外へと出た。
が、状況が全く把握できない。
「どういうことだ?」
僕がジュマシに聞くと何も言わず横に首を振るだけだ。
つまり誰もこの状況がさっぱりわかってないということだ。
洞窟の前方には森がある。
昨日はその森の中でスイダを殲滅した。
その後にジュマシ達に森の様子を見に行かせたて、スイダの姿がない事の報告も受けた。
ここまでは記憶通り。
・・・
そして今、目の前に広がる光景は・・・森。
問題は森の中に居るヤツだ。
大きなビビーがこっちを向いた状態で飛んでいる。
そして、ビービー言っている。
何を言っているのかわからないが、ひたすらビービー言っている。
首をかしげると、1匹のビビーが近寄ってきた。
ジュマシが攻撃をしようとしたが、敵意は感じられないので止めた。
何かを掴んでいる。
それを僕の少し手前で落とした。
甘い香りが漂ってくる。
巣のかけらに詰まっているのはハチミツ?
さっぱり意味がわからない。
ハチミツが美味しいのは知っている。
でも、何故ビビーがハチミツを持ってきたのかがわからない。
そして相変わらずビービー言い続けているのもわからない。
ここままではらちがあかないので巣ごと食べてみた。
甘くて美味しい。
ジュマシが羨ましそうに見ていたが分けるほどの量はなかった。
『あぁ、やっと食べてくれた』
どこからか声が聞こえた。
「何か言ったか?」
そばに居たジュマシに聞いたが首を横に振る。
もしかして?と、思い前を向くと大きなビビーが上下に動いた。
人間でいうところの会釈的なものだろうか。
『ワタシの名前はグイン。ここの森のビビーをまとめている』
???
いったいどういう原理なのだ。
ハチミツは食べたことがあるが、さっきまでビビーの言葉は理解できなかった。
でも、今食べるとビビーのいう事が分かる。
僕は困惑したままだがグインは話を続ける。
『森にいたスイダを追い払ってくれてありがとう。ここは元々ワタシ達の森だった。でも突然スイダが現れてワタシ達は追いやられてしまった。スイダの糸に引っかかって何匹ワタシ達の仲間が・・・』
顔の表情はわからないが、なんとなく辛そうな雰囲気は伝わってきた。
『突然って、どういうことだ?』
こっちの言葉が伝わるかどうかわからないが聞いてみた。
『それがわからない。別の場所から移動してきたわけでもなく、本当に急に現れたのです』
そばに居るジュマシに聞いてみた。
「そういえば、そうっすねぇ~。気がつけばスイダが居たっす」
どうやらグインの話は本当のようだ。
『で、いったい何のようだ?』
『スイダを追い払ってくれたお礼を言いにきただけです。ワタシ達にはこの森があれば十分なのです』
律儀なヤツだ。
『わかった。ジュマシ達に森でビビーに出会っても攻撃しないよう言っておく』
「かしら~、何をさっきからビービー言ってるんすか~?」
グイン達と会話ができるのは僕だけということか。
「とりあえず、ビビーは攻撃するな。全員に伝えておけ」
「よくわかんないっすけど、かしらがそう言うなら了解っす~」
そういうとジュマシは伝令に走っていった。
礼を言いにきただけと言っていたがグインは立ち去ろうとしない。
『まだなにかあるのか?』
こっちから話を切り出した。
『お礼の代わりというわけではないのですが、最近不穏な空気を感じるのです』
『空気を感じる?空を飛んでるから分かるのか?』
少しからかい気味に返答した。
『それもあるのかもしれません』
素で返されてしまった。
『本来ここの森に居ないはずのスイダが突然現れた。そして、他の地方でも急に天敵が出現したと仲間からの連絡が・・・』
何を言っているのだろうか、さっぱりわからないが話は続いた。
『この近くにはセキダイコがあると思いますが、行った事はありますか?』
『・・・1回だけある』
苦々しい過去だ。
『どのあたりまで進めましたか?』
『最初の部屋までだ』
『えっ・・・?』
えっ?って言われた方がえっ?ってなる。
『すみません。アナタ達ならもう少し先まで進んでいると思ってましたので・・・』
なんだかバカにされたような気がした。
『なにが言いたい』
『急にスイダが現れたのと、セキダイコに何か関係があるのかと思いまして』
『どういう意味だ?』
『セキダイコから妖しい光が放たれたのと同時にスイダが現れたのです』
『たまたまじゃないのか?』
話の展開に頭がついていかない。
『セキダインとセキライミはご存知ですか?』
『!』
『その顔はご存知のようですね』
『場所は知らないが、名前だけなら』
本で読んだ程度だが知っている。
セキダイコと同じく難攻不落の砦と称される場所。
すべて実在したのか。
『他の地方の仲間の話でも、ここと同じようにセキダインやセキライミも妖しく光を放ったと・・・』
『で、気がつけば天敵がどーんと現れたとでも?』
『えぇ、そういうことです』
初めて会うがグインが嘘を言っているようには思えないし、嘘を言う理由も無い。
しかし、関係があるかどうかもわからない。
『なるほど、ちゃんと調査してみる必要があるな』
『ご武運を・・・』
そう言うと、満足したのかグインは森の中へ去っていった。
洞窟に戻ると、いつものジュマシ達を集めて聞いてみた。
「セキダイコに行ったことはあるか?」
「かしら~、何を言ってるんすか。あそこはヤバイから行くなって言ったの、かしらでしょ~」
「あ、あぁ、そうだったな」
元のカシジュマもあの場所に危険を感じていたようだ。
「明日セキダイコに調査へ向う。ここの守りは任せたぞ」
「え、本気っすか?ヤバイっすよ~」
ジュマシ達が止めようと説得してくるがスルーして本のところへ戻った。
ここにある読める本は一通り読んだ。
読めない本はどうしよう。
見ても仕方がないと思いつつも、本を開いてみると読めるようになっていた。
といっても全ての本ではないが、何冊かは読める。
今日もまた読める本を読んでいるうちに眠りについた。
カシジュマの章つづく
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