世界の秩序は僕次第

虎鶫

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メインストーリー1

続々々・メムロの章:選択編

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コンコン!
「メムロくーん、朝だよー。ギルド行くよー」
ルーナさんの声で目が覚めた。

続々々・メムロの章:選択編

慌てて準備して部屋を出るとルーナさんは居なかった。
先に行ったのかな?
とりあえずギルドに向った。

ギルドに入るとロキさんとサーカさんが居た。
「あれ?ルーナさんは?」
先に出たはずのルーナさんが居ない。

ロキさんとサーカさんの目線がお互いを見ているのがわかった。
まるでオマエが言えといわんばかりの状況だ。
「ちょっと野暮用だ」
ロキさんがそう言った。

野暮用?
良く分からないが知ったところで僕にはできない事なんだろう。

「さて、昨日の続きだが・・・」
ロキさんが話を始めようとするとサーカさんが遮った。
「はいはい、どーせセキライミの方にに行けーっちゅーんやろ。ほんまに人使い荒いやっちゃで」
「やっぱり話が早くて済むな。その辺りはオオカ譲りか」

オオカ?
知らない名だ。
サーカさんと関係がある感じの言い方だが・・・

僕を差し置いて話は続く。
「オオカは関係あらへん。んで、依頼の報酬はなんや?」
「世界の平和ってのはどうだ?」
ロキさんがニヤリとしながら言った。

・・・

「うわっさっぶー。あかんあかん。そんなおもんない報酬なんかいらんいらん」
ロキさん的には会心の一言のつもりだったのだろう。
でも、僕もサーカさんと同じ気持ちになった。

「報酬の件は後でえぇわ。んで、面子はどないすんの。オレとメムロちゃんだけ?」
「え、ルーナさんは?」

・・・

なんで、ルーナさんの話を出すと無言になるんだ。
「ルーナは後から追いかけさせる。メムロくん、魔法は使えるのかね?」
「いえ、それがなぜか全く・・・」
「そうか・・・」
「ルーナさんの野暮用ってのが終わってから出発だとダメですか?」
食い下がってみた。

「ダメだ。セキライミには急いで行く必要がある。すぐに出ても間に合うかどうか」
ロキさんが強い口調で言ってきた。
「もしなんやったら、メムロちゃんはルーナちゃんと一緒に後からおっかけてくるか?」
サーカさんが提案してきた。

うーん・・・
どうしたものやら。
ギノツの時ってことは、セキライミ付近に何かがあって、そこが陥落するとマズイのかな。

というか、そもそもセキダイコもセキダインも近寄れなくなったのは僕が原因だ。
そう考えると僕は動かない方がいいのかもしれない。
サーカさんの足手まといにもなりたくない。

そう考えるとルーナさんが戻ってくるまで待ったほうがいいのか?
でも、結局はセキライミに向うことにもなる。
あれ?

「ルーナさんはセキライミの場所を知っているの?」
ふと浮かんだ疑問をぶつけてみる。
「いや、知らないだろう。オレもわからない」
え、ロキさんも知らない?
「ルーナさんもロキさんも知らないのに、後からどうやって追いかけるの?」

・・・

所々で変な沈黙はなんだろう。

「そ、そういえば、メムロくんは短剣がメインの武器だったな。これはギルドからのプレゼントだ」
そういいながらロキさんはカウンターに短剣を置いた。

思いっきり話を逸らされた気がする。
「お、おう、せやせや。ギノツの技術が詰まった一品やで」
サーカさんもわざとらしく話を逸らし始めた。

とはいえ、今の短剣がボロボロだったので新しい武器はありがたい。
「ありがとうございます」
手にしてみると凄く馴染む。
というか、今の短剣よりも軽い。
素振りをしてみようとすると、ロキさんが慌てだした。
「メ、メムロくん、素振りをするなら外で誰も居ないところでやってくれ」
とりあえず、ただの短剣ではなさそうだ。

「で、ルーナさんはどうやって追いかけるんですか?」
話を戻した。
2人ともダメか、という表情をしている。

「まぁ、簡単に言えば、そのための野暮用だ」
ものすごくざっくりとした説明。
肝心なところは何があっても教えてもらえなさそうだ。

「ほんで、メムロちゃん、どないすんの?」
サーカさんが聞いてきた。

そうだ、一番肝心なのは僕がどうしたいかだ。
サーカさんについて行くか。
ルーナさんについて行くか。

それとも・・・行かない?
今回の件に関しては別に命令されたわけではない。
拒否をする選択も問題ないはずだ。
僕の望みは楽に暮らしたい。
・・・と、以前の僕ならそう考えていただろう。
プリダルエを許すわけにはいかない!
僕が倒せなくても、誰かが倒してくれるかもしれないが、一泡吹かせてやりたい。

そうなると選択肢は2つか。
それとも単独行動に出る?
いや、それは無理だろう。
サーカさんが許さないだろうし、絶対について来る。

いつまでも結論を出さずにいるのもダメだ。
よし、決めた!
「僕は・・・」

ルートA
「サーカさんについていく!」
続々々・メムロの章:寄り道編につづく

ルートB
「ルーナさんについていく!」
続々々・メムロの章:疑問編につづく

※ここから別のストーリーに分岐します。
※それぞれのストーリーが影響し合うかどうかはわかりません。
※要するに見切り発車です。
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