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メインストーリー1
続々々・メムロの章
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森の中は危ない。
一旦、草原の方へ抜け出した。
続々々・メムロの章
みんなは無事だろうか。
身体は重いが村の方へ向って歩いていく。
焼け焦げた匂いがきつくなってくる。
村、いや、村だった場所が見えてきた。
半壊で済んでいる感じもあるが、村としては当分ダメだろう。
村から少し離れた場所に人だかりが見える。
みんなはそこにいるのか?
フラフラの状態でそっちへ向う。
「あ、メムロくーん!」
ルーナさんの声が聞こえてきた。
隣にはサーカさんも居た。
ホッとしたのか身体中の力が抜けて倒れこんだ。
バタッ!
「キャーッ!メムロくーん!」
ルーナさんが駆け寄ってくる足音が近寄ってるはずなのに小さくなっていく。
・・・
はっ!
目を覚ますとテントの中にいた。
「おっはようさーん、迷子のメムロちゃーん」
サーカさんが明るく声をかけてきてくれた。
と、同時に涙で溢れた。
「え、え、どないしたんや?まだどっか痛いとこでもあるんか?痛いの痛いの飛んでけーやで!?」
珍しくサーカさんが慌てている。
「あーっ!サーカがメムロくん泣かせた!なにやってるのよ!」
ルーナさんが怒っている。
安堵の涙なのか、自分が招いた事への罪悪感なのか、涙が止まらない。
ひとしきり泣いた後、テントの外に出てみた。
ワフ族だ!
体力は完全回復していないのでへなちょこ状態だが剣を持って身構えた。
「あ、メムロくん、待った待った。大丈夫よ」
ルーナさんが後ろから声をかけてきた。
「え?でも、ワフが」
「うーん、そうなるのは仕方ないね。私も最初はギノツ村に着く直前にワフと遭遇して、思わず魔法で攻撃しちゃったし・・・」
思わずで攻撃されるなんてワフにとっては気の毒な話だ。
サーカさんがテントから出てきて説明してくれた。
「ギノツの人とワフ族は仲良しこよしなんや。鉱山を発掘するにはツルハシがいるねん。せやからワフ族はツルハシが欲しいねん。でもツルハシを作る能力はないんよねー。で、ギノツの人らは鍛冶の村だけあって、ツルハシ作るぐらいおちゃのこさいさいなわけ。ここまではわかる?」
僕は頷いた。
「性能のえぇツルハシが欲しいワフ族と、ツルハシが作れるし鉱石が欲しいギノツの人ら。よーするに、ういんういんのかんけーっちゅーわけや」
なるほどお互いの利が一致したわけか。
「でも、言葉は通じるの?」
「それはあれや、オレとルーナちゃんみたいな昨日今日の関係やないぐらいのながーい付き合いやからギノツの人らはみんなワフ族と会話できるっちゅーわけや」
支配するわけでもなく、お互いを尊重しあえる関係って事か。
なんかいいな。
「あれ?ギノツ村の被害は大きいようにみえるけど、なんでみんな無事なの?」
そう、僕が原因とはいえ、噴火は急に発生した。
そして広間から外に出る事もできないぐらい一瞬の出来事だったはず。
山に居たワフ族もパニックになってたぐらいだし。
「それは私が説明するね」
ルーナさんの話ではふらっと現れた旅人が逃げる準備しとくようにと、ギルドの人たちに言っていたらしい。
見たことが無い人だったそうだが、サーカさんと口調が似ているとの事。
でも、サーカさんは「オレは知らん」の一点張り。
しかも、サーカさんが村に着いたのは噴火の直前と言っている。
それまでの間、サーカさんはどこに寄り道を?
疑問は尽きない。
プリダルエの真の目的は?
登山中に出会った人物は?
ナトリ街のギルド員達はこれからどうするかを話し合っている。
「ここで話し合っててもしゃーないし、ナトリに帰った方がえぇんちゃうの」
サーカさんが口を挟む。
「ワフ達はどうするのだ?」
1人のギルド員が反論してきた。
「どーするもこーするも一緒に連れて行ったらえぇだけやん。あの山があないな感じやと戻るのも無理やろうし、山はここにしかないわけちゃうやん。新しい鉱石を発掘してくれるかもしれんやん。知らんけど」
サーカさんの言う事も一理ある。
というか、それ以外の案が出てくるとも思えない。
ギノツの人たちとワフ族は共存する状態だから見捨てる事は絶対にしないだろう。
「なんにしても、メムロちゃんも起きた事やしはよ戻って、ロキはんに報告した方がえぇんちゃうん」
その場にいた全員が頷いた。
ナトリ街へ戻ることになった。
道中、モンスターに襲われる事もあったがギルド員が多い事もあって撃退するのはたやすいこと。
僕は誰かを守りながら戦うのは初めてだったので苦労はしたが、ルーナさんの協力もありなんとかなった。
街が見えてきた。
「とりあえずワフたちも一緒に街に入るとパニックになるので、一旦この辺りで待機してもらうよう伝えて欲しい」
ギルド隊の大将がギノツの人に通訳を頼んだ。
ギノツの人はワフたちに伝えると、ワフ達は頷き近くの木陰に向っていった。
ギノツの人たちは街の中にあるいくつかの宿に預けることになった。
大きな街だから、この人数ならたやすいことのようだ。
タスト村だと家から溢れかえる所だろう。
その後、ギルドの人たちと一緒にギルドへ向った。
全員がギルドに入ったのを確認したところでロキさんが口を開いた。
「ダメだったか・・・」
ギルド内がざわついた。
まだ誰も報告をしていないのに、何故わかったのだろう。
「ロキさん、何故それを?」
大将がみんなが思っている事を聞いた。
「噴火するのが見えた。で、お前たちがここにいる。答えは1つだ」
いくらなんでも、それは安直すぎないかな?と僕は思ったが、みんなは納得したような表情をしている。
ロキさんがギルドマスターなのは名ばかりではないってことか。
「結果は残念だったが、皆のものご苦労であった。今日のところはゆっくり休め。明日はギノツの人たちの家とワフたちの住処でも作ってやってくれ。以上だ、解散!」
ロキさんがそう言うと、ギルド員はぞろぞろと出て行った。
ギルド内に残ったのは僕達3人とロキさんだけになった。
僕達も宿に戻った方がいいのかな?と思ったが、サーカさんが動かないので僕達も動けなかった。
「で、サーカ、どうみる?」
僕はロキさんの言葉の意味がわからなかったが、サーカさんにはわかっているようだ。
「せやねぇ、セキダインもあかん。溶岩が邪魔で近寄れん」
「森の方に迂回して近づく事はできそうにないか?」
「森もあかん。昔とちごーて、なんかヤバなっとる。ほんまに、どないなっとるんや」
サーカさんとロキさんの会話を聞いてルーナさんは理解不能な状態になっている。
森がヤバイのは事実だ。
サーカさんがギノツに着くのが遅れたのは森に行っていたからか?
・・・
サーカさんの言葉を最後に沈黙が続いた。
「とりあえず3人とも今日は宿に戻ってゆっくり休め。続きは明日だ」
そういうとロキさんはカウンターの奥の部屋へ入っていった。
僕達も宿に戻った。
明日からどうなるのだろう。
ルーナさんほどではないが、わからない事が多すぎる。
サーカさんとロキさんはどこまで把握しているのだろう。
あれこれ考えているうちに僕は眠りについていた。
続々々・メムロの章つづく
一旦、草原の方へ抜け出した。
続々々・メムロの章
みんなは無事だろうか。
身体は重いが村の方へ向って歩いていく。
焼け焦げた匂いがきつくなってくる。
村、いや、村だった場所が見えてきた。
半壊で済んでいる感じもあるが、村としては当分ダメだろう。
村から少し離れた場所に人だかりが見える。
みんなはそこにいるのか?
フラフラの状態でそっちへ向う。
「あ、メムロくーん!」
ルーナさんの声が聞こえてきた。
隣にはサーカさんも居た。
ホッとしたのか身体中の力が抜けて倒れこんだ。
バタッ!
「キャーッ!メムロくーん!」
ルーナさんが駆け寄ってくる足音が近寄ってるはずなのに小さくなっていく。
・・・
はっ!
目を覚ますとテントの中にいた。
「おっはようさーん、迷子のメムロちゃーん」
サーカさんが明るく声をかけてきてくれた。
と、同時に涙で溢れた。
「え、え、どないしたんや?まだどっか痛いとこでもあるんか?痛いの痛いの飛んでけーやで!?」
珍しくサーカさんが慌てている。
「あーっ!サーカがメムロくん泣かせた!なにやってるのよ!」
ルーナさんが怒っている。
安堵の涙なのか、自分が招いた事への罪悪感なのか、涙が止まらない。
ひとしきり泣いた後、テントの外に出てみた。
ワフ族だ!
体力は完全回復していないのでへなちょこ状態だが剣を持って身構えた。
「あ、メムロくん、待った待った。大丈夫よ」
ルーナさんが後ろから声をかけてきた。
「え?でも、ワフが」
「うーん、そうなるのは仕方ないね。私も最初はギノツ村に着く直前にワフと遭遇して、思わず魔法で攻撃しちゃったし・・・」
思わずで攻撃されるなんてワフにとっては気の毒な話だ。
サーカさんがテントから出てきて説明してくれた。
「ギノツの人とワフ族は仲良しこよしなんや。鉱山を発掘するにはツルハシがいるねん。せやからワフ族はツルハシが欲しいねん。でもツルハシを作る能力はないんよねー。で、ギノツの人らは鍛冶の村だけあって、ツルハシ作るぐらいおちゃのこさいさいなわけ。ここまではわかる?」
僕は頷いた。
「性能のえぇツルハシが欲しいワフ族と、ツルハシが作れるし鉱石が欲しいギノツの人ら。よーするに、ういんういんのかんけーっちゅーわけや」
なるほどお互いの利が一致したわけか。
「でも、言葉は通じるの?」
「それはあれや、オレとルーナちゃんみたいな昨日今日の関係やないぐらいのながーい付き合いやからギノツの人らはみんなワフ族と会話できるっちゅーわけや」
支配するわけでもなく、お互いを尊重しあえる関係って事か。
なんかいいな。
「あれ?ギノツ村の被害は大きいようにみえるけど、なんでみんな無事なの?」
そう、僕が原因とはいえ、噴火は急に発生した。
そして広間から外に出る事もできないぐらい一瞬の出来事だったはず。
山に居たワフ族もパニックになってたぐらいだし。
「それは私が説明するね」
ルーナさんの話ではふらっと現れた旅人が逃げる準備しとくようにと、ギルドの人たちに言っていたらしい。
見たことが無い人だったそうだが、サーカさんと口調が似ているとの事。
でも、サーカさんは「オレは知らん」の一点張り。
しかも、サーカさんが村に着いたのは噴火の直前と言っている。
それまでの間、サーカさんはどこに寄り道を?
疑問は尽きない。
プリダルエの真の目的は?
登山中に出会った人物は?
ナトリ街のギルド員達はこれからどうするかを話し合っている。
「ここで話し合っててもしゃーないし、ナトリに帰った方がえぇんちゃうの」
サーカさんが口を挟む。
「ワフ達はどうするのだ?」
1人のギルド員が反論してきた。
「どーするもこーするも一緒に連れて行ったらえぇだけやん。あの山があないな感じやと戻るのも無理やろうし、山はここにしかないわけちゃうやん。新しい鉱石を発掘してくれるかもしれんやん。知らんけど」
サーカさんの言う事も一理ある。
というか、それ以外の案が出てくるとも思えない。
ギノツの人たちとワフ族は共存する状態だから見捨てる事は絶対にしないだろう。
「なんにしても、メムロちゃんも起きた事やしはよ戻って、ロキはんに報告した方がえぇんちゃうん」
その場にいた全員が頷いた。
ナトリ街へ戻ることになった。
道中、モンスターに襲われる事もあったがギルド員が多い事もあって撃退するのはたやすいこと。
僕は誰かを守りながら戦うのは初めてだったので苦労はしたが、ルーナさんの協力もありなんとかなった。
街が見えてきた。
「とりあえずワフたちも一緒に街に入るとパニックになるので、一旦この辺りで待機してもらうよう伝えて欲しい」
ギルド隊の大将がギノツの人に通訳を頼んだ。
ギノツの人はワフたちに伝えると、ワフ達は頷き近くの木陰に向っていった。
ギノツの人たちは街の中にあるいくつかの宿に預けることになった。
大きな街だから、この人数ならたやすいことのようだ。
タスト村だと家から溢れかえる所だろう。
その後、ギルドの人たちと一緒にギルドへ向った。
全員がギルドに入ったのを確認したところでロキさんが口を開いた。
「ダメだったか・・・」
ギルド内がざわついた。
まだ誰も報告をしていないのに、何故わかったのだろう。
「ロキさん、何故それを?」
大将がみんなが思っている事を聞いた。
「噴火するのが見えた。で、お前たちがここにいる。答えは1つだ」
いくらなんでも、それは安直すぎないかな?と僕は思ったが、みんなは納得したような表情をしている。
ロキさんがギルドマスターなのは名ばかりではないってことか。
「結果は残念だったが、皆のものご苦労であった。今日のところはゆっくり休め。明日はギノツの人たちの家とワフたちの住処でも作ってやってくれ。以上だ、解散!」
ロキさんがそう言うと、ギルド員はぞろぞろと出て行った。
ギルド内に残ったのは僕達3人とロキさんだけになった。
僕達も宿に戻った方がいいのかな?と思ったが、サーカさんが動かないので僕達も動けなかった。
「で、サーカ、どうみる?」
僕はロキさんの言葉の意味がわからなかったが、サーカさんにはわかっているようだ。
「せやねぇ、セキダインもあかん。溶岩が邪魔で近寄れん」
「森の方に迂回して近づく事はできそうにないか?」
「森もあかん。昔とちごーて、なんかヤバなっとる。ほんまに、どないなっとるんや」
サーカさんとロキさんの会話を聞いてルーナさんは理解不能な状態になっている。
森がヤバイのは事実だ。
サーカさんがギノツに着くのが遅れたのは森に行っていたからか?
・・・
サーカさんの言葉を最後に沈黙が続いた。
「とりあえず3人とも今日は宿に戻ってゆっくり休め。続きは明日だ」
そういうとロキさんはカウンターの奥の部屋へ入っていった。
僕達も宿に戻った。
明日からどうなるのだろう。
ルーナさんほどではないが、わからない事が多すぎる。
サーカさんとロキさんはどこまで把握しているのだろう。
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