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メインストーリー1
メフワフの章
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「あれ?いつも通りの広間ですなぁ。さっきの音は聞き間違いかな」
首をかしげながらワフが広間から立ち去った。
メフワフの章
テーブルの上にあった手紙を手に取った。
【メフワフよ、我が名はプリダルエ。インツは我が手中にある。これがどういう意味かわかるな、そういうことだ】
いや、どういうことだ?
作戦は聞いていたが、インツとメフワフには何か関係が?
手紙は続いていた。
【2枚目の紙を持ってきた者に渡せ。1人は背を向き、もう1人は立ち去る。残った方を殺せ】
・・・
な、なんという指示だ。
作戦の内容も非情だが手紙の内容も非情だ。
僕は殺されるために来たのか。
というか、なぜ僕を殺す?
3枚目の手紙があった。
【メフワフ、いやメルダールかな?作戦は覚えているな。即実行にかかれ】
え・・・
何故、ここでメルダールの名前が出てくる?
作戦はもちろん覚えている。
ワフ族とダールエ族でギノツ村を挟撃する。
単純な策だ。
しかし、本からの知識だがワフ族は好戦的ではないし、人間と争うような関係でもないはずだ。
サーカさんがギノツ村を鍛冶の村という意味も理解できるし、つじつまも合う。
プリダルエの策を聞いた時に非情に感じたのはインツの存在だ。
関係性はわからないが、インツを利用してメフワフを脅迫するからワフ族は人間を襲う事になる。
平然とこの策を言い放つプリダルエに恐怖を感じた。
しかし、脅迫をしたからといってワフ族は本当に動くのかも疑問だった。
だからプリダルエに聞いたのだ。
「本当にこの策は上手くいくのですか?」
と。
それでも平然と「絶対に上手くいく」と言い放った理由はこれか。
ワフ族の大将はメフワフだ。
メフワフが手下になればワフ族はイヤでも動く。
そしてメルダールはプリダルエの手下。
・・・
プリダルエはどこまで見えているのだ。
僕の秘密を知っているのは僕だけのはずだ。
仮に誰かに話したとしても信用はしてもらえないぐらいぶっとんだ秘密だ。
いや、誤算があるとすれば、僕はメルダールではなくメムロだ。
だから全く動かないか、人間の味方になって返り討ちにする事もできる。
・・・
やっぱりカギはインツか。
僕がメルダールだろうが誰だろうがインツの存在がメフワフの行動に制限がかかる。
「おーい、だれか」
分からないなら聞けばいい。
「メフのだんな、何かようですかい?」
呼びかける声に反応してワフが入ってきた。
「インツは?」
自分でも謎の質問である。
「だんなぁ~、またインツさんの事、考えてるんですかい。まったく、恋の病ってのはやっかいですなぁ」
なんとなくわかった気がする。
「でも最近、森の雰囲気も変わったですなぁ。こういうのを暗雲が立ち込めるっていうんですかい?」
原因はプリダルエだろう。
「わかった、もういい」
そういうとワフは部屋から立ち去った。
手紙には続きがあった。
【オマエは今戸惑っている。手土産を入れておく】
・・・どこまで見えているのだろうか。
それに手土産?
封筒の中を見ると手紙以外に・・・なんだこれ?
球体が入っていた。
水晶球のように透明でもなければ、鉄球みたいな重さも無い。
素材もさっぱりわからない
謎の球だ。
これがいったい何の役に?
と、思いながら球をテーブルに乗せるとコロコロと自然に転がりだした。
この球どこに行くんだ?
いや、どういう原理で動いているんだ?
掴もうとするとスルリと避けて、移動速度はどんどん速くなる。
そのまま球は洞穴の外に出て行った。
・・・
なんだったんだ?
手土産といいながらも勝手にどっかに行ってしまったぞ?
ゴゴゴゴ・・・
突然、地鳴りを起こしだした。
するとワフが広間にかけこんできた。
「メフのだんな~、この音はなんですかい?」
いや、こっちが聞きたいぐらいだ。
もう嫌な予感しかしない。
広間を出ようとするも地鳴りと揺れの影響で上手く前にも進めない。
ワフたちもフラフラの状態だ。
ゴゴゴゴゴゴゴ!
どんどん音と揺れが大きくなってくる。
いったい何が!?
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!
もしかしてこれは・・・
ドカーーーーーン!
巨大な音と共に広間の温度もあがってきているのを感じる。
ゴゴゴゴゴ!
地鳴りはまだ続いている。
ギャーーー!
ワフ達の悲鳴も聞こえてくる。
広間から外に・・・は出られない。
目の前を溶岩が流れている。
プリダルエの本当の目的はコレだったのだ。
なんてヤツだ。
山が噴火を起こせば溶岩が流れるだけではなく、噴火にあわせて岩も飛び散る。
ふもとにある村の被害は甚大だろう。
確かにアイツの言う通り、作戦の成否は僕達にかかっている。
そして、到着した時点で作戦は成功だ。
クッ!
知らなかったとはいえ、まんまとアイツの策に加担してしまった。
村の状況を見に行きたいが外に出る事はできない。
ワフ族は温度に耐性があるのかそっちは大丈夫だが、さすがに溶岩には勝てない。
なんとかしてアイツに一泡吹かせてやりたい。
しかし、今の僕に何ができる?
村に居るギルドの人達は無事だろうか。
拠点どころか、ここを噴火させると鉱石が採れなくなるぞ。
プリダルエはいったい何を望んでいる。
クソッ!クソッ!クソーッ!
テーブルを叩く手も痛いが、それよりも心が痛い。
そして外を流れていた溶岩は広間にも流れ込んできた。
ここまでか。
クソーッ!
プリダルエめーーーー!
ジューッ!
僕の身体が溶岩に飲み込まれた。
・・・
焦げ臭い匂いがする。
目を覚ますと遠く離れた場所から煙が立ち上るのが見える。
その奥にある山は溶岩が流れ続けて真っ赤だ。
続々々・メムロの章へつづく
首をかしげながらワフが広間から立ち去った。
メフワフの章
テーブルの上にあった手紙を手に取った。
【メフワフよ、我が名はプリダルエ。インツは我が手中にある。これがどういう意味かわかるな、そういうことだ】
いや、どういうことだ?
作戦は聞いていたが、インツとメフワフには何か関係が?
手紙は続いていた。
【2枚目の紙を持ってきた者に渡せ。1人は背を向き、もう1人は立ち去る。残った方を殺せ】
・・・
な、なんという指示だ。
作戦の内容も非情だが手紙の内容も非情だ。
僕は殺されるために来たのか。
というか、なぜ僕を殺す?
3枚目の手紙があった。
【メフワフ、いやメルダールかな?作戦は覚えているな。即実行にかかれ】
え・・・
何故、ここでメルダールの名前が出てくる?
作戦はもちろん覚えている。
ワフ族とダールエ族でギノツ村を挟撃する。
単純な策だ。
しかし、本からの知識だがワフ族は好戦的ではないし、人間と争うような関係でもないはずだ。
サーカさんがギノツ村を鍛冶の村という意味も理解できるし、つじつまも合う。
プリダルエの策を聞いた時に非情に感じたのはインツの存在だ。
関係性はわからないが、インツを利用してメフワフを脅迫するからワフ族は人間を襲う事になる。
平然とこの策を言い放つプリダルエに恐怖を感じた。
しかし、脅迫をしたからといってワフ族は本当に動くのかも疑問だった。
だからプリダルエに聞いたのだ。
「本当にこの策は上手くいくのですか?」
と。
それでも平然と「絶対に上手くいく」と言い放った理由はこれか。
ワフ族の大将はメフワフだ。
メフワフが手下になればワフ族はイヤでも動く。
そしてメルダールはプリダルエの手下。
・・・
プリダルエはどこまで見えているのだ。
僕の秘密を知っているのは僕だけのはずだ。
仮に誰かに話したとしても信用はしてもらえないぐらいぶっとんだ秘密だ。
いや、誤算があるとすれば、僕はメルダールではなくメムロだ。
だから全く動かないか、人間の味方になって返り討ちにする事もできる。
・・・
やっぱりカギはインツか。
僕がメルダールだろうが誰だろうがインツの存在がメフワフの行動に制限がかかる。
「おーい、だれか」
分からないなら聞けばいい。
「メフのだんな、何かようですかい?」
呼びかける声に反応してワフが入ってきた。
「インツは?」
自分でも謎の質問である。
「だんなぁ~、またインツさんの事、考えてるんですかい。まったく、恋の病ってのはやっかいですなぁ」
なんとなくわかった気がする。
「でも最近、森の雰囲気も変わったですなぁ。こういうのを暗雲が立ち込めるっていうんですかい?」
原因はプリダルエだろう。
「わかった、もういい」
そういうとワフは部屋から立ち去った。
手紙には続きがあった。
【オマエは今戸惑っている。手土産を入れておく】
・・・どこまで見えているのだろうか。
それに手土産?
封筒の中を見ると手紙以外に・・・なんだこれ?
球体が入っていた。
水晶球のように透明でもなければ、鉄球みたいな重さも無い。
素材もさっぱりわからない
謎の球だ。
これがいったい何の役に?
と、思いながら球をテーブルに乗せるとコロコロと自然に転がりだした。
この球どこに行くんだ?
いや、どういう原理で動いているんだ?
掴もうとするとスルリと避けて、移動速度はどんどん速くなる。
そのまま球は洞穴の外に出て行った。
・・・
なんだったんだ?
手土産といいながらも勝手にどっかに行ってしまったぞ?
ゴゴゴゴ・・・
突然、地鳴りを起こしだした。
するとワフが広間にかけこんできた。
「メフのだんな~、この音はなんですかい?」
いや、こっちが聞きたいぐらいだ。
もう嫌な予感しかしない。
広間を出ようとするも地鳴りと揺れの影響で上手く前にも進めない。
ワフたちもフラフラの状態だ。
ゴゴゴゴゴゴゴ!
どんどん音と揺れが大きくなってくる。
いったい何が!?
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!
もしかしてこれは・・・
ドカーーーーーン!
巨大な音と共に広間の温度もあがってきているのを感じる。
ゴゴゴゴゴ!
地鳴りはまだ続いている。
ギャーーー!
ワフ達の悲鳴も聞こえてくる。
広間から外に・・・は出られない。
目の前を溶岩が流れている。
プリダルエの本当の目的はコレだったのだ。
なんてヤツだ。
山が噴火を起こせば溶岩が流れるだけではなく、噴火にあわせて岩も飛び散る。
ふもとにある村の被害は甚大だろう。
確かにアイツの言う通り、作戦の成否は僕達にかかっている。
そして、到着した時点で作戦は成功だ。
クッ!
知らなかったとはいえ、まんまとアイツの策に加担してしまった。
村の状況を見に行きたいが外に出る事はできない。
ワフ族は温度に耐性があるのかそっちは大丈夫だが、さすがに溶岩には勝てない。
なんとかしてアイツに一泡吹かせてやりたい。
しかし、今の僕に何ができる?
村に居るギルドの人達は無事だろうか。
拠点どころか、ここを噴火させると鉱石が採れなくなるぞ。
プリダルエはいったい何を望んでいる。
クソッ!クソッ!クソーッ!
テーブルを叩く手も痛いが、それよりも心が痛い。
そして外を流れていた溶岩は広間にも流れ込んできた。
ここまでか。
クソーッ!
プリダルエめーーーー!
ジューッ!
僕の身体が溶岩に飲み込まれた。
・・・
焦げ臭い匂いがする。
目を覚ますと遠く離れた場所から煙が立ち上るのが見える。
その奥にある山は溶岩が流れ続けて真っ赤だ。
続々々・メムロの章へつづく
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