世界一の鍛冶師を目指して!〜不遇スキル『鍛冶』と前世の知識の組み合わせが最強だった件〜

福寿草真@異世界エステ1巻12/25発売

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2章 町と仲間と成長と

17話 強化武器の実力

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 数日後、僕たちの姿はというといつも通りガルドの森にあった。目的はもちろんそう、強化武器の実力を試すためである。

「にゃ~ファンに強くしてもらった武器で戦うの楽しみにゃ~」

 シュムは周囲を警戒しながらも上機嫌に声を上げる。その手には僕により【強化】された短剣が握られている。

 彼女が使用していた短剣はごく普通の金属製のものだったのだが、今はそこにギルタートルの甲羅が成分として含まれている状態だ。その影響だろうか、現在その剣身は光沢のある銀白色に薄らと緑が混ざった色合いになっている。

 これはもちろん僕の剣も同様であり、その剣の大きさに差はあれど、側から見ればお揃いに見えることであろう。

 その事実に僕はなんだか嬉しくなりながら、彼女の言葉に返事をする。

「僕もだよ。一体どのくらい【強化】されているんだろうね」

「きっと最強にゃー! 剣を振ると大地が割れるにゃ!」

「もはや魔剣の域だよそれ!」

「にゃはは! 冗談にゃ! …….にゃ?」

 ニコニコとしてしたシュムが突然表情を変えると、スンスンと鼻を鳴らし始めた。
 この行動をした時は大抵数百mの範囲になんらかの魔物がいるということであるため、僕はすぐさま剣を握り警戒を強める。

「ゴブリン? オーク?」

「オーク。数は……1体にゃ」

「どうする?」

「ここはシュムに任せて欲しいのにゃ」

「わかった。気をつけてね」

「はいにゃ。……こっちにゃ」

 シュムに従い森の中を行く。少しして視界の先にオークの姿を捉えた。

「それじゃいくにゃ」

 言葉の後、シュムは姿勢を低くすると力強く地面を蹴った。そしてオークがこちらに気がつく前に接近すると、いつものように首元へと刃を通す。
 すると剣身はまるでバターを切るかのように驚くほどすんなりとオークの肉を断った。オークがバタリと倒れる。

「にゃ!?」

 シュムが驚きの声を上げる。次いで周囲の警戒をした後、興奮した表情でこちらへと駆け寄ってくる。

「ファンー!」

「シュムお疲れ様! 流石だね!」

「ち、違うにゃ! すごいのはファンの方にゃ!」

 手をブンブンとしながらシュムが早口で声を上げる。話を聞くと、シュムはスピードはあるが攻撃力は低いため、今まで耐久力のあるオーク討伐にはもう少し時間がかかっていたようだ。

 それがまさかの一撃であったため、その要因が明らかに武器の【強化】によるものだと判断したようだ。

「ファンありがとにゃー! おかげでシュム強くにゃれたにゃー!」

「ふふっ、よかった。これで【強化】が有用だと断言できるよ」

「最強にゃー! ファンもはやく戦ってみるにゃ!」

 シュムの言葉を受け、僕も新武器を試してみることにする。

 彼女に索敵をしてもらい、とりあえず1匹でいるゴブリンを探す。

 シュムの結果を受け、最初は僕もオークに挑戦してみようかと考えたが、今回はやめた。やはり普段戦い慣れているゴブリン相手の方が剣の性能がどれだけ向上したのかわかりやすいと考えたからだ。

「いたにゃ」と言うシュムに続き歩くと、視界にはぐれゴブリンの姿が映る。

 ……棍棒持ちか。ちょうどいいかもな。

 これまで剣でゴブリンの身体を断った経験はある。しかし棍棒に関してはそれがない。

「よし。いってくるね」

「うにゃ。ファンがんばるにゃ!」

「ありがと」

 言葉の後、僕は剣を手にゴブリンへと接近する。

 ゴブリンはこちらの姿を認識するとすぐさま棍棒を構えた。そしてタイミングを合わせると勢いよく振り下ろしてくる。

 僕はそれをかち上げるように剣を振り上げた。そして棍棒と剣がぶつかり──そのまま棍棒は真っ二つになった。

「まじか」

 流石にこうも簡単に断ち切れると思わなかった僕は思わずそう声を溢し、まさかの事態に多少焦りを覚えた。

 しかしそれでも何とか冷静さを保つと、いつものようにゴブリンを討伐した。

「ファン、お疲れ様にゃ!」

「ありがと、シュム。にしても想定以上で驚いちゃったよ」

 確かに切れ味が向上しているだろうと思ったし、棍棒を断ち切ることも可能だと踏んでいた。しかしまさかこうも簡単にいくとは流石に想定していなかった。

「にゃ! 最強にゃ!」

「あはは、だね。でもこの切れ味に慣れるまで時間がかかりそうだ」

「たくさん戦うにゃ~」

「そうだね。たくさん戦おう」

「今日はどうするにゃ?」

「時間もあるし、もう少し狩っていこうか」

「了解にゃ!」

 言葉の後、僕たちは次の魔物を探しに動く。その中で、僕は自身の考えをまとめるように声を上げた。

「これは【強化】に必要な素材を見つけ次第可能な範囲でどんどん組み込むべきかもしれないな」

「間違いにゃいにゃ!」

 シュムが頷く。こうして試し切りは【強化】の、ひいては『鍛冶』の可能性により希望を抱ける結果となった。
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