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先輩と後輩
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翌日、セイルとハイネルは次の依頼を探しに冒険者ギルドへ向かった。
セイルは少し寝不足気味で、欠伸をかみ殺している。
それもそのはず、実はハイネルのマジックアイテム談義が夜遅くまで続いたのである。話題を振った手前、無下にも出来ず、最後までセイルは付き合った。
その代償が、寝不足である。自分の責任ではあるものの、失敗したな、とセイルは思った。
ちなみにハイネルからは寝不足の欠片も感じられない。逆にスッキリとした顔になっている当たり、マジックアイテムについて語り尽くせたのが相当楽しかったのだろう。
さて、そんな二人だが。何か仕事がないかな、と思って冒険者ギルドにやって来たのだ。
二人が冒険者ギルドの扉を開けると、直ぐ近くにストレイが、そして奥のカウンターにはリゾットとパニーニがいる事に気が付く。
「おはようございます、ストレイ」
「おう、おはようさん、二人とも。なんだ、セイルは寝不足気味か? 冒険者は体が資本だぞ」
セイルが挨拶をすると、ストレイは手を挙げてニカッと笑った。
姿を見れば、しっかりと旅支度が整えられていた。
「いやぁ、昨日色々ありまして……ストレイはこれから依頼ですか?」
「というより、新人の付き添いだな」
「付き添い?」
「この間のウッドゴーレムの件があっただろう? 遺跡自体もう大丈夫そうだが、万が一って事もあるからな。しばらくの間、新人の実技テストには付き添いがつくことになった」
話ながら、それ以外もあるがな、とストレイは肩をすくめた。
それ以外、とは、おそらくアルギラが起こした問題の事を言っているのだろう。
あれは極端な例ではあるのだろうが、それ以外にも多少の問題児はいる。そんな新人達が下手に問題を起こさないように、ベテランの冒険者が監視役として試験についていく事になったのだそうだ。
「ストレイさん、お待たせしました!」
セイルとハイネル、ストレイが三人で話をしていると、そこへリゾットとパニーニがやって来た。彼らもそれぞれ旅の装いをしている。
二人はセイルとハイネルの姿を見つけると、嬉しそうに笑った。そして実技テスト用の依頼書をひょいと掲げて、二人に見せる。
セイルとハイネルはにこりと笑った。
「筆記、合格したんですね」
「ハイネルさんの教え方が良かったので」
「フッそうでしょうそうでしょう。でも、あなた方が頑張ったからですよ」
ハイネルの言葉に、リゾットとパニーニは照れたように顔を見合わせた。
そうして「えへへ」と嬉しそうに笑う。
そんな四人を、ストレイは微笑ましいものを見るような目で見ていた。
「新人ってこうであって欲しいよなぁ……」
なんて呟きも聞こえる。今まで、どれほど強烈な新人を見て来たのだろうか。
まぁ、それはさておき。
リゾットとパニーニがやって来たので、ストレイは「よし」と手を叩いた。
「それじゃ行こうと思うが、お二人さん、準備はいいか?」
「はい、大丈夫です!」
「よろしくお願いします!」
ストレイの言葉にリゾットとパニーニは軽く頭を下げた。
そんな二人を、セイルとハイネルは激励する。
「頑張って下さいね」
「お気を付けて」
「はい!」
そうして元気に歩いて行く三人を手を振って見送った。
「何か、いいですね」
「ですね」
自分達も少し前はあんな感じだったのだろうか。まだ僅かしか経っていないけれど。
そんな事を考えながら、何だかほんわりした気持ちでセイル達はカウンターへ向かった。それから空いている窓口を探す。その一つにアティカが座っているのが見えた。
順番待ちもないので、セイルとハイネルはそのままアティカの所へと近づいた。
「おはようございます、アティカさん。わたし達向けの依頼って、何かありますか?」
「あら、おはようセイル、ハイネル。ちょっと待っていてね」
アティカはにこにこ微笑むと、依頼の入ったファイルを開く。
分厚いファイルをぺらぺらとめくるアティカを、セイルとハイネルがわくわくしながら待っていると、二人の姿を見つけたアイザックが近づいてきた。
「よう、依頼探しか?」
「はい、おはようございます、アイザックさん」
「おはよう。……ああ、そうだ、ちょうどいい。お前達、念のために聞いておくが、遺跡のゴーレムについて誰かに話をしていないよな?」
アイザックにそう問われて、セイルとハイネルは揃って首を傾げた。
遺跡のゴーレムと言えば、あのウッドゴーレムの事だろう。
話せない事の方が多いし、話を出来るほどの知り合いもいないので、二人は揃って首を振った。
「いえ、一般的に知られている事以外は特に」
「調査の件に関しては、ギルドにしか話していないですね」
セイルとハイネルの返答を聞くと、アイザックは頷いた。
「そうか、ならいい。悪いな」
「いえ。何かあったのですか?」
「いや、最近ゴーレムの事を聞き回っている奴がいると王都のギルドから連絡があってな。何でも金持ちのゴーレムが盗まれかけたらしい」
「盗む!?」
盗む、となるとずいぶん物騒な話である。
目を丸くする二人に、アイザックは少し声を潜めた。
「まぁ未遂に終わったがな。だが、犯人はまだ捕まっていない。お前さん達は関わっているから、気をつけろよ。制御盤の事は誰に聞かれても話すんじゃないぞ?」
「はい」
アイザックにジロリと睨むような目を向けられて、背筋を伸ばして二人は頷く。
二人の頭にはウッドゴーレムの事が浮かぶ。もしもあの子に何かあったら大変である、セイルとハイネルは誰にも言うまいと固く決意した。
アイザックも念を押しただけで、さほど心配していないのか「それよりも」と小さく息を吐く。
「まぁ、お前さんらは良いとして。他に口の軽そうな奴はいるんだがな……」
恐らく、言っているのはアルギラの事なのだろう。
冒険者ギルドに来ると良く姿を見ていたのだが、今日はまだ顔を出していないようだった。
あの勢いでやって来てなお、ここの冒険者ギルドに居続ける事が出来るのは、ある意味肝が据わっているのかもしれない。
(まぁ、ギルド職員の皆さんは大変そうですけども)
昨日の事を思い出し、セイルは顔をかいた。
アルギラのような新人もいれば、リゾットやパニーニみたいな新人もいる。それぞれに対応する職員には、本当に頭が下がる思いである。
そんな事を考えていたら、セイルはふと、リゾットとパニーニが話していた事を思い出した。
「あ、そうだ。ゴーレムと言えば」
「うん?」
「さっきのリゾットとパニーニ、夢はゴーレム職人らしいですよ」
「ほほう、そうなのですか」
セイルの言葉にハイネルは目を瞬き、アイザックは片方の眉を上げた。
それは良い事です、と言うハイネルとは逆に、アイザックは腕を組んで何か思案している。
「あいつらも王都出身だったな。何か聞いていないか、戻ってきたら話を聞いておくか……時間を取らせて悪かったな」
アイザックはそう言うと、軽く手を挙げて挨拶し、自分の席へと戻って行った。
セイルとハイネルはそれに頭を下げて、お互いに顔を見合わせる。
「しかし、この間はひったくりで、昨日はスリで、今日はゴーレム泥棒ですか。物騒ですねぇ」
「ですねぇ」
ハイネルはこめかみを抑え、半眼になった。
アティカも困ったように頬に手をあてる。
「昔は冒険者同士の喧嘩とか、魔獣から逃げた冒険者の後を追いかけて魔獣が町へ入って来たとか、そんなくらいだったのにねぇ」
「それも十分大事ですね」
セイルの言葉にアティカはうふふと笑うと、カウンターに一枚の依頼書を置いた。
セイルとハイネルが頼んだ二人向けの依頼である。
「これはどうかしら?」
二人がひょいと依頼書を覗き込むと、そこには飼い猫の捜索と書かれていた。
魔獣の危険もなく、初心者には良い依頼である。
「猫探しですか」
「ほう、猫」
「しかも仔猫よ」
「ほほう!」
仔猫、と聞いてセイルとハイネルの目が輝く。
「仔猫は正義!」
にこにこの笑顔で依頼書を受け取ると、二人はスキップでもしそうな勢いで冒険者ギルドを出て行った。
それを見ながらアイザックは苦笑する。
「あいつら、ホント素直で良い子だなぁ……」
片方は二十歳を超えているのだが、アイザックからすればどちらもまだ子供のようだ。
アイザックがしみじみと言った言葉に、ギルド職員達は力強く頷いた。
やはり相当、苦労しているようである。
セイルは少し寝不足気味で、欠伸をかみ殺している。
それもそのはず、実はハイネルのマジックアイテム談義が夜遅くまで続いたのである。話題を振った手前、無下にも出来ず、最後までセイルは付き合った。
その代償が、寝不足である。自分の責任ではあるものの、失敗したな、とセイルは思った。
ちなみにハイネルからは寝不足の欠片も感じられない。逆にスッキリとした顔になっている当たり、マジックアイテムについて語り尽くせたのが相当楽しかったのだろう。
さて、そんな二人だが。何か仕事がないかな、と思って冒険者ギルドにやって来たのだ。
二人が冒険者ギルドの扉を開けると、直ぐ近くにストレイが、そして奥のカウンターにはリゾットとパニーニがいる事に気が付く。
「おはようございます、ストレイ」
「おう、おはようさん、二人とも。なんだ、セイルは寝不足気味か? 冒険者は体が資本だぞ」
セイルが挨拶をすると、ストレイは手を挙げてニカッと笑った。
姿を見れば、しっかりと旅支度が整えられていた。
「いやぁ、昨日色々ありまして……ストレイはこれから依頼ですか?」
「というより、新人の付き添いだな」
「付き添い?」
「この間のウッドゴーレムの件があっただろう? 遺跡自体もう大丈夫そうだが、万が一って事もあるからな。しばらくの間、新人の実技テストには付き添いがつくことになった」
話ながら、それ以外もあるがな、とストレイは肩をすくめた。
それ以外、とは、おそらくアルギラが起こした問題の事を言っているのだろう。
あれは極端な例ではあるのだろうが、それ以外にも多少の問題児はいる。そんな新人達が下手に問題を起こさないように、ベテランの冒険者が監視役として試験についていく事になったのだそうだ。
「ストレイさん、お待たせしました!」
セイルとハイネル、ストレイが三人で話をしていると、そこへリゾットとパニーニがやって来た。彼らもそれぞれ旅の装いをしている。
二人はセイルとハイネルの姿を見つけると、嬉しそうに笑った。そして実技テスト用の依頼書をひょいと掲げて、二人に見せる。
セイルとハイネルはにこりと笑った。
「筆記、合格したんですね」
「ハイネルさんの教え方が良かったので」
「フッそうでしょうそうでしょう。でも、あなた方が頑張ったからですよ」
ハイネルの言葉に、リゾットとパニーニは照れたように顔を見合わせた。
そうして「えへへ」と嬉しそうに笑う。
そんな四人を、ストレイは微笑ましいものを見るような目で見ていた。
「新人ってこうであって欲しいよなぁ……」
なんて呟きも聞こえる。今まで、どれほど強烈な新人を見て来たのだろうか。
まぁ、それはさておき。
リゾットとパニーニがやって来たので、ストレイは「よし」と手を叩いた。
「それじゃ行こうと思うが、お二人さん、準備はいいか?」
「はい、大丈夫です!」
「よろしくお願いします!」
ストレイの言葉にリゾットとパニーニは軽く頭を下げた。
そんな二人を、セイルとハイネルは激励する。
「頑張って下さいね」
「お気を付けて」
「はい!」
そうして元気に歩いて行く三人を手を振って見送った。
「何か、いいですね」
「ですね」
自分達も少し前はあんな感じだったのだろうか。まだ僅かしか経っていないけれど。
そんな事を考えながら、何だかほんわりした気持ちでセイル達はカウンターへ向かった。それから空いている窓口を探す。その一つにアティカが座っているのが見えた。
順番待ちもないので、セイルとハイネルはそのままアティカの所へと近づいた。
「おはようございます、アティカさん。わたし達向けの依頼って、何かありますか?」
「あら、おはようセイル、ハイネル。ちょっと待っていてね」
アティカはにこにこ微笑むと、依頼の入ったファイルを開く。
分厚いファイルをぺらぺらとめくるアティカを、セイルとハイネルがわくわくしながら待っていると、二人の姿を見つけたアイザックが近づいてきた。
「よう、依頼探しか?」
「はい、おはようございます、アイザックさん」
「おはよう。……ああ、そうだ、ちょうどいい。お前達、念のために聞いておくが、遺跡のゴーレムについて誰かに話をしていないよな?」
アイザックにそう問われて、セイルとハイネルは揃って首を傾げた。
遺跡のゴーレムと言えば、あのウッドゴーレムの事だろう。
話せない事の方が多いし、話を出来るほどの知り合いもいないので、二人は揃って首を振った。
「いえ、一般的に知られている事以外は特に」
「調査の件に関しては、ギルドにしか話していないですね」
セイルとハイネルの返答を聞くと、アイザックは頷いた。
「そうか、ならいい。悪いな」
「いえ。何かあったのですか?」
「いや、最近ゴーレムの事を聞き回っている奴がいると王都のギルドから連絡があってな。何でも金持ちのゴーレムが盗まれかけたらしい」
「盗む!?」
盗む、となるとずいぶん物騒な話である。
目を丸くする二人に、アイザックは少し声を潜めた。
「まぁ未遂に終わったがな。だが、犯人はまだ捕まっていない。お前さん達は関わっているから、気をつけろよ。制御盤の事は誰に聞かれても話すんじゃないぞ?」
「はい」
アイザックにジロリと睨むような目を向けられて、背筋を伸ばして二人は頷く。
二人の頭にはウッドゴーレムの事が浮かぶ。もしもあの子に何かあったら大変である、セイルとハイネルは誰にも言うまいと固く決意した。
アイザックも念を押しただけで、さほど心配していないのか「それよりも」と小さく息を吐く。
「まぁ、お前さんらは良いとして。他に口の軽そうな奴はいるんだがな……」
恐らく、言っているのはアルギラの事なのだろう。
冒険者ギルドに来ると良く姿を見ていたのだが、今日はまだ顔を出していないようだった。
あの勢いでやって来てなお、ここの冒険者ギルドに居続ける事が出来るのは、ある意味肝が据わっているのかもしれない。
(まぁ、ギルド職員の皆さんは大変そうですけども)
昨日の事を思い出し、セイルは顔をかいた。
アルギラのような新人もいれば、リゾットやパニーニみたいな新人もいる。それぞれに対応する職員には、本当に頭が下がる思いである。
そんな事を考えていたら、セイルはふと、リゾットとパニーニが話していた事を思い出した。
「あ、そうだ。ゴーレムと言えば」
「うん?」
「さっきのリゾットとパニーニ、夢はゴーレム職人らしいですよ」
「ほほう、そうなのですか」
セイルの言葉にハイネルは目を瞬き、アイザックは片方の眉を上げた。
それは良い事です、と言うハイネルとは逆に、アイザックは腕を組んで何か思案している。
「あいつらも王都出身だったな。何か聞いていないか、戻ってきたら話を聞いておくか……時間を取らせて悪かったな」
アイザックはそう言うと、軽く手を挙げて挨拶し、自分の席へと戻って行った。
セイルとハイネルはそれに頭を下げて、お互いに顔を見合わせる。
「しかし、この間はひったくりで、昨日はスリで、今日はゴーレム泥棒ですか。物騒ですねぇ」
「ですねぇ」
ハイネルはこめかみを抑え、半眼になった。
アティカも困ったように頬に手をあてる。
「昔は冒険者同士の喧嘩とか、魔獣から逃げた冒険者の後を追いかけて魔獣が町へ入って来たとか、そんなくらいだったのにねぇ」
「それも十分大事ですね」
セイルの言葉にアティカはうふふと笑うと、カウンターに一枚の依頼書を置いた。
セイルとハイネルが頼んだ二人向けの依頼である。
「これはどうかしら?」
二人がひょいと依頼書を覗き込むと、そこには飼い猫の捜索と書かれていた。
魔獣の危険もなく、初心者には良い依頼である。
「猫探しですか」
「ほう、猫」
「しかも仔猫よ」
「ほほう!」
仔猫、と聞いてセイルとハイネルの目が輝く。
「仔猫は正義!」
にこにこの笑顔で依頼書を受け取ると、二人はスキップでもしそうな勢いで冒険者ギルドを出て行った。
それを見ながらアイザックは苦笑する。
「あいつら、ホント素直で良い子だなぁ……」
片方は二十歳を超えているのだが、アイザックからすればどちらもまだ子供のようだ。
アイザックがしみじみと言った言葉に、ギルド職員達は力強く頷いた。
やはり相当、苦労しているようである。
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