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第12話 続・奪処女ー★
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スティーグは部屋に入ると、最初に紙とペンを渡してきた。口約束では信用できないから、一筆書けという事らしい。
ケイティは仕方無く、カミルと結婚するという旨の誓約書を書いた。
それを確認したスティーグは、ケイティをベッドの上へと座らせる。
「私、どうすればいい……?」
「お前は学習能力がないのか。いちいち聞くな」
自分で考えて行動しろという事だろうか。まずはどうすればいいのだろう。そんな風に考えていると、スティーグが隣に座り、そのまま横から押し倒される。
「スティーグ……っ」
「髪が濡れているな。服装も違っている」
「お風呂に入って、着替えたから……あっ」
スカートを捲られ、スティーグのごつい指が下着を分けて、中心部に触れてくる。ぞくりと全身が身震い、スティーグの体にしがみついた。
「下着くらい変えてこい。大洪水じゃないか。よほどロレンツォが良かったと見えるな」
「そ、そんな事は……」
「中もすごい。この様子じゃ、愛撫は必要なかろう」
そういうと、スティーグはケイティの勝負パンツをろくに見もせず投げ捨て、自身の剛直を取り出した。
初めて見るスティーグの物に、ケイティは今にも倒れそうだ。すでに押し倒されてはいるが。
「む、無理、入らないんじゃないの……」
「大袈裟だな。ロレンツォと大して変わらんのじゃないか?」
「知らないわよ、見てないもの!」
「目でも瞑っていたのか? らしくない」
怖い、と思いつつも、ケイティは凝視してしまう。何時間か前に触った時はフニフニだったのに、不思議だ。
「おい、ケイティ」
「それってその、勃ってるって状態よね? 私何にもしてないのに、どうして?」
「……さあな、知らん。挿れるぞ」
「え、待っ………ああああああっ!!」
一気にスティーグに貫かれ、ケイティは叫び声を上げた。喘ぎ声ではない、叫び声だ。
信じられない物を最奥まで貫かれたケイティは、そのまま動き続けるスティーグに懇願する。
「やめ、待ってぇ!! おね、が……! いた、い!! 痛いのっ!!」
しかしスティーグはその願いを聞いてくれる事は無かった。彼は自分の思うがままに腰を打ち付けて来る。
「ゆっく、り……っ! もう、やめ……っ」
「ロレンツォにほぐしてもらったんだろうっ! 下手な演技はよせっ」
「ち、がっ」
「あいつに処女をくれてやるなど、何を考えているんだ!? っく、もっと、大切にしてくれる者が、はぁっ、いただろうがっ」
「うっ、うっ、あ、あ、あぁっ」
ガツガツと与えられる衝撃に耐えられず、涙が流れる。
違う。もっと、ロマンチックなのを想像していた。
確かにスティーグが楽になるなら、無茶苦茶にされても良いと思っていた。
けど、こんなのは、違う。
何が違うのかは明確には分からない。だが、これでスティーグが癒されているとは、到底思えなかった。
ただ、悲しい。
痛みだけがケイティを襲っていた。心も、体も。
「……っく、イクっ……」
幸いな事に、その痛みの時間が長く続く事はなかった。
長らく何も無かったスティーグは、性急な運動をする事ですぐに終わりを迎えていた。
スティーグはすぐさま引き抜き、注ぎかける。ケイティは太ももに、熱い物を感じた。
「はっ、はっ…………これで満足か」
満足するわけがない。
ロレンツォに二時間近くもイかされ続けた事に比べ、あまりにも早過ぎる。
いや、時間の問題ではない。その内容の問題だ。慈しみとかいたわりとか、そういった物が一切感じられなかった。
懇願して、無理矢理抱いて貰った結果がこれだ。ケイティの中で、何かがパキンと音を立てて壊れる。
ずっと夢見ていたスティーグとのセックスだったというのに。ケイティは後悔した。スティーグとすべきではなかったのだと。
「………………帰る………」
鈍い痛みを堪えながら、ケイティは立ち上がった。下着を取り付ける事もせず、扉へと向かう。
ツツー、と太ももから何かが流れ落ちた。スティーグが吐き出した物とは、違う感覚。
「ケイティ、何だ、それは……」
それを見て、スティーグは目を疑っているようだった。それもそのはずだ。そこには破瓜の血が流れ落ちているのだから。
「どういう事だ……お前は、ロレンツォと……」
「……下着の上から触られただけ。処女を貰った事にして、スティーグに証言をしてあげるって、そう言ってくれたのよ」
ケイティは本当に処女を捨てるつもりだったが、ロレンツォにその気はなかったのだ。そこまでする必要はない、処女を捧げるならやはりスティーグの方がいい、と言うのが彼の見解だった。
「なーーっ! では、今のがケイティの初体験……!?」
「さよなら」
驚愕するスティーグをよそに、ケイティは家へと帰った。
既に寝静まっている自宅の廊下をトボトボと歩く。
長年好きだったのが嘘の様だ。
まさか抱かれる事で冷めるとは、思ってもいなかった。
どちらにしろ、あの誓約書がある限りスティーグと結婚できる事はないのだから、諦めがついて良かったのかもしれない。
でも、悲しかった。
初体験の相手がスティーグだったにも関わらず、ちっとも幸せを感じなかった事が。
長年の恋が、あっさりと終わりを告げた事が。
自室に入り時刻を見ると、とうに十二時を超えていた。
「う、うっ、うわぁぁあああーーーーっ」
一体、何のための三十八年間だというのだろう。
時間を無駄に費やしただけだという事に気付いて、ケイティは大声で泣いていた。
ケイティは仕方無く、カミルと結婚するという旨の誓約書を書いた。
それを確認したスティーグは、ケイティをベッドの上へと座らせる。
「私、どうすればいい……?」
「お前は学習能力がないのか。いちいち聞くな」
自分で考えて行動しろという事だろうか。まずはどうすればいいのだろう。そんな風に考えていると、スティーグが隣に座り、そのまま横から押し倒される。
「スティーグ……っ」
「髪が濡れているな。服装も違っている」
「お風呂に入って、着替えたから……あっ」
スカートを捲られ、スティーグのごつい指が下着を分けて、中心部に触れてくる。ぞくりと全身が身震い、スティーグの体にしがみついた。
「下着くらい変えてこい。大洪水じゃないか。よほどロレンツォが良かったと見えるな」
「そ、そんな事は……」
「中もすごい。この様子じゃ、愛撫は必要なかろう」
そういうと、スティーグはケイティの勝負パンツをろくに見もせず投げ捨て、自身の剛直を取り出した。
初めて見るスティーグの物に、ケイティは今にも倒れそうだ。すでに押し倒されてはいるが。
「む、無理、入らないんじゃないの……」
「大袈裟だな。ロレンツォと大して変わらんのじゃないか?」
「知らないわよ、見てないもの!」
「目でも瞑っていたのか? らしくない」
怖い、と思いつつも、ケイティは凝視してしまう。何時間か前に触った時はフニフニだったのに、不思議だ。
「おい、ケイティ」
「それってその、勃ってるって状態よね? 私何にもしてないのに、どうして?」
「……さあな、知らん。挿れるぞ」
「え、待っ………ああああああっ!!」
一気にスティーグに貫かれ、ケイティは叫び声を上げた。喘ぎ声ではない、叫び声だ。
信じられない物を最奥まで貫かれたケイティは、そのまま動き続けるスティーグに懇願する。
「やめ、待ってぇ!! おね、が……! いた、い!! 痛いのっ!!」
しかしスティーグはその願いを聞いてくれる事は無かった。彼は自分の思うがままに腰を打ち付けて来る。
「ゆっく、り……っ! もう、やめ……っ」
「ロレンツォにほぐしてもらったんだろうっ! 下手な演技はよせっ」
「ち、がっ」
「あいつに処女をくれてやるなど、何を考えているんだ!? っく、もっと、大切にしてくれる者が、はぁっ、いただろうがっ」
「うっ、うっ、あ、あ、あぁっ」
ガツガツと与えられる衝撃に耐えられず、涙が流れる。
違う。もっと、ロマンチックなのを想像していた。
確かにスティーグが楽になるなら、無茶苦茶にされても良いと思っていた。
けど、こんなのは、違う。
何が違うのかは明確には分からない。だが、これでスティーグが癒されているとは、到底思えなかった。
ただ、悲しい。
痛みだけがケイティを襲っていた。心も、体も。
「……っく、イクっ……」
幸いな事に、その痛みの時間が長く続く事はなかった。
長らく何も無かったスティーグは、性急な運動をする事ですぐに終わりを迎えていた。
スティーグはすぐさま引き抜き、注ぎかける。ケイティは太ももに、熱い物を感じた。
「はっ、はっ…………これで満足か」
満足するわけがない。
ロレンツォに二時間近くもイかされ続けた事に比べ、あまりにも早過ぎる。
いや、時間の問題ではない。その内容の問題だ。慈しみとかいたわりとか、そういった物が一切感じられなかった。
懇願して、無理矢理抱いて貰った結果がこれだ。ケイティの中で、何かがパキンと音を立てて壊れる。
ずっと夢見ていたスティーグとのセックスだったというのに。ケイティは後悔した。スティーグとすべきではなかったのだと。
「………………帰る………」
鈍い痛みを堪えながら、ケイティは立ち上がった。下着を取り付ける事もせず、扉へと向かう。
ツツー、と太ももから何かが流れ落ちた。スティーグが吐き出した物とは、違う感覚。
「ケイティ、何だ、それは……」
それを見て、スティーグは目を疑っているようだった。それもそのはずだ。そこには破瓜の血が流れ落ちているのだから。
「どういう事だ……お前は、ロレンツォと……」
「……下着の上から触られただけ。処女を貰った事にして、スティーグに証言をしてあげるって、そう言ってくれたのよ」
ケイティは本当に処女を捨てるつもりだったが、ロレンツォにその気はなかったのだ。そこまでする必要はない、処女を捧げるならやはりスティーグの方がいい、と言うのが彼の見解だった。
「なーーっ! では、今のがケイティの初体験……!?」
「さよなら」
驚愕するスティーグをよそに、ケイティは家へと帰った。
既に寝静まっている自宅の廊下をトボトボと歩く。
長年好きだったのが嘘の様だ。
まさか抱かれる事で冷めるとは、思ってもいなかった。
どちらにしろ、あの誓約書がある限りスティーグと結婚できる事はないのだから、諦めがついて良かったのかもしれない。
でも、悲しかった。
初体験の相手がスティーグだったにも関わらず、ちっとも幸せを感じなかった事が。
長年の恋が、あっさりと終わりを告げた事が。
自室に入り時刻を見ると、とうに十二時を超えていた。
「う、うっ、うわぁぁあああーーーーっ」
一体、何のための三十八年間だというのだろう。
時間を無駄に費やしただけだという事に気付いて、ケイティは大声で泣いていた。
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