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人気投票 おまけSS
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私の小説のキャラで、人気投票をしました。
その結果。
1位 キアリカ 81P(たとえ、美麗姫)
2位 エルドレッド 42P(美麗姫)
3位 アルヴィン 15P(ヘタレ野菜)
4位 セヴェリ 14P (たとえ)
5位 シェスカル 12P(たとえ、騎士隊長シリーズ)
同率5位 ディーナ 12P(元奴隷とエルフ)
7位 ファナミィ 10P(たとえ、素朴シリーズ)
8位 デニス 5P (たとえ)
同率8位 アイナ 5P(隻腕シリーズ、眼鏡騎士、素朴2)
同率8位 ウェルス 5P(元奴隷とエルフ)
11位 サビーナ 3P (たとえ)
13位 リカルド 2P(たとえ、眼鏡騎士)
14位 ヘイカー 1P (ヘタレ野菜)
ダントツでキアリカでした。
以下は、キアリカ一位の記念SSです。
***
「キアリカ、こんなのが来てたぞ」
出勤前の僅かな憩いの時間に、エルドレッドが二枚の封書を持って部屋へと戻って来た。
急な知らせだろうかとかキアリカはその二枚の封書を受け取る。見ると、一枚はキアリカ宛であったがもう一枚はエルドレッド宛であった。
「あなたにも来てるじゃない」
「それ、あれだろう? ファレンテイン貴族共和国と合同でやった、人気投票の結果だと思うが」
「ああ、なんか案内が来てたわね。私たち二人ともアンゼルード帝国の代表としてエントリーされたとかなんとか」
「どうせ二通とも同じ内容だろう」
「そうね。じゃあ開けるわよ」
キアリカは自分宛の封書を開け、中から一枚の紙を取り出した。
キアリカはかさりと音を立てて紙を開き、中身を読んで目を見開いた。
「どうだ?」
「私が……一位だわ」
キアリカは紙から目を離して、何故か少し笑っているエルドレッドを見上げる。
なんとキアリカは、エルドレッドと倍近い得票差をつけての一位だったのだ。
はっきり言ってしまえば、キアリカはそこそこの好位置に付ける自信があった。キアリカは、帝国騎士団団長補佐の地位にある自分が、強勇の美麗姫などと呼ばれている事を知っている。有名人に投票されるのは当然だろう。
だがしかし、目の前にいる夫……エルドレッドに勝てるとは思っていなかった。
何故なら彼はアンゼルードいちの強者で帝国の全ての騎士のトップ、騎士団長なのだ。一般の人間でこれ以上有名な人物がいるだろうか。
そんなエルドレッドに、キアリカは勝ったのである。人気投票ではあったが。
「一位か、良かったな」
「ちょっと見て!! ほら、あなたと倍近い得票差でトップよ!!」
「なに、本当か?」
キアリカの言葉にエルドレッドは流石に驚いたようで、突きつけられた紙を手に取って確認している。
「……本当だな」
「本当に、私が? エルドさんを抜いて一位なの?」
キアリカは思わずエルドレッド宛の手紙を手に取り、ビリっと音を立てんばかりに封書を開けた。しかしこちらの手紙にも、一位にはキアリカ自身の名前が記載されている。
「やった……やったわ!! 私、とうとうあなたを負かしたわよ!!」
「まぁそうだろうな」
「何よ、もっと悔しがりなさいよ」
「キアリカが一位になったんだ。悔しいどころか、嬉しいに決まってるだろ?」
そう言ってエルドレッドが笑うと、キアリカは自分の頬がほんの少しだけ熱くなるのを感じた。それを悟られまいと「もうっ」とキアリカは息を吐き出す。
「そろそろ仕事に行くわよ! 今日は早く終わらせて、祝杯をあげて貰うんだからっ」
「仰せのままに、お姫様」
エルドレッドが少しおどけてそう言うのに気を良くし、キアリカは部屋を出た。
残されたエルドレッドは、テーブルの上に置かれた人気投票結果を再度手に取って見る。
「まさか、こんなに差をつけられるとはな」
エルドレッドは、この企画が行われると聞いた時、すぐにキアリカが優勝するであろう事を見抜いていた。
彼女の活躍は国内外を問わず極めて評価が高い。加えて魅力ある容姿、人を惹きつける抜きん出たカリスマはエルドレッドも及ばない所があるのだ。
だからこの結果は予想通りと言えるものではあるのだが。
「倍、か……くそ」
あまりの得票差に、思わず本音が漏れるエルドレッド。だがすぐに先ほどのキアリカの笑顔を思い出し。
「可愛かったな、キアのやつ」
そっと顔を綻ばせる。
エルドレッドは自分が二位だった事の悔しさを忘れる程、己の妻が多くの者に認められた喜びを感じていた。
「何やってるの、エルドさん! もう行くわよ!」
「ああ、すぐ行く」
そう言ってエルドレッドが出ていこうとした部屋の机には、手紙だけが取り残されている。
「ありがとうな、みんな」
ニッと目を細めて笑い、静かに部屋を出たエルドレッドの誰に宛てたものでもない言葉へ、手紙はカサリと返事を返した。
その結果。
1位 キアリカ 81P(たとえ、美麗姫)
2位 エルドレッド 42P(美麗姫)
3位 アルヴィン 15P(ヘタレ野菜)
4位 セヴェリ 14P (たとえ)
5位 シェスカル 12P(たとえ、騎士隊長シリーズ)
同率5位 ディーナ 12P(元奴隷とエルフ)
7位 ファナミィ 10P(たとえ、素朴シリーズ)
8位 デニス 5P (たとえ)
同率8位 アイナ 5P(隻腕シリーズ、眼鏡騎士、素朴2)
同率8位 ウェルス 5P(元奴隷とエルフ)
11位 サビーナ 3P (たとえ)
13位 リカルド 2P(たとえ、眼鏡騎士)
14位 ヘイカー 1P (ヘタレ野菜)
ダントツでキアリカでした。
以下は、キアリカ一位の記念SSです。
***
「キアリカ、こんなのが来てたぞ」
出勤前の僅かな憩いの時間に、エルドレッドが二枚の封書を持って部屋へと戻って来た。
急な知らせだろうかとかキアリカはその二枚の封書を受け取る。見ると、一枚はキアリカ宛であったがもう一枚はエルドレッド宛であった。
「あなたにも来てるじゃない」
「それ、あれだろう? ファレンテイン貴族共和国と合同でやった、人気投票の結果だと思うが」
「ああ、なんか案内が来てたわね。私たち二人ともアンゼルード帝国の代表としてエントリーされたとかなんとか」
「どうせ二通とも同じ内容だろう」
「そうね。じゃあ開けるわよ」
キアリカは自分宛の封書を開け、中から一枚の紙を取り出した。
キアリカはかさりと音を立てて紙を開き、中身を読んで目を見開いた。
「どうだ?」
「私が……一位だわ」
キアリカは紙から目を離して、何故か少し笑っているエルドレッドを見上げる。
なんとキアリカは、エルドレッドと倍近い得票差をつけての一位だったのだ。
はっきり言ってしまえば、キアリカはそこそこの好位置に付ける自信があった。キアリカは、帝国騎士団団長補佐の地位にある自分が、強勇の美麗姫などと呼ばれている事を知っている。有名人に投票されるのは当然だろう。
だがしかし、目の前にいる夫……エルドレッドに勝てるとは思っていなかった。
何故なら彼はアンゼルードいちの強者で帝国の全ての騎士のトップ、騎士団長なのだ。一般の人間でこれ以上有名な人物がいるだろうか。
そんなエルドレッドに、キアリカは勝ったのである。人気投票ではあったが。
「一位か、良かったな」
「ちょっと見て!! ほら、あなたと倍近い得票差でトップよ!!」
「なに、本当か?」
キアリカの言葉にエルドレッドは流石に驚いたようで、突きつけられた紙を手に取って確認している。
「……本当だな」
「本当に、私が? エルドさんを抜いて一位なの?」
キアリカは思わずエルドレッド宛の手紙を手に取り、ビリっと音を立てんばかりに封書を開けた。しかしこちらの手紙にも、一位にはキアリカ自身の名前が記載されている。
「やった……やったわ!! 私、とうとうあなたを負かしたわよ!!」
「まぁそうだろうな」
「何よ、もっと悔しがりなさいよ」
「キアリカが一位になったんだ。悔しいどころか、嬉しいに決まってるだろ?」
そう言ってエルドレッドが笑うと、キアリカは自分の頬がほんの少しだけ熱くなるのを感じた。それを悟られまいと「もうっ」とキアリカは息を吐き出す。
「そろそろ仕事に行くわよ! 今日は早く終わらせて、祝杯をあげて貰うんだからっ」
「仰せのままに、お姫様」
エルドレッドが少しおどけてそう言うのに気を良くし、キアリカは部屋を出た。
残されたエルドレッドは、テーブルの上に置かれた人気投票結果を再度手に取って見る。
「まさか、こんなに差をつけられるとはな」
エルドレッドは、この企画が行われると聞いた時、すぐにキアリカが優勝するであろう事を見抜いていた。
彼女の活躍は国内外を問わず極めて評価が高い。加えて魅力ある容姿、人を惹きつける抜きん出たカリスマはエルドレッドも及ばない所があるのだ。
だからこの結果は予想通りと言えるものではあるのだが。
「倍、か……くそ」
あまりの得票差に、思わず本音が漏れるエルドレッド。だがすぐに先ほどのキアリカの笑顔を思い出し。
「可愛かったな、キアのやつ」
そっと顔を綻ばせる。
エルドレッドは自分が二位だった事の悔しさを忘れる程、己の妻が多くの者に認められた喜びを感じていた。
「何やってるの、エルドさん! もう行くわよ!」
「ああ、すぐ行く」
そう言ってエルドレッドが出ていこうとした部屋の机には、手紙だけが取り残されている。
「ありがとうな、みんな」
ニッと目を細めて笑い、静かに部屋を出たエルドレッドの誰に宛てたものでもない言葉へ、手紙はカサリと返事を返した。
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