71 / 116
第71話 『悪』以外の何物でもありません!!
しおりを挟む
彼はアンゼルード帝国に入った時の事を話し始めた。
ランディスの街はオーケルフェルトの当主が捕まった事で騒ぎになっているかと思っていたが、もう二ヶ月も経っているせいか落ち着いたものだったという。
新聞にも取り立てて何かが書かれている様子もなく、まずシェルトはオーケルフェルトの屋敷を見てみる事にしたそうだ。
「街の人にさ、オーケルフェルトに仕える知り合いに会いに来たから、場所を教えてくれっつったらさ、オーケルフェルトはもうないって言われた」
シェルトの言葉に、サビーナの顔は凍りつく。しかしセヴェリは覚悟していたのか、表情は少し冷たい笑みのまま変わりはしなかった。
「あったのは……シェスカル・ディノークスの屋敷。シェスカルがオーケルフェルトの土地と家を全て買い取って、そこに仕えてた召使いや騎士達もそのまま引き継ぐ形になってた」
「そうですか。シェスカルが」
何故かセヴェリは少し穏やかな笑みに表情を変化させ、代わりにプリシラが訝りながら小首を傾げる。
「シェスカル・ディノークスって……ディノークスは彼の曽祖父の名前で、今では社名として使われているだけよ。そんな、貴族のように……」
「貴族になってた。シェスカルってやつは」
シェルトの言葉にプリシラは声を詰まらせていた。シェスカルが、貴族に。サビーナの理解が追いつかぬうちに、シェルトは続ける。
「シェスカルって野郎は、オーケルフェルトの謀反を未然に防いだとして、その恩賞で貴族の称号を授与されたらしい。ディノークスって性は、本人の希望だってさ」
「っぷ、クスクスクス……彼らしいですね」
そしてセヴェリはさも可笑しそうに笑い始めた。己を貶めた張本人だというのに、この人の考える事は相変わらず理解できない。そんな顔で見ていると、セヴェリは笑いで溜めた涙と共に、瞳をサビーナに向けてくる。それに耐え切れず、サビーナはとうとう聞いてしまった。
「何がそんなに可笑しいのですか?」
「可笑しいというか……嬉しいのですよ」
「何がですか」
「オーケルフェルトに仕える者が、誰も路頭に迷わずに済んだ事です。流石シェスカルと言いますか。貴族になっている事といい、全て彼の思惑通りに進んだと言った所でしょうね」
どこかあっけらかんとした物言いに、サビーナは思わずムッとしてしまう。
「く、悔しくないんですか、セヴェリ様! あんな手酷い裏切りを受けて、こんな所に追われる羽目になって……全てを持って行かれて、しかも隊長は貴族にまでなっているんですよ!?」
「そうですね。でもシェスカルだって簡単にこんな結論を出したわけじゃないと思いますよ。オーケルフェルトが謀反を起こそうとした時点で、土地や屋敷は国に没収となりますし、それを買い戻す為には相当のお金が必要だったはず。天下のディノークス商会と言えど、正式に継いでいるわけでもないシェスカルが親の許可なく出せる金額でもないでしょうし、彼なりに色々と駆け回っていたんでしょう」
「サビーナさん、私が言えた立場じゃないけれど、シェスカルは自分の利益だけを考えてこんな行動を起こしたんじゃないと思うの。信頼を得た貴族ならば、皇帝への進言も聞き入れて貰える。シェスカルは謀反とは違う方法で、アンゼルード帝国を変えようとして……」
「その為にセヴェリ様を裏切ったって言うんですか!? 」
プリシラのシェスカルをかばうような発言は、サビーナの逆鱗に触れた。両拳をテーブルにダンッと叩きつけて立ち上がると、目の前のプリシラに食って掛かるように吠える。
「結局隊長のやった事は、セヴェリ様を利用して売ったんです!! 国を変えるなんて体(てい)の良い言い訳をして、屋敷も土地も人もセヴェリ様から全部奪って! 貴族という地位を手に入れる事まで視野に入れて裏切るなんて、隊長のした事は『悪』以外の何物でもありません!!」
「さ、サビーナさん……」
物凄い剣幕で吠え立てるサビーナを見て、プリシラは萎縮している。彼女の隣ではシェルトが半眼でこちらを睨んでいるが、彼が何かを言う前にセヴェリが穏やかな声を上げた。
「サビーナ、落ち着いてください。サビーナにとっては悪でも、シェスカルにとっては正義だったんですよ。それに彼はとても責任感の強い人です。私をこんな目に遭わせておいて、のんびりと貴族生活を満喫出来るような男ではないのです。私の目指した国を実現するために、きっと寝る間も惜しんで奔走する事でしょう。もちろん謀反は起こさずにね」
セヴェリの言い分に、それでも顔を顰める。すると彼は困ったように続けた。
「前に言ったでしょう? シェスカルは本当の本当は真面目な人なんです。傍目にはそうは見えませんが……私は今でも彼を信用していますよ。きっと貴族となったシェスカルならば、アンゼルード帝国を良い方に導いてくれるとね」
「セヴェリ様……」
自分を裏切った相手を信用するとは、どういう精神構造をしているのだろうか。
全く理解は出来ないが、そこまで言われてしまうとサビーナには言い返す言葉もない。
「話……進めていいか?」
「すみません、続けて下さい」
呆れたような視線を送られて、サビーナはゆっくりと腰を下ろした。そしてサビーナも「どうぞ」と小声で先を促すと、それを確認したシェルトは頷く。
「ディノークスの屋敷の前であんまりウロチョロ出来ねぇから、家を確認しただけで取り敢えず戻った。次は図書館に行って当時の新聞に目を通す事にした。まずはあんたの父親のマウリッツだけど……」
皆に緊張が走る。サビーナにとってもプリシラにとっても、かつて仕えていた屋敷の当主で、セヴェリにとっては父親だ。
「謀反を企てた罪で、牢獄に幽閉。シェスカルの嘆願で処刑は免れたが、一生牢から出られる事はないらしい」
シェルトの言葉が一旦途絶え、サビーナはそっとセヴェリを確認する。その視線を受けたセヴェリは、「仕方ありませんね」と苦しそうに呟いていた。
「それと、あんたにも追手が掛かってる。謀反を企てた危険因子として放っておけないって。多分、逃げちまった分、温情は受けられねぇと思うよ。捕まったら……処刑だ」
「そうですか」
処刑という言葉に、サビーナの体はカタカタと震える。まるで極寒の海に裸で放り込まれたようだ。体中の血が止まったかと思うほど、体が凍てつくように一気に冷えた。
「ビビんないの?」
「まぁ、覚悟はしていますから」
あくまで大らかに答えているセヴェリを見て、体を縮こまらせる。
もしもサビーナがセヴェリを連れ出さなければ、彼は牢獄と言えど生きられたのだ。だというのに、助け出してしまったせいで死という恐怖がついて回る事となってしまった。
正しいと思って行動した事だったが、こうなると本当にこれで良かったのかどうか分からなくなってくる。
「じゃあ次に、デニスって奴の事だ」
ピクンと、意図せず体が勝手に動いた。何となく視線を集めてしまった気がして、そのまま身を硬直させる。
一番知りたい情報であり、一番知りたくない情報でもあった。サビーナは膝の上で拳をギュッと握り締める。
デニスさん……っ
サビーナは、祈るようにシェルトの次の言葉を待った。
シェルトは少し間をおいて、息を吐き出すように言葉を繋ぐ。
「……デニスって奴は、あんたらを逃がすためにシェスカルと対立。セヴェリを逃した罪とシェスカルに刃を向けた罪で、二年の懲役刑が課せられた」
「懲役刑……ということは、デニスは生きているんですね?」
「ああ、シェスカルに数カ所斬られたって話だが、大事に至る事なく取り押さえられたらしいぜ」
「そうですか。良かった……」
セヴェリがそう息を吐くのと同時に、サビーナも緊張で凝り固まった肩を脱力させる。
デニスが、生きている。
それだけで安堵した。全身の力が、煙となって出て行くかのように抜けて行く。
良かった……本当に良かった!
生きててくれた……っ!
「……サビーナ」
ふと気付くと、セヴェリがハンカチを差し出してくれている。何故だろうと顔を上げると、いつの間にかサビーナの瞳から大粒の涙がボロボロと零れ落ちていた。
「あ……す、すみませんっ」
「いえ。……良かったですね、デニスが無事で」
「はい……っ」
借りたハンカチで涙を拭う。これが分かっただけでも、シェルトに調査に行ってもらって良かった。
二年もの間、刑に服さなければならないのは胸が痛むが、彼がこの世にいてくれるだけでこの上ない幸せだった。
もう二度と会える事がなくても、それでも。
デニスの事を考えるだけで、胸は苦しくなれども幸せな気持ちになれる。
サビーナは無意識に胸に手をやった。胸のポケットにしまってある二つの懐中時計のうちのひとつが、カチコチと優しく秒針を刻んでいる。
彼の鼓動の音に思えて、サビーナはそっと微笑んでいた。
ランディスの街はオーケルフェルトの当主が捕まった事で騒ぎになっているかと思っていたが、もう二ヶ月も経っているせいか落ち着いたものだったという。
新聞にも取り立てて何かが書かれている様子もなく、まずシェルトはオーケルフェルトの屋敷を見てみる事にしたそうだ。
「街の人にさ、オーケルフェルトに仕える知り合いに会いに来たから、場所を教えてくれっつったらさ、オーケルフェルトはもうないって言われた」
シェルトの言葉に、サビーナの顔は凍りつく。しかしセヴェリは覚悟していたのか、表情は少し冷たい笑みのまま変わりはしなかった。
「あったのは……シェスカル・ディノークスの屋敷。シェスカルがオーケルフェルトの土地と家を全て買い取って、そこに仕えてた召使いや騎士達もそのまま引き継ぐ形になってた」
「そうですか。シェスカルが」
何故かセヴェリは少し穏やかな笑みに表情を変化させ、代わりにプリシラが訝りながら小首を傾げる。
「シェスカル・ディノークスって……ディノークスは彼の曽祖父の名前で、今では社名として使われているだけよ。そんな、貴族のように……」
「貴族になってた。シェスカルってやつは」
シェルトの言葉にプリシラは声を詰まらせていた。シェスカルが、貴族に。サビーナの理解が追いつかぬうちに、シェルトは続ける。
「シェスカルって野郎は、オーケルフェルトの謀反を未然に防いだとして、その恩賞で貴族の称号を授与されたらしい。ディノークスって性は、本人の希望だってさ」
「っぷ、クスクスクス……彼らしいですね」
そしてセヴェリはさも可笑しそうに笑い始めた。己を貶めた張本人だというのに、この人の考える事は相変わらず理解できない。そんな顔で見ていると、セヴェリは笑いで溜めた涙と共に、瞳をサビーナに向けてくる。それに耐え切れず、サビーナはとうとう聞いてしまった。
「何がそんなに可笑しいのですか?」
「可笑しいというか……嬉しいのですよ」
「何がですか」
「オーケルフェルトに仕える者が、誰も路頭に迷わずに済んだ事です。流石シェスカルと言いますか。貴族になっている事といい、全て彼の思惑通りに進んだと言った所でしょうね」
どこかあっけらかんとした物言いに、サビーナは思わずムッとしてしまう。
「く、悔しくないんですか、セヴェリ様! あんな手酷い裏切りを受けて、こんな所に追われる羽目になって……全てを持って行かれて、しかも隊長は貴族にまでなっているんですよ!?」
「そうですね。でもシェスカルだって簡単にこんな結論を出したわけじゃないと思いますよ。オーケルフェルトが謀反を起こそうとした時点で、土地や屋敷は国に没収となりますし、それを買い戻す為には相当のお金が必要だったはず。天下のディノークス商会と言えど、正式に継いでいるわけでもないシェスカルが親の許可なく出せる金額でもないでしょうし、彼なりに色々と駆け回っていたんでしょう」
「サビーナさん、私が言えた立場じゃないけれど、シェスカルは自分の利益だけを考えてこんな行動を起こしたんじゃないと思うの。信頼を得た貴族ならば、皇帝への進言も聞き入れて貰える。シェスカルは謀反とは違う方法で、アンゼルード帝国を変えようとして……」
「その為にセヴェリ様を裏切ったって言うんですか!? 」
プリシラのシェスカルをかばうような発言は、サビーナの逆鱗に触れた。両拳をテーブルにダンッと叩きつけて立ち上がると、目の前のプリシラに食って掛かるように吠える。
「結局隊長のやった事は、セヴェリ様を利用して売ったんです!! 国を変えるなんて体(てい)の良い言い訳をして、屋敷も土地も人もセヴェリ様から全部奪って! 貴族という地位を手に入れる事まで視野に入れて裏切るなんて、隊長のした事は『悪』以外の何物でもありません!!」
「さ、サビーナさん……」
物凄い剣幕で吠え立てるサビーナを見て、プリシラは萎縮している。彼女の隣ではシェルトが半眼でこちらを睨んでいるが、彼が何かを言う前にセヴェリが穏やかな声を上げた。
「サビーナ、落ち着いてください。サビーナにとっては悪でも、シェスカルにとっては正義だったんですよ。それに彼はとても責任感の強い人です。私をこんな目に遭わせておいて、のんびりと貴族生活を満喫出来るような男ではないのです。私の目指した国を実現するために、きっと寝る間も惜しんで奔走する事でしょう。もちろん謀反は起こさずにね」
セヴェリの言い分に、それでも顔を顰める。すると彼は困ったように続けた。
「前に言ったでしょう? シェスカルは本当の本当は真面目な人なんです。傍目にはそうは見えませんが……私は今でも彼を信用していますよ。きっと貴族となったシェスカルならば、アンゼルード帝国を良い方に導いてくれるとね」
「セヴェリ様……」
自分を裏切った相手を信用するとは、どういう精神構造をしているのだろうか。
全く理解は出来ないが、そこまで言われてしまうとサビーナには言い返す言葉もない。
「話……進めていいか?」
「すみません、続けて下さい」
呆れたような視線を送られて、サビーナはゆっくりと腰を下ろした。そしてサビーナも「どうぞ」と小声で先を促すと、それを確認したシェルトは頷く。
「ディノークスの屋敷の前であんまりウロチョロ出来ねぇから、家を確認しただけで取り敢えず戻った。次は図書館に行って当時の新聞に目を通す事にした。まずはあんたの父親のマウリッツだけど……」
皆に緊張が走る。サビーナにとってもプリシラにとっても、かつて仕えていた屋敷の当主で、セヴェリにとっては父親だ。
「謀反を企てた罪で、牢獄に幽閉。シェスカルの嘆願で処刑は免れたが、一生牢から出られる事はないらしい」
シェルトの言葉が一旦途絶え、サビーナはそっとセヴェリを確認する。その視線を受けたセヴェリは、「仕方ありませんね」と苦しそうに呟いていた。
「それと、あんたにも追手が掛かってる。謀反を企てた危険因子として放っておけないって。多分、逃げちまった分、温情は受けられねぇと思うよ。捕まったら……処刑だ」
「そうですか」
処刑という言葉に、サビーナの体はカタカタと震える。まるで極寒の海に裸で放り込まれたようだ。体中の血が止まったかと思うほど、体が凍てつくように一気に冷えた。
「ビビんないの?」
「まぁ、覚悟はしていますから」
あくまで大らかに答えているセヴェリを見て、体を縮こまらせる。
もしもサビーナがセヴェリを連れ出さなければ、彼は牢獄と言えど生きられたのだ。だというのに、助け出してしまったせいで死という恐怖がついて回る事となってしまった。
正しいと思って行動した事だったが、こうなると本当にこれで良かったのかどうか分からなくなってくる。
「じゃあ次に、デニスって奴の事だ」
ピクンと、意図せず体が勝手に動いた。何となく視線を集めてしまった気がして、そのまま身を硬直させる。
一番知りたい情報であり、一番知りたくない情報でもあった。サビーナは膝の上で拳をギュッと握り締める。
デニスさん……っ
サビーナは、祈るようにシェルトの次の言葉を待った。
シェルトは少し間をおいて、息を吐き出すように言葉を繋ぐ。
「……デニスって奴は、あんたらを逃がすためにシェスカルと対立。セヴェリを逃した罪とシェスカルに刃を向けた罪で、二年の懲役刑が課せられた」
「懲役刑……ということは、デニスは生きているんですね?」
「ああ、シェスカルに数カ所斬られたって話だが、大事に至る事なく取り押さえられたらしいぜ」
「そうですか。良かった……」
セヴェリがそう息を吐くのと同時に、サビーナも緊張で凝り固まった肩を脱力させる。
デニスが、生きている。
それだけで安堵した。全身の力が、煙となって出て行くかのように抜けて行く。
良かった……本当に良かった!
生きててくれた……っ!
「……サビーナ」
ふと気付くと、セヴェリがハンカチを差し出してくれている。何故だろうと顔を上げると、いつの間にかサビーナの瞳から大粒の涙がボロボロと零れ落ちていた。
「あ……す、すみませんっ」
「いえ。……良かったですね、デニスが無事で」
「はい……っ」
借りたハンカチで涙を拭う。これが分かっただけでも、シェルトに調査に行ってもらって良かった。
二年もの間、刑に服さなければならないのは胸が痛むが、彼がこの世にいてくれるだけでこの上ない幸せだった。
もう二度と会える事がなくても、それでも。
デニスの事を考えるだけで、胸は苦しくなれども幸せな気持ちになれる。
サビーナは無意識に胸に手をやった。胸のポケットにしまってある二つの懐中時計のうちのひとつが、カチコチと優しく秒針を刻んでいる。
彼の鼓動の音に思えて、サビーナはそっと微笑んでいた。
0
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
看病しに行ったら、当主の“眠り”になってしまった
星乃和花
恋愛
⭐︎完結済ー全36話⭐︎
倒れた当主を看病する役目を振られた使用人リィナは、彼の部屋へ通うことになる。
栄養、灯り、静かな時間、話し相手――“眠れる夜”を整えていく。そして、回復していく当主アレクシス。けれど彼は、ある夜そっと手を握り返し、低い声で囁く。
「責任、取って?」
噂が燃える屋敷で、ふたりが守るのは“枠(ルール)”。
手だけ、時間だけ、理由にしない――鍵はリィナが握ったまま。
けれど、守ろうとするほど情は育ち、合図の灯りはいつしか「帰る」ではなく「眠る」へ変わっていく。
看病から始まった優しい夜は、静かな執着に捕まっていく。
それでも、捕獲の鍵は彼ではなく――彼女の手にある。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
まだ20歳の未亡人なので、この後は好きに生きてもいいですか?
せいめ
恋愛
政略結婚で愛することもなかった旦那様が魔物討伐中の事故で亡くなったのが1年前。
喪が明け、子供がいない私はこの家を出て行くことに決めました。
そんな時でした。高額報酬の良い仕事があると声を掛けて頂いたのです。
その仕事内容とは高貴な身分の方の閨指導のようでした。非常に悩みましたが、家を出るのにお金が必要な私は、その仕事を受けることに決めたのです。
閨指導って、そんなに何度も会う必要ないですよね?しかも、指導が必要には見えませんでしたが…。
でも、高額な報酬なので文句は言いませんわ。
家を出る資金を得た私は、今度こそ自由に好きなことをして生きていきたいと考えて旅立つことに決めました。
その後、新しい生活を楽しんでいる私の所に現れたのは……。
まずは亡くなったはずの旦那様との話から。
ご都合主義です。
設定は緩いです。
誤字脱字申し訳ありません。
主人公の名前を途中から間違えていました。
アメリアです。すみません。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
宿敵の家の当主を妻に貰いました~妻は可憐で儚くて優しくて賢くて可愛くて最高です~
紗沙
恋愛
剣の名家にして、国の南側を支配する大貴族フォルス家。
そこの三男として生まれたノヴァは一族のみが扱える秘技が全く使えない、出来損ないというレッテルを貼られ、辛い子供時代を過ごした。
大人になったノヴァは小さな領地を与えられるものの、仕事も家族からの期待も、周りからの期待も0に等しい。
しかし、そんなノヴァに舞い込んだ一件の縁談話。相手は国の北側を支配する大貴族。
フォルス家とは長年の確執があり、今は栄華を極めているアークゲート家だった。
しかも縁談の相手は、まさかのアークゲート家当主・シアで・・・。
「あのときからずっと……お慕いしています」
かくして、何も持たないフォルス家の三男坊は性格良し、容姿良し、というか全てが良しの妻を迎え入れることになる。
ノヴァの運命を変える、全てを与えてこようとする妻を。
「人はアークゲート家の当主を恐ろしいとか、血も涙もないとか、冷酷とか散々に言うけど、
シアは可愛いし、優しいし、賢いし、完璧だよ」
あまり深く考えないノヴァと、彼にしか自分の素を見せないシア、二人の結婚生活が始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる