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17.いつか、私の気持ちに
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「ミキ」
「な、なぁに、拓真くん」
マンションを出ると、拓真くんが心配そうに私を覗き込んでくれる。
拓真くんの口から発せられる『ミキ』はすごく新鮮で、それだけでもうとろけちゃいそう。
「あんなに飲んで、大丈夫か? 二日酔いとか……」
「あ、大丈夫! 私、お酒は強いから」
「強くないって! 誰が見ても、ベロンベロンに酔ってたっての!」
「ええ!? 本当?? 私、結構しっかりしてたと思ってるんだけど!?」
ビックリする私に、拓真くんは呆れたような息を吐いてる。
「どこが。全然、全く、しっかりの『し』の字もなかった!」
そ、そこまで? 言い過ぎじゃないかなぁ~。ちょっと拓真くんが怖い……。
「ミキは酒に弱いって事、自覚した方が良いよ。マジで」
「ええ~?」
「ええーじゃない! 俺らだったから良かったけど、他の男の前では絶対あんな風に飲まねーの! 分かった!?」
「は、はい……ごめんなさい……」
お、怒られちゃった……未成年の男の子……しかも好きな人に。うう、穴があったら入りたい……。
「別に俺に謝んなくたっていーよ。でもなんかあった時に傷つくのはミキだからさ。気をつけるに越したことはねーって事!」
そう言って拓真くんは笑って、私の頭をぐしゃぐしゃと掻き回した。
なんか、もう……怒られて、心配してくれるのも分かって、それでいて優しくて。
ちょっと子ども扱いされてるような感じもあるけど、それすら嬉しく感じちゃう。
「まぁ、俺らのチームは大丈夫だとは思うけど、それでも気ぃつけてな。晴臣や一ノ瀬はまぁ大丈夫だろうけど、正直……鉄平さんとか、手ェ早そうだもんな」
緑川さんは……確かに。
「この四月に知り合ったやつらばっかだし、俺も保証してやりたくてもしきれねー所があるんだ。だからまぁ……気をつけて」
「うん……分かった、ありがとう」
拓真くんの気持ちが嬉しいなぁ。本当に優しいんだから、もう……。やっぱり大好き。
「まぁ、俺は絶対に何があってもミキに手ェ出したりはしないけどな! それだけは保証出来るし、安心してくれよ!」
二ッと笑ってグッと握り拳を作ってまで主張してくれる拓真くん。
ええ? ぜ、絶対に、何があってもーー!?
そ、そんなぁ……酷いよ、私ってそんなに魅力ない!?
やっぱり拓真くんにとって、私みたいなのは恋愛対象にならないって事なのかな……。なんか、胸が……シクシクするよぉ。
顔を合わせられずに少し離れると、拓真くんにパシッと手を取られた。な、何事??
「まだ暗いし、こっから道幅狭いからもっと寄って。車来たら危ねーし」
きゃ、きゃーー! 手を繋いじゃった!
さっきから私のテンションは上がったり沈んだりおかしくなりそうなのに、拓真くんは全くいつもと変わりない。
あ、もしかして……拓真くんは、リナちゃんと手を繋いでるのと同じ感覚なのかな。
そう気付いて、また落ち込んじゃった。悔しいな。私はこんなにドキドキしてるのに。何でもない顔をしてる拓真くんが、逆に恨めしくなっちゃう。
私はその拓真くんの手を、気付かれないくらいの弱さで握り返した。
「ねぇ、拓真くん」
「ん?」
「今度、拓真くんのチームの練習、見に行っても良い?」
「もっちろん! いつでも大歓迎! 」
「良かった、ありがとう」
「こっちこそ、昨日は応援してくれてサンキュー! ミキが来てくれて、嬉しかった!」
曇りひとつない、拓真くんの笑顔。
も、もう!
こういう事、照れもせずにサラッと言えちゃう子なんだよね。
その一言一言で、私がどれだけ一喜一憂してるか、知ってる?
私の心の中、取り出して見せてあげたいくらいだよ。
まだ暗くて良かった。きっと私の顔は赤く染まっちゃってる。
ねぇ、拓真くん。
今はまだ告白する勇気なんてないけど。
いつか、私の気持ちに気付いてくれると嬉しいな。
「な、なぁに、拓真くん」
マンションを出ると、拓真くんが心配そうに私を覗き込んでくれる。
拓真くんの口から発せられる『ミキ』はすごく新鮮で、それだけでもうとろけちゃいそう。
「あんなに飲んで、大丈夫か? 二日酔いとか……」
「あ、大丈夫! 私、お酒は強いから」
「強くないって! 誰が見ても、ベロンベロンに酔ってたっての!」
「ええ!? 本当?? 私、結構しっかりしてたと思ってるんだけど!?」
ビックリする私に、拓真くんは呆れたような息を吐いてる。
「どこが。全然、全く、しっかりの『し』の字もなかった!」
そ、そこまで? 言い過ぎじゃないかなぁ~。ちょっと拓真くんが怖い……。
「ミキは酒に弱いって事、自覚した方が良いよ。マジで」
「ええ~?」
「ええーじゃない! 俺らだったから良かったけど、他の男の前では絶対あんな風に飲まねーの! 分かった!?」
「は、はい……ごめんなさい……」
お、怒られちゃった……未成年の男の子……しかも好きな人に。うう、穴があったら入りたい……。
「別に俺に謝んなくたっていーよ。でもなんかあった時に傷つくのはミキだからさ。気をつけるに越したことはねーって事!」
そう言って拓真くんは笑って、私の頭をぐしゃぐしゃと掻き回した。
なんか、もう……怒られて、心配してくれるのも分かって、それでいて優しくて。
ちょっと子ども扱いされてるような感じもあるけど、それすら嬉しく感じちゃう。
「まぁ、俺らのチームは大丈夫だとは思うけど、それでも気ぃつけてな。晴臣や一ノ瀬はまぁ大丈夫だろうけど、正直……鉄平さんとか、手ェ早そうだもんな」
緑川さんは……確かに。
「この四月に知り合ったやつらばっかだし、俺も保証してやりたくてもしきれねー所があるんだ。だからまぁ……気をつけて」
「うん……分かった、ありがとう」
拓真くんの気持ちが嬉しいなぁ。本当に優しいんだから、もう……。やっぱり大好き。
「まぁ、俺は絶対に何があってもミキに手ェ出したりはしないけどな! それだけは保証出来るし、安心してくれよ!」
二ッと笑ってグッと握り拳を作ってまで主張してくれる拓真くん。
ええ? ぜ、絶対に、何があってもーー!?
そ、そんなぁ……酷いよ、私ってそんなに魅力ない!?
やっぱり拓真くんにとって、私みたいなのは恋愛対象にならないって事なのかな……。なんか、胸が……シクシクするよぉ。
顔を合わせられずに少し離れると、拓真くんにパシッと手を取られた。な、何事??
「まだ暗いし、こっから道幅狭いからもっと寄って。車来たら危ねーし」
きゃ、きゃーー! 手を繋いじゃった!
さっきから私のテンションは上がったり沈んだりおかしくなりそうなのに、拓真くんは全くいつもと変わりない。
あ、もしかして……拓真くんは、リナちゃんと手を繋いでるのと同じ感覚なのかな。
そう気付いて、また落ち込んじゃった。悔しいな。私はこんなにドキドキしてるのに。何でもない顔をしてる拓真くんが、逆に恨めしくなっちゃう。
私はその拓真くんの手を、気付かれないくらいの弱さで握り返した。
「ねぇ、拓真くん」
「ん?」
「今度、拓真くんのチームの練習、見に行っても良い?」
「もっちろん! いつでも大歓迎! 」
「良かった、ありがとう」
「こっちこそ、昨日は応援してくれてサンキュー! ミキが来てくれて、嬉しかった!」
曇りひとつない、拓真くんの笑顔。
も、もう!
こういう事、照れもせずにサラッと言えちゃう子なんだよね。
その一言一言で、私がどれだけ一喜一憂してるか、知ってる?
私の心の中、取り出して見せてあげたいくらいだよ。
まだ暗くて良かった。きっと私の顔は赤く染まっちゃってる。
ねぇ、拓真くん。
今はまだ告白する勇気なんてないけど。
いつか、私の気持ちに気付いてくれると嬉しいな。
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