76 / 659
学院初等部 3学年生
芸術祭 ~騒動~
しおりを挟む
薬草研究会の面々には、音楽観賞会と化している芸術祭の日になった。音楽観賞会と化しているのは私達だけじゃなくて、運動倶楽部の方々もだけど。
毎年恒例となった剣術体術倶楽部の皆さんの護衛付きで、演奏を見る。今年はヴァイオリン部門でリジーちゃんが選出されていて、素晴らしい演奏にスタンディングオベーションが贈られていた。
「こんな後ろにいたのか、キャシー。もっと前で見ればいいのに」
「芸術祭を抜け出して剣の素振りをしておられたお義兄様には言われたくありませんわ。アンバー様が心配されておられましたわよ?」
「予想は出来ておりましたけれど」
アンバー様が控えめに言う。今日のアンバー様は普通のドレス姿だ。どこかに剣は隠し持っているらしいけど。
「ピアノだのヴァイオリンだの聞いてると、眠くなるんだって」
「お義兄様らしいですわね」
アリス・ブレイクリー様の演奏は、ヴィオラとの2重奏だった。アリス様はピアノ教師のケリー先生の直接指導を受けていて、将来が確実視されている。
「あれ?舞台下に誰かいるな」
ランベルトお義兄様が怪訝な声をあげた。
「本当ですわね。花束を持っているようですけれど」
演奏が終わったら渡そうとしている?芸術祭ではそれは禁止されてたはずだけど。
「行ってくる。アンバーも来てくれ」
ランベルトお義兄様と剣術倶楽部の3人が立っていった。どこに行ったの?
「皆様方、少し騒がしくなるかもしれません」
体術倶楽部の先輩が言う。アリス様の演奏が終わると同時に舞台下の人物が動いた。階段を駆け上がりアリス様とヴィオラの演奏者をめがけて、一目散に駆け寄る。アリス様とヴィオラの演奏者は動けていない。舞台の灯りの元に出てきたのが男性だというのが分かった。
ランベルトお義兄様と剣術倶楽部の3人が舞台上に駆け上がった。アンバー様が反対側の舞台袖から現れて、演奏者2人を守るように立つ。舞台下にいた人物の手にキラリと光る物が見えた。
「ナイフ?」
警備の人達が会場内に駆け込んできた。会場内が騒然となっている。
「1階席の生徒は誘導にしたがって避難を!!2階、3階の生徒はその場から動かないように!!」
先生の声が聞こえる。舞台上では捕り物が終わったようだ。救護室の先生が動いているのが見える。誰か怪我でもしたんだろうか?
「終わりましたの?」
一緒にいたガビーちゃんが聞く。誰も答えない。答えられないのが実情だ。状況は当事者以外は掴めていないと思う。ランベルトお義兄様は怪我していないだろうか。アンバー様は無事なの?アリス様は大丈夫?
元々会場内に警備の人達は居なかった。たぶんだけどランベルトお義兄様達の誰かが知らせたんだと思う。
しばらくして、先生方から今日の演奏系の芸術祭は中止とすると放送が入った。他の会場では展示が続けられているらしいけど、見に行く人は居ないと思う。
私達、音楽関係の会場にいた生徒は、各教室に戻された。その前にランベルトお義兄様に会っておきたくて、先生に言ったら許可が出た。シェーン様と一緒という条件は付けられたけど。
「お義兄様!!アンバー様!!」
「キャシー、教室に戻ったんじゃ?」
「お義兄様達が心配で」
「心配かけたな。大丈夫だ」
「何だったんですか?答えられないでしょうけど」
「分かってるじゃないか」
こういう場合の情報統制は常套手段だよね。
「話せる事を確かめたら、話すから」
「お怪我はございませんか?」
「無い。心配しなくても大丈夫だ」
ローレンス様より若干乱暴に頭を撫でてくれた。
「教室に戻っていろ」
「はい。お義兄様もお気を付けて。アンバー様も」
お義兄様とアンバー様が踵を返すのを見送って、私も教室に戻る。
「お付き合いいただき、ありがとうございました」
「仕事ですから」
シェーン様はそう言ってくれたけど、「仕事だから」ってセリフは、相手に負担をかけたくない時の言葉だよね。
申し訳無く思っていたら、シェーン様に微笑まれた。
「そのようなお顔をされないでください。キャスリーン様に申し訳なく思って欲しい訳じゃないんです」
いつもシェーン様は、私の事を「フェルナー嬢」と呼ぶ。なのに今は「キャスリーン」と呼んだ。
「でもシェーン様は私に、負担に思ってほしいわけでも無いんでしょ?」
「キャスリーン様のお心を煩わせたくないのですよ」
微笑んだシェーン様と共に教室に戻る。教室ではみんなが不安げにヒソヒソと話をしていた。
「キャスリーン様、お戻りになられましたのね」
リリス様が私を見付けて小走りでやって来た。
「えぇ。ごめんなさい、心配をかけてしまって。ランベルトお義兄様とアンバー様のご無事を確かめたかったのですの」
「ご無事だったんですよね?」
「えぇ。お怪我も無かったようです」
「良かったですわ。それでお話は聞けました?」
リリス様の顔に浮かぶのは、好奇心と少しの恐怖。
「聞けていません。こういう時には間違った情報は害になりますから。先生方に言われたんだと思いますよ」
教室内の空気が「なぁんだ」というものに変わった。
「それでもさ、少しは話したんだろ?フェルナー嬢だし」
「私だしという意味は分かりませんけど、ランベルトお義兄様と剣術倶楽部の先輩方はご無事のようですよ。それ以上は聞けていませんし聞き出すつもりもありません」
「何故ですか?フェルナー先輩はどうして素早く動けたのかとか、聞かなかったんですか?」
「2階席の一番前にいましたから、よく見えたんですよ。舞台下に誰かいるのは私でも分かりましたし。ランベルトお義兄様だけじゃなく剣術倶楽部の先輩方や体術倶楽部の先輩方はそういう想定もしていたのかもしれません」
このクラスには剣術倶楽部の所属も体術倶楽部の所属も、在籍している。
「確かに先輩方は、もし芸術祭の観賞中に何かあればって話はしていたよ。初等部の4学年生以上しか参加してなかったけど」
「体術倶楽部の先輩方もそんな話をしていた。だから会場中に散らばって座るって言っていたな」
つまりはシュミレーションが出来ていたんだろう。いざという時にどう動くかという。何がきっかけかは分からないけれど。
「席についてください」
担任の先生が入ってきた。
「先程の芸術祭の会場で起こった事ですが、まだ詳しい事は分かっていません。皆さんも憶測で噂などをしないように。分かりましたね?」
「先生、お怪我をされた方はいなかったのですか?」
「お話しできません」
「誰かが狙われたんですよね?舞台上に居たのはアリス・ブレイクリー様とミレニア・ハッシュラル様でしたけど」
「それもお答えできません」
だよね。情報統制してるなら、話せない事だらけだろう。
「分かったら話してもらえますか?」
「差し支えない範囲であればですね。この後は、展示物を見て廻ってもよろしいし、寮に帰ってもらうのも自由です。ただし、音楽関係の会場には近付かないように。では、解散」
絶対に現場に近付いて、先生方に迷惑をかけるのが居るんだろうなぁ。するなと言われるとしたくなるカリギュラ効果が働くだろうし。
「キャシーちゃん、薬草研究会に行かない?」
「そうですわね。行きましょうか」
リリス様は迷っている感じだった。リリス様は手芸倶楽部に所属している。
「あ……」
リリス様が何かを言いかけた。
「リリス様?」
「キャスリーン様、シャーマニー語を教えてくださいませんか?」
意を決したように、リリス様が言った。
「私は構いませんけれど……」
「それでは私は薬草研究会に行っていますわ。キャシーちゃんはお休みだと伝えます」
ガビーちゃんが申し出てくれた。
「ありがとう、ガビーちゃん。お願いします」
「ふふっ、リリス様、シャーマニー語、頑張ってくださいませね」
「はいっ」
リリス様が固くなって頷いた。
毎年恒例となった剣術体術倶楽部の皆さんの護衛付きで、演奏を見る。今年はヴァイオリン部門でリジーちゃんが選出されていて、素晴らしい演奏にスタンディングオベーションが贈られていた。
「こんな後ろにいたのか、キャシー。もっと前で見ればいいのに」
「芸術祭を抜け出して剣の素振りをしておられたお義兄様には言われたくありませんわ。アンバー様が心配されておられましたわよ?」
「予想は出来ておりましたけれど」
アンバー様が控えめに言う。今日のアンバー様は普通のドレス姿だ。どこかに剣は隠し持っているらしいけど。
「ピアノだのヴァイオリンだの聞いてると、眠くなるんだって」
「お義兄様らしいですわね」
アリス・ブレイクリー様の演奏は、ヴィオラとの2重奏だった。アリス様はピアノ教師のケリー先生の直接指導を受けていて、将来が確実視されている。
「あれ?舞台下に誰かいるな」
ランベルトお義兄様が怪訝な声をあげた。
「本当ですわね。花束を持っているようですけれど」
演奏が終わったら渡そうとしている?芸術祭ではそれは禁止されてたはずだけど。
「行ってくる。アンバーも来てくれ」
ランベルトお義兄様と剣術倶楽部の3人が立っていった。どこに行ったの?
「皆様方、少し騒がしくなるかもしれません」
体術倶楽部の先輩が言う。アリス様の演奏が終わると同時に舞台下の人物が動いた。階段を駆け上がりアリス様とヴィオラの演奏者をめがけて、一目散に駆け寄る。アリス様とヴィオラの演奏者は動けていない。舞台の灯りの元に出てきたのが男性だというのが分かった。
ランベルトお義兄様と剣術倶楽部の3人が舞台上に駆け上がった。アンバー様が反対側の舞台袖から現れて、演奏者2人を守るように立つ。舞台下にいた人物の手にキラリと光る物が見えた。
「ナイフ?」
警備の人達が会場内に駆け込んできた。会場内が騒然となっている。
「1階席の生徒は誘導にしたがって避難を!!2階、3階の生徒はその場から動かないように!!」
先生の声が聞こえる。舞台上では捕り物が終わったようだ。救護室の先生が動いているのが見える。誰か怪我でもしたんだろうか?
「終わりましたの?」
一緒にいたガビーちゃんが聞く。誰も答えない。答えられないのが実情だ。状況は当事者以外は掴めていないと思う。ランベルトお義兄様は怪我していないだろうか。アンバー様は無事なの?アリス様は大丈夫?
元々会場内に警備の人達は居なかった。たぶんだけどランベルトお義兄様達の誰かが知らせたんだと思う。
しばらくして、先生方から今日の演奏系の芸術祭は中止とすると放送が入った。他の会場では展示が続けられているらしいけど、見に行く人は居ないと思う。
私達、音楽関係の会場にいた生徒は、各教室に戻された。その前にランベルトお義兄様に会っておきたくて、先生に言ったら許可が出た。シェーン様と一緒という条件は付けられたけど。
「お義兄様!!アンバー様!!」
「キャシー、教室に戻ったんじゃ?」
「お義兄様達が心配で」
「心配かけたな。大丈夫だ」
「何だったんですか?答えられないでしょうけど」
「分かってるじゃないか」
こういう場合の情報統制は常套手段だよね。
「話せる事を確かめたら、話すから」
「お怪我はございませんか?」
「無い。心配しなくても大丈夫だ」
ローレンス様より若干乱暴に頭を撫でてくれた。
「教室に戻っていろ」
「はい。お義兄様もお気を付けて。アンバー様も」
お義兄様とアンバー様が踵を返すのを見送って、私も教室に戻る。
「お付き合いいただき、ありがとうございました」
「仕事ですから」
シェーン様はそう言ってくれたけど、「仕事だから」ってセリフは、相手に負担をかけたくない時の言葉だよね。
申し訳無く思っていたら、シェーン様に微笑まれた。
「そのようなお顔をされないでください。キャスリーン様に申し訳なく思って欲しい訳じゃないんです」
いつもシェーン様は、私の事を「フェルナー嬢」と呼ぶ。なのに今は「キャスリーン」と呼んだ。
「でもシェーン様は私に、負担に思ってほしいわけでも無いんでしょ?」
「キャスリーン様のお心を煩わせたくないのですよ」
微笑んだシェーン様と共に教室に戻る。教室ではみんなが不安げにヒソヒソと話をしていた。
「キャスリーン様、お戻りになられましたのね」
リリス様が私を見付けて小走りでやって来た。
「えぇ。ごめんなさい、心配をかけてしまって。ランベルトお義兄様とアンバー様のご無事を確かめたかったのですの」
「ご無事だったんですよね?」
「えぇ。お怪我も無かったようです」
「良かったですわ。それでお話は聞けました?」
リリス様の顔に浮かぶのは、好奇心と少しの恐怖。
「聞けていません。こういう時には間違った情報は害になりますから。先生方に言われたんだと思いますよ」
教室内の空気が「なぁんだ」というものに変わった。
「それでもさ、少しは話したんだろ?フェルナー嬢だし」
「私だしという意味は分かりませんけど、ランベルトお義兄様と剣術倶楽部の先輩方はご無事のようですよ。それ以上は聞けていませんし聞き出すつもりもありません」
「何故ですか?フェルナー先輩はどうして素早く動けたのかとか、聞かなかったんですか?」
「2階席の一番前にいましたから、よく見えたんですよ。舞台下に誰かいるのは私でも分かりましたし。ランベルトお義兄様だけじゃなく剣術倶楽部の先輩方や体術倶楽部の先輩方はそういう想定もしていたのかもしれません」
このクラスには剣術倶楽部の所属も体術倶楽部の所属も、在籍している。
「確かに先輩方は、もし芸術祭の観賞中に何かあればって話はしていたよ。初等部の4学年生以上しか参加してなかったけど」
「体術倶楽部の先輩方もそんな話をしていた。だから会場中に散らばって座るって言っていたな」
つまりはシュミレーションが出来ていたんだろう。いざという時にどう動くかという。何がきっかけかは分からないけれど。
「席についてください」
担任の先生が入ってきた。
「先程の芸術祭の会場で起こった事ですが、まだ詳しい事は分かっていません。皆さんも憶測で噂などをしないように。分かりましたね?」
「先生、お怪我をされた方はいなかったのですか?」
「お話しできません」
「誰かが狙われたんですよね?舞台上に居たのはアリス・ブレイクリー様とミレニア・ハッシュラル様でしたけど」
「それもお答えできません」
だよね。情報統制してるなら、話せない事だらけだろう。
「分かったら話してもらえますか?」
「差し支えない範囲であればですね。この後は、展示物を見て廻ってもよろしいし、寮に帰ってもらうのも自由です。ただし、音楽関係の会場には近付かないように。では、解散」
絶対に現場に近付いて、先生方に迷惑をかけるのが居るんだろうなぁ。するなと言われるとしたくなるカリギュラ効果が働くだろうし。
「キャシーちゃん、薬草研究会に行かない?」
「そうですわね。行きましょうか」
リリス様は迷っている感じだった。リリス様は手芸倶楽部に所属している。
「あ……」
リリス様が何かを言いかけた。
「リリス様?」
「キャスリーン様、シャーマニー語を教えてくださいませんか?」
意を決したように、リリス様が言った。
「私は構いませんけれど……」
「それでは私は薬草研究会に行っていますわ。キャシーちゃんはお休みだと伝えます」
ガビーちゃんが申し出てくれた。
「ありがとう、ガビーちゃん。お願いします」
「ふふっ、リリス様、シャーマニー語、頑張ってくださいませね」
「はいっ」
リリス様が固くなって頷いた。
384
あなたにおすすめの小説
夫が運命の番と出会いました
重田いの
恋愛
幼馴染のいいなづけとして育ってきた銀狼族の族長エーリヒと、妻ローゼマリー。
だがエーリヒに運命の番が現れたことにより、二人は離別する。
しかし二年後、修道院に暮らすローゼマリーの元へエーリヒが現れ――!?
白い結婚を捨てた王妃は、もう二度と振り向かない ――愛さぬと言った王子が全てを失うまで』
鍛高譚
恋愛
「私は王妃を愛さない。彼女とは白い結婚を誓う」
華やかな王宮の大聖堂で交わされたのは、愛の誓いではなく、冷たい拒絶の言葉だった。
王子アルフォンスの婚姻相手として選ばれたレイチェル・ウィンザー。しかし彼女は、王妃としての立場を与えられながらも、夫からも宮廷からも冷遇され、孤独な日々を強いられる。王の寵愛はすべて聖女ミレイユに注がれ、王宮の権力は彼女の手に落ちていった。侮蔑と屈辱に耐える中、レイチェルは誇りを失わず、密かに反撃の機会をうかがう。
そんな折、隣国の公爵アレクサンダーが彼女の前に現れる。「君の目はまだ死んでいないな」――その言葉に、彼女の中で何かが目覚める。彼はレイチェルに自由と新たな未来を提示し、密かに王宮からの脱出を計画する。
レイチェルが去ったことで、王宮は急速に崩壊していく。聖女ミレイユの策略が暴かれ、アルフォンスは自らの過ちに気づくも、時すでに遅し。彼が頼るべき王妃は、もはや遠く、隣国で新たな人生を歩んでいた。
「お願いだ……戻ってきてくれ……」
王国を失い、誇りを失い、全てを失った王子の懇願に、レイチェルはただ冷たく微笑む。
「もう遅いわ」
愛のない結婚を捨て、誇り高き未来へと進む王妃のざまぁ劇。
裏切りと策略が渦巻く宮廷で、彼女は己の運命を切り開く。
これは、偽りの婚姻から真の誓いへと至る、誇り高き王妃の物語。
公爵さま、私が本物です!
水川サキ
恋愛
将来結婚しよう、と約束したナスカ伯爵家の令嬢フローラとアストリウス公爵家の若き当主セオドア。
しかし、父である伯爵は後妻の娘であるマギーを公爵家に嫁がせたいあまり、フローラと入れ替えさせる。
フローラはマギーとなり、呪術師によって自分の本当の名を口にできなくなる。
マギーとなったフローラは使用人の姿で屋根裏部屋に閉じ込められ、フローラになったマギーは美しいドレス姿で公爵家に嫁ぐ。
フローラは胸中で必死に訴える。
「お願い、気づいて! 公爵さま、私が本物のフローラです!」
※設定ゆるゆるご都合主義
結婚後、訳もわからないまま閉じ込められていました。
しゃーりん
恋愛
結婚して二年、別邸に閉じ込められていたハリエット。
友人の助けにより外に出ることができ、久しぶりに見た夫アルバートは騎士に連行されるところだった。
『お前のせいだ!』と言われても訳がわからなかった。
取り調べにより判明したのは、ハリエットには恋人がいるのだとアルバートが信じていたこと。
彼にその嘘を吹き込んだのは、二人いたというお話です。
【完結】妹に全部奪われたので、公爵令息は私がもらってもいいですよね。
曽根原ツタ
恋愛
ルサレテには完璧な妹ペトロニラがいた。彼女は勉強ができて刺繍も上手。美しくて、優しい、皆からの人気者だった。
ある日、ルサレテが公爵令息と話しただけで彼女の嫉妬を買い、階段から突き落とされる。咄嗟にペトロニラの腕を掴んだため、ふたり一緒に転落した。
その後ペトロニラは、階段から突き落とそうとしたのはルサレテだと嘘をつき、婚約者と家族を奪い、意地悪な姉に仕立てた。
ルサレテは、妹に全てを奪われたが、妹が慕う公爵令息を味方にすることを決意して……?
【完結】私、四女なんですけど…?〜四女ってもう少しお気楽だと思ったのに〜
まりぃべる
恋愛
ルジェナ=カフリークは、上に三人の姉と、弟がいる十六歳の女の子。
ルジェナが小さな頃は、三人の姉に囲まれて好きな事を好きな時に好きなだけ学んでいた。
父ヘルベルト伯爵も母アレンカ伯爵夫人も、そんな好奇心旺盛なルジェナに甘く好きな事を好きなようにさせ、良く言えば自主性を尊重させていた。
それが、成長し、上の姉達が思わぬ結婚などで家から出て行くと、ルジェナはだんだんとこの家の行く末が心配となってくる。
両親は、貴族ではあるが貴族らしくなく領地で育てているブドウの事しか考えていないように見える為、ルジェナはこのカフリーク家の未来をどうにかしなければ、と思い立ち年頃の男女の交流会に出席する事を決める。
そして、そこで皆のルジェナを想う気持ちも相まって、無事に幸せを見つける。
そんなお話。
☆まりぃべるの世界観です。現実とは似ていても違う世界です。
☆現実世界と似たような名前、土地などありますが現実世界とは関係ありません。
☆現実世界でも使うような単語や言葉を使っていますが、現実世界とは違う場合もあります。
楽しんでいただけると幸いです。
え?私、悪役令嬢だったんですか?まったく知りませんでした。
ゆずこしょう
恋愛
貴族院を歩いていると最近、遠くからひそひそ話す声が聞こえる。
ーーー「あの方が、まさか教科書を隠すなんて...」
ーーー「あの方が、ドロシー様のドレスを切り裂いたそうよ。」
ーーー「あの方が、足を引っかけたんですって。」
聞こえてくる声は今日もあの方のお話。
「あの方は今日も暇なのねぇ」そう思いながら今日も勉学、執務をこなすパトリシア・ジェード(16)
自分が噂のネタになっているなんてことは全く気付かず今日もいつも通りの生活をおくる。
婚約破棄されたので、自由に生きたら王太子が失脚しましたあ
鍛高譚
恋愛
名門アーデン公爵家の令嬢 ロザリー・フォン・アーデン は、王太子 エドワード・カミル・レグノード の婚約者として誰もが認める完璧な貴族令嬢だった。
しかしある日、王太子は突如 “聖女” を名乗る平民の少女 セシリア・ブランシュ に夢中になり、ロザリーに無情な婚約破棄を言い渡す。
「これは神の導きだ! 私の本当の運命の相手はセシリアなんだ!」
「ロザリー様、あなたは王太子妃にふさわしくありませんわ」
──ふたりの言葉を前に、ロザリーは静かに微笑んだ。
「……そうですか。では、私も自由に生きさせていただきますわね?」
だが、これがロザリーの “ざまぁ” 逆転劇の幕開けだった!
神託と称して王太子を操る “聖女” の正体は、なんと偽者!?
さらに王室財政を私物化する 汚職貴族との黒い繋がり も発覚!?
次々と暴かれる陰謀の数々に、王宮は大混乱。
そして、すべての証拠が王の手に渡ったとき──王太子 エドワードは王太子の地位を剥奪され、偽の聖女と共に国外追放 となる!
「ロザリー様を捨てた王太子は大馬鹿者だ!」
「やっぱり王妃にふさわしかったのはロザリー様だったのよ!」
社交界ではロザリーへの称賛が止まらない。
そしてそんな彼女のもとに、なんと隣国の 若き王クラウス・アレクサンドル から正式な求婚が──!?
「私はあなたの聡明さと誇り高き心に惹かれました。私の王妃になっていただけませんか?」
かつての婚約破棄が嘘のように、今度は 本物の愛と自由を手にするチャンス が巡ってくる。
しかし、ロザリーはすぐに頷かない。
「私はもう、誰かに振り回されるだけの人生は選びません」
王妃となる道を選ぶのか、それとも公爵家の令嬢として新たな未来を切り開くのか──?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる