88 / 657
学院初等部 3学年生
繋がり
しおりを挟む
ダンスの終わり際、フランシス・エンヴィーオが思い詰めたように口を開いた。
「アロガン・ソイルについて、何か聞いているかな?」
「いいえ、何も。私の耳に入らないように、情報が遮断されているようです」
「アイツは……。フェルナー先輩の所で話そう」
曲が終わって、お義兄様達の所に戻った。
「フェルナー先輩、少しいいですか?」
「かまわんが。どうした?」
「アロガン・ソイルについてです」
お義兄様が表情を引き締めた。
「ラウンジで話そう」
3人でラウンジに出る。
「アロガン・ソイルですが、放校された後、頼ったアヴァレーツィオ様にも切り捨てられたようです。タウンハウスにも領地にも戻ってないようで」
「放校?」
「キャシーには話してなかったな。あの後キャシーとエンヴィーオを逆恨みしていたらしくて、反省もしてなかったから放校されたんだ」
いったい何をしようとしたの?貴族学院を放校処分って、かなり重い処分なんだけど。
「具体的には?」
「キャシーには教えられないよ。そんな事をしたらキャシーが気に病むだろう?」
「そうですけれど」
「それで、アヴァレーツィオ様から連絡がありまして、身の回りに気を付けた方がいいと忠告を受けました」
フランシス・エンヴィーオとアヴァレーツィオの関係って、何だろう?どんな繋がりがあるんだろう?
考え込んでいる事を見透かされたらしく、ランベルトお義兄様にポンポンと軽く肩を叩かれた。
「考えすぎると禿げるぞ」
「禿げません。悩みすぎてストレスで禿げる事はありますけど」
「考えすぎるなって事」
「分かってます」
「フェルナー先輩とフェルナー嬢も仲が良いですよね」
「キャシーがフェルナー家に来た時、折れそうに細くてちっちゃくてさ。守ってあげなきゃって思ったんだ。兄貴は違う方向に守ってやりたいって思ったらしいけど」
「あぁ、養女でしたね。自然だから分からなくて、教えてもらっても納得出来ませんでした」
その言葉にちょっと笑ってしまった。ランベルトお義兄様は苦笑いだ。私を妹にと最初に望んだのは、ランベルトお義兄様だったと聞いている。ローレンス様はフェルナー侯爵邸に運ばれた私に興味は無く、ランベルトお義兄様が騒いだから様子を見に来たに過ぎなかったそうだ。
「こんな事になったのも全部自分からだとは分かってます。本当に申し訳ありません」
「それはないんじゃないか?エンヴィーオもクレイヴンもゲイツも反省して、まともな道を歩いている。その道から外れたのはソイルだけだ。こうなっているのはソイルの自業自得だ」
「ありがとうございます」
フランシス・エンヴィーオが頭を下げた。少し声が震えていたけどそこは気が付かなかった事にしておく。
プレ社交会の会場に戻って、ミッチェル姉弟に放っておいたお詫びを言うと、何かあったんだろう?と追求された。ランベルトお義兄様が上手くごまかしてくれたけど。
プレ社交会が終わると、卒業に向けた準備が始まる。卒業式までは普通に勉学に励む事になるんだけど、ここ最近、医師資格取得の為の特別講座の教室の前で、ガウェイン・フィンチー様とフィオナ・イースデイル様を頻繁に見かけるようになった。時にはもう一組の男女と合流して、こそこそと密談している。もう一組の男女がガラハット・フィンチー様と婚約者のキディー・ジェント様らしい。
何度も言うけど、医師資格取得の為の特別講座の教室は人目に付きにくい。でも中からはバッチリ見えるんだよね。
気にはなるけれど構ってられないし、どうしたものかと思っていたらある日、アルトゥール・シェアラー先生がいきなり窓を開け放った。
「そこの男女2組、そんな所で密談なぞするものじゃない。早々にそこから立ち去るかこちらの教室に入りなされ」
招き入れちゃうの?フィンチー兄弟とその婚約者2人は顔を見合わせていたけど、結局シェアラー先生の指示に従った。
「いらっしゃい。あんな寒い所で話し合いなんてするものじゃないよ。身体が冷えてしまう。特に女性は冷やしちゃダメだよ」
低体温だと免疫力が低下するのは事実だ。とはいっても高体温だと免疫力が上がるわけではないのだけれど。中途半端に医学が進んでいて、民間療法もある程度の医学的証明はされているこの世界では、現代的な医学とは少しだけズレがあったりするけれど、おおむね正しい知識が知られている。
恥ずかしそうに入ってきた2組の男女を教室の隅に座らせて、リーベルト先生の授業が再開された。2組の相手はシェアラー先生がしている。シャーマニー語の授業も医療用語が混じるようになってきて難解になってきた。
「皆様、何をなさっておられますの?」
「医師資格取得の為の勉強じゃよ。この中には光魔法使いもおるが、皆、医師を目指して勉強しておるんじゃ」
「医師資格……。医師資格を取ったらどこに行きたいとかの希望は?」
「最大限考慮されるが、すでに所属が決まっている者もおる。たいていは本人の希望する所で働くのじゃろうな」
「それなら……」
「とは言っても無理強いは出来ん。自らの領を動けない者もおるからな」
「ですよね」
「医師を探しての事かな?」
「はい。我が領には気鬱の病を発症する者が多いのです。後は享楽的になる者というか、人が争うのを見るのが好きだったり、なんだか殺伐としていて」
聞くともなしに聞こえてきてしまう。シャーマニー語を用いたお喋りの時間になっても意識は、フィンチー兄弟とその婚約者2人に向いてしまう。全員同じなんだけど。リーベルト先生が苦笑していた。
特別講座が終わった。みんなが三々五々教室を出ていく。
「あ、光の聖女様」
婚約者2人の内のどちらかだと思う。どうやら見つかってしまったらしい。
「彼女は教会所属が決まっているからね」
リーベルト先生の言葉に黙っちゃったけど。その隙に教室を出た。
でも、領に気鬱の病を発症する者が多いとか、享楽的になるとか、風土病って感じだな。
風土病とは限られた地域の気候,土壌,生物相などの自然条件と住民の風俗,習慣などがあいまって起こる病気だ。地球で言うとマラリアとかデング熱などが風土病にあたる。日本だと山梨県・佐賀県 ・福岡県などの日本住血吸虫病や、新潟県、その他日本全国で見られたツツガムシ病がある。ちなみに日本住血吸虫病は、山梨県で平成8年2月に終息宣言が出された。
「キャスリーン様、何を考えておられますの?」
「先程の4人様のお話ですわ。ある一定の地域で発症者が多いという病気があるのです。風土病というのですけれど」
「フード病?」
「その地域の風土に起因する病気ですわ。気鬱の病と享楽的な者が多いと言っておられましたでしょう?」
「気鬱の病は不安になったり、物事がおっくうになったりですわよね?享楽的とは真逆な感じがいたしますけれど」
「真逆ですわよね」
そこが不思議なんだけど。まぁ、双極性障害もあることだし。双極性障害は気分が高まったり落ち込んだり、躁状態と鬱状態を繰り返す病気だ。実習でアルコール依存症の双極性障害になった人に話を聞いたんだけど、躁状態の時は「ここからここまで全部くれる?」って本当にやったらしくて、しかも「好きなの持っていって良いよ」って通りすがりの人に言って、気が付いたら家の中とお財布がすっからかんだったらしい。で、それを見て「何て事をしちゃったんだろう」って鬱状態になってしまうんだって。見ず知らずの人にもやっちゃうから戻ってくる品が少なくて、ご家族がアルコール依存症治療目的で入院させたって言っていた。
「アロガン・ソイルについて、何か聞いているかな?」
「いいえ、何も。私の耳に入らないように、情報が遮断されているようです」
「アイツは……。フェルナー先輩の所で話そう」
曲が終わって、お義兄様達の所に戻った。
「フェルナー先輩、少しいいですか?」
「かまわんが。どうした?」
「アロガン・ソイルについてです」
お義兄様が表情を引き締めた。
「ラウンジで話そう」
3人でラウンジに出る。
「アロガン・ソイルですが、放校された後、頼ったアヴァレーツィオ様にも切り捨てられたようです。タウンハウスにも領地にも戻ってないようで」
「放校?」
「キャシーには話してなかったな。あの後キャシーとエンヴィーオを逆恨みしていたらしくて、反省もしてなかったから放校されたんだ」
いったい何をしようとしたの?貴族学院を放校処分って、かなり重い処分なんだけど。
「具体的には?」
「キャシーには教えられないよ。そんな事をしたらキャシーが気に病むだろう?」
「そうですけれど」
「それで、アヴァレーツィオ様から連絡がありまして、身の回りに気を付けた方がいいと忠告を受けました」
フランシス・エンヴィーオとアヴァレーツィオの関係って、何だろう?どんな繋がりがあるんだろう?
考え込んでいる事を見透かされたらしく、ランベルトお義兄様にポンポンと軽く肩を叩かれた。
「考えすぎると禿げるぞ」
「禿げません。悩みすぎてストレスで禿げる事はありますけど」
「考えすぎるなって事」
「分かってます」
「フェルナー先輩とフェルナー嬢も仲が良いですよね」
「キャシーがフェルナー家に来た時、折れそうに細くてちっちゃくてさ。守ってあげなきゃって思ったんだ。兄貴は違う方向に守ってやりたいって思ったらしいけど」
「あぁ、養女でしたね。自然だから分からなくて、教えてもらっても納得出来ませんでした」
その言葉にちょっと笑ってしまった。ランベルトお義兄様は苦笑いだ。私を妹にと最初に望んだのは、ランベルトお義兄様だったと聞いている。ローレンス様はフェルナー侯爵邸に運ばれた私に興味は無く、ランベルトお義兄様が騒いだから様子を見に来たに過ぎなかったそうだ。
「こんな事になったのも全部自分からだとは分かってます。本当に申し訳ありません」
「それはないんじゃないか?エンヴィーオもクレイヴンもゲイツも反省して、まともな道を歩いている。その道から外れたのはソイルだけだ。こうなっているのはソイルの自業自得だ」
「ありがとうございます」
フランシス・エンヴィーオが頭を下げた。少し声が震えていたけどそこは気が付かなかった事にしておく。
プレ社交会の会場に戻って、ミッチェル姉弟に放っておいたお詫びを言うと、何かあったんだろう?と追求された。ランベルトお義兄様が上手くごまかしてくれたけど。
プレ社交会が終わると、卒業に向けた準備が始まる。卒業式までは普通に勉学に励む事になるんだけど、ここ最近、医師資格取得の為の特別講座の教室の前で、ガウェイン・フィンチー様とフィオナ・イースデイル様を頻繁に見かけるようになった。時にはもう一組の男女と合流して、こそこそと密談している。もう一組の男女がガラハット・フィンチー様と婚約者のキディー・ジェント様らしい。
何度も言うけど、医師資格取得の為の特別講座の教室は人目に付きにくい。でも中からはバッチリ見えるんだよね。
気にはなるけれど構ってられないし、どうしたものかと思っていたらある日、アルトゥール・シェアラー先生がいきなり窓を開け放った。
「そこの男女2組、そんな所で密談なぞするものじゃない。早々にそこから立ち去るかこちらの教室に入りなされ」
招き入れちゃうの?フィンチー兄弟とその婚約者2人は顔を見合わせていたけど、結局シェアラー先生の指示に従った。
「いらっしゃい。あんな寒い所で話し合いなんてするものじゃないよ。身体が冷えてしまう。特に女性は冷やしちゃダメだよ」
低体温だと免疫力が低下するのは事実だ。とはいっても高体温だと免疫力が上がるわけではないのだけれど。中途半端に医学が進んでいて、民間療法もある程度の医学的証明はされているこの世界では、現代的な医学とは少しだけズレがあったりするけれど、おおむね正しい知識が知られている。
恥ずかしそうに入ってきた2組の男女を教室の隅に座らせて、リーベルト先生の授業が再開された。2組の相手はシェアラー先生がしている。シャーマニー語の授業も医療用語が混じるようになってきて難解になってきた。
「皆様、何をなさっておられますの?」
「医師資格取得の為の勉強じゃよ。この中には光魔法使いもおるが、皆、医師を目指して勉強しておるんじゃ」
「医師資格……。医師資格を取ったらどこに行きたいとかの希望は?」
「最大限考慮されるが、すでに所属が決まっている者もおる。たいていは本人の希望する所で働くのじゃろうな」
「それなら……」
「とは言っても無理強いは出来ん。自らの領を動けない者もおるからな」
「ですよね」
「医師を探しての事かな?」
「はい。我が領には気鬱の病を発症する者が多いのです。後は享楽的になる者というか、人が争うのを見るのが好きだったり、なんだか殺伐としていて」
聞くともなしに聞こえてきてしまう。シャーマニー語を用いたお喋りの時間になっても意識は、フィンチー兄弟とその婚約者2人に向いてしまう。全員同じなんだけど。リーベルト先生が苦笑していた。
特別講座が終わった。みんなが三々五々教室を出ていく。
「あ、光の聖女様」
婚約者2人の内のどちらかだと思う。どうやら見つかってしまったらしい。
「彼女は教会所属が決まっているからね」
リーベルト先生の言葉に黙っちゃったけど。その隙に教室を出た。
でも、領に気鬱の病を発症する者が多いとか、享楽的になるとか、風土病って感じだな。
風土病とは限られた地域の気候,土壌,生物相などの自然条件と住民の風俗,習慣などがあいまって起こる病気だ。地球で言うとマラリアとかデング熱などが風土病にあたる。日本だと山梨県・佐賀県 ・福岡県などの日本住血吸虫病や、新潟県、その他日本全国で見られたツツガムシ病がある。ちなみに日本住血吸虫病は、山梨県で平成8年2月に終息宣言が出された。
「キャスリーン様、何を考えておられますの?」
「先程の4人様のお話ですわ。ある一定の地域で発症者が多いという病気があるのです。風土病というのですけれど」
「フード病?」
「その地域の風土に起因する病気ですわ。気鬱の病と享楽的な者が多いと言っておられましたでしょう?」
「気鬱の病は不安になったり、物事がおっくうになったりですわよね?享楽的とは真逆な感じがいたしますけれど」
「真逆ですわよね」
そこが不思議なんだけど。まぁ、双極性障害もあることだし。双極性障害は気分が高まったり落ち込んだり、躁状態と鬱状態を繰り返す病気だ。実習でアルコール依存症の双極性障害になった人に話を聞いたんだけど、躁状態の時は「ここからここまで全部くれる?」って本当にやったらしくて、しかも「好きなの持っていって良いよ」って通りすがりの人に言って、気が付いたら家の中とお財布がすっからかんだったらしい。で、それを見て「何て事をしちゃったんだろう」って鬱状態になってしまうんだって。見ず知らずの人にもやっちゃうから戻ってくる品が少なくて、ご家族がアルコール依存症治療目的で入院させたって言っていた。
383
あなたにおすすめの小説
分厚いメガネを外した令嬢は美人?
しゃーりん
恋愛
極度の近視で分厚いメガネをかけている子爵令嬢のミーシャは家族から嫌われている。
学園にも行かせてもらえず、居場所がないミーシャは教会と孤児院に通うようになる。
そこで知り合ったおじいさんと仲良くなって、話をするのが楽しみになっていた。
しかし、おじいさんが急に来なくなって心配していたところにミーシャの縁談話がきた。
会えないまま嫁いだ先にいたのは病に倒れたおじいさんで…介護要員としての縁談だった?
この結婚をきっかけに、将来やりたいことを考え始める。
一人で寂しかったミーシャに、いつの間にか大切な人ができていくお話です。
縁あって国王陛下のお世話係になりました
風見ゆうみ
恋愛
ある日、王城に呼び出された私は婚約者であるローク殿下に婚約を破棄され、姉が嫁ぐことになっていた敗戦国シュテーダム王国の筆頭公爵家の嫡男の元へ私が嫁ぐようにと命令された。
しかも、王命だという。
嫁げば良いのでしょう、嫁げば。
公爵令嬢といっても家では冷遇されていた私、ラナリーは半ば投げやりな気持ちでルラン・ユリアス様の元に嫁ぐことになった。
ユリアス邸の人たちに大歓迎された私だったけれど、ルラン様はいつもしかめっ面で女性が苦手だと判明。
何とかコミュニケーションを取り、ルラン様と打ち解けていくと、義理の父からもうすぐ6歳になる国王陛下の臨時のお世話係を任されてしまい――
※史実とは異なる異世界の世界観であり、設定はゆるゆるで、ご都合主義です。
※誤字脱字など見直して気を付けているつもりですが、やはりございます。申し訳ございません。教えていただけますと有り難いです。
え?私、悪役令嬢だったんですか?まったく知りませんでした。
ゆずこしょう
恋愛
貴族院を歩いていると最近、遠くからひそひそ話す声が聞こえる。
ーーー「あの方が、まさか教科書を隠すなんて...」
ーーー「あの方が、ドロシー様のドレスを切り裂いたそうよ。」
ーーー「あの方が、足を引っかけたんですって。」
聞こえてくる声は今日もあの方のお話。
「あの方は今日も暇なのねぇ」そう思いながら今日も勉学、執務をこなすパトリシア・ジェード(16)
自分が噂のネタになっているなんてことは全く気付かず今日もいつも通りの生活をおくる。
【完結】私を嫌ってたハズの義弟が、突然シスコンになったんですが!?
miniko
恋愛
王太子の婚約者で公爵令嬢のキャサリンは、ある日突然、原因不明の意識障害で倒れてしまう。
一週間後に目覚めた彼女は、自分を嫌っていた筈の義弟の態度がすっかり変わってしまい、極度のシスコンになった事に戸惑いを隠せない。
彼にどんな心境の変化があったのか?
そして、キャサリンの意識障害の原因とは?
※設定の甘さや、ご都合主義の展開が有るかと思いますが、ご容赦ください。
※サスペンス要素は有りますが、難しいお話は書けない作者です。
※作中に登場する薬や植物は架空の物です。
【完結】婚約破棄はいいのですが、平凡(?)な私を巻き込まないでください!
白キツネ
恋愛
実力主義であるクリスティア王国で、学園の卒業パーティーに中、突然第一王子である、アレン・クリスティアから婚約破棄を言い渡される。
婚約者ではないのに、です。
それに、いじめた記憶も一切ありません。
私にはちゃんと婚約者がいるんです。巻き込まないでください。
第一王子に何故か振られた女が、本来の婚約者と幸せになるお話。
カクヨムにも掲載しております。
冷酷伯爵ディートリヒは、去った妻を取り戻せない
くろねこ
恋愛
名門伯爵家に政略結婚で嫁いだ、正妻エレノア・リーヴェルト。夫である伯爵ディートリヒ・フォン・アイゼンヴァルトは、
軍務と義務を最優先し、彼女に関心を向けることはなかった。
言葉も、視線も、愛情も与えられない日々。それでも伯爵夫人として尽くし続けたエレノアは、ある一言をきっかけに、静かに伯爵家を去る決意をする。
――そして初めて、夫は気づく。
自分がどれほど多くのものを、彼女から与えられていたのかを。
一方、エレノアは新たな地でその才覚と人柄を評価され、
「必要とされる存在」として歩き始めていた。
去った妻を想い、今さら後悔する冷酷伯爵。前を向いて生きる正妻令嬢。
これは、失ってから愛に気づいた男と、
二度と戻らないかもしれない夫婦の物語。
――今さら、遅いのです。
[完結]気付いたらザマァしてました(お姉ちゃんと遊んでた日常報告してただけなのに)
みちこ
恋愛
お姉ちゃんの婚約者と知らないお姉さんに、大好きなお姉ちゃんとの日常を報告してただけなのにザマァしてたらしいです
顔文字があるけどウザかったらすみません
【完結】悪気がないかどうか、それを決めるのは私です
楽歩
恋愛
「新人ですもの、ポーションづくりは数をこなさなきゃ」「これくらいできなきゃ薬師とは言えないぞ」あれ?自分以外のポーションのノルマ、夜の当直、書類整理、薬草管理、納品書の作成、次々と仕事を回してくる先輩方…。た、大変だわ。全然終わらない。
さらに、共同研究?とにかくやらなくちゃ!あともう少しで採用されて1年になるもの。なのに…室長、首ってどういうことですか!?
人見知りが激しく外に出ることもあまりなかったが、大好きな薬学のために自分を奮い起こして、薬師となった。高価な薬剤、効用の研究、ポーションづくり毎日が楽しかった…はずなのに…
※誤字脱字、勉強不足、名前間違い、ご都合主義などなど、どうか温かい目で(o_ _)o))中編くらいです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる