107 / 733
学院初等部 4学年生
休日の過ごし方
シェーン様が鳥さんを連れてきてくれた。合図をするとペタリと地面に伏せて乗りやすくしてくれた。今は騎乗用の座席は無い。脚と杭をロープで繋いで、ダニエル様が作ってくれた階段を登って鳥さんに座って、鳥さんの首を渡された大きな棒で掻いていく。フワフワした羽毛が気持ちいい。鳥さんがクルルと鳴いた。
「気持ちいい?」
私が鳥さんの首を掻いている間に、ダニエル様が大きな窪みを作って、シェーン様がそこに水を溜めていた。あれ?シェーン様って水魔法も使えるの?鳥さんから降りて、シェーン様の側に行く。
「吐水の魔道具です。お屋敷や学院でも使われていますよ」
そうだった。あまりにも普通に存在しているから、魔道具だって忘れちゃうんだよね。
「私も手伝いましょうか?」
「キャスリーン様はそちらでお休みください。ボロンガ鳥まで見に来てしまいましたよ」
私の後ろから鳥さんが首を伸ばして、真っ黒な瞳で溜まっていく水を眺めていた。瞳が期待でキラキラしている気がする。
「お嬢ちゃんも水浴びするか?」
「しません」
「水浴びってのは冗談だけどさ。足だけでも浸けて影で涼んだら?」
「影でですか?」
影だったら涼しいよね。でもいいのかな?
「そこのデッキに椅子とタライを出して、足を浸けると良い」
ダニエル様の言葉に、シェーン様がさっさと準備をしてしまった。デッキチェアのような低い椅子まで準備されている。
室内で靴とストッキングを脱いで、デッキに出る。今日は休みだからワンピースを着ていた。
「失礼します」
用意された椅子に座って足を持ち上げてタライの水に浸す。
「気持ちいい」
屋根のひさしが影を落としていて、風が通って気持ちいい。鳥さんも水浴びを終えたらしく、今は水の中に座って気持ち良さそうにしていた。
その内ウトウトしてしまったらしい。気が付いたらサミュエル先生が戻ってきていた。
「よく眠れたかな?」
「せっ、先生、お戻りになっていたのですね」
「ついさっき戻ったよ。はい。お土産」
ポイっと口の中に黒っぽいツブツブとしたベリーが放り込まれた。甘酸っぱくて美味しい。
「ブラックベリーだよ。ジャムになっているのも買ってきたから、マリアに何か作ってもらおう」
「私も何か出来ませんか?」
「キャシーちゃんは今日は休む事が仕事だよ」
休む事がって言われても、何かをしていたいんだよね。具体的には思い付かないけど。
「帰ってきたら、ダニエルとシェーンがお姫様に侍る騎士のようにキャシーちゃんを守っててさ。見ていて面白かったよ」
「面白がらないでください」
そういえば、サンダルを履いているけど、誰が?ダニエル様やシェーン様だったら恥ずかしいんだけど。
「ダニエル様とシェーン様は、どうして戦っておられるのですか?」
「訓練というか、なんだろうね。あの2人は元々お互いをライバル視していたからね。日常茶飯事というか、良くある光景だよ」
「お怪我とか」
「怪我しても自業自得。その対処まで含めて訓練だから。あまりに酷いと私が治療するハメになるけどね」
「そういえば、マリアさんは?」
「マリアはジェラルドの所だよ。ちょっと用事を頼んだから」
サミュエル先生が笑いながら私を見た。
「ダニエルとシェーンは「様」がついているのに、マリアは「さん」なんだね」
「マリア様って呼んだら、思いっきり嫌な顔をされたんです。様って付けないでって言われちゃって」
「それで「さん」に落ち着いたんだ」
「妥協してもらいました。呼び捨てでって言われたんですけどね」
「マリアはそう言うだろうね。キャシーちゃんって呼び捨ては抵抗あるの?」
「侯爵家の使用人には抵抗は無いです。他のお家の人だって思っちゃうのかもしれないですね」
「ダニエルにもシェーンにも呼び捨てで良いんだよ?護衛なんだし」
「……頑張ります」
ダニエル様とシェーン様の訓練には決着が付いていた。また向かい合ってるけど、今度は何も持っていない。
「先生、またやるんですか?」
「今度は体術だね。さっきは剣術だったから。で、その次はなんでもアリだろうね」
「なんでもアリ?」
「剣、体術、いろんな武器、魔道具もアリかな?時間内に勝ちゃあ良いんだから。さっきの剣術ではシェーンが勝ったでしょ?ダニエルはこれ以上負けたくないだろうし、シェーンもキャシーちゃんに負けるところを見せたくないだろうからね。キャシーちゃん、モテモテだね」
「嬉しくはないですね。お怪我をしたらって心配になりますもの」
「キャシーちゃんは家の影達の中でも評判が良いんだよ」
「先生のお家のってブランジット公爵家のって事ですよね?私はダニエル様とシェーン様とマリアさんしか知りませんけど」
「学院内に何人か居るよ。キャシーちゃんの護衛って訳じゃなくて、家から貸し出してるのが」
「人材派遣ですね」
「『テンセイシャ』によるアイディアだよ。ブランジット公爵家というか王家にも『テンセイシャ』は居たからね」
「そうなんですね」
しばらく2人とも黙ってしまった。ダニエル様とシェーン様はさっきから投げたり投げられたり、殴ったり殴られたりしている。鳥さん達は日陰になっている所で目を閉じていた。寝ているのかな?
「サミュエル様、キャスリーン様、昼食にしませんか?」
帰ってきていたマリアさんが、サンドウィッチを持ってきてくれた。最近は昼食を食べずに1日2食だったから、ちゃんとした昼食は久しぶりだ。
「ダニエル、シェーン。そこまでにしておきなさい。キャスリーン様の前で何をやっているの?」
マリアさんの声に少しだけ反応した2人だったけど、訓練は終わらないらしい。
「申し訳ありません、キャスリーン様。お見苦しいものを」
「訓練なのでしょう?少し心配ではありますが見苦しくなんてないですよ」
フェルナー侯爵家でも私兵達が訓練してたし、ランベルトお義兄様も交ざってたし、必要な事だって聞いていたから。
私とサミュエル先生とマリアさんで、昼食を食べる。私は動いてないからお腹は空いていない。3切れ食べたけどそこで手が止まってしまった。
「キャシーちゃん、もう良いのかい?」
「動いてませんから」
「元々食が細いのに、心配になるね」
「これでも食べられるようになったんですよ?」
マリアさんの作ってくれたミックスベリージュースは、甘酸っぱくて美味しかった。柑橘類も入っているらしくて、濃厚だけどさっぱりしている。
「美味しかったです」
「お口に合いましたか?」
「はい。ありがとうございました」
食後は少し休んでサミュエル先生に魔力配分を教えてもらった。初日に言われてずっと気になっていたんだけど、私は目の前の患者に全力を出そうとしてしまうらしい。それが悪いとは言わないけど続けていると、魔力切れになるのが早くなるそうだ。
「キャシーちゃんは魔力量が多いし、威力が並の光魔法使いの非じゃないから、気にならなかっただろうけど、こういう場所ではね。魔力配分を考えないとやっていけないからね。ジーンもそれを危惧したんだろうし。ここ最近、キャシーちゃんは夕食後すぐに寝ちゃってたでしょ?あれは気絶してるのと同じだよ。気が付かない内に魔力切れ寸前になってたって事だね」
魔力配分の訓練は、魔力を弱く細く長時間続ける事。これが案外難しい。光魔法じゃなくて、水魔法でやってるんだけど、もったいないからってタライに水を溜めている。ダニエル様とシェーン様の汗を流すのに使われたらしい。それでもまだまだ水は出せるから続けているんだけど、今度は鳥さん達が水を飲みだした。美味しいらしく何度も飲みにくる。
「お嬢さん、魔法の練習かい?」
ジェラルドさんがやって来た。サミュエル先生と話があったらしい。
「気持ちいい?」
私が鳥さんの首を掻いている間に、ダニエル様が大きな窪みを作って、シェーン様がそこに水を溜めていた。あれ?シェーン様って水魔法も使えるの?鳥さんから降りて、シェーン様の側に行く。
「吐水の魔道具です。お屋敷や学院でも使われていますよ」
そうだった。あまりにも普通に存在しているから、魔道具だって忘れちゃうんだよね。
「私も手伝いましょうか?」
「キャスリーン様はそちらでお休みください。ボロンガ鳥まで見に来てしまいましたよ」
私の後ろから鳥さんが首を伸ばして、真っ黒な瞳で溜まっていく水を眺めていた。瞳が期待でキラキラしている気がする。
「お嬢ちゃんも水浴びするか?」
「しません」
「水浴びってのは冗談だけどさ。足だけでも浸けて影で涼んだら?」
「影でですか?」
影だったら涼しいよね。でもいいのかな?
「そこのデッキに椅子とタライを出して、足を浸けると良い」
ダニエル様の言葉に、シェーン様がさっさと準備をしてしまった。デッキチェアのような低い椅子まで準備されている。
室内で靴とストッキングを脱いで、デッキに出る。今日は休みだからワンピースを着ていた。
「失礼します」
用意された椅子に座って足を持ち上げてタライの水に浸す。
「気持ちいい」
屋根のひさしが影を落としていて、風が通って気持ちいい。鳥さんも水浴びを終えたらしく、今は水の中に座って気持ち良さそうにしていた。
その内ウトウトしてしまったらしい。気が付いたらサミュエル先生が戻ってきていた。
「よく眠れたかな?」
「せっ、先生、お戻りになっていたのですね」
「ついさっき戻ったよ。はい。お土産」
ポイっと口の中に黒っぽいツブツブとしたベリーが放り込まれた。甘酸っぱくて美味しい。
「ブラックベリーだよ。ジャムになっているのも買ってきたから、マリアに何か作ってもらおう」
「私も何か出来ませんか?」
「キャシーちゃんは今日は休む事が仕事だよ」
休む事がって言われても、何かをしていたいんだよね。具体的には思い付かないけど。
「帰ってきたら、ダニエルとシェーンがお姫様に侍る騎士のようにキャシーちゃんを守っててさ。見ていて面白かったよ」
「面白がらないでください」
そういえば、サンダルを履いているけど、誰が?ダニエル様やシェーン様だったら恥ずかしいんだけど。
「ダニエル様とシェーン様は、どうして戦っておられるのですか?」
「訓練というか、なんだろうね。あの2人は元々お互いをライバル視していたからね。日常茶飯事というか、良くある光景だよ」
「お怪我とか」
「怪我しても自業自得。その対処まで含めて訓練だから。あまりに酷いと私が治療するハメになるけどね」
「そういえば、マリアさんは?」
「マリアはジェラルドの所だよ。ちょっと用事を頼んだから」
サミュエル先生が笑いながら私を見た。
「ダニエルとシェーンは「様」がついているのに、マリアは「さん」なんだね」
「マリア様って呼んだら、思いっきり嫌な顔をされたんです。様って付けないでって言われちゃって」
「それで「さん」に落ち着いたんだ」
「妥協してもらいました。呼び捨てでって言われたんですけどね」
「マリアはそう言うだろうね。キャシーちゃんって呼び捨ては抵抗あるの?」
「侯爵家の使用人には抵抗は無いです。他のお家の人だって思っちゃうのかもしれないですね」
「ダニエルにもシェーンにも呼び捨てで良いんだよ?護衛なんだし」
「……頑張ります」
ダニエル様とシェーン様の訓練には決着が付いていた。また向かい合ってるけど、今度は何も持っていない。
「先生、またやるんですか?」
「今度は体術だね。さっきは剣術だったから。で、その次はなんでもアリだろうね」
「なんでもアリ?」
「剣、体術、いろんな武器、魔道具もアリかな?時間内に勝ちゃあ良いんだから。さっきの剣術ではシェーンが勝ったでしょ?ダニエルはこれ以上負けたくないだろうし、シェーンもキャシーちゃんに負けるところを見せたくないだろうからね。キャシーちゃん、モテモテだね」
「嬉しくはないですね。お怪我をしたらって心配になりますもの」
「キャシーちゃんは家の影達の中でも評判が良いんだよ」
「先生のお家のってブランジット公爵家のって事ですよね?私はダニエル様とシェーン様とマリアさんしか知りませんけど」
「学院内に何人か居るよ。キャシーちゃんの護衛って訳じゃなくて、家から貸し出してるのが」
「人材派遣ですね」
「『テンセイシャ』によるアイディアだよ。ブランジット公爵家というか王家にも『テンセイシャ』は居たからね」
「そうなんですね」
しばらく2人とも黙ってしまった。ダニエル様とシェーン様はさっきから投げたり投げられたり、殴ったり殴られたりしている。鳥さん達は日陰になっている所で目を閉じていた。寝ているのかな?
「サミュエル様、キャスリーン様、昼食にしませんか?」
帰ってきていたマリアさんが、サンドウィッチを持ってきてくれた。最近は昼食を食べずに1日2食だったから、ちゃんとした昼食は久しぶりだ。
「ダニエル、シェーン。そこまでにしておきなさい。キャスリーン様の前で何をやっているの?」
マリアさんの声に少しだけ反応した2人だったけど、訓練は終わらないらしい。
「申し訳ありません、キャスリーン様。お見苦しいものを」
「訓練なのでしょう?少し心配ではありますが見苦しくなんてないですよ」
フェルナー侯爵家でも私兵達が訓練してたし、ランベルトお義兄様も交ざってたし、必要な事だって聞いていたから。
私とサミュエル先生とマリアさんで、昼食を食べる。私は動いてないからお腹は空いていない。3切れ食べたけどそこで手が止まってしまった。
「キャシーちゃん、もう良いのかい?」
「動いてませんから」
「元々食が細いのに、心配になるね」
「これでも食べられるようになったんですよ?」
マリアさんの作ってくれたミックスベリージュースは、甘酸っぱくて美味しかった。柑橘類も入っているらしくて、濃厚だけどさっぱりしている。
「美味しかったです」
「お口に合いましたか?」
「はい。ありがとうございました」
食後は少し休んでサミュエル先生に魔力配分を教えてもらった。初日に言われてずっと気になっていたんだけど、私は目の前の患者に全力を出そうとしてしまうらしい。それが悪いとは言わないけど続けていると、魔力切れになるのが早くなるそうだ。
「キャシーちゃんは魔力量が多いし、威力が並の光魔法使いの非じゃないから、気にならなかっただろうけど、こういう場所ではね。魔力配分を考えないとやっていけないからね。ジーンもそれを危惧したんだろうし。ここ最近、キャシーちゃんは夕食後すぐに寝ちゃってたでしょ?あれは気絶してるのと同じだよ。気が付かない内に魔力切れ寸前になってたって事だね」
魔力配分の訓練は、魔力を弱く細く長時間続ける事。これが案外難しい。光魔法じゃなくて、水魔法でやってるんだけど、もったいないからってタライに水を溜めている。ダニエル様とシェーン様の汗を流すのに使われたらしい。それでもまだまだ水は出せるから続けているんだけど、今度は鳥さん達が水を飲みだした。美味しいらしく何度も飲みにくる。
「お嬢さん、魔法の練習かい?」
ジェラルドさんがやって来た。サミュエル先生と話があったらしい。
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢にされたので婚約破棄を受け入れたら、なぜか全員困っています
かきんとう
恋愛
王城の大広間は、いつも以上に華やいでいた。
磨き上げられた床は燭台の光を反射し、色とりどりのドレスが揺れるたびに、まるで花畑が動いているかのように見える。貴族たちの笑い声、楽団の優雅な旋律、そして、ひそやかな噂話が、空気を満たしていた。
その中心に、私は立っていた。
――今日、この瞬間のために。
「エレノア・フォン・リーベルト嬢」
高らかに呼ばれた私の名に、ざわめきがぴたりと止む。
誘拐された公爵令嬢ですが、なぜか皇帝に溺愛されています』
富士山麓
恋愛
舞踏会で王太子から婚約破棄を告げられそうになった瞬間――
目の前に現れたのは、馬に乗った仮面の皇帝だった。
そのまま攫われた公爵令嬢ビアンキーナは、誘拐されたはずなのに超VIP待遇。
一方、助けようともしなかった王太子は「無能」と嘲笑され、静かに失墜していく。
選ばれる側から、選ぶ側へ。
これは、誰も断罪せず、すべてを終わらせた令嬢の物語。
【完結】広間でドレスを脱ぎ捨てた公爵令嬢は優しい香りに包まれる【短編】
青波鳩子
恋愛
シャーリー・フォークナー公爵令嬢は、この国の第一王子であり婚約者であるゼブロン・メルレアンに呼び出されていた。
婚約破棄は皆の総意だと言われたシャーリーは、ゼブロンの友人たちの総意では受け入れられないと、王宮で働く者たちの意見を集めて欲しいと言う。
そんなことを言いだすシャーリーを小馬鹿にするゼブロンと取り巻きの生徒会役員たち。
それで納得してくれるのならと卒業パーティ会場から王宮へ向かう。
ゼブロンは自分が住まう王宮で集めた意見が自分と食い違っていることに茫然とする。
*別サイトにアップ済みで、加筆改稿しています。
*約2万字の短編です。
*完結しています。
*11月8日22時に1、2、3話、11月9日10時に4、5、最終話を投稿します。
完結 王族の醜聞がメシウマ過ぎる件
音爽(ネソウ)
恋愛
王太子は言う。
『お前みたいなつまらない女など要らない、だが優秀さはかってやろう。第二妃として存分に働けよ』
『ごめんなさぁい、貴女は私の代わりに公儀をやってねぇ。だってそれしか取り柄がないんだしぃ』
公務のほとんどを丸投げにする宣言をして、正妃になるはずのアンドレイナ・サンドリーニを蹴落とし正妃の座に就いたベネッタ・ルニッチは高笑いした。王太子は彼女を第二妃として迎えると宣言したのである。
もちろん、そんな事は罷りならないと王は反対したのだが、その言葉を退けて彼女は同意をしてしまう。
屈辱的なことを敢えて受け入れたアンドレイナの真意とは……
*表紙絵自作
旦那様、離婚しましょう ~私は冒険者になるのでご心配なくっ~
榎夜
恋愛
私と旦那様は白い結婚だ。体の関係どころか手を繋ぐ事もしたことがない。
ある日突然、旦那の子供を身籠ったという女性に離婚を要求された。
別に構いませんが......じゃあ、冒険者にでもなろうかしら?
ー全50話ー
記憶が戻ったのは婚約が解消された後でした。
しゃーりん
恋愛
王太子殿下と婚約している公爵令嬢ダイアナは目を覚ますと自分がどこにいるのかわからなかった。
眠る前と部屋の雰囲気が違ったからだ。
侍女とも話が噛み合わず、どうやら丸一年間の記憶がダイアナにはなかった。
ダイアナが記憶にないその一年の間に、王太子殿下との婚約は解消されており、別の男性と先日婚約したばかりだった。
彼が好きになったのは記憶のないダイアナであるため、ダイアナは婚約を解消しようとするお話です。
何もしなかっただけです
希臘楽園
ファンタジー
公爵令嬢であり王太子の婚約者であった私は、「地味だ」という理由で婚約を破棄され、王宮を去った。
それまで私が担っていた役目を、誰も知らないまま。
――ただ何もしなくなっただけで、すべては静かに崩れていく。
AIに書かせてみた第14弾は、「追放ざまぁ」系の短編。