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学院初等部 4学年生
ミア様の相談事
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新学期が始まって1ヶ月程経ち、樹々が黄色に染まる頃、ミア・ブレイシー様が深刻そうな顔で私に話しかけた。
「フェルナー様、少しよろしいでしょうか?」
「私?」
「あの、他の皆様にもお話を聞いていただきたいのですけれど」
「あら、私達にも?」
イザベラ様が面白そうな声をあげる。ミア様とは今まであまり接点が無かったものね。私に話しかけてくる以外。
「どうなさったのかしら?ブレイシー様にとって私達は、己の好奇心を満たしあちこちで仲の良いお友達と面白おかしく噂する程度なのではなくて?」
イザベラ様の分かりやすい皮肉に、ミア・ブレイシー様が顔を歪める。
「それは申し訳ないと思っておりますわ」
「そうですわよね。あのように信憑性の欠片もない、誇大妄想を声高に語られるその事だけは、少し位は反省なさっておられるようですわね。お父様に叱られたようですし。ブレイシー家の塔に閉じ込めての反省文でしたかしら?」
「塔に閉じ込めての反省文?」
「母が茶会で聞いてきたそうですわ。ブレイシー家には幽閉の為の塔があって、ミア様は夏季休暇中、そこに閉じ込められたと。噂話ですわよ。真偽のほどは分かりませんけど。ミア様の様子を見るに本当のようですわね」
泣き出しそうになって俯いてしまったミア・ブレイシー様を、リリス様が慰める。リリス様は見てられないんだろうな。お優しい方だし。
「イザベラ様、言い過ぎですわよ?」
「私は面白おかしく言ったわけではございませんわ。ブレイシー様に噂された痛みを知っていただこうと……」
「同じ事をしたと?イザベラ様まで同じ所に降りなくても良かったのでは?そんな事をすれば、イザベラ様の品位を落としましてよ?」
「品位を……」
あぁっ。ミア・ブレイシー様にまで流れ弾がいってしまった。さらに落ち込んじゃった。リリス様に困ったように見られたけど、どうにかしなきゃいけないよね。
「ブレイシー様、何かお話があったのでは?」
焦って私が言うと、ミア・ブレイシー様のお友達がブレイシー様の後ろから援護をしだした。
「先程イザベラ・ウォーリー侯爵令嬢様の仰った件ですわ。事実と違う噂が流れてしまって」
「ミア様も反省なさっているのです。お力をお貸し願えませんか?」
事実と違う噂が広がった。なぁんだ、そんな事か、なんて思っちゃいけない。噂話で失脚する貴族だっているのだ。ここにいる全員は、その怖さを知っている。
「力をと言われましても……。どうすればいいのか……」
社交界にまで広がっているんだよね?この噂。ん?夏季休暇中の話がこんなに早く広まったの?
「イザベラ様、そのお話をお母上様からお聞きになったのは、いつの事ですか?」
「え?そうですわね。10日程前ですわ。お母様がお手紙で報せてくださいましたの」
「おかしくありませんか?ブレイシー様が反省を促されたのが、この夏季休暇中でしたわよね?」
コクリとミア・ブレイシー様が頷く。
「おかしい?」
「噂の速度が早すぎるのです。ブレイシー様のお家の誰かが口を滑らせたとしても、イザベラ様のお母様がお耳になさるのが早すぎます。ウォーリー侯爵家とブレイシー伯爵家とは接点はございませんわよね?」
「そう記憶しておりますわ。領地も離れていますし私達が同学年だという以外、特に。ねぇ?」
問われたブレイシー様が頷く。
「でしたらなおさらですわ。お茶会に共通のご友人が居れば別ですけど」
「共通の友人ですか?」
イザベラ様とブレイシー様が顔を見合わせて首をかしげた。
「心当たりは無いですわね、もっともお母様の交遊関係を全て知ってはおりませんが」
「私もですわ。それでもウォーリー侯爵家と繋がりがあったなら、自慢されていたと思いますわ。侯爵家の方と親しいなんてお母様が自慢しないはずございませんもの」
「そうですわ。おば様にも何度もお目にかかって、お話もさせていただいておりますけど、侯爵家と親しいなんて聞いた事がございません」
「私達とも親しく話してくださいますけれど。ついぞ伺った事がございませんわ」
「お母様はお親しくなられたいでしょうけど。話しかけられると緊張してしまわれるのですって」
「緊張?」
「お母様はお気が小さくてあられるのですわ。お気はお小さいですけれど、上級貴族に憧れがあって、お話しされたいそうですの。それがご自分のステータスだとお思いになられていらっしゃるのですわ」
つまりは「上級貴族と仲が良い私ってスゴいでしょ?」って事かな?でも伯爵階級も上級貴族の括りなんだけどな。
「お母上様の事は何となくですけれど分かりましたわ。推測するしかないのですけれど、ブレイシー様のお家のお親しい方にお母様がチラリとお話になって、それを推測で口にされた方がいらっしゃったのではないかと。噂話は大袈裟に話した方が面白いようですし。ただ、目的が分からないのです」
「目的ですか?」
「ブレイシー様を陥れるではございませんけれど、確実に困ってはらっしゃるでしょう?そのような状態にする目的です」
原因も不明だけどね。
「ただ、ブレイシー様が反省したのならば、噂は徐々に消えていくと思いますわ。悪い噂ではないのですし」
「そんなぁ……」
ミア・ブレイシー様が再び泣きそうになる。
「キャスリーン様……」
「そこで私を見られましても」
困っちゃうんだよね。噂を完全に消すなんて私には出来ないし、その方法も知らない。方法は思い付くよ?より大きなセンセーショナルな話題で上書きしちゃえば良いんだもの。
でもその大きなセンセーショナルな話題って何?基本的に学院は平和だ。そこで社交界にまで広がっているミア・ブレイシー様の、噂を打ち消せるほどの話題って……。
「あ……」
「キャスリーン様?」
「フィンチー兄弟のご婚約の結び直しとか?」
「フィンチー兄弟のご婚約の結び直し?フィンチー兄弟って、ご婚約者様と仲のお悪い方と、過剰に仲良くなさっておられる方のお2人ですわよね?ご婚約を結び直されましたの?」
ブレイシー様のお友達が食い付いた。やっぱり知っているんだ。
「知っておりますわ。ガウェイン・フィンチー様がフィオナ・イースデイル様に罵詈雑言を浴びせていたのは、すべて演技だったとか。ご兄弟でお互いのご婚約者様と心を通わせておられて、フィンチー伯爵様にこの夏季休暇一杯使って説得に説得を重ねられたと、お母様が言っておられましたもの。フィンチー伯爵夫人から直接伺いましたのですって」
「その話をもう少し美談にして、噂として流すのはいかがでしょう。もちろん、お2組の了承を得た上でですけれど」
「お2組の了承を得た上で?私達は直接存じ上げないのですけれど」
「あの、そのお2組でしたら、よく医師資格取得の特別講座の教室にいらっしゃいますわ。お話ししてみましょうか?」
リリス様が申し出てくれた。
「ふふっ。私もおりますわよ、リリス様。一緒にお話ししましょうね」
「はい」
「あのぉ……。その噂はどうやって流すのですか?」
「もちろん、あなた方のお友達を使うのですわ。使うというのは少し違いますわね。あなた方が噂で聞いたのですけれど、とお友達にお話になれば、お友達はいろんな人に話してくださるでしょう?」
「それはそうですが」
「お喋りサロンの皆様も、そういった話題はお好きですし」
お喋りサロンってあるのね。
「ただ、少し時間がかかるやもしれません。とりあえずは学院内でのみ、噂が抑えられればよろしいのですわよね?」
「はい。申し訳ございません」
「あらあら。この場合は謝罪ではありませんわ。上手くいけば感謝の言葉をいただきたいですわね。後は皆様からの繋がりを」
「繋がり?ですか?」
「はっきり言えば情報網ですわ。こういう噂があると教えていただきたいのです。私達に関係がありそうな噂をですわね」
「フェルナー様、少しよろしいでしょうか?」
「私?」
「あの、他の皆様にもお話を聞いていただきたいのですけれど」
「あら、私達にも?」
イザベラ様が面白そうな声をあげる。ミア様とは今まであまり接点が無かったものね。私に話しかけてくる以外。
「どうなさったのかしら?ブレイシー様にとって私達は、己の好奇心を満たしあちこちで仲の良いお友達と面白おかしく噂する程度なのではなくて?」
イザベラ様の分かりやすい皮肉に、ミア・ブレイシー様が顔を歪める。
「それは申し訳ないと思っておりますわ」
「そうですわよね。あのように信憑性の欠片もない、誇大妄想を声高に語られるその事だけは、少し位は反省なさっておられるようですわね。お父様に叱られたようですし。ブレイシー家の塔に閉じ込めての反省文でしたかしら?」
「塔に閉じ込めての反省文?」
「母が茶会で聞いてきたそうですわ。ブレイシー家には幽閉の為の塔があって、ミア様は夏季休暇中、そこに閉じ込められたと。噂話ですわよ。真偽のほどは分かりませんけど。ミア様の様子を見るに本当のようですわね」
泣き出しそうになって俯いてしまったミア・ブレイシー様を、リリス様が慰める。リリス様は見てられないんだろうな。お優しい方だし。
「イザベラ様、言い過ぎですわよ?」
「私は面白おかしく言ったわけではございませんわ。ブレイシー様に噂された痛みを知っていただこうと……」
「同じ事をしたと?イザベラ様まで同じ所に降りなくても良かったのでは?そんな事をすれば、イザベラ様の品位を落としましてよ?」
「品位を……」
あぁっ。ミア・ブレイシー様にまで流れ弾がいってしまった。さらに落ち込んじゃった。リリス様に困ったように見られたけど、どうにかしなきゃいけないよね。
「ブレイシー様、何かお話があったのでは?」
焦って私が言うと、ミア・ブレイシー様のお友達がブレイシー様の後ろから援護をしだした。
「先程イザベラ・ウォーリー侯爵令嬢様の仰った件ですわ。事実と違う噂が流れてしまって」
「ミア様も反省なさっているのです。お力をお貸し願えませんか?」
事実と違う噂が広がった。なぁんだ、そんな事か、なんて思っちゃいけない。噂話で失脚する貴族だっているのだ。ここにいる全員は、その怖さを知っている。
「力をと言われましても……。どうすればいいのか……」
社交界にまで広がっているんだよね?この噂。ん?夏季休暇中の話がこんなに早く広まったの?
「イザベラ様、そのお話をお母上様からお聞きになったのは、いつの事ですか?」
「え?そうですわね。10日程前ですわ。お母様がお手紙で報せてくださいましたの」
「おかしくありませんか?ブレイシー様が反省を促されたのが、この夏季休暇中でしたわよね?」
コクリとミア・ブレイシー様が頷く。
「おかしい?」
「噂の速度が早すぎるのです。ブレイシー様のお家の誰かが口を滑らせたとしても、イザベラ様のお母様がお耳になさるのが早すぎます。ウォーリー侯爵家とブレイシー伯爵家とは接点はございませんわよね?」
「そう記憶しておりますわ。領地も離れていますし私達が同学年だという以外、特に。ねぇ?」
問われたブレイシー様が頷く。
「でしたらなおさらですわ。お茶会に共通のご友人が居れば別ですけど」
「共通の友人ですか?」
イザベラ様とブレイシー様が顔を見合わせて首をかしげた。
「心当たりは無いですわね、もっともお母様の交遊関係を全て知ってはおりませんが」
「私もですわ。それでもウォーリー侯爵家と繋がりがあったなら、自慢されていたと思いますわ。侯爵家の方と親しいなんてお母様が自慢しないはずございませんもの」
「そうですわ。おば様にも何度もお目にかかって、お話もさせていただいておりますけど、侯爵家と親しいなんて聞いた事がございません」
「私達とも親しく話してくださいますけれど。ついぞ伺った事がございませんわ」
「お母様はお親しくなられたいでしょうけど。話しかけられると緊張してしまわれるのですって」
「緊張?」
「お母様はお気が小さくてあられるのですわ。お気はお小さいですけれど、上級貴族に憧れがあって、お話しされたいそうですの。それがご自分のステータスだとお思いになられていらっしゃるのですわ」
つまりは「上級貴族と仲が良い私ってスゴいでしょ?」って事かな?でも伯爵階級も上級貴族の括りなんだけどな。
「お母上様の事は何となくですけれど分かりましたわ。推測するしかないのですけれど、ブレイシー様のお家のお親しい方にお母様がチラリとお話になって、それを推測で口にされた方がいらっしゃったのではないかと。噂話は大袈裟に話した方が面白いようですし。ただ、目的が分からないのです」
「目的ですか?」
「ブレイシー様を陥れるではございませんけれど、確実に困ってはらっしゃるでしょう?そのような状態にする目的です」
原因も不明だけどね。
「ただ、ブレイシー様が反省したのならば、噂は徐々に消えていくと思いますわ。悪い噂ではないのですし」
「そんなぁ……」
ミア・ブレイシー様が再び泣きそうになる。
「キャスリーン様……」
「そこで私を見られましても」
困っちゃうんだよね。噂を完全に消すなんて私には出来ないし、その方法も知らない。方法は思い付くよ?より大きなセンセーショナルな話題で上書きしちゃえば良いんだもの。
でもその大きなセンセーショナルな話題って何?基本的に学院は平和だ。そこで社交界にまで広がっているミア・ブレイシー様の、噂を打ち消せるほどの話題って……。
「あ……」
「キャスリーン様?」
「フィンチー兄弟のご婚約の結び直しとか?」
「フィンチー兄弟のご婚約の結び直し?フィンチー兄弟って、ご婚約者様と仲のお悪い方と、過剰に仲良くなさっておられる方のお2人ですわよね?ご婚約を結び直されましたの?」
ブレイシー様のお友達が食い付いた。やっぱり知っているんだ。
「知っておりますわ。ガウェイン・フィンチー様がフィオナ・イースデイル様に罵詈雑言を浴びせていたのは、すべて演技だったとか。ご兄弟でお互いのご婚約者様と心を通わせておられて、フィンチー伯爵様にこの夏季休暇一杯使って説得に説得を重ねられたと、お母様が言っておられましたもの。フィンチー伯爵夫人から直接伺いましたのですって」
「その話をもう少し美談にして、噂として流すのはいかがでしょう。もちろん、お2組の了承を得た上でですけれど」
「お2組の了承を得た上で?私達は直接存じ上げないのですけれど」
「あの、そのお2組でしたら、よく医師資格取得の特別講座の教室にいらっしゃいますわ。お話ししてみましょうか?」
リリス様が申し出てくれた。
「ふふっ。私もおりますわよ、リリス様。一緒にお話ししましょうね」
「はい」
「あのぉ……。その噂はどうやって流すのですか?」
「もちろん、あなた方のお友達を使うのですわ。使うというのは少し違いますわね。あなた方が噂で聞いたのですけれど、とお友達にお話になれば、お友達はいろんな人に話してくださるでしょう?」
「それはそうですが」
「お喋りサロンの皆様も、そういった話題はお好きですし」
お喋りサロンってあるのね。
「ただ、少し時間がかかるやもしれません。とりあえずは学院内でのみ、噂が抑えられればよろしいのですわよね?」
「はい。申し訳ございません」
「あらあら。この場合は謝罪ではありませんわ。上手くいけば感謝の言葉をいただきたいですわね。後は皆様からの繋がりを」
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