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学院中等部 8学年生
離宮への訪問
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離宮への訪問の日がやって来た。
今日はゲストが居る。落ち着いた40歳代の女性で、お名前はアリスン・ハミントン様。第2王子の元婚約者のステラ・キューロー様の乳母だった女性だそうだ。
ステラ・キューロー様がお亡くなりになってしばらくは旦那様のご実家近くにお住まいになっていたんだけど、ここ数年は王都に出てくる事が増えたんだそうだ。
今回も第2王子の打診に、離宮への訪問を引き受けてくださったそうだ。後からアリスン・ハミントン様が到着されたんだけど、一気に場が賑やかになった。
「光の聖女様とご一緒出来るなんて。噂では聞いておりましたけれど、なんて愛らしい。それにご聡明であられるのですって?ステラ様が生きておられれば、会いたいと仰られたでしょうに。このドレスもとてもお似合いですわ。もっと明るいお色も似合うと思いますけれど」
マシンガントークが繰り広げられている。口を挟む余地もないのよ。私が言葉を発したのは、最初の挨拶の時だけ。後はアリスン・ハミントン様の独壇場。サミュエル先生も口を開かないの。
離宮にアリスン・ハミントン様が訪ねていらっしゃって、席に着いておおよそ10分。ひとりでしゃべっている。第2王子とサフィア様は懐かしげだし、どうやら知り合いっぽい。第2王子は分かるけど、サフィア様もお知り合いなのかしら?ステラ・キューロー様のご関係?
「アリスン、その位で。今日来てもらったのは、少し話を聞いてもらいたくてね」
第2王子が口を挟んで、ようやくマシンガントークが止まった。
「まぁまぁまぁ、何でしょう?」
「相変わらずだね、アリスンは。単刀直入に言うよ。ステラが最期に言い残した言葉の意味を、教えてもらいたい」
「意味?お分かりになっておられなかったのですか?あなた様が?お嬢様が誰よりも愛したあなた様が?」
「私が聞いたのは『It's always darkest before the dawn』という言葉と、『Every cloud has a silver lining』という言葉だ。最初の意味は分かるが、2つ目の意味は分からない。教えてくれ」
『It's always darkest before the dawn』と、『Every cloud has a silver lining』は前世の英語のことわざだったと思う。
『It's always darkest before the dawn』は意訳すると『明けない夜はない』となり、「苦しい状況はずっと続くわけではない」という意味になる。
2つ目の『Every cloud has a silver lining』は、意訳すると『石の上にも三年』が1番近いと思う。「どんな絶望の中にも必ず希望はある」といったような意味だったと思ったけど。『石の上にも三年』は「我慢強く耐え忍べば、必ず成功する」という意味だから、少し違うかしら?
サミュエル先生は少し考えて分かったようだ。でも、この言葉をステラ・キューロー様に教えたのは誰だろう?
「お嬢様はあなた様ならお分かりになると、信じておられましたのに」
「夜明け前は暗いが、1番ではないだろう?」
あ、駄目だ。たぶん第2王子は言葉の意味そのままに受け取っている。
「ジェームス、君はいつも人に裏の意味を考えろと言うくせに、その言葉の裏の意味も考えられないのかい?」
「サミィ兄様?」
「お得意の裏の意味だよ?考えてごらん」
サミュエル先生の助け舟も功を奏さなかったようで、第2王子は真剣に考え込んでいる。
考え込んじゃってる第2王子は放置して、アリスン・ハミントン様はサフィア様の相談に乗っている。誘い方のテクニックがどうの、体位がどうの、男性の悦ぶ部位が、とキワドイ話題になってきて、サミュエル先生が私の耳を塞いだ。
「先生、大丈夫ですわよ?」
「聞かせたくないんだよ。私が個人的に」
「かなりキワドイお話ですものねぇ」
「ここに未婚の女性が居るって、忘れているんだろうね。もう帰ろうか?」
「ハミントン様を放ってですか?第2王子殿下が帰りの馬車なんかは手配しそうですけれど」
「手配ねぇ。なんだか忘れそうで怖いんだよね」
「ですわよね」
侍女が持ってきたお茶とお茶菓子を摘まみながら、話をする。私の耳を塞いでいた先生の手は、外してもらった。
「さっきの言葉って、意味は分かった?」
「前世の英語のことわざだったと思います。私も詳しくはございませんが」
「ゼンセの言葉か。わりあいストレートなプロヴァーブだよね」
「そうですわね」
「キャシーちゃんのゼンセの言葉に、似たような意味の言葉は無いの?」
「ございます。最初のは『明けない夜はない』、2つ目は『石の上にも三年』でしょうか。2つ目は多少意味が違っているかもしれません」
こそこそと話をしていると、話し声がやんで、サフィア様とハミントン様が、こっちを見ていた。
「なにかな?」
「とてもお似合いだと思いまして」
「惜しむらくは年齢ですけれど、不思議とそんなにお年に差があるように、思えないのですのよねぇ」
「フェルナー様が大人びていらっしゃるのと、ブランジット様が若々しいからでしょうかしら?」
「そうですわね」
イジられている気がする。第2王子はずっとブツブツと考えていたけど、顔をあげてサミュエル先生を見た。
「分かったのかい?」
「いいえ」
ものすごく悔しいんだと思う。顔が歪んでいるもの。
「夜明け前というのは真夜中だろう?その状況を時間ではなく、人に当てはめてごらん?どういう時が真夜中だと感じる?」
「どういう時……」
「まず、真夜中のイメージは?」
「夜ですよね?」
至極当然の顔をして、第2王子が答える。
「イメージを聞いたんだよ?」
第2王子ってもっと頭の回転が速いと思ってたんだけど、ずいぶんイメージが違うな。裏の意味を考えて察して動けって自分が言っていたのに、どうして分からないんだろう?
「夜はどんな状態かな?街の様子は?」
「誰も外に出ていません。街は人気が無く静まり返っています」
「それはなぜだと思う?」
「夜だから」
発想から抜け出せないのかしら?考えが固まっちゃうと、新たに考える事が難しいのよね。
「うーん。ジェームス、君は相変わらずキューロー嬢に関する事には、知能が下がるねぇ」
「すみません」
「サフィア妃は意味が分かっているかい?」
「あまり分かっておりません。夜明け前ですから暗くて当たり前ですが……、もしかしてその後に朝が来る?」
「その通りだよ。夜は暗いが必ず朝が来る。朝日が射して明るくなる。キャシーちゃんはテンセイシャだというのは知ってるね?ゼンセでのよく似た意味の言葉に「明けない夜はない」というのがあるそうだ」
「明けない夜はない……。夜は暗いけど必ず朝が来る。朝が来ると明るくなる」
「もしかして……」
「なんだい?サフィア妃」
「いつか希望の光が見えるとか、そういう意味でしょうか?」
「その通りらしいよ。キャシーちゃん、解説をお願いしても?」
「私がですの?」
サミュエル先生を見ると、うんうんと頷かれた。
「殿下が仰いましたが、夜は暗くとも、必ず朝がやって来ます。先程、殿下は考え込まれておられましたが、サフィア様の解釈を聞いてどう思われましたか?」
「目の前が開けたような感じだった。真っ暗闇に突然光が見えたような……」
「正しくその状況です。どんなに苦しくとも苦しい状況はずっと続くわけではございません。解決する直前が1番苦しいと感じる時でしょう。それを夜明け前に準えたのですわね」
「1つ目の意味は分かった。では2つ目は?」
「先生、良いですか?」
「良いよ。言ってやって」
「2つ目は『Every cloud has a silver lining』でしたね。雲の上にある物を考えると、意味が分かってくるかもしれません」
今日はゲストが居る。落ち着いた40歳代の女性で、お名前はアリスン・ハミントン様。第2王子の元婚約者のステラ・キューロー様の乳母だった女性だそうだ。
ステラ・キューロー様がお亡くなりになってしばらくは旦那様のご実家近くにお住まいになっていたんだけど、ここ数年は王都に出てくる事が増えたんだそうだ。
今回も第2王子の打診に、離宮への訪問を引き受けてくださったそうだ。後からアリスン・ハミントン様が到着されたんだけど、一気に場が賑やかになった。
「光の聖女様とご一緒出来るなんて。噂では聞いておりましたけれど、なんて愛らしい。それにご聡明であられるのですって?ステラ様が生きておられれば、会いたいと仰られたでしょうに。このドレスもとてもお似合いですわ。もっと明るいお色も似合うと思いますけれど」
マシンガントークが繰り広げられている。口を挟む余地もないのよ。私が言葉を発したのは、最初の挨拶の時だけ。後はアリスン・ハミントン様の独壇場。サミュエル先生も口を開かないの。
離宮にアリスン・ハミントン様が訪ねていらっしゃって、席に着いておおよそ10分。ひとりでしゃべっている。第2王子とサフィア様は懐かしげだし、どうやら知り合いっぽい。第2王子は分かるけど、サフィア様もお知り合いなのかしら?ステラ・キューロー様のご関係?
「アリスン、その位で。今日来てもらったのは、少し話を聞いてもらいたくてね」
第2王子が口を挟んで、ようやくマシンガントークが止まった。
「まぁまぁまぁ、何でしょう?」
「相変わらずだね、アリスンは。単刀直入に言うよ。ステラが最期に言い残した言葉の意味を、教えてもらいたい」
「意味?お分かりになっておられなかったのですか?あなた様が?お嬢様が誰よりも愛したあなた様が?」
「私が聞いたのは『It's always darkest before the dawn』という言葉と、『Every cloud has a silver lining』という言葉だ。最初の意味は分かるが、2つ目の意味は分からない。教えてくれ」
『It's always darkest before the dawn』と、『Every cloud has a silver lining』は前世の英語のことわざだったと思う。
『It's always darkest before the dawn』は意訳すると『明けない夜はない』となり、「苦しい状況はずっと続くわけではない」という意味になる。
2つ目の『Every cloud has a silver lining』は、意訳すると『石の上にも三年』が1番近いと思う。「どんな絶望の中にも必ず希望はある」といったような意味だったと思ったけど。『石の上にも三年』は「我慢強く耐え忍べば、必ず成功する」という意味だから、少し違うかしら?
サミュエル先生は少し考えて分かったようだ。でも、この言葉をステラ・キューロー様に教えたのは誰だろう?
「お嬢様はあなた様ならお分かりになると、信じておられましたのに」
「夜明け前は暗いが、1番ではないだろう?」
あ、駄目だ。たぶん第2王子は言葉の意味そのままに受け取っている。
「ジェームス、君はいつも人に裏の意味を考えろと言うくせに、その言葉の裏の意味も考えられないのかい?」
「サミィ兄様?」
「お得意の裏の意味だよ?考えてごらん」
サミュエル先生の助け舟も功を奏さなかったようで、第2王子は真剣に考え込んでいる。
考え込んじゃってる第2王子は放置して、アリスン・ハミントン様はサフィア様の相談に乗っている。誘い方のテクニックがどうの、体位がどうの、男性の悦ぶ部位が、とキワドイ話題になってきて、サミュエル先生が私の耳を塞いだ。
「先生、大丈夫ですわよ?」
「聞かせたくないんだよ。私が個人的に」
「かなりキワドイお話ですものねぇ」
「ここに未婚の女性が居るって、忘れているんだろうね。もう帰ろうか?」
「ハミントン様を放ってですか?第2王子殿下が帰りの馬車なんかは手配しそうですけれど」
「手配ねぇ。なんだか忘れそうで怖いんだよね」
「ですわよね」
侍女が持ってきたお茶とお茶菓子を摘まみながら、話をする。私の耳を塞いでいた先生の手は、外してもらった。
「さっきの言葉って、意味は分かった?」
「前世の英語のことわざだったと思います。私も詳しくはございませんが」
「ゼンセの言葉か。わりあいストレートなプロヴァーブだよね」
「そうですわね」
「キャシーちゃんのゼンセの言葉に、似たような意味の言葉は無いの?」
「ございます。最初のは『明けない夜はない』、2つ目は『石の上にも三年』でしょうか。2つ目は多少意味が違っているかもしれません」
こそこそと話をしていると、話し声がやんで、サフィア様とハミントン様が、こっちを見ていた。
「なにかな?」
「とてもお似合いだと思いまして」
「惜しむらくは年齢ですけれど、不思議とそんなにお年に差があるように、思えないのですのよねぇ」
「フェルナー様が大人びていらっしゃるのと、ブランジット様が若々しいからでしょうかしら?」
「そうですわね」
イジられている気がする。第2王子はずっとブツブツと考えていたけど、顔をあげてサミュエル先生を見た。
「分かったのかい?」
「いいえ」
ものすごく悔しいんだと思う。顔が歪んでいるもの。
「夜明け前というのは真夜中だろう?その状況を時間ではなく、人に当てはめてごらん?どういう時が真夜中だと感じる?」
「どういう時……」
「まず、真夜中のイメージは?」
「夜ですよね?」
至極当然の顔をして、第2王子が答える。
「イメージを聞いたんだよ?」
第2王子ってもっと頭の回転が速いと思ってたんだけど、ずいぶんイメージが違うな。裏の意味を考えて察して動けって自分が言っていたのに、どうして分からないんだろう?
「夜はどんな状態かな?街の様子は?」
「誰も外に出ていません。街は人気が無く静まり返っています」
「それはなぜだと思う?」
「夜だから」
発想から抜け出せないのかしら?考えが固まっちゃうと、新たに考える事が難しいのよね。
「うーん。ジェームス、君は相変わらずキューロー嬢に関する事には、知能が下がるねぇ」
「すみません」
「サフィア妃は意味が分かっているかい?」
「あまり分かっておりません。夜明け前ですから暗くて当たり前ですが……、もしかしてその後に朝が来る?」
「その通りだよ。夜は暗いが必ず朝が来る。朝日が射して明るくなる。キャシーちゃんはテンセイシャだというのは知ってるね?ゼンセでのよく似た意味の言葉に「明けない夜はない」というのがあるそうだ」
「明けない夜はない……。夜は暗いけど必ず朝が来る。朝が来ると明るくなる」
「もしかして……」
「なんだい?サフィア妃」
「いつか希望の光が見えるとか、そういう意味でしょうか?」
「その通りらしいよ。キャシーちゃん、解説をお願いしても?」
「私がですの?」
サミュエル先生を見ると、うんうんと頷かれた。
「殿下が仰いましたが、夜は暗くとも、必ず朝がやって来ます。先程、殿下は考え込まれておられましたが、サフィア様の解釈を聞いてどう思われましたか?」
「目の前が開けたような感じだった。真っ暗闇に突然光が見えたような……」
「正しくその状況です。どんなに苦しくとも苦しい状況はずっと続くわけではございません。解決する直前が1番苦しいと感じる時でしょう。それを夜明け前に準えたのですわね」
「1つ目の意味は分かった。では2つ目は?」
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「良いよ。言ってやって」
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