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学院中等部 9学年生
貴族とは何か
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「聞きたい事があると聞いたのだけど?」
リーサさんが話を促す。
「あ、あぁ。といってもこのお嬢様はアイツらと違うって、この会話だけでも分かったけど。なぁ、お嬢様。貴族だからって商品を無料で渡せと言われて、それを断っちゃいけないって法はないですよね?」
「ございませんわね。貴族法以前に普通に犯罪ですわよ」
「ですよねぇ」
「そういう事がございましたのね?」
「それだけじゃない。この人の娘さんは断ったら殴られたんだ。貴族に楯突くなって」
「それは暴力による傷害事件ですわね。どこかに訴えられたりは?」
「訴えても無駄だって言い捨ててった。自分達は貴族だから平民をどう扱おうと自由だし、もっと言えばこの店を潰す事も簡単に出来るんだって。お前らの所為で店が潰れたら、他の奴らはどう思うかなって笑ってたんだ」
「この店を潰す?そのような事は簡単には出来ませんわね。トリコローレはアウレリア国との国交において、重要事業のひとつです。それを簡単に潰すという事は、国の政策に異を唱える事と同等ですもの。下手をすれば造反を疑われても仕方がございません」
「造反って」
「クーデターですわね」
「クーデター……」
「その自称貴族は、今日も来るのでしょうか?」
「たぶん。ここのところ毎日だし」
「セシルさん、私を今日1日、お店に常駐させていただけません?」
「駄目よ、キャスリーンちゃん。何をしたいか分かっちゃったけど、許可は出来ないわ」
「何故です?」
「だって、殴られたりしたら」
「すぐに治せますわよ?ララさんもいらっしゃいますし」
「そりゃまあそうだけど」
「私を殴れば、その自称貴族をそれこそ簡単に罪に問えますわ」
「無理よ。絶対に駄目。キャスリーンちゃんも痛いのよ?」
「存じておりますわよ?」
「でも……」
「1番手っ取り早いと思われませんか?」
「思うわ。思うけど」
「キャスリーンさん、護衛の方のOKが出たら、良いわよ?」
「リーサさん、出ないだろうって分かって仰っておられますわよね?」
「当然よ。キャスリーンさんがそんな事しなくて良いのよ。するなら私がやるわ」
「駄目だって。キャスリーンちゃんもリーサも落ち着いて」
「あのぉ……」
私達が言い争っていたら、従業員の女性の声が聞こえた。
「ごめんなさいね。放っておいて」
「さっき殴られてもすぐに治るってそのお嬢様が言ったけど、この辺りには光魔法使いは居ませんよ?」
「この2人は光魔法使いよ。緊急時なら光魔法による治療は認められているはずよね?」
「はい。他の場合はお医者様の指示が必要ですが」
「医者の指示があれば、光魔法使いの治療を受けられる?でも、光魔法の治療は高いって」
「教会では喜捨という形を取っているけれど、そこまでお高くないはずよ?」
「けっこう高額ですが?」
ララさんの言葉に、男性が答える。
「え?」
「え?」
従業員の男性とララさんの時が止まった。
「キャスリーンちゃん、こういう事ってあるの?」
「教会での光魔法使いによる奉仕は、一律だったはずです。お義父様に話しておきます」
「お願い出来る?ごめんね」
「いいえ。こういう事もお義父様のお仕事ですから」
「お嬢様のお父上はいったい何のお仕事を?」
「私の義父は、行政府で教会恵命を担当しております」
「教会けいめい?」
「教会恵命ですわね。教会の精神的な部分、神官などは聖国の管轄ですが、外側の建物やそれに関する事柄、医療関係が義父の担当する仕事ですわ」
「えっと?」
「教会経営やそれに付随する不正が行われていないかの最終チェックを行うのも、義父の仕事です」
「もしかして、けっこう偉い人なんじゃ?」
「そうかもしれませんわね」
曖昧に笑っておく。こういう時、アルカイックスマイルって便利よね。
「セシルさん、この付近にお医者様はいらっしゃいませんか?」
「ロシュフォールの医師は常駐しているはずよ」
「許可を取っていただけませんか?」
「良いけど。キャスリーンちゃんが動くの?」
「ララさんでも良いのですが。どうなさいます?」
「キャシーちゃんの指示に従うわ」
ララさん、逃げましたね?
「状態を診てからですわね」
「あの、お嬢様?」
「娘さんのお怪我を、診せていただけないでしょうか」
「えーっと……」
「今すぐにとは言いませんわ。お断りになられてもかまいません」
従業員の男女は帰っていった。
「キャスリーンちゃん、今日は遊ぶわよ」
セシルさんがことさらに明るく言う。
遊ぶといっても雪花と戯れたり、近くの海岸に散歩をしに行ったり、お茶会と称した女子トークを繰り広げるセシルさんとララさんを、リーサさんと一緒に眺めたりしただけだ。雪花も一緒に過ごせるように1階で、ちゃんと足を洗った雪花と共に楽しんだ。
翌日、トリコローレオーツポート店にセシルさんが案内してくれた。というか、お忍びでの買い物かしら?セシルさんは大丈夫だと言ったけれど、少しの不安を抱えながらトリコローレに着いた。
「あ、オーナー、いらっしゃいませ。お客様もようこ……」
お店の従業員が、私を見て言葉を止めた。
「セシルさん、やっぱり私はご遠慮した方が良いのではないのでしょうか」
「あ、違います。あの、あの時はごめんなさい」
勢いよく頭を下げる従業員さん。
「いいえ。誤解が解けたのなら、私は気にしておりません。それにお話を伺ったらあの時の反応にも納得出来ますから。むしろこちらが謝罪せねばなりません」
「お嬢様が悪いって訳じゃないんで……。っと」
「大丈夫ですわ。不敬罪にはあたりません」
「良かったぁ」
「少し見せていただいても?」
「はいっ」
マリアさんに付き添ってもらって、お店の中を見て回る。セシルさんが言った通り、こちらのオーツポート店にもバールがあって、エスタテをいただいた。
「こちらの特色が上手く出ておりますわね」
「そうね。王都じゃテラス席は無理だったけど。ここなら海を見ながらのティータイムが出来るわ」
一緒に席に着いたセシルさんが言う。
「屋外ですから、雪花も一緒に居れますし」
「セッカちゃんは悪くないんだけどね」
「形態はどうであれ飲食店なのですから、仕方がないのでは?」
「この世界ではペットを飼うのは貴族が中心で、それも愛玩用の犬がほとんどよね」
「そうよねぇ。前世ではたしか19世紀にペットブームが起きたのよ。犬が人気だったんですって。そこから動物愛護精神が育っていったのよねぇ」
「え?そこから?」
「そう。その時期から。キリスト教ってね、人がヒエラルキーの頂点なの。『創世記』にも書いてあったのよ。『地のすべての獣と空のすべての鳥は、地を這うすべてのものと海のすべての魚と共に、あなたたちの前に恐れおののき、あなた達の手に委ねられる』『動いている命あるものは、すべてあなた達の食糧とするがよい。わたしはこれらすべてのものを、青草と同じようにあなた達に与える』って」
「「えっ?」」
ララさんと声が揃ってしまった。たしか動物愛護ってイギリス発祥だったと思ったんだけど。
「ビックリでしょ?私も初めて知った時には驚いたわ。ヨーロッパは動物愛護の先進国だって自負もあったし。その時は『新約聖書』は読んでいたけど『創世記』は読んでいなかったのよね。読んだのかもしれないけれど、忘れちゃってたわ」
「動物と草木が同じ扱いだったって事?」
「そうなるわね。急いで神父様にお聞きしたわ」
その時、お店の表から、大声は聞こえた。
リーサさんが話を促す。
「あ、あぁ。といってもこのお嬢様はアイツらと違うって、この会話だけでも分かったけど。なぁ、お嬢様。貴族だからって商品を無料で渡せと言われて、それを断っちゃいけないって法はないですよね?」
「ございませんわね。貴族法以前に普通に犯罪ですわよ」
「ですよねぇ」
「そういう事がございましたのね?」
「それだけじゃない。この人の娘さんは断ったら殴られたんだ。貴族に楯突くなって」
「それは暴力による傷害事件ですわね。どこかに訴えられたりは?」
「訴えても無駄だって言い捨ててった。自分達は貴族だから平民をどう扱おうと自由だし、もっと言えばこの店を潰す事も簡単に出来るんだって。お前らの所為で店が潰れたら、他の奴らはどう思うかなって笑ってたんだ」
「この店を潰す?そのような事は簡単には出来ませんわね。トリコローレはアウレリア国との国交において、重要事業のひとつです。それを簡単に潰すという事は、国の政策に異を唱える事と同等ですもの。下手をすれば造反を疑われても仕方がございません」
「造反って」
「クーデターですわね」
「クーデター……」
「その自称貴族は、今日も来るのでしょうか?」
「たぶん。ここのところ毎日だし」
「セシルさん、私を今日1日、お店に常駐させていただけません?」
「駄目よ、キャスリーンちゃん。何をしたいか分かっちゃったけど、許可は出来ないわ」
「何故です?」
「だって、殴られたりしたら」
「すぐに治せますわよ?ララさんもいらっしゃいますし」
「そりゃまあそうだけど」
「私を殴れば、その自称貴族をそれこそ簡単に罪に問えますわ」
「無理よ。絶対に駄目。キャスリーンちゃんも痛いのよ?」
「存じておりますわよ?」
「でも……」
「1番手っ取り早いと思われませんか?」
「思うわ。思うけど」
「キャスリーンさん、護衛の方のOKが出たら、良いわよ?」
「リーサさん、出ないだろうって分かって仰っておられますわよね?」
「当然よ。キャスリーンさんがそんな事しなくて良いのよ。するなら私がやるわ」
「駄目だって。キャスリーンちゃんもリーサも落ち着いて」
「あのぉ……」
私達が言い争っていたら、従業員の女性の声が聞こえた。
「ごめんなさいね。放っておいて」
「さっき殴られてもすぐに治るってそのお嬢様が言ったけど、この辺りには光魔法使いは居ませんよ?」
「この2人は光魔法使いよ。緊急時なら光魔法による治療は認められているはずよね?」
「はい。他の場合はお医者様の指示が必要ですが」
「医者の指示があれば、光魔法使いの治療を受けられる?でも、光魔法の治療は高いって」
「教会では喜捨という形を取っているけれど、そこまでお高くないはずよ?」
「けっこう高額ですが?」
ララさんの言葉に、男性が答える。
「え?」
「え?」
従業員の男性とララさんの時が止まった。
「キャスリーンちゃん、こういう事ってあるの?」
「教会での光魔法使いによる奉仕は、一律だったはずです。お義父様に話しておきます」
「お願い出来る?ごめんね」
「いいえ。こういう事もお義父様のお仕事ですから」
「お嬢様のお父上はいったい何のお仕事を?」
「私の義父は、行政府で教会恵命を担当しております」
「教会けいめい?」
「教会恵命ですわね。教会の精神的な部分、神官などは聖国の管轄ですが、外側の建物やそれに関する事柄、医療関係が義父の担当する仕事ですわ」
「えっと?」
「教会経営やそれに付随する不正が行われていないかの最終チェックを行うのも、義父の仕事です」
「もしかして、けっこう偉い人なんじゃ?」
「そうかもしれませんわね」
曖昧に笑っておく。こういう時、アルカイックスマイルって便利よね。
「セシルさん、この付近にお医者様はいらっしゃいませんか?」
「ロシュフォールの医師は常駐しているはずよ」
「許可を取っていただけませんか?」
「良いけど。キャスリーンちゃんが動くの?」
「ララさんでも良いのですが。どうなさいます?」
「キャシーちゃんの指示に従うわ」
ララさん、逃げましたね?
「状態を診てからですわね」
「あの、お嬢様?」
「娘さんのお怪我を、診せていただけないでしょうか」
「えーっと……」
「今すぐにとは言いませんわ。お断りになられてもかまいません」
従業員の男女は帰っていった。
「キャスリーンちゃん、今日は遊ぶわよ」
セシルさんがことさらに明るく言う。
遊ぶといっても雪花と戯れたり、近くの海岸に散歩をしに行ったり、お茶会と称した女子トークを繰り広げるセシルさんとララさんを、リーサさんと一緒に眺めたりしただけだ。雪花も一緒に過ごせるように1階で、ちゃんと足を洗った雪花と共に楽しんだ。
翌日、トリコローレオーツポート店にセシルさんが案内してくれた。というか、お忍びでの買い物かしら?セシルさんは大丈夫だと言ったけれど、少しの不安を抱えながらトリコローレに着いた。
「あ、オーナー、いらっしゃいませ。お客様もようこ……」
お店の従業員が、私を見て言葉を止めた。
「セシルさん、やっぱり私はご遠慮した方が良いのではないのでしょうか」
「あ、違います。あの、あの時はごめんなさい」
勢いよく頭を下げる従業員さん。
「いいえ。誤解が解けたのなら、私は気にしておりません。それにお話を伺ったらあの時の反応にも納得出来ますから。むしろこちらが謝罪せねばなりません」
「お嬢様が悪いって訳じゃないんで……。っと」
「大丈夫ですわ。不敬罪にはあたりません」
「良かったぁ」
「少し見せていただいても?」
「はいっ」
マリアさんに付き添ってもらって、お店の中を見て回る。セシルさんが言った通り、こちらのオーツポート店にもバールがあって、エスタテをいただいた。
「こちらの特色が上手く出ておりますわね」
「そうね。王都じゃテラス席は無理だったけど。ここなら海を見ながらのティータイムが出来るわ」
一緒に席に着いたセシルさんが言う。
「屋外ですから、雪花も一緒に居れますし」
「セッカちゃんは悪くないんだけどね」
「形態はどうであれ飲食店なのですから、仕方がないのでは?」
「この世界ではペットを飼うのは貴族が中心で、それも愛玩用の犬がほとんどよね」
「そうよねぇ。前世ではたしか19世紀にペットブームが起きたのよ。犬が人気だったんですって。そこから動物愛護精神が育っていったのよねぇ」
「え?そこから?」
「そう。その時期から。キリスト教ってね、人がヒエラルキーの頂点なの。『創世記』にも書いてあったのよ。『地のすべての獣と空のすべての鳥は、地を這うすべてのものと海のすべての魚と共に、あなたたちの前に恐れおののき、あなた達の手に委ねられる』『動いている命あるものは、すべてあなた達の食糧とするがよい。わたしはこれらすべてのものを、青草と同じようにあなた達に与える』って」
「「えっ?」」
ララさんと声が揃ってしまった。たしか動物愛護ってイギリス発祥だったと思ったんだけど。
「ビックリでしょ?私も初めて知った時には驚いたわ。ヨーロッパは動物愛護の先進国だって自負もあったし。その時は『新約聖書』は読んでいたけど『創世記』は読んでいなかったのよね。読んだのかもしれないけれど、忘れちゃってたわ」
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