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第一章
血の味を知った者③
しおりを挟むまさか、守るというのはそういう意味だろうか…?
私に危害を加えた者をこうして牢に閉じ込め、拷問する事で殺そうとしていたーー…?
あの笑顔からは想像出来ない事に、背筋が粟立った。
このままロウが捕らわれている事に気付かず呑気に過ごしていたら、復讐相手を一生殺す事も出来ず、現代を彷徨っていた所だったのか。
なるほど、そしたらこれは悪い状況ではないと言える…。
むしろ、殺そうとしていた相手を一生殺せない事態に陥る方が悪い状況だったと言えよう。
こんな方法で私を守るだなんて、馬鹿な男だーー…。
私が一生振り向かない事も分かっている癖に、ポイント稼ぎもいい所だ。
「…お前が叫ぶ姿を初めて見たな。無口な人間は怒るとあんな声で叫ぶのか。」
「…、」
「ああ、もうだんまりか?
まぁいい。満足するまでお前を抱いて、さらに叫ばせるとしようか…。」
「…何処までも、最低な男。」
「フン…。悪くない」
あっという間に床に組み敷かれ、服を引き裂かれた私は上に居る獣に憎しみを込めて吐き捨てた。
あの叫びを聞かれた時点で、もう無口は貫けない。
力を全て使い切った今の私はハッキリ言って無力。
つまり、獣に貪られるしか脳のないΩになっているというわけだ。
「……嗚呼、愛しの主君を殺されたメイドを味方につけておいて良かった。お前をこうして貪る事が出来るのだからな…。」
わざとらしく耳元で囁かれた言葉。それは行為中、耳にこびり付いたように取れなくて。身体を揺さぶり続けられる中、いつまでも響いていたーー。
「お前は何処でもーー。
要らない子扱いで哀れだな。」
私は、要らない子。
そんなの、言われなくたって分かってる。
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