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第一話 "極光と漆黒の対烏"
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豪快に笑ったのち、ゼノはやおら語りだした。
「カイ、能力もそうだが。お前が目指しているのは一体どんな連中なのかも教えてやろうか」
”願ってもない”
言葉こそないが、力強くカイは首肯いた。
ゼノはカイを一瞥し、虚空を見上げながらつらつらと語り始めた。
「”クライム” とは、三つの部隊で形成されている。
”隠密諜報部隊”
”司令部隊”
”特攻部隊”
それぞれに、”部隊長”がいる。
おまえが目指すのは”特攻部隊”だな。
”クライム”内で、、いや。
この世界で最強の戦闘部隊だ。
後のふたつの部隊はおまえには関係ないだろう。
”ココ”がものを言うからな」
こめかみに指を置き、2.3度叩く。
とどのつまり、カイの頭では不可能だと、ゼノはそう言っているのだ。
カイはややむくれてみせるが、事実なのだから仕方ない。
ゼノは言葉を続ける。
「まぁ。特攻部隊以外のやつらだって正真正銘の猛者だ。諜報や司令って言っても、そこいらの奴らならまとめてぶっ倒せるくらい強い。今のおまえじゃ、参謀役にも勝てないだろうな」
「じゃあ。特攻部隊ってのはどんだけ強いの?」
「言ったろ。世界最強の部隊だ。部隊長ともなると、相当強いだろうな」
「へぇ、、、、」
「でだ。その3つの部隊を取り仕切る。クライムの総長ってのがいる。
そいつの名は”グレン・ジークフリード”
軍神と言われる男よ。
クライムのトップって立場ではあるが、功績や実力を加味すると、実質”エーヴィヒ”のトップと大差ない。
間違いなく、この世界でトップクラスの使い手だろうな」
カイは、好奇心が止まらない。
まだ見ぬ世界、知らぬ世界、冗談みたいな強い奴がいる。
まるで少年のような瞳をして、ゼノの話を促す。
最強のエージェントが集まる”クライム”
さらにその中でも最強の戦闘力を持つ”特攻部隊”
そしてそれら全ての頂点に立つ男
”グレン・ジークフリード”
もう、興味を持つなと言う方が無粋な話だ。と言わんばかりのカイに、ゼノは肩をすくめる。
「ま。努力と才能次第でおまえもなれるかもな。いや、儂の孫ならそのくらいなってもらわにゃ儂も箔がつかん。あー、あと。今の話もこれからの話も、誰にも言うなよ、クライムの存在はみんな知ってるが、中身知ってるやつはそうそうおらんからな」
ゼノはまたも豪快に笑った。
と同時に、カイの疑問はより深いものとなる。
なぜ、ゼノはそこまで知っているのか。
そもそも、ゼノは何者なのか。
孫ながら、恐ろしい爺ちゃんだとカイは思ったのだ。
「でも、そんな強い人がいるのに、どうして犯罪は無くならないの?もっと強い誰かがいるの?」
ゼノは一瞬、迷うような表情を見せたが
まっすぐ射抜くカイの視線と、自らのそれがぶつかった時
観念したような様子で話し始めた。
「色々複雑でな。全部喋ってたら日が暮れちまうから、まぁ簡単に言うぞ。
”闇ギルド”は知ってるな?
この世界には4つの”闇ギルド”があってな。
様々な犯罪組織が存在するが、大元を辿れば全てこの4つのどれかに行き着く。
”メギド”
”インフィニティ”
”ヘル”
”ティターン”
だ。そいつらがまぁ曲者でな。”クライム”といえど、容易に手が出せないんだ。
”闇ギルド”にはそれぞれボスがいる、そいつらも折り紙つきの猛者だ。
”死神” マガツ・ミカヅチ
”雷帝”トール
”冥王”ヴルディア
”羅刹”ゼルク・ラークシャサ」
いかにも恐ろしげな通り名が並べ立てられ、カイはやや萎縮した。
名前を聞くだけで、およそ関わってはならない相手だと理解できる。
「そいつらが強すぎて、”クライム”でも出が出せないの?」
「単純な戦闘力だけじゃない、組織力もあるからな。
だが、容易に手が出せないのはお互い様だ。”闇ギルド”側も、下手に喧嘩をふっかければとんでもない被害を受けることになるからな。時々、”クライム”のエージェントと、”闇ギルド”の構成員が各地でぶつかってはいるみたいだが。
今言った4人は、特S級犯罪者と言ってな。
単独で、国を一つ滅ぼせるくらいの力を持ってる、”クライム”ですら、基本的に接触することは禁忌だ。もし接触してしまったり、可能性がある時は退避命令が出されるそうだ
だが、それほど強くても”クライム”に攻撃を仕掛けないのは、”クライム”にも同じくらいの猛者がいるということだ、あいつらは決して馬鹿じゃないからな、お互いに藪蛇になるようなことはしない」
カイは
己という存在がいかに小さなものであり、弱いかを痛感した。
しかし、同時に沸き立つ闘志を隠せずにいた。
ゼノはそんなカイをみて、意味深に笑いながらも
こう語りかけた。
「怖いか?カイ」
一呼吸おいて、迷いなくカイは答える。
「怖い。けど、俺はそいつらからみんなを守る。戦ってみせる」
ゼノは三度、豪快に笑った。
「さすがは儂の孫だ。さて、そろそろ修行を始めるとしようか、カイ」
「うん。爺ちゃん」
陽はすでに登っていた。
彼らの影の位置も、まるで変わっていた。
そして、”闇”もまた、動き出すのだ。
「カイ、能力もそうだが。お前が目指しているのは一体どんな連中なのかも教えてやろうか」
”願ってもない”
言葉こそないが、力強くカイは首肯いた。
ゼノはカイを一瞥し、虚空を見上げながらつらつらと語り始めた。
「”クライム” とは、三つの部隊で形成されている。
”隠密諜報部隊”
”司令部隊”
”特攻部隊”
それぞれに、”部隊長”がいる。
おまえが目指すのは”特攻部隊”だな。
”クライム”内で、、いや。
この世界で最強の戦闘部隊だ。
後のふたつの部隊はおまえには関係ないだろう。
”ココ”がものを言うからな」
こめかみに指を置き、2.3度叩く。
とどのつまり、カイの頭では不可能だと、ゼノはそう言っているのだ。
カイはややむくれてみせるが、事実なのだから仕方ない。
ゼノは言葉を続ける。
「まぁ。特攻部隊以外のやつらだって正真正銘の猛者だ。諜報や司令って言っても、そこいらの奴らならまとめてぶっ倒せるくらい強い。今のおまえじゃ、参謀役にも勝てないだろうな」
「じゃあ。特攻部隊ってのはどんだけ強いの?」
「言ったろ。世界最強の部隊だ。部隊長ともなると、相当強いだろうな」
「へぇ、、、、」
「でだ。その3つの部隊を取り仕切る。クライムの総長ってのがいる。
そいつの名は”グレン・ジークフリード”
軍神と言われる男よ。
クライムのトップって立場ではあるが、功績や実力を加味すると、実質”エーヴィヒ”のトップと大差ない。
間違いなく、この世界でトップクラスの使い手だろうな」
カイは、好奇心が止まらない。
まだ見ぬ世界、知らぬ世界、冗談みたいな強い奴がいる。
まるで少年のような瞳をして、ゼノの話を促す。
最強のエージェントが集まる”クライム”
さらにその中でも最強の戦闘力を持つ”特攻部隊”
そしてそれら全ての頂点に立つ男
”グレン・ジークフリード”
もう、興味を持つなと言う方が無粋な話だ。と言わんばかりのカイに、ゼノは肩をすくめる。
「ま。努力と才能次第でおまえもなれるかもな。いや、儂の孫ならそのくらいなってもらわにゃ儂も箔がつかん。あー、あと。今の話もこれからの話も、誰にも言うなよ、クライムの存在はみんな知ってるが、中身知ってるやつはそうそうおらんからな」
ゼノはまたも豪快に笑った。
と同時に、カイの疑問はより深いものとなる。
なぜ、ゼノはそこまで知っているのか。
そもそも、ゼノは何者なのか。
孫ながら、恐ろしい爺ちゃんだとカイは思ったのだ。
「でも、そんな強い人がいるのに、どうして犯罪は無くならないの?もっと強い誰かがいるの?」
ゼノは一瞬、迷うような表情を見せたが
まっすぐ射抜くカイの視線と、自らのそれがぶつかった時
観念したような様子で話し始めた。
「色々複雑でな。全部喋ってたら日が暮れちまうから、まぁ簡単に言うぞ。
”闇ギルド”は知ってるな?
この世界には4つの”闇ギルド”があってな。
様々な犯罪組織が存在するが、大元を辿れば全てこの4つのどれかに行き着く。
”メギド”
”インフィニティ”
”ヘル”
”ティターン”
だ。そいつらがまぁ曲者でな。”クライム”といえど、容易に手が出せないんだ。
”闇ギルド”にはそれぞれボスがいる、そいつらも折り紙つきの猛者だ。
”死神” マガツ・ミカヅチ
”雷帝”トール
”冥王”ヴルディア
”羅刹”ゼルク・ラークシャサ」
いかにも恐ろしげな通り名が並べ立てられ、カイはやや萎縮した。
名前を聞くだけで、およそ関わってはならない相手だと理解できる。
「そいつらが強すぎて、”クライム”でも出が出せないの?」
「単純な戦闘力だけじゃない、組織力もあるからな。
だが、容易に手が出せないのはお互い様だ。”闇ギルド”側も、下手に喧嘩をふっかければとんでもない被害を受けることになるからな。時々、”クライム”のエージェントと、”闇ギルド”の構成員が各地でぶつかってはいるみたいだが。
今言った4人は、特S級犯罪者と言ってな。
単独で、国を一つ滅ぼせるくらいの力を持ってる、”クライム”ですら、基本的に接触することは禁忌だ。もし接触してしまったり、可能性がある時は退避命令が出されるそうだ
だが、それほど強くても”クライム”に攻撃を仕掛けないのは、”クライム”にも同じくらいの猛者がいるということだ、あいつらは決して馬鹿じゃないからな、お互いに藪蛇になるようなことはしない」
カイは
己という存在がいかに小さなものであり、弱いかを痛感した。
しかし、同時に沸き立つ闘志を隠せずにいた。
ゼノはそんなカイをみて、意味深に笑いながらも
こう語りかけた。
「怖いか?カイ」
一呼吸おいて、迷いなくカイは答える。
「怖い。けど、俺はそいつらからみんなを守る。戦ってみせる」
ゼノは三度、豪快に笑った。
「さすがは儂の孫だ。さて、そろそろ修行を始めるとしようか、カイ」
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陽はすでに登っていた。
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そして、”闇”もまた、動き出すのだ。
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