4 / 7
第三話 "デア"
しおりを挟む
「グレンよ。あの悪夢を、あの忌まわしき混沌 ”デア” を
もう一度起こすつもりか?」
マルティアは、平坦な声でグレンに問いを投げた。
表情から温度感を差しはかることも、彼の質問の真意を識らねば難しいだろう。
グレンはまだ答えない。
こころばかりか、彼の表情が険しくなる。
先程まで烈火の如く激怒していたハガンも、突然のマルティアの介入に呆気に取られている。
数秒の間に、マルティアの表情が
その場にいる誰の目にも明らかなほど、険しくなる。
深く刻み込まれた皺は、彼の過ごした年月のみを表すものだけでなく、歴戦の爪痕も含んでいる。
彼とて叩き上げということは、レイクディアの人間のうち
どの程度が知っていようか。
「”デア” ?」
沈黙を破ったのは、かの猛獣”ハガン”である。
表情から怒りの色は薄れ、老将が放った不可思議な単語をおうむ返しにつぶやく。疑問符をつけて。
「ハガン、お前は知らないんだったな」
ハガンは、居合わせる5人のなかで最も歴が浅いのだ。
他の四人の表情が一気に曇ったことこそ見逃しはしなかったが、それ以上何もない。
知らないこと、そして知るすべのないことの追求は不可能だ。
「私から説明しよう。グレン、お前に語らせるには
あまりに残酷すぎる」
「お心遣い、感謝いたします。少し、食事をとってきます。どうも腹が減って」
グレンはそう言って部屋を出る。
この非常時に呑気に飯など、と非難する者は
その場に一人もいなかった。
むしろ、そうすることが至極当然であるかのように
皆一様に瞳を伏せ、言葉を発しない。
彼らの様子は
何か。踏み込んではならないものに踏み込んでしまったのかと、意外と繊細な面があるハガンにそう思わせた。
「ハガン。すまないな。本来は、お前が部隊長になった時点で話しておくべきだった。まずはそれを謝罪させてくれ」
マルティアは、深く頭を垂れた。
ハガンはやや慌て気味に、マルティアの顔を覗き込む。
「い、いえ。何もそこまで。それより、”デア”ってのは?
俺、頭に血がのぼっちまって。すみません。あとでグレンさんにも、断り入れますんで」
「すまないな、気を使わせて。
”デア”についてだが」
前置きめいて、話を区切ったマルティアは
ソファへ腰を下ろし。
静かに語り始めた。
「”デア” とはな。15年前、レイクディアで起こった”大災禍”のことだ。 グレイヒルを中心に起こったものでな、だからあそこは今も、当時の色が残っているんだ」
苦虫を噛み潰したような表情で、マルティアは語る。
ハガンは思わず前のめりになり、聞き入る体勢をとる。
他の二人は何も言わず、どこを見ているともわからない表情のままだ。
「発端は、”ある力” を巡って起きた戦争だ。
”闇ギルド”や”エーヴィヒ”もその力を求めて、壮絶な争いになった。 争いは苛烈を極めたが、”ティターン” の
”ゼルク・ラークシャサという男が、ある時その力に最も近づいた。
当然、”クライム”や 他の”闇ギルド”は それを許すまいと
奴のもとへ向かったんだが、
奴は出鱈目に強くてな。
当時の”特攻部隊隊長” も、あの”羅刹”の前には力及ばなかったのだ。長らく”特攻部隊隊長”が欠番になっていたのは、皆にトラウマが植え付いたからだ。
誰かが”特攻部隊隊長”になり、もしもまた
あの”羅刹”とぶつかることになれば、、、と考えてしまってな。 気分を害したらすまないが、それほどまでにあやつは強い。
そして、隊長が倒され、いよいよ絶体絶命になった。
やつは、”ある力” を得る直前だった。
他の”闇ギルド”の連中も、大混戦のなかで消耗しきっていたから、止めに出れなかったんだろう。
しかし、そこに立ちはだかったのが
”グレン” だ」
マルティアの脳内に、走馬灯が走る。
思い重い記憶がよび覚まされ、映像化してマルティアの脳内を支配する。
==
「ゼルク、貴様にその力を渡すわけにはいかん。それに、私を倒してからの話だ」
「やはり来たか、グレン‥‥!いいだろう。俺とお前も、そろそろ決着をつけなければならん頃合いだろう?」
「望むところだ。貴様の野望、真っ向から叩き潰してやる」
”” 破壊(デストロイ)””
”羅刹”の声が響き、あたりが燃え上がり爆ぜる。
噴煙に混じって、グレンの放つ一閃が垣間見える。
両者の死闘は壮絶を極めた。
あたり一面焼け野原となり、周りにいた取り巻きや、”闇ギルド” ”クライム” の猛者たちも、あまりの様相に撤退を選んだほどだ。
””天覇鬼斬”” (アマノハバキリ)
グレンの咆哮と、”羅刹”の怒声
そして爆炎が、あたり一面を包み込んだのだ
==
マルティアはひとしきり語り、再び湯呑みの茶を飲んだ。
空になった湯呑みを置き、ハガンを一瞥する。
「それで、、、、そのあとはどうなったんです?
あと、”ある力” ってのは? それに、グレンさんに語らせるのは残酷ってなァ、一体どういうことなんです?」
ハガンは、話の途中で感じた疑問を一気に捲し立てる。
話の途中でそうしなかったのは、マルティアの気迫に押され、口を挟むことは許さんと言わんばかりの空気を察したからだ。
「それは。。。」
今までになく。言いにくそうな様子のマルティアに
ハガンはそれ以上の質問を自粛した。
ただならぬ様子であることも含め、噛みつきはするが
この中で自分が一番の若輩者である自覚が彼の中に存在しており、まだ自分が知ってはならない事情もあると
そう納得したのだ。
「いえ、結構です。すんません、なんか。聞いちゃあならねぇもんを聞いちまったみたいで。
ですが、その”羅刹”ってやつは一体何者なんです?
グレンさんと対等にやりあったうえ、今も現役なんでしょう」
マルティアの感情を推しはかるのは無理だろう。
安堵か杞憂か、どんな心境かは
その場にいる何人もわからない。
マルティアは打って変わった様子で、”羅刹”について言及を始めた
「”羅刹” ゼルク・ラークシャサ
おそらく。この世界でも頂点に近い能力者だろう。
実力はグレンと互角、ついぞ決着はつかなかったが。
まぁ。”力” をやつに与えないという。最終死線は達成したからな、ある意味、グレンの勝ちだったのかもしれん。
”闇ギルド”のトップ連中は、軒並み特S級犯罪者だが、正直、奴は頭数個出ている。
その証拠に、”ティターン” にちょっかいをかける組織は居ない。だからこそ、今回の件の深淵は皆目見当がつかんわけなんだがな。
”死神”と呼ばれてる男が 今回トラブルを起こした”メギド”のボスなんだが、奴もゼルクのことは避けているはずだ
真正面からぶつかれば甚大な被害を被った挙句、頭同士の一騎打ちともなれば、軍配はおそらくゼルクに上がるだろう。
しかしまぁ、もしそんなことになれば、ゼルクも”ティターン”側も、ただでは済まんだろうがな」
「一体、どんな能力を持ってるんです?そのゼルクってやつは。
さっきから聞いてると、とても人間業には思えなくて。
まぁ、能力者って時点で普通じゃないんですがね」
「詳しくは私も知らんのだが、、、グレンによると
”ありとあらゆるものを対象に性質を付与する、または改変する” というものらしい、概念に干渉するような力だと言っていた。何にせよ、厄介なことこの上ない能力だろうな」
「そんな出鱈目な、、、」
呆れたような表情をするハガンだが、マルティアの表情は真剣そのものだ。
”これは本気でやばい相手だな”
と、すぐにハガンに思い直させるほど険しいものだった。
「しかし、能力さえなんとかしちまえば、そいつだってどうにかできるんじゃないんですか?
ホラ俺、肉弾戦なら絶対負けねぇ」
マルティアは吐き出すように軽く笑う。
嘲るような笑いではなく、困り果てた時につい出てくるようなわらいだ。
「そうは問屋が下さんさ。まぁ、もし何かしらの弱点があるとすると、奴だって一番に理解してるはずだ。
あれほどの手合いが、自身の弱点に関して対策をとっていないわけがない。それに、グレンですら見抜けなかったと言っていたから、仮にあったとしても
一朝一夕でそう易々と看破できるものではないはずだ」
マルティアがそう言い終わった途端。
扉が開く音がした。
もう一度起こすつもりか?」
マルティアは、平坦な声でグレンに問いを投げた。
表情から温度感を差しはかることも、彼の質問の真意を識らねば難しいだろう。
グレンはまだ答えない。
こころばかりか、彼の表情が険しくなる。
先程まで烈火の如く激怒していたハガンも、突然のマルティアの介入に呆気に取られている。
数秒の間に、マルティアの表情が
その場にいる誰の目にも明らかなほど、険しくなる。
深く刻み込まれた皺は、彼の過ごした年月のみを表すものだけでなく、歴戦の爪痕も含んでいる。
彼とて叩き上げということは、レイクディアの人間のうち
どの程度が知っていようか。
「”デア” ?」
沈黙を破ったのは、かの猛獣”ハガン”である。
表情から怒りの色は薄れ、老将が放った不可思議な単語をおうむ返しにつぶやく。疑問符をつけて。
「ハガン、お前は知らないんだったな」
ハガンは、居合わせる5人のなかで最も歴が浅いのだ。
他の四人の表情が一気に曇ったことこそ見逃しはしなかったが、それ以上何もない。
知らないこと、そして知るすべのないことの追求は不可能だ。
「私から説明しよう。グレン、お前に語らせるには
あまりに残酷すぎる」
「お心遣い、感謝いたします。少し、食事をとってきます。どうも腹が減って」
グレンはそう言って部屋を出る。
この非常時に呑気に飯など、と非難する者は
その場に一人もいなかった。
むしろ、そうすることが至極当然であるかのように
皆一様に瞳を伏せ、言葉を発しない。
彼らの様子は
何か。踏み込んではならないものに踏み込んでしまったのかと、意外と繊細な面があるハガンにそう思わせた。
「ハガン。すまないな。本来は、お前が部隊長になった時点で話しておくべきだった。まずはそれを謝罪させてくれ」
マルティアは、深く頭を垂れた。
ハガンはやや慌て気味に、マルティアの顔を覗き込む。
「い、いえ。何もそこまで。それより、”デア”ってのは?
俺、頭に血がのぼっちまって。すみません。あとでグレンさんにも、断り入れますんで」
「すまないな、気を使わせて。
”デア”についてだが」
前置きめいて、話を区切ったマルティアは
ソファへ腰を下ろし。
静かに語り始めた。
「”デア” とはな。15年前、レイクディアで起こった”大災禍”のことだ。 グレイヒルを中心に起こったものでな、だからあそこは今も、当時の色が残っているんだ」
苦虫を噛み潰したような表情で、マルティアは語る。
ハガンは思わず前のめりになり、聞き入る体勢をとる。
他の二人は何も言わず、どこを見ているともわからない表情のままだ。
「発端は、”ある力” を巡って起きた戦争だ。
”闇ギルド”や”エーヴィヒ”もその力を求めて、壮絶な争いになった。 争いは苛烈を極めたが、”ティターン” の
”ゼルク・ラークシャサという男が、ある時その力に最も近づいた。
当然、”クライム”や 他の”闇ギルド”は それを許すまいと
奴のもとへ向かったんだが、
奴は出鱈目に強くてな。
当時の”特攻部隊隊長” も、あの”羅刹”の前には力及ばなかったのだ。長らく”特攻部隊隊長”が欠番になっていたのは、皆にトラウマが植え付いたからだ。
誰かが”特攻部隊隊長”になり、もしもまた
あの”羅刹”とぶつかることになれば、、、と考えてしまってな。 気分を害したらすまないが、それほどまでにあやつは強い。
そして、隊長が倒され、いよいよ絶体絶命になった。
やつは、”ある力” を得る直前だった。
他の”闇ギルド”の連中も、大混戦のなかで消耗しきっていたから、止めに出れなかったんだろう。
しかし、そこに立ちはだかったのが
”グレン” だ」
マルティアの脳内に、走馬灯が走る。
思い重い記憶がよび覚まされ、映像化してマルティアの脳内を支配する。
==
「ゼルク、貴様にその力を渡すわけにはいかん。それに、私を倒してからの話だ」
「やはり来たか、グレン‥‥!いいだろう。俺とお前も、そろそろ決着をつけなければならん頃合いだろう?」
「望むところだ。貴様の野望、真っ向から叩き潰してやる」
”” 破壊(デストロイ)””
”羅刹”の声が響き、あたりが燃え上がり爆ぜる。
噴煙に混じって、グレンの放つ一閃が垣間見える。
両者の死闘は壮絶を極めた。
あたり一面焼け野原となり、周りにいた取り巻きや、”闇ギルド” ”クライム” の猛者たちも、あまりの様相に撤退を選んだほどだ。
””天覇鬼斬”” (アマノハバキリ)
グレンの咆哮と、”羅刹”の怒声
そして爆炎が、あたり一面を包み込んだのだ
==
マルティアはひとしきり語り、再び湯呑みの茶を飲んだ。
空になった湯呑みを置き、ハガンを一瞥する。
「それで、、、、そのあとはどうなったんです?
あと、”ある力” ってのは? それに、グレンさんに語らせるのは残酷ってなァ、一体どういうことなんです?」
ハガンは、話の途中で感じた疑問を一気に捲し立てる。
話の途中でそうしなかったのは、マルティアの気迫に押され、口を挟むことは許さんと言わんばかりの空気を察したからだ。
「それは。。。」
今までになく。言いにくそうな様子のマルティアに
ハガンはそれ以上の質問を自粛した。
ただならぬ様子であることも含め、噛みつきはするが
この中で自分が一番の若輩者である自覚が彼の中に存在しており、まだ自分が知ってはならない事情もあると
そう納得したのだ。
「いえ、結構です。すんません、なんか。聞いちゃあならねぇもんを聞いちまったみたいで。
ですが、その”羅刹”ってやつは一体何者なんです?
グレンさんと対等にやりあったうえ、今も現役なんでしょう」
マルティアの感情を推しはかるのは無理だろう。
安堵か杞憂か、どんな心境かは
その場にいる何人もわからない。
マルティアは打って変わった様子で、”羅刹”について言及を始めた
「”羅刹” ゼルク・ラークシャサ
おそらく。この世界でも頂点に近い能力者だろう。
実力はグレンと互角、ついぞ決着はつかなかったが。
まぁ。”力” をやつに与えないという。最終死線は達成したからな、ある意味、グレンの勝ちだったのかもしれん。
”闇ギルド”のトップ連中は、軒並み特S級犯罪者だが、正直、奴は頭数個出ている。
その証拠に、”ティターン” にちょっかいをかける組織は居ない。だからこそ、今回の件の深淵は皆目見当がつかんわけなんだがな。
”死神”と呼ばれてる男が 今回トラブルを起こした”メギド”のボスなんだが、奴もゼルクのことは避けているはずだ
真正面からぶつかれば甚大な被害を被った挙句、頭同士の一騎打ちともなれば、軍配はおそらくゼルクに上がるだろう。
しかしまぁ、もしそんなことになれば、ゼルクも”ティターン”側も、ただでは済まんだろうがな」
「一体、どんな能力を持ってるんです?そのゼルクってやつは。
さっきから聞いてると、とても人間業には思えなくて。
まぁ、能力者って時点で普通じゃないんですがね」
「詳しくは私も知らんのだが、、、グレンによると
”ありとあらゆるものを対象に性質を付与する、または改変する” というものらしい、概念に干渉するような力だと言っていた。何にせよ、厄介なことこの上ない能力だろうな」
「そんな出鱈目な、、、」
呆れたような表情をするハガンだが、マルティアの表情は真剣そのものだ。
”これは本気でやばい相手だな”
と、すぐにハガンに思い直させるほど険しいものだった。
「しかし、能力さえなんとかしちまえば、そいつだってどうにかできるんじゃないんですか?
ホラ俺、肉弾戦なら絶対負けねぇ」
マルティアは吐き出すように軽く笑う。
嘲るような笑いではなく、困り果てた時につい出てくるようなわらいだ。
「そうは問屋が下さんさ。まぁ、もし何かしらの弱点があるとすると、奴だって一番に理解してるはずだ。
あれほどの手合いが、自身の弱点に関して対策をとっていないわけがない。それに、グレンですら見抜けなかったと言っていたから、仮にあったとしても
一朝一夕でそう易々と看破できるものではないはずだ」
マルティアがそう言い終わった途端。
扉が開く音がした。
0
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
最愛の番に殺された獣王妃
望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。
彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。
手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。
聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。
哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて――
突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……?
「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」
謎の人物の言葉に、私が選択したのは――
人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―
ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」
前世、15歳で人生を終えたぼく。
目が覚めたら異世界の、5歳の王子様!
けど、人質として大国に送られた危ない身分。
そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。
「ぼく、このお話知ってる!!」
生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!?
このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!!
「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」
生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。
とにかく周りに気を使いまくって!
王子様たちは全力尊重!
侍女さんたちには迷惑かけない!
ひたすら頑張れ、ぼく!
――猶予は後10年。
原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない!
お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。
それでも、ぼくは諦めない。
だって、絶対の絶対に死にたくないからっ!
原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。
健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。
どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。
(全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)
主婦が役立たず? どう思うかは勝手だけど、こっちも勝手にやらせて貰うから
渡里あずま
ファンタジー
安藤舞は、専業主婦である。ちなみに現在、三十二歳だ。
朝、夫と幼稚園児の子供を見送り、さて掃除と洗濯をしようとしたところで――気づけば、石造りの知らない部屋で座り込んでいた。そして映画で見たような古めかしいコスプレをした、外国人集団に囲まれていた。
「我々が召喚したかったのは、そちらの世界での『学者』や『医者』だ。それを『主婦』だと!? そんなごく潰しが、聖女になどなれるものか! 役立たずなどいらんっ」
「いや、理不尽!」
初対面の見た目だけ美青年に暴言を吐かれ、舞はそのまま無一文で追い出されてしまう。腹を立てながらも、舞は何としても元の世界に戻ることを決意する。
「主婦が役立たず? どう思うかは勝手だけど、こっちも勝手にやらせて貰うから」
※※※
専業主婦の舞が、主婦力・大人力を駆使して元の世界に戻ろうとする話です(ざまぁあり)
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます
難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』"
ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。
社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー……
……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!?
ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。
「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」
「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族!
「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」
かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、
竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。
「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」
人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、
やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。
——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、
「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。
世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、
最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕!
※小説家になろう様にも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる