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まさかその手があったとは
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煌めく女神の門を開けた俺は
目の前の土砂降りの光景に唖然となった。
滝のような雨が猛烈に降っている。
霞がかかっているけど、その先に家の輪郭が
朧げに見えるかどうかの状態だ。
今朝は快晴だったから天気予報チェックするのを
忘れていた。
「あー、やっちまったな。
これじゃあみんなボトボトの
濡れ鼠になっちゃうな。」
「こら、鞍馬君。
女神様がネズミになるわけないでしょ!」
「いや、そう意味じゃなくてですね。・・・」
「カケル君、ここにかけている不可視の聖域を
広げたら、雨も防げていいと思うわよ。」
その手がありましたね、さすが俺の女神様。
不可視の聖域のスキルを使って、
ドローン便のために解放していた天井部分を塞ぐと、
雨は遮断出来たけど、足元は湿地のようになっている。
俺は水上歩行のスキルあるけど、他のみんなはないし、
どうしようかなと思った。
「大丈夫だ、我の力で皆を運ぼう。
向こうに見える四角い箱のようなものを
目掛けていけば良いのだな。」
おおっ、ここにも俺の女神様がいた。
その手もありましたね。
水の上を滑るようにみんなで移動し始めた。
メイドのお姉さん達はシロミズチ様の力に
驚きを隠せないでいる。
ココも目を丸くしているから、
びっくりしているのかな。
元々目が大きいから、さらに可愛くなった感じだ。
シルバは怖いのか俺の足にしがみついている。
そりゃそうか、水の上を勝手にどうしているんだから、
驚くし、怖いよな。
約一名は目を爛々と輝かせていて、危険すぎた。
聖域ドームの上では、雨が滝のように降り続けていて
水族館の水中回廊みたいだ。
そんなことを思っている間に
家の前に滑るように着いた。
家の横の林道が川になっている。
災害レベルの降り方をしているみたいだ。
家の鍵を開けようとした時、
貴船さんが誰かと話を始めていた。
「あ、お母さん。
うん、私は大丈夫。
そう、今もまだお邪魔しているわ。
そうそう、林道が川になってるわ。
大丈夫よ、そんな簡単に
崖崩れとか起きないって。
うんうん、私の事は気にしないで。
そっちはどうなの?
えっ!?、ちょっと浸水してるんだ。
少しだけなんだ。
でも、事務所のビルも高台じゃないから
家のほうがいいと思うわ。
もう閉めちゃったら?
あっそう。
いいなあ、お母さんは4駆だから。
あ、そうそう鞍馬君のネットショップのことで
まだ打ち合わせしたいから、
もう一泊させてもらうわ。
えっ?何言ってるの?
大丈夫に決まってるじゃない。
いいよ、来なくても大丈夫だから、・・・
いや、本当に大丈夫だから来なくていいって。
じゃあ、切るね。大丈夫だって。
じゃあね、切るよ。
ふぅ、もうほんと長いし、
心配性なんだから。
あ、ごめんなさい。
ちょっとうちのお母さんと
話し込んでしまって。
うちのお母さんってすごい心配性で
この大雨でこの辺りが
崖崩れ起こすんじゃないか
とか言って気にしていたわ。
失礼よね、
そんな簡単に起きる訳ないじゃない。」
お姉さんが嫌なフラグを立てたと思った二秒後に、
地響きがして軽自動車の向こうの林道が
崖崩れで綺麗に埋まりました。
フラグの回収、ありがとうございます。
「えっと、とりあえず、家に入りますか。
じゃ、鍵開けます。」
「カケル君、
この崖崩れはこのままでいいの?
見なかったことにしようとしても
何も解決しないわよ。」
「ふむ、ここは我がなんとかしてみようか?」
「シロミズチ様。
ここはこのザラにお任せいただけないでしょうか。
私のスキルで土砂を取り除けると思います。」
「そっか、
ザラさんのスキルで土を動かせる手があったか。
俺からもお願いするよ。」
「ふむ、ならば、
我はこちらの水溜まりをどうにかしようか?」
「お待ちください。
この水溜まりであれば、このソフィのスキルで
何とか処理できるかと。
このソフィにお任せいただきたい。」
そっか、こんな風にみんなのスキルが早速役に立つとは。
集めてもらった土砂と水は俺の亜空間収納に入れておいた。
家の鍵を開けて、みんなを招き入れた。
奥の広間に座布団を出して、
みんなに座ってもらうことにした。
早速シフォンさんが小さいキッチンで
お茶とお菓子の用意を始めた。
お菓子は貴船さんが買ってきてくれていた、水無月だ。
紅茶はティーポットに葉っぱを入れて、
俺の作った聖水をシフォンさんのスキルでお湯にして
女神様用の聖水紅茶ができた。
俺達用は電気ポットのお湯で指一本だった。
奥の広間には二つのテーブルを広げていた。
奥側に大きめのテーブルを、手前に小さめのを。
奥のは女神様達とココ、貴船さん、シルバと俺用で
手前のはメイドのお姉さん達用だ。
初めは立っていると言って固辞していたが、
これは俺たちの家のスタイルだと言って
なんとか一緒に座ってもらえるようになった。
食事の配膳とか頼めるのは嬉しいけど、
食べる時は一緒がいいという俺の希望を
渋々のんでもらえた。
他の来客がない時だけという条件だったけど。
一息ついていると、貴船さんがタブレットで
ウェブ情報を見て慌て始めた。
「不味いわ、鞍馬君。
町の浸水がひどくなっているみたい。
私心配だから、お母さんのところに
行って来ようかと思うのだけど。」
「いや、この大雨の中を行くのは
やばくないですか?」
確かにこの初夏は雨が少なかったから
水不足が心配だったけど、
こうも急にたくさんの雨が降ると
排水が追いつかなくなったりして
都市機能が麻痺してしまう。
お母さんのことが心配なのは分かるけど、
この雨の中を行かれてしまうと
こっちが心配になってしまう。
「シロミズチ、貴女の力で
この気候を抑えてあげたら
いいんじゃないかしら?」
「ヘスティア様。
そうしたい気持ちはありますが、
気候操作の力は今の我では使えませぬ。
過去のあの姿であれば、可能ですが。」
「だからよ。
さっきのスキルだけど、
早速使ってみてはどうかしら?」
「なるほど、その手がありましたか。
カケル殿と他の皆も聞いてほしい。
これから我は昔の姿に戻って
この気候を抑えることにする。
少し驚かせることになるやもしれぬが、
許して欲しい。
よいだろうか?
では、 時戻し 」
そうシロミズチ様がスキルを口にすると、
部屋の中から消えてしまった。
「久しぶりにシロミズチの
昔の姿を拝めるわね。
カケル君達も外へ
見に行かないかしら?」
そうヘスティア様に誘われて、
家から出てみると、
雨はすっかり止んでいて、
空には晴れ間が広がっていた。
「きれい」
誰ともわからない声がした。
みんな空を見上げて、その声に同意した。
見上げている俺達の家の上には、
真っ白な体の巨大な竜が
ゆったりと浮かんでいた。
目の前の土砂降りの光景に唖然となった。
滝のような雨が猛烈に降っている。
霞がかかっているけど、その先に家の輪郭が
朧げに見えるかどうかの状態だ。
今朝は快晴だったから天気予報チェックするのを
忘れていた。
「あー、やっちまったな。
これじゃあみんなボトボトの
濡れ鼠になっちゃうな。」
「こら、鞍馬君。
女神様がネズミになるわけないでしょ!」
「いや、そう意味じゃなくてですね。・・・」
「カケル君、ここにかけている不可視の聖域を
広げたら、雨も防げていいと思うわよ。」
その手がありましたね、さすが俺の女神様。
不可視の聖域のスキルを使って、
ドローン便のために解放していた天井部分を塞ぐと、
雨は遮断出来たけど、足元は湿地のようになっている。
俺は水上歩行のスキルあるけど、他のみんなはないし、
どうしようかなと思った。
「大丈夫だ、我の力で皆を運ぼう。
向こうに見える四角い箱のようなものを
目掛けていけば良いのだな。」
おおっ、ここにも俺の女神様がいた。
その手もありましたね。
水の上を滑るようにみんなで移動し始めた。
メイドのお姉さん達はシロミズチ様の力に
驚きを隠せないでいる。
ココも目を丸くしているから、
びっくりしているのかな。
元々目が大きいから、さらに可愛くなった感じだ。
シルバは怖いのか俺の足にしがみついている。
そりゃそうか、水の上を勝手にどうしているんだから、
驚くし、怖いよな。
約一名は目を爛々と輝かせていて、危険すぎた。
聖域ドームの上では、雨が滝のように降り続けていて
水族館の水中回廊みたいだ。
そんなことを思っている間に
家の前に滑るように着いた。
家の横の林道が川になっている。
災害レベルの降り方をしているみたいだ。
家の鍵を開けようとした時、
貴船さんが誰かと話を始めていた。
「あ、お母さん。
うん、私は大丈夫。
そう、今もまだお邪魔しているわ。
そうそう、林道が川になってるわ。
大丈夫よ、そんな簡単に
崖崩れとか起きないって。
うんうん、私の事は気にしないで。
そっちはどうなの?
えっ!?、ちょっと浸水してるんだ。
少しだけなんだ。
でも、事務所のビルも高台じゃないから
家のほうがいいと思うわ。
もう閉めちゃったら?
あっそう。
いいなあ、お母さんは4駆だから。
あ、そうそう鞍馬君のネットショップのことで
まだ打ち合わせしたいから、
もう一泊させてもらうわ。
えっ?何言ってるの?
大丈夫に決まってるじゃない。
いいよ、来なくても大丈夫だから、・・・
いや、本当に大丈夫だから来なくていいって。
じゃあ、切るね。大丈夫だって。
じゃあね、切るよ。
ふぅ、もうほんと長いし、
心配性なんだから。
あ、ごめんなさい。
ちょっとうちのお母さんと
話し込んでしまって。
うちのお母さんってすごい心配性で
この大雨でこの辺りが
崖崩れ起こすんじゃないか
とか言って気にしていたわ。
失礼よね、
そんな簡単に起きる訳ないじゃない。」
お姉さんが嫌なフラグを立てたと思った二秒後に、
地響きがして軽自動車の向こうの林道が
崖崩れで綺麗に埋まりました。
フラグの回収、ありがとうございます。
「えっと、とりあえず、家に入りますか。
じゃ、鍵開けます。」
「カケル君、
この崖崩れはこのままでいいの?
見なかったことにしようとしても
何も解決しないわよ。」
「ふむ、ここは我がなんとかしてみようか?」
「シロミズチ様。
ここはこのザラにお任せいただけないでしょうか。
私のスキルで土砂を取り除けると思います。」
「そっか、
ザラさんのスキルで土を動かせる手があったか。
俺からもお願いするよ。」
「ふむ、ならば、
我はこちらの水溜まりをどうにかしようか?」
「お待ちください。
この水溜まりであれば、このソフィのスキルで
何とか処理できるかと。
このソフィにお任せいただきたい。」
そっか、こんな風にみんなのスキルが早速役に立つとは。
集めてもらった土砂と水は俺の亜空間収納に入れておいた。
家の鍵を開けて、みんなを招き入れた。
奥の広間に座布団を出して、
みんなに座ってもらうことにした。
早速シフォンさんが小さいキッチンで
お茶とお菓子の用意を始めた。
お菓子は貴船さんが買ってきてくれていた、水無月だ。
紅茶はティーポットに葉っぱを入れて、
俺の作った聖水をシフォンさんのスキルでお湯にして
女神様用の聖水紅茶ができた。
俺達用は電気ポットのお湯で指一本だった。
奥の広間には二つのテーブルを広げていた。
奥側に大きめのテーブルを、手前に小さめのを。
奥のは女神様達とココ、貴船さん、シルバと俺用で
手前のはメイドのお姉さん達用だ。
初めは立っていると言って固辞していたが、
これは俺たちの家のスタイルだと言って
なんとか一緒に座ってもらえるようになった。
食事の配膳とか頼めるのは嬉しいけど、
食べる時は一緒がいいという俺の希望を
渋々のんでもらえた。
他の来客がない時だけという条件だったけど。
一息ついていると、貴船さんがタブレットで
ウェブ情報を見て慌て始めた。
「不味いわ、鞍馬君。
町の浸水がひどくなっているみたい。
私心配だから、お母さんのところに
行って来ようかと思うのだけど。」
「いや、この大雨の中を行くのは
やばくないですか?」
確かにこの初夏は雨が少なかったから
水不足が心配だったけど、
こうも急にたくさんの雨が降ると
排水が追いつかなくなったりして
都市機能が麻痺してしまう。
お母さんのことが心配なのは分かるけど、
この雨の中を行かれてしまうと
こっちが心配になってしまう。
「シロミズチ、貴女の力で
この気候を抑えてあげたら
いいんじゃないかしら?」
「ヘスティア様。
そうしたい気持ちはありますが、
気候操作の力は今の我では使えませぬ。
過去のあの姿であれば、可能ですが。」
「だからよ。
さっきのスキルだけど、
早速使ってみてはどうかしら?」
「なるほど、その手がありましたか。
カケル殿と他の皆も聞いてほしい。
これから我は昔の姿に戻って
この気候を抑えることにする。
少し驚かせることになるやもしれぬが、
許して欲しい。
よいだろうか?
では、 時戻し 」
そうシロミズチ様がスキルを口にすると、
部屋の中から消えてしまった。
「久しぶりにシロミズチの
昔の姿を拝めるわね。
カケル君達も外へ
見に行かないかしら?」
そうヘスティア様に誘われて、
家から出てみると、
雨はすっかり止んでいて、
空には晴れ間が広がっていた。
「きれい」
誰ともわからない声がした。
みんな空を見上げて、その声に同意した。
見上げている俺達の家の上には、
真っ白な体の巨大な竜が
ゆったりと浮かんでいた。
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