プチ自給自足生活始めたら 何故か異世界の町に繋がった?

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女神様だって寛ぎたい

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 「あ、ヘスティア様、
  降臨されてもよかったのですか?
  お忙しい状況だと思ってましたけど。」

破邪の舞を舞い終えた俺は、
女神様の方を向いて声をおかけした。

 『大丈夫よ。見えているのは
  分霊みたいなものなの。

  それにしても、また舞の美しさに
  磨きがかかったわね。
  私の使徒ですって自慢したいわ。

  桜子は初めて会うわね。
  私はこの神域と向こうの世界の
  女神ヘスティアよ。
  カケル君のことを
  影からずっと見守って
  くれていたことは、
  とても感謝しているわ。

  まだ姿を見せられないけど、
  私よりも深く感謝している存在が
  いるということを伝えておくわね。

  ココは製薬スキルの
  上位化が早まりそうね。
  その調子で精進してね。

  さつきは武器類の目利きが
  なんだか良くなっているけど、
  貴女本来のスキルじゃないから、
  あまり欲張っちゃダメよ。

  ちょっと温泉に浸かって
  のんびりしたいのだけど
  いいかしら?
  みんなで一緒に入らない?
  その方が寛げるのよ。
  カケル君も一緒でもいいわよ。」

 「「ダメ(です)(にゃ)!」」 

女神様も寛ぎたい時があるんだ。
そらそうだよな、
たまにはぐうたらしたいよな。

よし、冷凍ホットケーキあったよな。
あれと蜂蜜、バニラエッセンスで
甘味のおやつ作っとくか。
ヘスティア様は
ミルク単独は苦手って言ってたから、
この前と一緒でチャイでいいか。

あ、あんこもあったよな。
うん、ホットケーキは
2種類のトッピングで
飾りつけるとするか。
 食材加工 のスキルで
ちょっと頑張るかな。

貴船さんが買ってくれていた
女神様用の服が届いていたので、
早速袖を通してくれたようだ。
着心地がいいから着て帰ると
言い出してしまった。

俺が洗濯機に入れようかと思ったら、
笑顔の桜子さんに、
下着もあるからダメですよと言われて
伸ばした手をすぐに引っ込めた。

そ、そんなつもりはないですよ、ええ。
め、女神様の、せ、洗濯物で
喜ぶようなことはないです、多分。

桜子さんは貴船さんに手渡すと、
ランドリーネットに入れて
洗うように指示をしていた。

 『このバニラ風味の蜂蜜がいいわ。
  このチャイも前と同じで
  美味しくできているわね。

  カケル君もいい感じで
  変化しているわね。
  その調子でお願いするわね。

  ふぅ、美味しかったわ。
  温泉にも浸かれて
  いい感じで寛げたわ。

  じゃあ、私はこれで戻るわ。
  
  そうそう、桜子、
  貴女の祈雨の舞も綺麗だったわ。
  私の加護をかけておいたから、
  貴女もこの神域に入る資格と、
  向こうの世界の門を
  潜れるようになったわよ。
  これからもカケル君のこと
  お願いね。』

そういうと、ヘスティア様は
ふわっと少し浮かび上がると
スゥーっと消えていった。

 「カケル、
  チャイのおかわりあったら、
  もう一杯欲しいのにゃ。」

 「ああ、あるよ、
  ちょっと温めるよ。

  桜子さんもいかがですか?」

 「あら、ありがとう。
  私にお気遣いなく。
  そうそう、料理とかは
  遠慮なくさつきを使ってね。

  さつき、
  貴女には鞍馬さんの
  守護者になってもらうわ。
  舞の伝授もあるけど、
  守護者のことも話しておくわ。」

 「あ、明日の朝にも荷物が来るので、
  それまではみんな残る予定です。
  じゃあ、俺はココと調合の続きを
  向こうでやってます。」

それからは、俺とココはキッチンで
調合実験を繰り返した。
貴船さんと桜子さんは
奥の広間にテーブルを置いて
色々と話し込んでいるようだ。

 「これで完成にゃ。」

ころんとした黄緑色の丸い薬が
目の前に現れた。
鑑定すると毒消し丸薬と出ている。

 「ココ、丸薬と液体の薬って
  何が違うんだろ?」

 「丸薬は効果がゆっくりめで
  長く強く効くのにゃ。
  液体はすぐ効くけど
  すぐ切れるのにゃ。
  毒のある魔物と戦う前なら丸薬、
  毒が体に回り出したら液体にゃ。」

成る程、そういう使い分けしてるのか。
だから、どっちも必要になるのか。

感心していると、貴船さんがキッチンに
入ってきた。

 「鞍馬君、ううん、違うわね。
  今からはカケル君と呼ぶわ。
  カケル君も私の事を
  さつき姉さんと呼んでね。

  はい、じゃあ早速呼んでみて。」

変な笑顔で貴船さんが催促してくる。

 「えっ?
  貴船さんじゃダメですか?」

 「だめよ、さっきからお母さんのことは
  名前で呼んでいるのにって言うか、
  他の人はみんな名前で呼んでいるのに
  私だけ苗字って変じゃない?
  私だって名前あるんだから
  呼んで欲しいわ。」

 「そう言われたらそうかも。
  じゃあ、さつきさんで。」

 「いやよ!さつきお姉さん、それか、
  さつき姉ちゃんでもいいわよ」

 「いやいや、どっちも姉要素が
  含まれてるんですけど。
  俺一人っ子なんで
  慣れてないんですけど。」

 「あら、だからいいんじゃない。
  私も一人っ子だから可愛い弟が
  欲しかったのよね。
  ちょうどよかったわ。
  じゃあ、特別にお姉ちゃんって
  呼んでくれてもいいのよ。」

 「ないです、それはないです。
  っていうか、他の人たちに
  説明できないし。」

 「大丈夫よ、本当に親戚なんだから。
  ねっ?いいでしょ?」

うっ、その少し上目使いで
みつめてくるのはずるい。
温泉の匂い以外に甘い香りがして
ドキドキしたのは内緒。

 「じゃ、じゃあ
  さつき姉さんで。」

 「うん、いい響きだわ。
  じゃあこれからもよろしくね。
  カケル君。」

あれ?そう言えば、さつきさんって
何歳なんだろ?割と上に見えるんだけど。

 「ん?今何か失礼なこと考えた?」

 「いえ、なんでもないです。」

危なかった。まるで女神様達と同じく
パスが繋がってるかのようだ。


ちなみに、桜子はギリ49で
さつきはその半分より少し上だ。
年齢は決して四捨五入してはいけない。
いいですね、みなさん。


 「ココさん、
  若返りの薬って
  調合できないかしら?」

ダメだ、この人。欲望が溢れ出してる。
元々長命の獣人族のココは
なんで?って顔している。
不思議そうなその表情がまた可愛い。

やばいな、俺。
気がつくとココに惹かれている。
まあいいかな、可愛いは正義って言うし。

5秒後には桜子さんに引き摺られて
奥の広間に連れて行かれた
さつきさんなのでした。
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