プチ自給自足生活始めたら 何故か異世界の町に繋がった?

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挑戦 水龍を斬れ!

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小天狗師匠、こっちを見つめないでください。

 「流石に一人で討伐するのはキツイかなぁって
  思うんですけど、小天狗師匠。」

 「無理を超えた時に一番成長できるのじゃ。
  当たって砕けるつもりで行ってくるのじゃ。」

 「いや、つもりじゃなくて、
  本当に俺の薙刀が砕けますよ。」

 「カケル、相手が硬いからといって
  斬れぬものではないのじゃ。

  斬れる道筋を見出すのも
  鍛錬なのじゃ。」

尚もぶちぶちという俺をみかねたのか、
水の女神様が助け舟を出してくれた。

 『そうだ、忘れるところであった。
  お前たちがさっきの世界に入るより前に
  神狼が二頭、炎の邪神と戦って、
  大火傷を負っておった。
  私の水石で押し潰す前に保護しておる。

  あれもお前たちの仲間か?
  
  そうか、では、返してやろう。
  火傷は少し治っておるが、
  完治はしておらぬ。
  私の癒しの水は聖水ではないのでな。』

 「あ、聖水なら治してあげられるんでしょうか?」

 『そうだ。
  ほぅ、お前はやはりこちらの女神の使徒か。
  まだまだ修行不足のようだがな。』

そう言いながら、水の女神様は
足元の水石の中から、ぐったりとした神狼達を
掬い上げるように出してくれた。

二頭ともところどころが焼け爛れていた。
どうやら俺が戦う前にあの炎を喰らったようだ。

 「うむ、これは酷いな。
  我の大回復でも良いが、
  カケルの聖水の方が喉の渇きも
  潤せるのじゃ。

  おそらくトラップで飛ばされた先で
  不意打ちでも喰らったのじゃろう。
  そうでなければ、いきなり気配が
  消えたりせんのじゃ。」
  
俺は二頭に向けて 聖水創造 のスキルを使った。
霧状にして体の周りを纏うように出してみた。

二頭の体が綺麗な光の毛並みを取り戻していく。
やがて、輝く瞳を大きく開けて、
俺の方を見つめながら立ち上がって、近寄ってきた。

 「まだ、無理しない方がいいんじゃないのか?」

 『『もう大丈夫です。
   治療に感謝します。
   先の炎の邪神に遅れをとり、
   面目ありません。
   今度こそ共に戦わせてください。』』

そういうことならと、浄化回復もかけてあげて、
一緒に水龍討伐を手伝ってもらおうと思った。

 「うむ、そうじゃな、
  今のカケルであれば、神狼達と一緒に
  戦わねば勝てぬかもしれぬな。
  いいじゃろう、行ってくるのじゃ。」

そう、師匠からお許しを頂いて、
嬉しそうな神狼達と一緒に行くことになった。

ハイパージャンプで飛ぼうと思ったけど、
神狼が乗ってくださいというので、
大きな背中に乗せてもらった。
すごいサラサラしている毛並みだ。
思わず頬擦りしそうになる。
光でできた毛並みって不思議な感じだ。



そんなことを思っている間に、
大きな水の玉の間に飛んできていた。

俺は神狼の大きな背中から飛び降りて、
ハイパージャンプのスキルで浮かぶと、
薙刀を構えて水龍が出てくるのを待った。

少し水の玉に吸い寄せられる感触がした直後、
新幹線サイズの水龍が、まさに新幹線並みの速さで
目の前を通過して行き始めた。

水の鱗の形が見えた気がした。
神狼達が咆哮を放つと、水龍が体をうねらせて、
蛇行し始めた。
頭を回転してこっちに向かってくるつもりのようだ。

望むところだ。
あの鱗の間に刃を通せばいいような気がした。
針の先ほども空いていないような間だろうけど、
ないわけじゃない。

覚悟をした俺に向かって、水龍が突進してきた。
半身の構えから斬ろうと思った途端、
散弾のような細かな水の粒を吐きかけてきた。

鳥肌がたった俺は、即座に避けたが、
足に何発か貰ってしまった。
水のはずなのに、焼けるような痛みが走る。
俺は歯を食いしばって
空中で剛腕の一撃のスキルを使いながら、
鱗の隙間に突き込んだ。

 「グァーッ!!」

という悲鳴が響くと、
水龍は白い水を撒き散らしていた。
これが水龍の血のようなものなのかもしれない。
俺は突き込んだままの体勢から、貫通のスキルと
邪神斬りのスキルを重ね掛けして、横に切り払った。

ググッという手応えの後に再び
水龍の絶叫が周囲に響いた。
動きが鈍ったのを見計らって、
神狼達が飛びかかり、
水龍の喉を食いちぎり始めた。

同じような白い水が周りに飛び散り、
三度絶叫を放った水龍の体は
ボロボロと水の形が崩れていき、
大きな丸い魔石と
白く輝く鱗が飛び散り始めた。

俺は慌てて亜空間収納に全部取り込むと、
神狼達と一緒に、下で見ている小天狗様の元へ
降りていった。

 「うむ、まぁまぁの出来じゃな。
  それ、 大回復 っと。

  カケルは、スキルで勝手に
  治っていくじゃろう。
  
  さて、今の戦いで 見切り が
  いかに重要か、身にしみて分かったかの?
  
  よし、一息ついたらもう一度やるのじゃ。」

えっ?またやるの?
さっきもかなり神狼達に救われたんだけど。

 「分かりました、じゃあ、
  また一緒に行こうか?」

そう、神狼達に声をかけると、
小天狗師匠の扇子で打たれた。

 「何を言っておるのじゃ!
  今度は一人で行くのじゃ!!

  神狼達は他の水龍討伐をするのじゃ。
  ほれ、カケルは行ってサクッと
  倒してくるのじゃ。

  サラスヴァティ、
  水龍をこっちに呼んでくれんか?
  ここにいる猛者達も
  腕が疼いておるようなのじゃ。
  空中ではちと不利なのじゃ。」

 『承知しました、小天狗様。』

水の体の女神様がそう言うと、
大きな水の玉が二つ地上に降りてきた。

 「それ、戦士達よ、
  存分に腕を振るうのじゃ。
  神狼達よ、手助けを頼むのじゃ。」

小天狗様の声に国王陛下も興奮気味に
戦闘準備にかかれと号令を放った。
ダンジョン討伐隊も近衛兵士達も
皆臨戦体勢になって構えていた。

水龍が程なくして飛び出してくると、
神狼達が咆哮で勢いを削いだ。
討伐隊の面々が素晴らしい連携で
連続して斬りかかっていく。

水龍の水の散弾攻撃を近衛兵の大盾が
防いでいる。少し押されているようだけど、
何とか戦えているようだ。

俺はそこまで見学すると、
覚悟を決めて空中に飛び上がり、
空に浮かぶ水の玉の間で
神経を研ぎ澄ませて、呼吸を整えた。

スゥーっと吸い込まれるような気配の後に
さっきとは違う、2本の大きなツノがある
水龍が飛びかかってきた。

最初から俺を狙ってきている。やる気満々だな。

俺は不可視の聖域を大楯サイズにして展開し、
水龍の接近を待ち構えるのだった。
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