無情の電脳傭兵 異世界で再起動する

graypersona

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異界の神

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極北の地底で高濃度の酒を作っていた
闇人族のドヴァンから飲みながら話を
聞いたセブンは一度拠点に戻ることにした。

 「セブン、戻りました~」

 「「「酒くさっ!!!」」」

拠点に戻るや否や全員からブーイングを受け、
セブン用の電脳兵調整ポッドに入り、
洗浄を行うことになった。

 「いや、情報収集の一環だから。
  好きで飲んでるわけじゃないんだけど。。
  そんなに気になるかな?
  甘い香りしかしない気がするんだけど、
  ダメですか、そうですか。。」

嫌がっていたセブンが渋々入ると、
同エリア内にあるアンドロイド調整ポッドでは
サラがカーラの移動調整を始め出した。
何でも運命の女神ノルン様から依頼があったそうだ。

 (巨人族は身体能力だけでなく、
  魔法の威力も桁違いという話だ。
  重くなって機動性落ちるけど、
  パワーアップパーツに換装しておくか。)

ポッド内でセブンは全身のパーツを
速度重視仕様からパワー重視仕様に変更する選択をした。

 「うん、調整は順調ね。
  これならもうすぐカーラの実体化が完了するのだわ。
  セブン、カーラの姿を見たらきっと驚くでしょうね。

  あらっ?移動指示?
  ・・・えっ?起動させずに電脳兵用ポッドへ?
  ・・・そういうことだったのね、ノルン様。」

拠点管理用アンドロイドの調整ポッドから
目覚めていない美女をサラが抱えて
セブンの隣の電脳兵用調整ポッドに移し、
更に電脳兵の調整プログラムでも、
初期起動チュートリアルも走らせ始めた。

ポッド内ではカイと同じく、やや青白い肌の
拠点管理用アンドロイドからサラやパイロと同じ
電脳人という最新型の人造皮膚組織に変化していった。

セブンの調整とカーラの初期起動調整はほぼ同時に完了し、
ポッドのカバーが解放音と共に開いた。

 「うーん、久しぶりの近接戦闘モードだなっと。
  おっ・・・お前は!シグルーン!!」

ポッドを出たセブンは同じく横のポッドから
出てきた相手を見て、すぐさま戦闘態勢に入った。

 「聴覚機能の調整が進行中なのです。
  大きな声を出さないで欲しいのです。
  カーラだと分からないのです?」

 「いやいやいや、どっからどう見ても
  西の街で見た偉そうな戦士の顔なんだけど。
  美少女軍曹は何処行った!?」

3Dホログラムナビゲーターの時は
ガールスカウトのような服装でベレー帽を
ちょこんと乗せている美少女の姿だったのだが、
金髪で薄赤い瞳をしたサラ並みの美女が
素っ裸で悠然と立っていた。

 「セブン!テーブルに戻っていて。
  カーラ、奥で着替えましょう。」

サラに回れ右をされて、ついでに背中も押され
セブンは?マークを頭に浮かべながら
テーブルで待つことにした。


テーブルに付くと、そこには見知らぬ男が
クロと談笑しながらチョコチップクッキーを食べていた。

 「えーっと、始めましてですよね?
  ここで衛兵の仕事についている
  メタルゴーレムのセブンです。」

 「あー、勝手にお邪魔してるよ。
  一応、神の仕事してるロキだ。
  君のことはノルンから聞いているよ。
  電脳兵のセブン。いや、ここじゃ神徒セブンだね。
  
  あー、気にしないで。
  既にここの世界にいるロキとは
  同じだけど同じじゃないから。

  ここの天界はさぁ、文明度に依存してるところもあって
  美味しい甘味とかないんだよね。
  この村だとパイロが作ってくれる出来立てが頂けるから
  しばらくこっそり逗留させて貰おうと思ったわけ。

  何もしないから気にしないで貰えると助かるよ。」

自ら神と名乗り、かつ天翼族やアトランティス帝国を
唆していたという神と同じであって同じではないという。

パイロの出現で事なる並行世界から来る者がいることは
実証済みなので人族ならあり得ることと思っていたが、
神の存在でも起こり得るとは思ってもいなかった。

 「神話の話を再現するのか、自分のいいように
  やろうとしているのかは、この僕にも分からないけれど
  今どこにいるのか位はわかるよ。

  南の氷の大地にいるね。
  気をつけた方がいいよ。
  この世界にはない神器を持ち込んでいるようだから。」

赤い髪でマリンブルーの瞳をした目つきの鋭い美男子の神は
テーブルで紅茶を飲みながら情報を出してくれた。

そこへサラとカーラが戻ってきた。
カーラを見てロキは

 「うん、シグルーンもいるんだね。
  さっき外でヒルドにも会ったし、
  パイロもいるし、これならまず負けはないね。
  いつ神の戦争が始まっても大丈夫だね。」

 「いやいやいや、神の戦争とか始まったら
  この世に生きる者全てが
  大丈夫じゃ無くなりそうなんだけど。
  
  そう言えば、バルキュリヤって何なのでしょうか?」

 「あー彼女達は神々との戦争に参加する戦士だよ。
  その時が来てしまったら、運命の神ノルンの末妹、
  スクルドと共に戦闘に参加することになるね。

  そうそう、スクルドもここに来て
  カラメルソースをのせたアイスを食べたいと
  半泣きになりながら駄々をこねてたよ。
  後でお供えしてあげてくれるかい?」

 「カーラは出来ればその戦いは避けたいのです。」

 「分かっているよ。
  それもあって僕はここに居るんだ。
  僕は悪いけど君たちがいた前の世界より
  この世界の方が気に入っているんだ。
  だから、もう1人の僕を追い出そうと思ってるんだ。

  セブン、その時は力を貸してくれるかい?」

 「はい、微力ながら尽力させて頂きます。」

気負うセブンに複雑な顔をするサラとカーラであった。

  

  
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