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冥界にて
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冥界の闇の中でネルガルは苛立っていた。
冥界を司るタルタロス神の機嫌がよくないからだ。
いや、本当は奥さん(エレシュキガル)の機嫌が
良くないからだ。。
原因は分かっている。
彼の者だ。
「ハーデスはまだ連れて戻らないのかしら?
タルタロス様を待たせるなんて
いい度胸しているのだわ。」
かなりご立腹のご様子だ。
こういう時は肯くだけで
決して軽々しく声を出していけないことを
重々承知しているネルガルは
冥界の苦労人(神?)のようだ。
「いえ、そのような度胸は持ち合わせておりませんよ。
冥界の貴婦人エレシュキガル様。」
石に徹していたネルガルの背後から
ハーデスが見慣れぬ服装の男を連れて現れた。
「随分とのんびりとした捜索をしていたようね、ハーデス。
タルタロス様はご立腹よ。
早急にその元凶を引き渡したほうがいいわよ。」
「はい、今すぐに行ってまいります。
では、失礼。」
「いや、あのちょっと・・・」
何か言いかけたセブンを連れて
ハーデスは冥界のさらなる深淵へ移動した。
冥界の深淵で蠢くものがあった。
冥界の最深部に住うタルタロス神だ。
「・・・・・・・・!」
「はっ!遅くなりましたことお詫び致します。
御命令の通り、先般の件を引き起こしたもの、
異界からの異邦人、セブンを連れてまいりました。
御命令通り、
ここまでは生かして連れて来ておりますが、
如何致しましょうか?
タルタロス様のお手を煩わせるまでもなく、
私の手で死者と化しましょうか?」
「・・・・・・・・!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!
・・・・・・・、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!
・ ・ ・ ・」
「なるほど、そうでございましたか。
それは名案でございますね。
では、早速そのように取り計らいます。」
「・・・・・、・・・・・・・・・・・・・?
・・・・・、・・・・・・・・・・・・・!」
「承知致しました。
では、失礼致します。」
セブンの電子センサーを持ってしても、
タルタロスの声は聞き取れなかったのだが、
ハーデスにはしっかり聞こえていたようだ。
念話の類なのかもしれない。
そう思っていると、またもやハーデスに連れられ
先ほどまでとは異なる冥界に移動したようだ。
何やら物凄い数の亡霊のようなものが犇いており、
呻き声が下手な合唱のような不協和音を奏でているようだ。
「えっ!ここってもしかして地獄の入り口?」
「ほう、理解が良いな。
その通り、ここが冥界の裁きの場だ。
あの亡者達は君が責任を持って裁き給え。
あの席が君の座る場所だ。
生きたままあの席につくものは君が初めてだ。
名誉に思い給え。
さ、しっかり務めを果たしてきたまえ。」
ポンと気軽に背中を押されて座るだけで呪われそうな
異様な文様の浮かぶ椅子に吸い込まれるように着席してしまう、
セブンであった。
「・・・えっ!俺が裁くの?
この仕事ってあの方の仕事じゃないの?」
おろおろするセブンを両脇に立つ、金剛夜叉明王並に怖い顔の
巨人達が目線だけで死にそうな圧をかけて睨んできた。
「あ、最大限に頑張らせていただきます、はい。」
(・・・いいのか?これ!ほんとにいいのか?
ありねぇだろ!閻魔様の代わりとか!」
そんなセブンを亡霊達は恨みのこもった目で睨んでいた。
『そうなの!
冥界の王、ハーデスに連れて行かれてしまったの!!
ビーコンの反応も、電脳からの問いかけにも、
圧縮メッセージにも反応がないの!
どうしたらいいのかもう分からないわ!』
『落ち着いてください、サラ様。
今そちらにパイロ様とカーラ様が向かっておられますので
もう少しすれば到着されます。
お二方と冷静にお話をされれば、きっといい案が浮かびます。
お辛いとは存じますが、今しばらくその場にてお待ちください。』
セブンがハーデスに連れ去られてから、
サラは冷静さを失い、何をしても居場所も連絡もつかないことが、
より一層の不安感を煽り、ボロボロの状態になっていた。
定期連絡をして、サラの異変に気がついたカイが
電脳経由でサラを励ましていたのだ。
パティシエの街の神殿では沈鬱な面持ちの面々がいた。
「さすがに冥界はまずいぞえ。」
「うむ、生きたものがいく場所ではないな。
我らバルキュリヤとともに戦う不死の戦士としてなら
もう一度呼び出してやれるやもしれぬが・・・」
「それではもう、セブンさんは・・・」
「そうであろうな、認めたくないが・・・。」
シヴァ、ブリュンヒルド、蓮が手元のカップを
両手で抱えたままで弱々しい声で話をしていた。
「うーん、あたいの第3の目でも見透せないとは
ヤバイっしょ、これ。」
「きっと何か手立てはあるはずなのです!
諦めなければきっとできるのです!」
「もう、私どうしたらいいのかしら。
私のせいなのに、私が地獄に落ちるべきなのに。」
「サラ様、しっかりするのです!
セブンはこのくらいで死ぬような電脳兵ではないのです!
しぶといのです!」
「そうだよ、きっと大丈夫だよ。」
二人に励まされても立ち上がる事のできないサラは
自責の念で胸が締め付けられる思いであった。
「もう皆まとめて地獄行きでいいんじゃないかな?」
「真面目に裁くのだわ!
誰のせいでこんなに異界の亡者が押し寄せてきていると
思っているのかしら?
この世界の輪廻に入れないものをよくもこんなに
しかも一気に送り込んでくれたわね!
お陰で私たち夫婦までも揃ってこの世界まで
出張する羽目になったのだわ。
しっかり反省するのだわ!!」
「いや、まぁ、そのなんだ。
エレシュキガルの言う通りだ。
やりすぎだよ、セブンとやら。」
「もっと言いようがあるでしょう!
ネルガル!あなたのそう言うところが・・・」
うっかり地雷を踏んだネルガルが
奥さんからマシンガンの連射を浴びて瀕死になってしまった。
「さて、とは言うものの、
しっかりと裁けているようで何より。
少しは冥界の神の苦労も理解してもらえたかな?
あの塊を裁いたら、送っていくよ。
ああ、タルタロス様から言伝があるよ。
金剛夜叉明王に近いうちに顔を見せに来いと
君から伝えておいてくれ給え。
何やら浅からぬ縁があるとか。」
「いやいや、金剛夜叉明王様との縁って
聞いたことないんですけど?」
「何やら昔ヤンチャしてたらしいよ(小声)」
「ヤバイでしょそれ、絶対。
その噂は聞いたことがありますよ。(小声)」
「こことは違う冥界に送られないように
最大限に気をつかって伝言し給え。
私は何も聞いていないことにするよ。(小声)」
「そんな、こうなったら一蓮托生ってことで、
一緒にお願いしますよ。(小声)」
「そこっ!!何をコソコソとしているの!
しっかり働きなさいっ!!」
「「ハイッ!!」」
怒り心頭のエレシュキガル奥様のゲキを受けて、
セブンにつられてハーデスまで返事をしてしまった。
二人で裁いたことで思ったよりも
時間がかからなかったそうです。
セブンがこの世界の輪廻に入っていない命を
一気にしかも大量にこの世界の冥界に送り込んだことが
タルタロス神の怒りにふれたのだそうです。
そう言いつつ、昔ちょっと色々あった金剛夜叉明王と
久方ぶりに会って見たくなったのも理由の一つのようです。
なんでも金剛夜叉明王も生きたままの人間を
冥界の深淵に投げ込みまくったことがあり、
セブンと同じ席に着いたことがあったそうです。
その横にはタルタロス神の血管を浮かべたいい笑顔があったそうです。
ちなみに、この後セブンが印を結んで言伝をすると、
金剛夜叉明王は、絶句した後、
しばらく用事ができたので、こっちの世界には出れなくなった、
お前が代わりに行っといてくれ
と死刑通告のような返事があったとかなかったとか。
その返事をネルガルから聞いて、タルタロス神は
血管を浮かべたいい笑顔をしたそうです。
頑張れ、ネルガル!苦労はきっと報われるはずです。。
冥界を司るタルタロス神の機嫌がよくないからだ。
いや、本当は奥さん(エレシュキガル)の機嫌が
良くないからだ。。
原因は分かっている。
彼の者だ。
「ハーデスはまだ連れて戻らないのかしら?
タルタロス様を待たせるなんて
いい度胸しているのだわ。」
かなりご立腹のご様子だ。
こういう時は肯くだけで
決して軽々しく声を出していけないことを
重々承知しているネルガルは
冥界の苦労人(神?)のようだ。
「いえ、そのような度胸は持ち合わせておりませんよ。
冥界の貴婦人エレシュキガル様。」
石に徹していたネルガルの背後から
ハーデスが見慣れぬ服装の男を連れて現れた。
「随分とのんびりとした捜索をしていたようね、ハーデス。
タルタロス様はご立腹よ。
早急にその元凶を引き渡したほうがいいわよ。」
「はい、今すぐに行ってまいります。
では、失礼。」
「いや、あのちょっと・・・」
何か言いかけたセブンを連れて
ハーデスは冥界のさらなる深淵へ移動した。
冥界の深淵で蠢くものがあった。
冥界の最深部に住うタルタロス神だ。
「・・・・・・・・!」
「はっ!遅くなりましたことお詫び致します。
御命令の通り、先般の件を引き起こしたもの、
異界からの異邦人、セブンを連れてまいりました。
御命令通り、
ここまでは生かして連れて来ておりますが、
如何致しましょうか?
タルタロス様のお手を煩わせるまでもなく、
私の手で死者と化しましょうか?」
「・・・・・・・・!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!
・・・・・・・、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!
・ ・ ・ ・」
「なるほど、そうでございましたか。
それは名案でございますね。
では、早速そのように取り計らいます。」
「・・・・・、・・・・・・・・・・・・・?
・・・・・、・・・・・・・・・・・・・!」
「承知致しました。
では、失礼致します。」
セブンの電子センサーを持ってしても、
タルタロスの声は聞き取れなかったのだが、
ハーデスにはしっかり聞こえていたようだ。
念話の類なのかもしれない。
そう思っていると、またもやハーデスに連れられ
先ほどまでとは異なる冥界に移動したようだ。
何やら物凄い数の亡霊のようなものが犇いており、
呻き声が下手な合唱のような不協和音を奏でているようだ。
「えっ!ここってもしかして地獄の入り口?」
「ほう、理解が良いな。
その通り、ここが冥界の裁きの場だ。
あの亡者達は君が責任を持って裁き給え。
あの席が君の座る場所だ。
生きたままあの席につくものは君が初めてだ。
名誉に思い給え。
さ、しっかり務めを果たしてきたまえ。」
ポンと気軽に背中を押されて座るだけで呪われそうな
異様な文様の浮かぶ椅子に吸い込まれるように着席してしまう、
セブンであった。
「・・・えっ!俺が裁くの?
この仕事ってあの方の仕事じゃないの?」
おろおろするセブンを両脇に立つ、金剛夜叉明王並に怖い顔の
巨人達が目線だけで死にそうな圧をかけて睨んできた。
「あ、最大限に頑張らせていただきます、はい。」
(・・・いいのか?これ!ほんとにいいのか?
ありねぇだろ!閻魔様の代わりとか!」
そんなセブンを亡霊達は恨みのこもった目で睨んでいた。
『そうなの!
冥界の王、ハーデスに連れて行かれてしまったの!!
ビーコンの反応も、電脳からの問いかけにも、
圧縮メッセージにも反応がないの!
どうしたらいいのかもう分からないわ!』
『落ち着いてください、サラ様。
今そちらにパイロ様とカーラ様が向かっておられますので
もう少しすれば到着されます。
お二方と冷静にお話をされれば、きっといい案が浮かびます。
お辛いとは存じますが、今しばらくその場にてお待ちください。』
セブンがハーデスに連れ去られてから、
サラは冷静さを失い、何をしても居場所も連絡もつかないことが、
より一層の不安感を煽り、ボロボロの状態になっていた。
定期連絡をして、サラの異変に気がついたカイが
電脳経由でサラを励ましていたのだ。
パティシエの街の神殿では沈鬱な面持ちの面々がいた。
「さすがに冥界はまずいぞえ。」
「うむ、生きたものがいく場所ではないな。
我らバルキュリヤとともに戦う不死の戦士としてなら
もう一度呼び出してやれるやもしれぬが・・・」
「それではもう、セブンさんは・・・」
「そうであろうな、認めたくないが・・・。」
シヴァ、ブリュンヒルド、蓮が手元のカップを
両手で抱えたままで弱々しい声で話をしていた。
「うーん、あたいの第3の目でも見透せないとは
ヤバイっしょ、これ。」
「きっと何か手立てはあるはずなのです!
諦めなければきっとできるのです!」
「もう、私どうしたらいいのかしら。
私のせいなのに、私が地獄に落ちるべきなのに。」
「サラ様、しっかりするのです!
セブンはこのくらいで死ぬような電脳兵ではないのです!
しぶといのです!」
「そうだよ、きっと大丈夫だよ。」
二人に励まされても立ち上がる事のできないサラは
自責の念で胸が締め付けられる思いであった。
「もう皆まとめて地獄行きでいいんじゃないかな?」
「真面目に裁くのだわ!
誰のせいでこんなに異界の亡者が押し寄せてきていると
思っているのかしら?
この世界の輪廻に入れないものをよくもこんなに
しかも一気に送り込んでくれたわね!
お陰で私たち夫婦までも揃ってこの世界まで
出張する羽目になったのだわ。
しっかり反省するのだわ!!」
「いや、まぁ、そのなんだ。
エレシュキガルの言う通りだ。
やりすぎだよ、セブンとやら。」
「もっと言いようがあるでしょう!
ネルガル!あなたのそう言うところが・・・」
うっかり地雷を踏んだネルガルが
奥さんからマシンガンの連射を浴びて瀕死になってしまった。
「さて、とは言うものの、
しっかりと裁けているようで何より。
少しは冥界の神の苦労も理解してもらえたかな?
あの塊を裁いたら、送っていくよ。
ああ、タルタロス様から言伝があるよ。
金剛夜叉明王に近いうちに顔を見せに来いと
君から伝えておいてくれ給え。
何やら浅からぬ縁があるとか。」
「いやいや、金剛夜叉明王様との縁って
聞いたことないんですけど?」
「何やら昔ヤンチャしてたらしいよ(小声)」
「ヤバイでしょそれ、絶対。
その噂は聞いたことがありますよ。(小声)」
「こことは違う冥界に送られないように
最大限に気をつかって伝言し給え。
私は何も聞いていないことにするよ。(小声)」
「そんな、こうなったら一蓮托生ってことで、
一緒にお願いしますよ。(小声)」
「そこっ!!何をコソコソとしているの!
しっかり働きなさいっ!!」
「「ハイッ!!」」
怒り心頭のエレシュキガル奥様のゲキを受けて、
セブンにつられてハーデスまで返事をしてしまった。
二人で裁いたことで思ったよりも
時間がかからなかったそうです。
セブンがこの世界の輪廻に入っていない命を
一気にしかも大量にこの世界の冥界に送り込んだことが
タルタロス神の怒りにふれたのだそうです。
そう言いつつ、昔ちょっと色々あった金剛夜叉明王と
久方ぶりに会って見たくなったのも理由の一つのようです。
なんでも金剛夜叉明王も生きたままの人間を
冥界の深淵に投げ込みまくったことがあり、
セブンと同じ席に着いたことがあったそうです。
その横にはタルタロス神の血管を浮かべたいい笑顔があったそうです。
ちなみに、この後セブンが印を結んで言伝をすると、
金剛夜叉明王は、絶句した後、
しばらく用事ができたので、こっちの世界には出れなくなった、
お前が代わりに行っといてくれ
と死刑通告のような返事があったとかなかったとか。
その返事をネルガルから聞いて、タルタロス神は
血管を浮かべたいい笑顔をしたそうです。
頑張れ、ネルガル!苦労はきっと報われるはずです。。
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