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覚悟 Another Side
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「あーだるいなぁ。
警備任務って向いてないんだけど。
大体こんな辺鄙な地下にまで来る
もの好きなお客さんいないと思うんだけど。
面倒だなぁ、自分の拠点に戻って
ゴロゴロしたいなぁ。」
全身を武装で覆い尽くされた超硬チタンボディの
電脳傭兵であるセブンは、だらけた態度で
嫌々任務についていた。
このセブンという名はこれまで所属していた第7分隊の
最後の1人となったことでそれまでの名前の記憶を消され、
新たにつけられたものだった。
かなりの激戦だったようでボディの各部の損傷が激しく、
交換するタイミングで電脳内も調整されたと記録されていた。
『セブン!貴様何度言えば分かる!
最重要機密の護衛だぞ!
ここに運び込むまでの激闘まで忘れたとは言わさんぞ!
第七分隊は電脳傭兵のエリート部隊だったんだぞ!
その誇りを見せてみろ!
他のものもよーく聞けっ!
この最重要機密は何としても守り抜け!
守り抜けなかった場合、全員再調整にかけられるものと
覚悟せよ!
分かったら、バグドローンからのどんな情報も
漏らさず収集、同時解析を実行し、敵の侵入を許すな!』
電脳内にキャンキャンとがなり立てる隊長のメッセージが
流れ込んできた。
電脳傭兵全員がうざいなぁ、セブンも気取られるなよと
急いでリンクオフにした状態でひっそりと思っているようだ。
これが不味かったのか、唯一リンクオフにせず
いつもの如く華麗に聞き流していたセブンのリンクに
バグドローンから重力センサー異常のシグナルが入ってきた。
「おいおい、ここ地下5階のジメジメした気持ち悪い倉庫だぜ。
なんで上の宝物庫に行かないんだ?
あっちにはスペースチタンのボディとか武器とか
陳列してあるのに。
ほんともの好きな奴だな。
どれ、どこの傭兵さんか知らないけど、大方ネットワークに
ハッキングして俺達に姿が見えない細工でもしてるんだろうけど、
所詮生身の体だろ?この高速連射で眠ってもらおうかな。」
そう言うと、重力センサーの異常がマークされている
ポイント目掛けてスラスターを全力で吹かせて、
両手の先から高圧縮弾を連射するのだった。
全弾命中どころか、華麗に躱されたことに少しショックを受けた。
しかも、直前にあれだけあったコンテナボックスが一瞬で掻き消えたことも、
異常な状況であり、普通ではない相手だと思い知るのだった。
「チッ!ステルスモードかよ!
しかも、移動の速さは電脳兵並みじゃねえか。
重力変位センサーで位置は分かっても
追いつけなかったら当たりゃあしねぇな。」
接近戦しかないと決めて追いすがってゆく。
プロフェッサーの攻撃を受けた瞬間を狙って
両腕のブレードで切り掛かった。
「とった!
なにっ!!」
斬れたと思った瞬間、ありえないことに両腕のブレードが
綺麗に切り落とされていた。
ならば、電磁砲をと思った瞬間、反応炉が急停止し、
システムダウンしたのだった。
「セブン隊員、再起動したでしょ?
早急に追跡行動に移ることをお勧めするわ。」
チカチカと点滅しまくっている電子眼を認識し始めたと同時に、
何となく記憶の片隅に見覚えがあるようなないような綺麗な
女性の研究員に声をかけられた。
「再起動のサポートしてくれたんですかね?
どうもありがとうって、あんた、
両手両足折れてんじゃねえのか?」
「私たち研究サポート用の電脳アンドロイドは
動作は遅くても耐久力だけはあるから問題ないのだわ。
両腕のブレードを交換してから追跡任務に就くことを
お勧めするわ。」
「ああ、それは意味がないと思うよ。
電磁砲だけ背負って行くよ。じゃ。」
軽く挨拶して高速移動していくセブンの後ろ姿を
見送ると、無残な姿になった紗良はその場に頽れていった。
必死の捜索にも関わらず、侵入者の逃走の痕跡すら見つけられなかった。
その時歩哨についていた10人の電脳傭兵は全員がボディ換装の実験に
投入される処分が下った。
歪んだ笑みを浮かべたプロフェッサーは紗良に
セブンのボディ換装実験を実行するように命じたのだった。
その目の奥にさらに深い闇を秘めながら。
その世界のセブンと紗良の結末は、
今のセブンたちの知るものと同じではなかった。
圧縮メッセージ内に仕込まれたプログラムで
10人の実験体の傭兵たちは全員が暴走し、
電脳が焼き切れるまでに様々なデータを残してスクラップになっていった。
スペースチタン素材のみは回収され、別の戦闘機体に流用されたのだった。
紗良はその実験の後、極地へ異動を命じられていた。
自責の念に押し潰されそうになりながら
稼働限界時間まで極地で研究員として動き続け、
限界に達した時、静かにその動きを止めたのだという。
この拠点が謎の大爆発で消失したのは、紗良が活動停止したのと同時であったという。
その攻撃はまるで静止衛星軌道上から惑星調査団が使うプラネットブレーカーで
地下に広がる拠点の全てを圧し潰すような破壊力であったという。
警備任務って向いてないんだけど。
大体こんな辺鄙な地下にまで来る
もの好きなお客さんいないと思うんだけど。
面倒だなぁ、自分の拠点に戻って
ゴロゴロしたいなぁ。」
全身を武装で覆い尽くされた超硬チタンボディの
電脳傭兵であるセブンは、だらけた態度で
嫌々任務についていた。
このセブンという名はこれまで所属していた第7分隊の
最後の1人となったことでそれまでの名前の記憶を消され、
新たにつけられたものだった。
かなりの激戦だったようでボディの各部の損傷が激しく、
交換するタイミングで電脳内も調整されたと記録されていた。
『セブン!貴様何度言えば分かる!
最重要機密の護衛だぞ!
ここに運び込むまでの激闘まで忘れたとは言わさんぞ!
第七分隊は電脳傭兵のエリート部隊だったんだぞ!
その誇りを見せてみろ!
他のものもよーく聞けっ!
この最重要機密は何としても守り抜け!
守り抜けなかった場合、全員再調整にかけられるものと
覚悟せよ!
分かったら、バグドローンからのどんな情報も
漏らさず収集、同時解析を実行し、敵の侵入を許すな!』
電脳内にキャンキャンとがなり立てる隊長のメッセージが
流れ込んできた。
電脳傭兵全員がうざいなぁ、セブンも気取られるなよと
急いでリンクオフにした状態でひっそりと思っているようだ。
これが不味かったのか、唯一リンクオフにせず
いつもの如く華麗に聞き流していたセブンのリンクに
バグドローンから重力センサー異常のシグナルが入ってきた。
「おいおい、ここ地下5階のジメジメした気持ち悪い倉庫だぜ。
なんで上の宝物庫に行かないんだ?
あっちにはスペースチタンのボディとか武器とか
陳列してあるのに。
ほんともの好きな奴だな。
どれ、どこの傭兵さんか知らないけど、大方ネットワークに
ハッキングして俺達に姿が見えない細工でもしてるんだろうけど、
所詮生身の体だろ?この高速連射で眠ってもらおうかな。」
そう言うと、重力センサーの異常がマークされている
ポイント目掛けてスラスターを全力で吹かせて、
両手の先から高圧縮弾を連射するのだった。
全弾命中どころか、華麗に躱されたことに少しショックを受けた。
しかも、直前にあれだけあったコンテナボックスが一瞬で掻き消えたことも、
異常な状況であり、普通ではない相手だと思い知るのだった。
「チッ!ステルスモードかよ!
しかも、移動の速さは電脳兵並みじゃねえか。
重力変位センサーで位置は分かっても
追いつけなかったら当たりゃあしねぇな。」
接近戦しかないと決めて追いすがってゆく。
プロフェッサーの攻撃を受けた瞬間を狙って
両腕のブレードで切り掛かった。
「とった!
なにっ!!」
斬れたと思った瞬間、ありえないことに両腕のブレードが
綺麗に切り落とされていた。
ならば、電磁砲をと思った瞬間、反応炉が急停止し、
システムダウンしたのだった。
「セブン隊員、再起動したでしょ?
早急に追跡行動に移ることをお勧めするわ。」
チカチカと点滅しまくっている電子眼を認識し始めたと同時に、
何となく記憶の片隅に見覚えがあるようなないような綺麗な
女性の研究員に声をかけられた。
「再起動のサポートしてくれたんですかね?
どうもありがとうって、あんた、
両手両足折れてんじゃねえのか?」
「私たち研究サポート用の電脳アンドロイドは
動作は遅くても耐久力だけはあるから問題ないのだわ。
両腕のブレードを交換してから追跡任務に就くことを
お勧めするわ。」
「ああ、それは意味がないと思うよ。
電磁砲だけ背負って行くよ。じゃ。」
軽く挨拶して高速移動していくセブンの後ろ姿を
見送ると、無残な姿になった紗良はその場に頽れていった。
必死の捜索にも関わらず、侵入者の逃走の痕跡すら見つけられなかった。
その時歩哨についていた10人の電脳傭兵は全員がボディ換装の実験に
投入される処分が下った。
歪んだ笑みを浮かべたプロフェッサーは紗良に
セブンのボディ換装実験を実行するように命じたのだった。
その目の奥にさらに深い闇を秘めながら。
その世界のセブンと紗良の結末は、
今のセブンたちの知るものと同じではなかった。
圧縮メッセージ内に仕込まれたプログラムで
10人の実験体の傭兵たちは全員が暴走し、
電脳が焼き切れるまでに様々なデータを残してスクラップになっていった。
スペースチタン素材のみは回収され、別の戦闘機体に流用されたのだった。
紗良はその実験の後、極地へ異動を命じられていた。
自責の念に押し潰されそうになりながら
稼働限界時間まで極地で研究員として動き続け、
限界に達した時、静かにその動きを止めたのだという。
この拠点が謎の大爆発で消失したのは、紗良が活動停止したのと同時であったという。
その攻撃はまるで静止衛星軌道上から惑星調査団が使うプラネットブレーカーで
地下に広がる拠点の全てを圧し潰すような破壊力であったという。
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