17 / 20
二章 望む来訪者、望まぬ来訪者
※十七話 ワガママ
しおりを挟む
ズルズルズル……
髪を乱暴に掴まれ、門へと連れて行かれる。
運動会で引かれる白線みたいに、地面に血の線が描かれる。
もう痛みは感じない。
痛すぎて感覚が麻痺してるのだろう。
「おいベラ!! こいつを治癒しろ!!」
髪を掴んでいた手を放し、乱暴に、俺をベラに差し出した。
「ちょっと、やりすぎよ……完全には治らないわ、これ」
口に手を当て、ベラが異物を見る目で俺を見た。
血まみれの俺は、高貴な生活をしてきたこいつにはさぞかし醜く見えるだろう。
「別にいいだろ。状態については指摘されてない。生きてさえすればいいんじゃねぇか?」
「まぁ、そうね。こいつを捕える目的は存在の隠蔽という目的が大きいだろうし、構わないでしょう」
存在の隠蔽。
それがこいつらの目的か。
俺の存在はバン王国の歴史にとって都合が悪い。それは確かだ。
俺がこの世界に来てから、まだそこまで日は経ってない。
こいつらの力なら、十分俺の存在を揉み消せる。
「よし、それじゃあトウゴ様、懐かしのバン王国へ帰ろうぜ。まぁお前はこれから牢で暮らすわけだがな。ベラ、こいつを一度気絶させる。意識が飛んだら治癒しろ」
「分かったわ。早くしないと、こいつ死ぬわよ」
「……まぁ、て」
意識が朦朧とする。
血痰が口の中に広がり、血の不快な味と痰が絡まり上手く発音が出来ない。
でも、最後に確かめることがある。
「約束は、守れ。ソワン、言ったろ。おれを捕まえたら……ハァ、この村に、手をだすな」
やっとの思いで最後の望みを言い切る。
こいつと約束したことだ。
俺を捕まえたら手は出さない。これが約束だ。
破れば剣士ソワンの名に傷がつく。
そう脅し文句も言った。
だから、約束は守られる筈。
「……ああ、そうだった。約束だったな。分かった、この村には手を出さない。約束だ」
ソワンはポス、と俺の肩に手を置く。
「この剣でレザンス村を脅かすことはもうしないよ。トウゴ様、約束する」
良かった。
約束はちゃんと守ってくれるようだ。
これで、あいつらは自由だ。
やっとマノンは解放される。
普通の女の子らしい生活をして、幸せに生きられる。
これで――――
「俺は手を出さない。お・れ・は――な」
「っえっ?」
俺は。
オレハ。
ソワンは何故かこの二文字を強調した。
「この村に、もう手を出さないんだろ……頼むぞ、ソワン」
「俺は手を出さない。俺は誠実な剣士だ! 一度決めた約束は破らないさ」
オレハ。
まただ。またその三文字を強調した。
「ハァ、ハァッ……これでこの村は、レザンス村はお前らバン王国と無関係だ。リーフェン鉱石は他の国をあたれ」
やっとだ。
やっと関係が切れた。
長かった支配がようやく終わる。
この村に夜明けが――
「これからもこの村にはリーフェン鉱石を輸出してもらう。この村は俺達にとって大切な村だ!! 共に頑張ろう」
「え」
「俺は手を出さない。あくまで俺はな? ソワンという人間は直接この村に手を出さない。約束だもんな。でも、バン王国がこの村に手を出さない、なんて約束してないもんな? な、トウゴ様?」
「 」
「あ、それと輸出にあたって条件をもう一つ追加する。これからこの村に支援する食糧の量を減らす」
「 」
「理由は分かるよな? お前を庇ったからだよ。村ぐるみでお前を庇ったんだよな? そりゃあ駄目だろう。重罪だ」
「 」
「でも恨まないでくれ。全てはお前と、この村の人間が起こしたことだ。なるべくしてこうなった。だから仕方ねぇよ」
「 」
ソワンはポン、と再び肩に手を置いた。
その手はしだいに、カタカタと震え始めた。
「……ブッ……ククッ……ブフッ……ハハハハハッッッッ!!!!」
「 」
「そうか、言葉が出ないか!!! クハハハッ……あー、最初からこれが見たかった。お前の絶望しきった顔。やっと見せてくれた」
「……何を」
「だいたいお前さぁ、馬鹿すぎるんだよ。約束ってのは勝ったほうが条件を提示するんだ。お前が捕まったら村に手を出すな? 守るわけねーだろバーカ」
「……この村には手を出すな。この村には手を出すな。この村には手を出すな」
「ハハ、無理無理。支配はゾッコー。それにお前のせいで食糧が減る。つまり前より支配は強まる」
「止めろ」
「止めない。お前のやってきたこと、全部無駄だったなぁ。お前の魔法を見た時、お前はそれなりに努力したんだろうなと思ったんだ。この村の為に必死こいて努力したんだよな」
嬉しそうにソワンは話し続ける。
「だから、全部壊したくなったんだ。マノンだっけ? そいつの面倒も見てやるよ。牢にいるお前に報告してやる」
恐れていたことが起きた。
約束を破り、支配を続ける。
今まで俺がやって来たことが全て無駄になる。
マノン。残されたあの子はどうなる。
「ふざ、けるな。ふざけるな、ふざけるな……!!」
「マノンが痩せていく所を報告してやろうか? お望みとあらば――」
「ああああああああああああああッ!!! 殺す、殺す、殺してやる!!! 殺す殺す殺す殺す殺す!!!!」
疲労、痛みのピークを越えた俺は、気づけば信じられないくらいの大声を出していた。
痩せていく所。
こいつらは何故、こんな恐ろしい言葉を平然と口にできる?
「許さない許さない許さない許さない殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す」
「おー、怖い怖い。狂気に満ちてるな」
「許さない許さない許さない」
「そんなこと言って何になるんだよ。悔しかったら行動で示せ」
「ああああああああああああああッ!!」
身体は依然として動かない。
涙と血でグチャグチャになった体はちっとも動いてくれない。
「動け、動けよ……」
意識を保つことで精一杯なのだから、身体は当然動かない。
ソワンに罵詈雑言を浴びせる。
六宮冬悟にはそれしか抵抗する手段が無い。
弱い六宮冬悟にはそんな情けない選択肢しか残されていない。
「何で、こんなことができるんだよ……何で、何で、何で……何でだよ!! おい、ベラ!! 何とか言えよッッ!!」
「ププッ」
ベラは血まみれで泣きながら必死に叫ぶ俺を見て、呆れ混じりに笑った。
「質問を返すようで悪いけど、あんたこそ何でこんな村の為にそこまでするの? バン王国の国王として豊かな生活が出来たのに。何不自由ない生活が出来たのに」
「お前らみたいなクズとはやってけないと思ったからだ……今はお前に聞いてるんだよベラ……なんでこんなことができるんだよ!!」
「別に理由なんてないわよ。少なくとも私は、他人にそこまで気を配る余裕はない。でも、あんたよりは正しい道を生きてると思ってるわよ」
正しい道――?
今こいつは正しい道って言ったのか?
他人にあれだけ苦しい道を強いて、それが正しいと言うつもりなのか?
「じゃあ言ってみろよ……お前の何処が正しいのか、言ってみろよ――!!」
「大きな声出さないで。あんたは自分のしたことが正しいと思ってるわけ?」
「……お前らよりは正しいことをしたと思ってるよ。だから、質問に答えろって。お前のどこが正しい道か――」
「威勢だけで物事は上手くいかない。それを見抜けてないあんたより正しいって言ってるの。あんた、自分の間違いに気づけてないみたいね」
「 」
「冷静にあんたのしたことを分析してみなさい。この村にあんたがしたことを」
「俺がこの村にしたこと」
「そう。まずあんたは力があるからってこの村を庇った。100Lvの力とか言って、他人から貰った力でこの村を庇った。そして油断していたら能力を失った。次にあんたがとった行動」
ベラは淡々と俺を分析し始めた。
「能力を失ったあんたはこの村に向かった。自分がこの村にとってどれだけお荷物になるかも考えずに。そして、この村で優しい言葉をかけられたんでしょ? この村の人間はそうするしかないからね。それであんたは修行でもしたんでしょう? 勝てる筈もないのにこの村に留まって修行して、結果はどうなったかしら」
「…………あ」
「気づいた? あんたがこの村にもたらしたものは、更に厳しい支配の口実だけ。あんたがこの村に行かなければ、まだ何とかこの村の人間はマトモな生活を続けられた。でも、これからはどうなると思う? 食糧を減らされて、マトモな生活できるかしら?」
「……マノン」
「そう、マノンって子も、あんたが来ないほうが幸せだったんじゃない?」
「――――」
俺が来ないほうが幸せ。
考えなかったわけじゃない。
でも、そんなことないと俺は信じてきた。
能力を奪われたあの日、あの笑顔を疑うことはやめたんだ。
でも、事実としてそうかもしれない。
いや、きっとそうだ。ベラの言う通りだ。
「あ、はは。あはははは」
笑うことしかできなかった。
自分の惨めさを隠すために、俺は笑った。
おかしくなったふりをして。
「マノン……本当にごめん……ごめんなさい、ごめんなさい」
ギュッ。
突然、後ろから誰かに抱きつかれた。
甘い匂いがする。
靡いた髪の毛先が目に映る。
ミントグリーンの髪色。
「マノン」
「トウゴ様が来ないほうが良かった。そんなわけないじゃないですか。私がトウゴ様を想う気持ちなんて、他の誰にも分かりません。私だけが私の気持ちを知っているんですから」
「離れてくれマノン。血がついたらいけない。……もういいんだ。俺は――」
「駄目です。……トウゴ様、私のワガママを聞いてください。私のことを少しでも想ってくれるなら、私のワガママを聞いてください」
髪を乱暴に掴まれ、門へと連れて行かれる。
運動会で引かれる白線みたいに、地面に血の線が描かれる。
もう痛みは感じない。
痛すぎて感覚が麻痺してるのだろう。
「おいベラ!! こいつを治癒しろ!!」
髪を掴んでいた手を放し、乱暴に、俺をベラに差し出した。
「ちょっと、やりすぎよ……完全には治らないわ、これ」
口に手を当て、ベラが異物を見る目で俺を見た。
血まみれの俺は、高貴な生活をしてきたこいつにはさぞかし醜く見えるだろう。
「別にいいだろ。状態については指摘されてない。生きてさえすればいいんじゃねぇか?」
「まぁ、そうね。こいつを捕える目的は存在の隠蔽という目的が大きいだろうし、構わないでしょう」
存在の隠蔽。
それがこいつらの目的か。
俺の存在はバン王国の歴史にとって都合が悪い。それは確かだ。
俺がこの世界に来てから、まだそこまで日は経ってない。
こいつらの力なら、十分俺の存在を揉み消せる。
「よし、それじゃあトウゴ様、懐かしのバン王国へ帰ろうぜ。まぁお前はこれから牢で暮らすわけだがな。ベラ、こいつを一度気絶させる。意識が飛んだら治癒しろ」
「分かったわ。早くしないと、こいつ死ぬわよ」
「……まぁ、て」
意識が朦朧とする。
血痰が口の中に広がり、血の不快な味と痰が絡まり上手く発音が出来ない。
でも、最後に確かめることがある。
「約束は、守れ。ソワン、言ったろ。おれを捕まえたら……ハァ、この村に、手をだすな」
やっとの思いで最後の望みを言い切る。
こいつと約束したことだ。
俺を捕まえたら手は出さない。これが約束だ。
破れば剣士ソワンの名に傷がつく。
そう脅し文句も言った。
だから、約束は守られる筈。
「……ああ、そうだった。約束だったな。分かった、この村には手を出さない。約束だ」
ソワンはポス、と俺の肩に手を置く。
「この剣でレザンス村を脅かすことはもうしないよ。トウゴ様、約束する」
良かった。
約束はちゃんと守ってくれるようだ。
これで、あいつらは自由だ。
やっとマノンは解放される。
普通の女の子らしい生活をして、幸せに生きられる。
これで――――
「俺は手を出さない。お・れ・は――な」
「っえっ?」
俺は。
オレハ。
ソワンは何故かこの二文字を強調した。
「この村に、もう手を出さないんだろ……頼むぞ、ソワン」
「俺は手を出さない。俺は誠実な剣士だ! 一度決めた約束は破らないさ」
オレハ。
まただ。またその三文字を強調した。
「ハァ、ハァッ……これでこの村は、レザンス村はお前らバン王国と無関係だ。リーフェン鉱石は他の国をあたれ」
やっとだ。
やっと関係が切れた。
長かった支配がようやく終わる。
この村に夜明けが――
「これからもこの村にはリーフェン鉱石を輸出してもらう。この村は俺達にとって大切な村だ!! 共に頑張ろう」
「え」
「俺は手を出さない。あくまで俺はな? ソワンという人間は直接この村に手を出さない。約束だもんな。でも、バン王国がこの村に手を出さない、なんて約束してないもんな? な、トウゴ様?」
「 」
「あ、それと輸出にあたって条件をもう一つ追加する。これからこの村に支援する食糧の量を減らす」
「 」
「理由は分かるよな? お前を庇ったからだよ。村ぐるみでお前を庇ったんだよな? そりゃあ駄目だろう。重罪だ」
「 」
「でも恨まないでくれ。全てはお前と、この村の人間が起こしたことだ。なるべくしてこうなった。だから仕方ねぇよ」
「 」
ソワンはポン、と再び肩に手を置いた。
その手はしだいに、カタカタと震え始めた。
「……ブッ……ククッ……ブフッ……ハハハハハッッッッ!!!!」
「 」
「そうか、言葉が出ないか!!! クハハハッ……あー、最初からこれが見たかった。お前の絶望しきった顔。やっと見せてくれた」
「……何を」
「だいたいお前さぁ、馬鹿すぎるんだよ。約束ってのは勝ったほうが条件を提示するんだ。お前が捕まったら村に手を出すな? 守るわけねーだろバーカ」
「……この村には手を出すな。この村には手を出すな。この村には手を出すな」
「ハハ、無理無理。支配はゾッコー。それにお前のせいで食糧が減る。つまり前より支配は強まる」
「止めろ」
「止めない。お前のやってきたこと、全部無駄だったなぁ。お前の魔法を見た時、お前はそれなりに努力したんだろうなと思ったんだ。この村の為に必死こいて努力したんだよな」
嬉しそうにソワンは話し続ける。
「だから、全部壊したくなったんだ。マノンだっけ? そいつの面倒も見てやるよ。牢にいるお前に報告してやる」
恐れていたことが起きた。
約束を破り、支配を続ける。
今まで俺がやって来たことが全て無駄になる。
マノン。残されたあの子はどうなる。
「ふざ、けるな。ふざけるな、ふざけるな……!!」
「マノンが痩せていく所を報告してやろうか? お望みとあらば――」
「ああああああああああああああッ!!! 殺す、殺す、殺してやる!!! 殺す殺す殺す殺す殺す!!!!」
疲労、痛みのピークを越えた俺は、気づけば信じられないくらいの大声を出していた。
痩せていく所。
こいつらは何故、こんな恐ろしい言葉を平然と口にできる?
「許さない許さない許さない許さない殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す」
「おー、怖い怖い。狂気に満ちてるな」
「許さない許さない許さない」
「そんなこと言って何になるんだよ。悔しかったら行動で示せ」
「ああああああああああああああッ!!」
身体は依然として動かない。
涙と血でグチャグチャになった体はちっとも動いてくれない。
「動け、動けよ……」
意識を保つことで精一杯なのだから、身体は当然動かない。
ソワンに罵詈雑言を浴びせる。
六宮冬悟にはそれしか抵抗する手段が無い。
弱い六宮冬悟にはそんな情けない選択肢しか残されていない。
「何で、こんなことができるんだよ……何で、何で、何で……何でだよ!! おい、ベラ!! 何とか言えよッッ!!」
「ププッ」
ベラは血まみれで泣きながら必死に叫ぶ俺を見て、呆れ混じりに笑った。
「質問を返すようで悪いけど、あんたこそ何でこんな村の為にそこまでするの? バン王国の国王として豊かな生活が出来たのに。何不自由ない生活が出来たのに」
「お前らみたいなクズとはやってけないと思ったからだ……今はお前に聞いてるんだよベラ……なんでこんなことができるんだよ!!」
「別に理由なんてないわよ。少なくとも私は、他人にそこまで気を配る余裕はない。でも、あんたよりは正しい道を生きてると思ってるわよ」
正しい道――?
今こいつは正しい道って言ったのか?
他人にあれだけ苦しい道を強いて、それが正しいと言うつもりなのか?
「じゃあ言ってみろよ……お前の何処が正しいのか、言ってみろよ――!!」
「大きな声出さないで。あんたは自分のしたことが正しいと思ってるわけ?」
「……お前らよりは正しいことをしたと思ってるよ。だから、質問に答えろって。お前のどこが正しい道か――」
「威勢だけで物事は上手くいかない。それを見抜けてないあんたより正しいって言ってるの。あんた、自分の間違いに気づけてないみたいね」
「 」
「冷静にあんたのしたことを分析してみなさい。この村にあんたがしたことを」
「俺がこの村にしたこと」
「そう。まずあんたは力があるからってこの村を庇った。100Lvの力とか言って、他人から貰った力でこの村を庇った。そして油断していたら能力を失った。次にあんたがとった行動」
ベラは淡々と俺を分析し始めた。
「能力を失ったあんたはこの村に向かった。自分がこの村にとってどれだけお荷物になるかも考えずに。そして、この村で優しい言葉をかけられたんでしょ? この村の人間はそうするしかないからね。それであんたは修行でもしたんでしょう? 勝てる筈もないのにこの村に留まって修行して、結果はどうなったかしら」
「…………あ」
「気づいた? あんたがこの村にもたらしたものは、更に厳しい支配の口実だけ。あんたがこの村に行かなければ、まだ何とかこの村の人間はマトモな生活を続けられた。でも、これからはどうなると思う? 食糧を減らされて、マトモな生活できるかしら?」
「……マノン」
「そう、マノンって子も、あんたが来ないほうが幸せだったんじゃない?」
「――――」
俺が来ないほうが幸せ。
考えなかったわけじゃない。
でも、そんなことないと俺は信じてきた。
能力を奪われたあの日、あの笑顔を疑うことはやめたんだ。
でも、事実としてそうかもしれない。
いや、きっとそうだ。ベラの言う通りだ。
「あ、はは。あはははは」
笑うことしかできなかった。
自分の惨めさを隠すために、俺は笑った。
おかしくなったふりをして。
「マノン……本当にごめん……ごめんなさい、ごめんなさい」
ギュッ。
突然、後ろから誰かに抱きつかれた。
甘い匂いがする。
靡いた髪の毛先が目に映る。
ミントグリーンの髪色。
「マノン」
「トウゴ様が来ないほうが良かった。そんなわけないじゃないですか。私がトウゴ様を想う気持ちなんて、他の誰にも分かりません。私だけが私の気持ちを知っているんですから」
「離れてくれマノン。血がついたらいけない。……もういいんだ。俺は――」
「駄目です。……トウゴ様、私のワガママを聞いてください。私のことを少しでも想ってくれるなら、私のワガママを聞いてください」
0
あなたにおすすめの小説
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
追放された味噌カス第7王子の異種族たちと,のんびり辺境地開発
ハーフのクロエ
ファンタジー
アテナ王国の末っ子の第7王子に産まれたルーファスは魔力が0で無能者と言われ、大陸の妖精族や亜人やモンスターの多い大陸から離れた無人島に追放される。だが前世は万能スキル持ちで魔王を倒し英雄と呼ばれていたのを隠し生まれ変わってスローライフを送る為に無能者を装っていたのだ。そんなルーファスはスローライフを送るつもりが、無人島には人間族以外の種族の独自に進化した先住民がおり、周りの人たちが勝手に動いて気が付けば豊かで平和な強国を起こしていく物語です。
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※不定期更新。
※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。
異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。
もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。
異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。
ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。
残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、
同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、
追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、
清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……
嵌められたオッサン冒険者、Sランクモンスター(幼体)に懐かれたので、その力で復讐しようと思います
ゆさま
ファンタジー
ベテランオッサン冒険者が、美少女パーティーにオヤジ狩りの標的にされてしまった。生死の境をさまよっていたら、Sランクモンスターに懐かれて……。
懐いたモンスターが成長し、美女に擬態できるようになって迫ってきます。どうするオッサン!?
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる